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西村ちなみメールマガジン第210号(2009年4月27日発行)
「海賊対策その2-民主党の考え方とその後」
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みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。
今日は月曜日ですが、今年度の政府補正予算案が国会に提出され、それに関する財政演説を聞くための本会議が開催されました。明日は本会議で各党からの代表質問、おそらく来週から予算委員会が始まります。その間、他の法案審議は実質的に中断せざるを得ず、逆に言うと補正の審議が終われば一気に審議が始まるわけで、私が担当している法案3本(それぞれ別の委員会に付託されています)がいっせいに山場を迎えることになりそうです。これまで最多で2本の法案を同じ時期に担当したことがありましたが、さすがに3本は初めてです。頭の切り替えに難渋していますが精一杯がんばります。
さて今日は、海賊行為対処法案についてその後を書いてみたいと思います。
海賊対処の必要性と政府提出の海賊行為対処法案のおかしな点については、3月23日付けのメールマガジンで書きました。その後、民主党からは、以下のような点について修正案を作成し、与党との修正協議に臨みました。
海上保安庁で主体的に対応することを明確にするため、海保のみで対応困難な場合に国土交通大臣が要請を行い、それをうけて内閣総理大臣が海賊対処のための本部を設置することとする。自衛官らに本部員の身分を併有させる。海賊対処業務を行う区域と期間を定める。自衛隊による海賊対処の実施について国会の事前承認。海保の体制整備。施行後3年の見直し。
シビリアンコントロールを徹底するための修正提案でした。担当者のご努力によって、短時間ながらうまくまとまった修正案だと思います。しかし何が何でも先週中に衆議院を通すため強行採決も辞さずという与党と、じっくり修正協議をやろうとする民主党との間では全く折り合いが付かず、修正協議は2日で決裂。結局、与党の賛成多数で法案は通過しました。
一口に法案の修正といっても、いくつものパターンがあってどれが正しいとも言えず、そのときの政治状況や与党と霞ヶ関の抵抗の大きさなどによって、千差万別の修正協議となります。客観的に見て今回の修正協議は、難しいものであったことは確かですが、いささか生煮えという感じもします。出来の悪い政府法案が原案のまま通ってしまったのは本当に悔しく、今後、参議院でこの生煮え部分の議論が深まることを期待しています。