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西村ちなみメールマガジン第197号(2008年12月15日発行)
「希望のもてる社会へ」
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みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。
就職が内定していた学生が、卒業を目前に内定を取り消されるという事例が、新潟県内でも発生しています。派遣社員が派遣先から打ち切りになると同時に派遣登録そのものが解除になり、住んでいた寮を追い出されて路頭に迷うケースも増えてきています。若い人たちが希望をもてない社会は健全とは言えません。
麻生内閣が発足して3か月が経ちます。この内閣は、景気対策はスピードが大事、政局よりも政策、と言いながら、当初から決まっていた補正予算を仕上げただけで、10月30日に発表した生活対策などは全く具体化していません。緊急だから発表したはずの政策なのに、具体化されないまま時間が過ぎています。先日、追加の景気対策というものが発表されましたが、これとて真水で見れば小さなボリュームです。そもそも旧来型の政策を続けながらいくら積極型の財政運営を続けても、一時しのぎにしかなりません。
米国で次期大統領にオバマ氏が選出されてから1か月強です。この次期大統領は、就任前から積極的な政策についての発言を行い、地球温暖化対策に焦点を当てたエネルギーと食糧を中心とする新しい産業戦略を打ち出しました。「グリーン・ニューディール」と呼ばれるこの政策によって、米国も、確かに今は苦しいのですが、将来に向けて、国民が一つの方向性を向いて再び夢を持とうという気持ちになりつつあるそうです。
私たち日本の民主党にとって、今は、現政権に対して批判の種には事欠きません。緊急の経済状況に対しててんでバラバラな政策方針、指導力のない総理、与党も分裂含み、そっぽを向く官僚、言うだけ言って具体化されない政策・・・一方で税金のムダ使いは相も変わらず続けられています。問題点を指摘すること、批判的論争を行うことは、野党の役目ではあるのですが、今はテレビや新聞などのマスコミが毎日のように麻生内閣の欠点を整理して報道してくれます。であればこそ政治家は、目指すべき方向を示し、夢を創り、それを国民と共有することだと考えます。
日本版グリーン・ニューディール政策に向けて、民主党でも勉強会がスタートしました。農業者への戸別所得補償など農業の高次産業化を目指す方向です。食料自給率を高めることは、食の安全の点からもプラスとなります。医療などの福祉政策から新たな需要が生まれてくることも期待できます。そのための人材育成や、産業の安定化などのために、今は大胆に投資すべきです。当面は苦しくとも、将来は皆で助け合って希望のもてる社会にする。来年は本当にそんな年にしなければなりません。