***************************** 西村ちなみメールマガジン第146号(2007年10月01日発行) 『「ミャンマー」でのデモを解決せよ』 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 早いものでもう10月に入りました。今年の夏は暑くて余計に長く感じましたが、このところ急に涼しくなっています。急な天気の変化に体調管理が追いつきません。少し鼻水が出ます。 国会は開会してすぐ空転し、3週間の開店休業状態が続きましたが、ようやく本日から正常化しました。今日は福田総理の所信表明演説です。小泉・安倍政権と2世代続いて劇場型の政治が続いてきた本会議では、久しぶりに、静かな空気が流れました。福田カラーもわずかに感じましたが、メリハリがなく、与党席が拍手したり合いの手を入れたりするタイミングをつかめなかったようです。約20分間の所信表明は、淡々と終わりました。 私には、福田総理が、わずかに、小泉・安倍政権の政策路線から変更し始めているように感じました。格差の存在を始めて総理が言及したからです。「野党の皆様と重要な政策課題について誠意をもって話し合いながら国政を進めてまいりたい」という言葉に表れる低姿勢に、誰かが「クリンチ作戦(ボクシングでの抱きつき)」と名づけました。話し合いは重要ですが、議論することが前提です。何でも話し合いで決めるわけにはいきません。 話は変わりますが、8月中旬に民主党NGO議員連盟の岡田克也会長、小宮山洋子衆議、原口一博衆議、事務局長の私の4名で視察に行ってきたばかりのミャンマーで、先週大規模なデモが発生しました。ニュースでヤンゴン市内の風景が映し出されるにつけ、胸が締め付けられるような思いです。ちょうどニューヨークで開催されていた国連総会、ここには日本の総理が出席していませんが、その場でもミャンマー問題が取り上げられました。日本にとっても馴染み深い国であるだけに、1日も早い解決を望みます。 ヤンゴン市内での大規模なデモは、長く続く軍事政権での生活統制、特にこの2年間でガソリンが9倍にも高騰していたところ私たちが視察に訪れた直後の8月15日にさらに2倍近くに価格が引き上げられ、通勤のバス代も跳ね上がったことなどに対する不満が背景にあると思います。首都をネピドーに移転したことに伴う財政負担は、天然ガスで潤い始めたミャンマーにとっても大きいことでしょう。新しい憲法制定を目指していた国民会議も納得できる結果を得ないまま先日閉会してしまいました。 ジャーナリスト長井さんが亡くなられたことは痛恨の極みです。ご冥福を心からお祈りします。日本は、JICAも含めて人道的な支援に限ってODAを細々と実施してきました。8月の視察では、ミャンマーの田舎の病院を訪れ、日本のODAによってNGOを通じて支援され、頻繁に起こる停電時には薬の保管がされているというソーラー発電の冷蔵庫を見てきました。低体重だった子どもが、日本の支援で栄養指導を受け標準体重に近づいた村、マイクロクレジットによる収益で教育や医療を受けられるようになった女性たち、それらもすべて日本の支援によるものです。こうした支援を実施してきたアジアの友人であるからこそ、軍事政権には誠意ある対応をとってほしいのです。交渉にあたる担当者にはもちろん、政府には強いリーダーシップを発揮してほしいと強く願います。そしてミャンマーで出会ったすべての人たちが、もっと笑顔で暮らせる国になってほしいと思います。