***************************** 西村ちなみメールマガジン第142号(2007年8月27日発行) 「海外視察を終えて」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 先週月曜日まで、民主党NGO海外活動推進議員連盟の視察でミャンマーとカンボジアを訪問してきました。議連の代表をつとめる岡田克也議員、メンバーの原口一博議員、小宮山洋子議員、そして事務局長の私というメンバーです。私にとっては両国とも12年ぶりの訪問でした。ミャンマーではさほど感じませんでしたが、カンボジアでは街の様子が大きく変わっており、その変貌ぶりは目を見張るものがありました。 現地で展開されている日本のNGO活動を視察し、今後の日本の国際協力や活動促進のための政策立案に生かすことが、今回の訪問の目的です。ミャンマーとカンボジアのいずれにおいても、大使館員とNGO関係者が良好な関係を築き協力して「草の根支援」や「NGO支援無償支援」を実施していることが分かりました。とはいえ、数年前にムネオ疑惑で表出したような癒着が発生してはなりません。情報公開などを進めながら、NGOの皆さんが目的遂行のために活動に専心できるよう、仕組みづくりが必要だと考えます。 ミャンマーもカンボジアも国情がそれぞれ異なります。軍事政権のイメージと、内戦のイメージが、それぞれ強い両国ですが、国民は非常に友好的かつ親日的で、旅行中に嫌な思いをすることは一度もありませんでした。そういった国で、高い乳幼児死亡率、子どもの人身売買、スラム問題などが発生しているのは、本当に胸が痛みます。 NGOの現場などでがんばっている日本人の多くは、女性でした。土地の言葉を操り、明るく前向きに、現地の人たちと交流しつつ仕事に取り組む姿に、心から敬意をもちます。しかし彼ら彼女らのペイはさほど良くありません。今や重要な働きをしているNGOワーカーが、活動の種類や分野を超えて大同団結し、市民社会の形成に力を尽くしてくれることも期待しています。
メールマガジン
第141号「短い夏休み」(2007年8月13日発行)
***************************** 西村ちなみメールマガジン第141号(2007年8月13日発行) 「短い夏休み」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 お盆休みに入っておられる方も多いと思います。皆様いかがお過ごしでしょうか。私は明日、議連の視察でミャンマーとカンボジアへ出発します。日本のNGOがODAの無償支援を使って実施している活動など現地での活動を実際に見聞してくることが目的で、過密ともいえる充実したスケジュールとなりました。両国を訪問するのは12年ぶりですので、国情の変化などを見るのを今から心待ちにしているのですが、1週間を海外で過ごすのはなかなか大変です。その準備でばたばた過ごしており、お盆のお墓参りも慌ただしく済ませなければなりませんでした。 先週は参議院選挙後の臨時国会が開会されました。参議院で第1党となった民主党から江田五月さんが議長に選出されたのは喜ばしい限りです。公平な議会運営が期待されますし、江田さんならば必ずその重責を果たしてくださるものと確信します。秋の臨時国会に向けて民主党の体制も整いつつあり、新たな参議院の役職も決まりました。いよいよ充実した国会運営が行なわれるものと期待しています。 短い夏休みですが、しっかりと次の国会に向けた準備を行い、「参議院選挙で民主党を勝たせて良かった、次の総選挙も民主党を勝たせよう」と思っていただけるような国会運営にしたいと考えています。それでは皆様よいお盆休みをお過ごしください。また来週お目にかかります。
第140号「一票の重みは海外からも」(2007年8月6日発行)
***************************** 西村ちなみメールマガジン第140号(2007年8月6日発行) 「一票の重みは海外からも」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 暑中お見舞い申し上げます。今日は広島に原爆投下された日。炎天下で追悼式が開催されていることでしょう。式に参加しておられる被爆者の方々、ご遺族の方々が高齢化しておられるのが気になります。暑さで参加者の体力が心配です。 さていささか古い話題となりましたが、私は先月、民主党を代表して、政党討論会に出席しました。この政党討論会は、海外で初めて開催された歴史的なものであり、「海外有権者ネットワークLA」の皆さんが主催されたものです。民主党のほか、自民党、公明党、日本共産党の代表者が参加し、現地の皆さんからの発言や質問も含めて活発で熱気ある討論会となりました。 海外で暮らす日本国籍保持者は、約200万人以上いると推定されています。このうちロスアンゼルスに暮らす方々が中心となって1993年から在外投票権獲得運動を行ない、国政選挙への投票権を獲得してこられました。「在外投票を比例代表選のみに制限することは違憲」とする最高裁判所の歴史的判決も得て、今回の参議院選挙から選挙区選挙も投票できることとなりました。在外有権者の投票権は当事者の皆さんの活動で創設され拡大してきたのです。現在、海外有権者ネットワークが結成され、さらに投票制度の充実のため活動しています。 この在外投票は、登録から投票、開票に至るまで、極めて煩雑な手続きをとらなければなりません。登録や投票のため在外公館を訪ねる時間がない、投票期間が短い、選挙公報すら見ることができない、などの問題点もあって、投票率は伸び悩んでいます。政党討論会を通じて投票率の向上に寄与することができればと願っていますし、また使いやすい制度の改編をすすめ情報格差を解消するために民主党が提案している「インターネット選挙運動解禁法案」の早期成立に向けてさらに取り組んでいきます。 さてロスアンゼルスでの討論会は、朝から現地の日本人向けメディアを含めて現地駐在日本マスコミも多数来場し、個別インタビューや記者会見が行なわれました。討論会そのものは3時間を越えましたが、会場の熱気はたいへんなもので、私も充実した討論をさせていただきました。終了後、多くの方々から「民主党の話がいちばん良かった」と言っていただいたのは嬉しかったです。 米国の日系人社会は、ご存知のように第2次世界大戦中に捕虜として強制収容され戦闘や労働にも動員されたという歴史をもちます。リトル東京は日系人社会の開発の中心でしたが現在では領事館も移転し、再開発が必要と見受けられました。日本語を全く話さない3世4世も増えていますが、高齢化した日系人は、日本語のケアや日本食しか受け付けなくなるなどの問題が発生しているという話も伺いました。 海外から日本を見たとき、日本の姿がくっきりと見える。短い海外生活で私も実感してきました。今回の投票でも、それぞれがそれぞれの思いをもって投票してくださったことは、国内の有権者の皆さんと同じです。海外からの視点も大切にしつつ、今後とも在外有権者の方々との交流を続けていきたいと思います。
第139号「早期の解散総選挙を」(2007年7月30日発行)
***************************** 西村ちなみメールマガジン第139号(2007年7月30日発行) 「早期の解散総選挙を」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 参議院選挙の投開票日から一夜明けました。皆様には本当に力強いご支援をいただき、心から感謝申し上げます。新潟県選挙区では民主党現職2議員のうち1議員が当選しましたが、1議員が落選し、1議席の減少となってしまいました。とても残念ですが、二人の得票を合計すると70万票もの大量得票であったことは評価されるのではないでしょうか。全国的にも議席を大きく増やし、今回だけで60人の民主党公認推薦候補が当選しました。この結果を今後どう生かすかが課題です。 今回の選挙は、新潟県内的には政治状況の大きな変化も生み出しました。2002年の参議院補欠選挙から進められてきた野党共闘が、今回の参議院選挙で白紙に戻ったということです。2002年参議院補欠選挙に当時の民主党・社民党・自由党・連合という4本柱の御輿で今回落選した黒岩さんが当選したときから、この共闘スタイルは衆議院選挙でも用いられました。しかし今回はそれぞれがそれぞれの活動を行っています。 この、いわゆる4本柱に対する評価は人それぞれでしたし、過去5年間でその質も少しずつ変わってきたように思います。今後はいったいどうなるのか。新潟県全体の民主党の組織強化のために、どういう針路をとるべきなのか。今もしかしたら大きな転換点を迎えようとしているのではないか。どこかしらそんな思いが浮かんでは消えていきます。 来週は臨時国会が始まります。新しく当選した多くの参議院議員の仲間をお迎えして、活気ある民主党両院議員総会がそれに先立って開催されることでしょう。これからの国会運営は、民主党では衆議院よりも参議院のほうが力をもつことになると思います。それも嬉しい悩みですが、こういう状態をいつまでも続けるつもりはありません。有権者の皆さんの安倍政権に対する評価が今回の参議院選挙ではっきりと示された今、早期に衆議院の解散総選挙を行なうよう求め、そして政権交代で真に皆様の心に響く政治を実現していきたいと強く決意しています。
第138号「地震がふたたび」(2007年7月23日発行)
***************************** 西村ちなみメールマガジン第138号(2007年7月23日発行) 「地震がふたたび」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 連休最後の月曜日、また新潟を地震が襲いました。新潟市内も建物が大きく揺れる長い横揺れでした。私は午後から参院選候補者と街頭演説に出る予定でしたがキャンセル、防災服に着替えて現地へと向かいました。新潟県入りした鳩山由紀夫幹事長や国会議員、県議団とともに視察を行い、早速設置された非難所を見舞いました。 被災した地域の状況は、皆さん報道などでご承知のとおりです。今回の地震で、またもやご高齢の方々が犠牲となってしまいました。痛ましく言葉もありません。心からお悔やみ申し上げます。 震発生直後は「混乱」、しばらくすると「救援」、避難生活が長期にさしかかると「疲労」。現地のニーズは時間の経過とともに刻々と変わっていきます。それらに適切に対応するよう、中越地震で得たノウハウと教訓を生かさなければなりません。 これまで築いてきたネットワークを通じて、こうしたニーズに関する情報が私のもとに次々と入ってきます。それらに出来る限りの力で対応しつつ、1日でも早く、被災された皆さんの安心の確立と生活再建のため取り組んでいく決意です。 ロスアンゼルスでの政党討論会の報告は、参院選後に行います。
第137号「事実上の選挙戦へ」(2007年7月2日発行)
***************************** 西村ちなみメールマガジン第137号(2007年7月2日発行) 「事実上の選挙戦へ」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 先週金曜日、参議院本会議で政府提出の年金関連法案と天下りバンク法案が可決成立しました。衆議院では内閣不信任案を出しましたが反対多数で否決、菅直人代表代行が「解散して国民に信を問うたらどうか」と趣旨説明で安倍総理に迫り、そのときは本会議場内も大いに盛り上がりましたが、総理は弱気なのか解散する気はなさそうです。これから本当の意味でたたかいのスタート。夏の参議院選挙では、民主党もっと踏ん張れという声に応えるべく、全力で訴えます。 私は米国ロサンゼルスで「海外有権者ネットワークLA」が主催し開催する討論会に、民主党を代表して出席することになりました。在外有権者も今回の参議院選挙から選挙区の投票ができるようになり、選挙権獲得に向けて活動してきた皆さんが張り切って準備してくださっています。私も民主党の政策をしっかり訴え、政権交代可能であることをアピールしてきたいと考えています。来週のメールマガジンでは米国の報告をいたします。 ┌−−−−−−−−衆議院議員 西村ちなみ事務所−−−−−− │ │★新潟事務所★ │ 〒950-0902 新潟市中央区南万代町12-5 黒井ビル1F │【電話】025-244-1173 │【ファクシミリ】025-244-1183 │【E-mail】niigata@chinami.net │ ├−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− │ │★国会事務所★ │ 〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 │ 衆議院第2議員会館404号室 │【電話】03-3508-7404 │【ファクシミリ】03-3508-3884 │【E-mail】tokyo@chinami.net │ │■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ │ │ 西村ちなみチャレンジサイト ⇒ https://www.chinami.net/ │ │■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ │ └−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
第136号「ドメスティック・バイオレンス防止法の改正」(2007年6月25日発行)
***************************** 西村ちなみメールマガジン第136号(2007年6月25日発行) 「ドメスティック・バイオレンス防止法の改正」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 先週金曜日の衆議院本会議で、国会の会期延長が記名採決によって決まりました。民主党の渡部恒三顧問が「昭和44年から国会にいるが、こんな乱暴な国会運営は見たことがない」と発言されておられたとおり、本当に横暴極まりない国会運営になっています。与野党が対立しているなか、労働三法などは宙ぶらりんになったまま。必要な法案審議が進んでいないのは本当に歯がゆい思いがするものです。 この通常国会では、ドメスティック・バイオレンス防止法の改正が行われることになっていました。6年前に成立・施行されたこの法律は、3年ごとに見直しが行われてきており、今年はその2順目にあたります。もともと参議院の共生社会調査会が、超党派での議論のテーブルとなり、そこでの女性議員たちの努力によって成立した法律です。3年前も参議院の共生社会調査会で、新たな課題が審議され、よりよい法律にと改正がなされた経緯があります。 法施行から6年が過ぎましたが、依然としてドメスティック・バイオレンスは消滅していません。年間で数万件もの保護命令が出されています。またそのうち約2〜5%の加害者が保護命令違反をし、被害者などに接近しています。過日、北海道で被害者とその息子が加害者を殺害するという事件がありました。また徳島県で保護命令が出されていたにもかかわらず加害者が被害者を殺害するという事件がありました。いずれも適切に関係機関が対応していたら防ぐことのできたはずの事件だったと関係者は口をそろえます。 今年の改正には、ドメスティック・バイオレンス被害者と支援者の方々から大きな期待が寄せられてきました。第一に保護命令の対象を拡充すること。第二に加害者への指導・更正をきちんとプログラム化すること。第三に被害者の自立支援などを行う民間団体に国や地方自治体が業務を委託できるシステムをつくるこ、などなど。民主党としても私が作業チームの事務局長として何度もヒアリングを行ったり法制局とやりとりして、党としての考え方をまとめてきたところでした。そして各党が考え方を持ち寄って、超党派でよりよい改正案づくりに向けて共同作業を行うはずでした。私たちの作った改正案骨子は、関係者からもっとも高い評価を得ていたのです。 ところが参議院選挙が近くなってきたことと、参議院の共生社会調査会がなくなってしまったことが、この超党派の議論を難しくしました。いくら良いものをつくっても数の力の差がありなかなか取り入れてもらえないのが、今の国会の現実なのかもしれません。 良い法律をつくって良い形で世に送り出すためにも、今回の参議院選挙はどうしても負けられません。総選挙ではやはりどう考えても与党が勝ちすぎたのです。生活者第一の視点を貫くことを、参議院選挙の中で訴えていきたいと思います。
第135号「不協和音」(2007年6月18日発行)
***************************** 西村ちなみメールマガジン第135号(2007年6月18日発行) 「不協和音」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 国会は最終盤に入りました。私が所属する総務委員会では審議すべき法案の審議が終わり、すべて法案は処理されましたし、青少年特別委員会でも委員長提案で児童虐待防止法の改正が行れ、一般質疑も終了しました。この後、私個人としては、改正作業にかかわってきたドメスティック・バイオレンス防止法の改正に関して法務委員会に出張して質問する予定になっていますが、多くの衆議院議員は一部の委員会を除きほとんどの委員会で法案審議を終えている状態です。 ところが参議院では例の天下り法案を何とかこの通常国会で仕上げたいという官邸からの強力な押しで、現場は大混乱しているようです。残り1週間で上げられるような無難な法案ではありません。そのため、1週間ないし2週間の国会会期延長が取り沙汰されているのです。 国会の会期が、参議院選挙前にこのような形で延期されるのは極めて異例といっていいでしょう。官邸と参議院との間の不協和音が聞こえるような気がします。これほどまでに総理がこだわって成立させたいとしている天下り法案の内容が、「禁止」法案でなく、「促進」法案になっていることで、総理がこだわっているものが一体何なのか、ますます見えなくなっています。 論争の舞台は参議院。衆議院からもできる限りの応援をしていくつもりです。
第134号「天下りは止まらない」(2007年6月11日発行)
***************************** 西村ちなみメールマガジン第134号(2007年6月11日発行) 「天下りは止まらない」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 天下りバンク法案が先週衆議院を可決通過しました。正式名称は「官民人材交流センター」ですが、私たちは、これまで非公式で政府が斡旋してきた官僚の天下り先を今度は公然と公的機関が行うようにする法案だとの認識で、「天下りバンク」「天下り促進法案」と呼んできました。渡辺行政改革担当大臣は大袈裟な身振り手振りでこの法案がいかに改革に資するかということを説明しますが、その中身はいかにと質問すると、枠組みを今回は作ったのであり、肝心の具体的な設計は今後設置される有識者会議 に任せるという一点張り。本当にこれで与党の議員たちも賛同できるのか?と首をひねっています。 霞ヶ関の官僚には、50歳くらいになると肩たたきが始まります。ピラミッド型になっている霞ヶ関で、トップまで登りつめ定年まで勤める人はごくわずかだからです。多額の退職金を受け取り、政府関係の独立行政法人などに転職しますが、そこで退職金と新たな役員報酬が発生します。場合によっては独法から独法へと「渡り」歩く人もいて、なんと一人の人が受け取った退職金と役員報酬が億の単位に上るケースもあるということでした。 ここで問題になるのは3つだと思います。ひとつは、これが税金の正しい使い方といえるのかどうか、ということ。生活者の感覚からすれば、これはノーでしょう。不必要な「渡り」を繰り返し、多額の報酬として支出された分を、医療や福祉に使うことができたらどんなに有意義でしょう。二つ目には、そもそも50歳前後で職場を離れなければならないというのが今日的な働き方なのか、ということ。民間では再雇用制度なども充実してきていますが、その人の自己実現という点からもやはり少なくとも60歳までは働いていただくというのがよろしいのではないか。三つ目には、こうした天下り先が不足して各省庁が多くの独立行政法人などを作ってきたのですが、これらをどう処理するか。不必要な機関を思い切って廃止することが必要だと思います。 私たち民主党の提案は、できるだけ定年まで働いていただけるようにすること、です。定年まで働いた方がその能力や経験を生かして再雇用ということもありうるでしょうが、それは多額の役員報酬などを必要とするものとなるとは考えにくく、いわゆる「天下り」とは別のものだと私は考えています。しかし政府の提案は、いわば50歳で肩たたきという霞ヶ関の根本的な問題に何らメスを入れず、天下りの斡旋を公的に行うことによってお墨付きを与えるというようなもの。政策のタイトルと中身が全く違うという例は、これまでにも、郵政民営化(これまで税金が1円も投入されてこなかった郵便局ネットワークを、税金を投入して維持するものとした)などがあるわけですが、この点だけは小泉前総理と安倍総理がよく似ていると感じています。 法案はすでに参議院の議論に委ねられていますが、残り2週間、しっかりウオッチしていきます。
第133号「労働大臣新潟サミットへの期待」(2007年6月4日発行)
***************************** 西村ちなみメールマガジン第133号(2007年6月4日発行) 「労働大臣新潟サミットへの期待」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 消えた年金保険料、天下りバンク。先週の衆議院はこの二つをめぐって荒れた国会となりました。責任の所在を曖昧なままにはしておけません。しかし安倍総理の焦りでしょう、重要な法案が驚くほど短い審議時間で次々と採決にかけられていきます。この通常国会で、議会運営委員会をはじめ各委員会で委員長の職権によって立てられた委員会や強行された採決は、正確に数えたわけではありませんが、数十に及ぶのではないでしょうか。ある与党の議員は議員会館のエレベーターの中でぽつりとおっしゃっていました。「ちょっとやりすぎだよな」。与党が安倍総理への忠誠心に満ち満ちているというわけではなさそうです。 さて過日、サミットにおける労働大臣会合が新潟市で開催されるということが正式決定しました。今日はそのために推進協議会の設立総会が行われ、私も出席してきました。来年5月には、新潟市でG8の労働大臣および関係者が集い、会合が開催されます。 私はこの会議に「新潟らしさ」を期待しています。北東アジア、労働力の国際移動、雇用の二極化、NGO・NPO・市民団体などとの連携、そしてホスピタリティがキーワードになるのではないでしょうか。これらを編み出して、ぜひ新潟らしい会議にと願っています。 これまで私もいくつか国際会議に参加することがありましたが、印象に残っているのは2000年にニューヨークで開催された国連世界女性会議です。新潟からも多くの女性たちが参加し、ワークショップを開催しました。社会に与えたインパクトから言えば、その5年前に北京で開催された国連世界女性会議のほうが より大きかったのでしょうが、いろいろ学ぶことの多い会議でした。 1997年に開催された地球温暖化防止のための京都会議では、世界各国のNGOが多数来日し、各国政府の代表と意見交換を行っていました。当時、そうしたNGOのメンバーは会場に入ることを許されなかったようで、入り口で警備員とやりとりしている映像を見た記憶があります。 今や多くの国際会議では、政府代表のみならずNGOがさまざまな形で関わるのは当たり前。政府代表しか参加できない会議であっても、多くの国の政府代表は、朝や夜の時間を使って自国のNGOメンバーにブリーフィング(状況説明)を行ったり、NGOからの意見や要望の聞き取りを行ったりして、会議をより有意義なものにしようという姿勢に転じています。日本政府もぜひそういう姿勢を貫いてほしいものです。 サミット(主要国首脳会議)ですから、そういう場を作ることが日程的に物理的に可能かどうかまだ分かりませんが、篠田市長も今日の設立総会の最後には「NGO・NPOとの協働」と発言されましたので、今後の企画に期待したいと思います。もちろん私としてもできる限りのお手伝いと応援をさせていただくつもりです。