***************************** 西村ちなみメールマガジン第136号(2007年6月25日発行) 「ドメスティック・バイオレンス防止法の改正」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 先週金曜日の衆議院本会議で、国会の会期延長が記名採決によって決まりました。民主党の渡部恒三顧問が「昭和44年から国会にいるが、こんな乱暴な国会運営は見たことがない」と発言されておられたとおり、本当に横暴極まりない国会運営になっています。与野党が対立しているなか、労働三法などは宙ぶらりんになったまま。必要な法案審議が進んでいないのは本当に歯がゆい思いがするものです。 この通常国会では、ドメスティック・バイオレンス防止法の改正が行われることになっていました。6年前に成立・施行されたこの法律は、3年ごとに見直しが行われてきており、今年はその2順目にあたります。もともと参議院の共生社会調査会が、超党派での議論のテーブルとなり、そこでの女性議員たちの努力によって成立した法律です。3年前も参議院の共生社会調査会で、新たな課題が審議され、よりよい法律にと改正がなされた経緯があります。 法施行から6年が過ぎましたが、依然としてドメスティック・バイオレンスは消滅していません。年間で数万件もの保護命令が出されています。またそのうち約2〜5%の加害者が保護命令違反をし、被害者などに接近しています。過日、北海道で被害者とその息子が加害者を殺害するという事件がありました。また徳島県で保護命令が出されていたにもかかわらず加害者が被害者を殺害するという事件がありました。いずれも適切に関係機関が対応していたら防ぐことのできたはずの事件だったと関係者は口をそろえます。 今年の改正には、ドメスティック・バイオレンス被害者と支援者の方々から大きな期待が寄せられてきました。第一に保護命令の対象を拡充すること。第二に加害者への指導・更正をきちんとプログラム化すること。第三に被害者の自立支援などを行う民間団体に国や地方自治体が業務を委託できるシステムをつくるこ、などなど。民主党としても私が作業チームの事務局長として何度もヒアリングを行ったり法制局とやりとりして、党としての考え方をまとめてきたところでした。そして各党が考え方を持ち寄って、超党派でよりよい改正案づくりに向けて共同作業を行うはずでした。私たちの作った改正案骨子は、関係者からもっとも高い評価を得ていたのです。 ところが参議院選挙が近くなってきたことと、参議院の共生社会調査会がなくなってしまったことが、この超党派の議論を難しくしました。いくら良いものをつくっても数の力の差がありなかなか取り入れてもらえないのが、今の国会の現実なのかもしれません。 良い法律をつくって良い形で世に送り出すためにも、今回の参議院選挙はどうしても負けられません。総選挙ではやはりどう考えても与党が勝ちすぎたのです。生活者第一の視点を貫くことを、参議院選挙の中で訴えていきたいと思います。