***************************** 西村ちなみメールマガジン第121号(2007年3月12日発行) 「問われているものは何か」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 新潟は冬が舞い戻ってきたようです。今年は記録的な暖冬でしたので、冬がやって きた、と言ったほうが正確かもしれません。私は週末の悪天候の中、統一自治体選 挙の候補予定者の皆さんと終日街頭演説を行いました。このまま春になるのではな いかと油断していた身体にはきつい寒さでしたが、新潟らしくもあり、少しほっとして もいます。 今年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞したのは、アメリカの元副大統 領アル・ゴア氏が出演している『不都合な真実』という地球温暖化をテーマにした映 画でした。民主党では政策調査会が議員・秘書・党職員を募って割引でこの映画を 見に行き、私も事務所秘書と一緒に参加しました。アカデミー賞にノミネートされた後 ということで関心も高くなっていたのでしょうか、六本木のシアターには大勢の若い人 たちが訪れていました。 日本がホストをつとめ、温室効果ガスの削減目標を掲げた京都議定書が発効して から2年が過ぎました。2012年までに日本はマイナス6%の排出削減が課せられ ていますが、すでに1990年に比べると8%も増加しており、この目標達成が極めて きびしい状況となっています。イギリスでは積極的にCO2排出量の削減目標を掲げ ており、産業界などの抵抗があったものの排出権も導入され、着実に目標達成に向 けて取り組みが進んでいると聞きます。一方で、未だに米国は京都議定書に加盟し ておらず、産業革命以降のCO2放出で温度上昇の大きな原因をつくってきたとされ る先進国の足並みは依然として乱れたままです。 地球温暖化対策の究極の目標は、ことさらに地球環境危機説を煽り、人々を不安 に陥れることではありません。「気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすことにな らない水準において、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること」です。その ために温室効果ガス排出量の大幅削減が必要不可欠とされており、日本が技術先 進国として再生可能エネルギーへの転換や環境技術開発など温暖化対策をすすめ ることが求められます。環境と経済の両立は可能なのです。もちろん環境税の導入 についてもさらに議論をすすめていかなければなりませんし、私たち一人ひとりのラ イフスタイルを転換し意識改革をしていくことが必要です。 『不都合な真実』は安倍総理も観賞されたようです。映画を見て安倍総理はリーダ ーシップが必要だと感じたなどということを発言しておられたようですが、ゴア氏はリ ーダーシップとは一言も言っておらず、『政治的意志(political will)』の問題だと言っ ていました。問題の存在を知ったときに行動するか、行動しないか。自らのモラルの 問題だと置き換えるか、摩り替えるか。日本の行動力が問われています。