***************************** 西村ちなみメールマガジン第160号(2008年1月15日発行) 「北欧に学ぼう」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 今日ようやく、2度にわたって延長されてきた臨時国会が閉会しました。インド洋上での給油法が成立しただけで、これといった成果のないまま福田内閣は臨時国会を終えたことになります。18日から通常国会が開会されることになりますが、いったい福田内閣はどういう政策方針で通常国会に臨もうとしているのでしょうか。開会間近になっても青写真も見えてこないところに、恐ろしいまでの政治空白を感じています。 今週、ある経済誌の「北欧はここまでやる。格差なき成長は可能だ」という表紙に目が留まりました。北欧とは、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの国々を指しますが、私もかねてよりこれらの国々の社会保障制度や教育制度に注目をしてきたところであり、早速手にとって読んでみました。来日時にヒアリングさせていただいたノルウェーの子ども平等省アルニ・ホーレ局長の元気なインタビューも含めて、読み応えのある記事だったと思います。 高齢者の自立促進、低い失業率、年金制度改革、育児支援施策、子どもの増加、学費無料の大学、高い学力、政治家の4割が女性。少子化に悩み、将来に不安を抱える人が多い日本から考えると羨ましいほどの政策の数々が、北欧の国々では実現されています。負担もするがその分十分な説明と質の高いサービスが受けられるため、国民は多くが納得して税金を払っています。わが国の与党政治家の中には、「北欧の国々と日本とでは人口の規模が異なるので、導入してもうまくいかない」という方もおられるのですが、問題は人口規模ではないと私は思います。もちろん労働政策の歴史や経済事情が異なるため、北欧モデルをそのまま持ち込んでも成功するとは限りませんが、日本が参考にすべきヒントはかなり多くあると考えています。 わが国の官庁も、北欧モデルはずいぶんと研究をしているようです。昨年末、少子化対策に最大2兆4400億円の支出増が必要だとする報告書をまとめ、この中で特に育児支援などについてはヨーロッパとの比較を行いつつサービス拡充という方向が示されました。ワーク・ライフ・バランス憲章なるものも作成され、少子化を克服するためにも働き方の改革が必要というコンセンサ スに、政府も少しずつまとまりつつあることが感じられます。 このように政府が研究をしっかり行い、施策メニューが十二分に示されているにもかかわらず、肝心の政治決断がなされていません。あまりにも危機感が薄いと言ったらよいのでしょうか。政府が動かないため、いくつかの分野では私たち民主党から法案を作成して提出してきました。通常国会でもこの地道な作業を続けていくつもりです。明日は民主党の党大会。政治を変えるという決意を、仲間とともに再度確認したいと思います。