***************************** 西村ちなみメールマガジン第148号(2007年10月15日発行) 『「テロ特措法」延長問題』 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 テロ特措法の延長問題が国会で議論になっています。あまりにも日本の自衛隊の活動に関する情報が少なすぎる中で、インド洋上での給油活動を単純に延長することは私たちは賛同できないという立場で、この論戦に臨んできました。テロ特措法が実施されて6年間、昨年末までにこの法律に基づく給油活動に費やされてきた税金は547億円に上ります。このお金は果たしてテロ撲滅に資することができたのか。相変わらず世界は「テロとの戦い」に取り組んでいます。麻薬、汚職、干ばつ。アフガニスタンの状況は良くなっておらず、むしろ悪化していると現地で活動するNGOの方々が語っておられました。テロ撲滅のために日本は国際社会をリードするような独自のアプローチをすべきではないか、そのように考えています。 ペシャワール会の中村哲医師がアフガニスタンで13㎞の用水路を完成させました。彼が語るには、アフガニスタンでは大干ばつが続き、農業で食えない農家の人々が現金収入を得るために続々と政府軍や反政府軍の傭兵として雇われる悪循環が続いているそうです。本来的にテロを撲滅するためには、こうした農業の再び、人々に生活者としての心を取り戻してもらえるよう復興事業そのものに関わってもらう、などの根本策を打っていかなければならないのではないでしょうか。 マスコミのアンケート調査では、テロ特措法の延長について賛成という方々の割合が、反対と答えた方々の割合を上回っていると示されています。しかし大部分の方々は「分からない」、つまり賛否を判断できないと答えておられます。自衛隊の給油活動が本当に役立っているのか、判断できるだけの材料がないのです。燃料を補給された後のペルシャ湾での米軍の動きを知りたいと思っても、日本政府は米国からの説明を正しいものと「確信する」との一点張りで、自ら情報を得ようとせず、また国民に対する説明も怠っています。米国の国内向けの説明が、日本政府に対する説明と矛盾していても、知らん振りです。 こうした状況で進んでいる臨時国会。与党は給油のみにこだわりつづけ、新法を提案してきました。私たちはしっかりと民生部門を中心とした復興支援策を堂々と真正面から主張していきたいと考えています。