***************************** 西村ちなみメールマガジン第143号(2007年9月10日発行) 「安部内閣では『美しい国』は創れない」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 先週、日本を通過していった台風9号は、新潟県では心配されたほどではなかったものの、やはり各地で土砂崩れや家屋損壊などの被害が出ました。とりわけ中山間地での被害は大変なもので、基礎自治体の中で最も高齢化率が高いとされる群馬県の南牧村が道路の土砂崩れにより孤立しました。現在も復旧作業が続いているとのことです。 限界集落という言葉をご存知でしょうか。現在は長野大学の研究者が提唱した概念ということですが、過疎が極端に進み、共同体として存在することが困難な集落のことを指すとされています。人口の半数以上が65歳以上の高齢者であること、冠婚葬祭や農業に関する作業などで社会的共同生活の維持が困難、などが定義だとか。日本全体では2000以上の集落、新潟県でも333の集落がそれに該当すると言われています(平成18年4月1日現在の調査による)。 先月、総務省が住民基本台帳に基づく人口動態をまとめました。その結果分かったことは、全国の人口は1億2705万3471人と前年より1554人減、2年連続で減少していること。そして、東京、名古屋、関西の三大都市圏とされるところの人口が、初めて全国人口の半数を上回ったということでした。新潟県ではこのところ人口が毎年約1万人ずつ減少しています。これらの数字をつき合わせて考えてみても、日本は確かに人口減少社会ではあるが、むしろ人口が都市部に集中してきていることのほうが顕著だということが分かります。 今日、秋の臨時国会が開会しました。安倍総理は所信表明演説の中で「格差や将来への不安を訴える地方の皆様の切実な声に真摯に応え、改革の果実をさらに地方の実感へとつなげるため、あらゆる努力を尽くす」と述べました。また「五十年後、百年後のあるべき日本の姿を見据え」職責を果たすとも述べました。繰り返された言葉は「美しい国創り」です。しかしそこには、日本の国内が今、根っこから崩壊していこうとしていることに対する危機感は微塵も感じられません。国民の台所を見ようとせず、税金や保険料の無駄遣いを放置したまま精神論で「美しい国」という幻を作り出せると信じている安倍総理の大いなる勘違いを感じます。 日本の国土は、山と里と水とが一体となって存在しているものです。山や里が荒れていれば水害も起きやすくなり、都市部の環境にも大きく影響を及ぼすことになります。美しい国を目指すのであれば、美しい集落を守るために何をするのかを、総理は示すべきでしょう。 私はこの国会、内閣委員会と災害対策特別委員会に所属することになりました。しっかり議論していきたいと思います。