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西村ちなみメールマガジン第174号(2008年5月19日発行)
「二つの災害に日本の役割」
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みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。
今月に入り、2日から3日にかけてミャンマー南部をサイクロン「ナーギス」が襲いました。暴風による被害ばかりでなく、津波などによる被害も出ているようです。現地ではサイクロンに続いて大雨が降っているようで、被害のさらなる拡大が懸念されています。
中国では四川省を中心に大きな内陸地震が12日に発生しました。被災地の面積は日本の国土のおよそ4分の1に匹敵するほど広いのだそうです。土砂災害による2次被害のおそれが生じ、被災者の避難が必要とのことですが、交通手段が途絶されているなどかなりの時間がかかることが予想されます。
私はこれまでにミャンマーを2回訪問してきました。1回目は新潟国際ボランティアセンターのスタディツアーで1995年に、2回目は民主党NGO海外活動推進議員連盟の視察で昨年の夏に、それぞれ数日間滞在しました。現地の人たちはとても心温かく日本に対して親近感をもっています。母子保健の研修を行っている村では、栄養のある食材で料理を作り子どもに与えることを奨励していて、そのお蔭で低体重の子どもが減ったという喜びの声が多数聞かれました。今、あの農村も、「ナーギス」の被害に遭っているのではないかと思うと、本当に胸が痛みます。
中国での大地震は、近年大きな地震を経験している私たちにとってまたも身震いするような事件でした。崩れた建物、泣き叫ぶ人びと、道路を塞ぐ土砂、川を流れる濁流の様子が映像として流れると、新潟の地震のときの感覚がよみがえってくるようで、落ち着いた気持ちで見ることができません。
両国とも、外国からの救援人員の受け入れについて消極的であり、そのことが問題だとする論調がありました。確かに、あれほどの災害ですから、人員数もかなりの数が必要ですし、一刻一秒を争うことは間違いありません。しかし日本も阪神大震災のとき最終的には受け入れたものの、当初海外からの救援隊の活動参加を拒んでいました。重大な自然災害発生時に国際社会はどう対応するかということが話し合われていたら、あるいは日本が自らの経験をもとにもっと強く訴えていたら、と考えずにはいられません。
民主党では先日、二つの災害の対策本部を設置し、私は事務局次長に就任しました。対策本部としては募金活動を行い、お預かりしたお金は義捐金やNGOの活動費としてお渡しするとともに、現地への視察も計画中です。自然災害を人智によって防ぐことには限界があるけれど、その後の対応によっては、被害を軽減させることや人々の苦しみを1日でも早く取り除くことができるはずです。そのために日本の役割を、しっかり果たせるよう、取り組んでいきたいと思います。