***************************** 西村ちなみメールマガジン第155号(2007年12月3日発行) 「地球温暖化と日本の役割」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 先日、「かぐや」から見た地球の映像が紹介されたのを、皆さんご覧になりましたでしょうか。真っ暗闇に浮かんだ青くクリアな地球の姿、こんなにきれいなのかと私は本当にびっくりしました。いつか宇宙から自分の目で地球を見てみたい。そんな気持ちにもなりましたが、同時に、いつまでこのような美しい姿を保つことができるのかと不安な気持ちにもなったのです。 先月、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル:1988年に世界気象機関と国連環境計画に設置された、人為起源による気候変動などについて評価を行なう組織)の総会が開催され、「地球温暖化が広範囲にわたる回復不能な結果をもたらす恐れがある」と警告する暫定合意書に合意しました。IPCCが今年の春にまとめた第4次報告書では「気候システムの温暖化には疑う余地がない」とされています。2001年にまとめられた第3次報告書で「温暖化が起こっている可能性が高い」とされていたことと比較しても、調査研究が進み、かなりの危機感をもってまとめられたということが分かります。さらに「20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高い」「多くの自然システムが、地域的な気候変化、とりわけ気温上昇によって、今まさに影響を受けている」としているなどの、最新の知見が示されています。 このIPCCの暫定報告書を基礎資料として、今日からインドネシアのバリ島で国連気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)が始まりました。このバリ会議では、京都議定書の第1約束期間が終了する2012年以降(ポスト京都議定書)を対象とした新たな協定に向けた交渉を開始することに合意することが最大の課題で、もちろん日本政府も参加しています。米国はIPCCの暫定報告書に対して「回復不可能な気候変動と影響が起こるかどうかは不確実だ」と異議を唱えているようですが、多くの国々は人間の活動との因果関係を主張しています。もはや知見は示された、あとはどう行動するかだけだ、というのが、国際社会の常識でしょう。 1997年にCOP3で議決された京都議定書では、日本に1990年比マイナス6%の温室効果ガス削減が目標として課せられています。日本が国際会議で約束した正真正銘の「国際公約」ですが、これが達成できるのか極めて危うくなっています。こういう状況で、日本政府がバリ会議においてどのような発言をし、どのような提案をするのか。また地球温暖化とアフリカを主要テーマと定めている来年の洞爺湖サミットにおいてどのようなリーダーシップを発揮するのか。各国から日本政府への信頼度合いが測られる、大切な場面です。国会からのチェックも行い、政府にはしっかり発言してもらいたいと強く思います。