***************************** 西村ちなみメールマガジン第119号(2007年2月26日発行) 「第2期分権改革の課題」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ***************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 先週の火曜日、本会議で民主党を代表しての質問に立ちました。議題は地方税法改正案・地方交付税法改正案・地方財政計画の3本です。今年は国税法改正案と一緒に本会議での審議となり、総理出席で行われました。本会議や委員会での質問は、どの 法案について誰が何分くらい行うのか、決まるのは早くても数日前ということが多く、今回も例外ではありませんでした。急な話にもかかわらず支持者の方が時間をやりくりして数名応援に来てくださり、気合を入れて望みました。同僚議員からも応援してもらいましたが、残念ながら総理から納得のいく答弁は得られませんでした。3本の議案の内容もさることながら、分権改革にかける総理の本気度を聞きたかったところ、空振りという感が強いです。 分権への歩みはすでにかなり長いのです。戦後「シャウプ勧告」の中にも国と地方とのあり方について提言があり、この中で地方の自律の大切さが書かれています。1990年代は分権議論が高まり100本を超える法律を改変する「地方分権一括法」が1999年に施行され、小粒ながらも国から地方への権限の委譲が進みました。しかし税財源の委譲を伴っていなかったため、地方自治体から税財源を権限とあわせて委譲するよう要望などもあり、また折からの財政赤字もあって、税財源の委譲・補助金の削減・交付税改革を一体的に行う必要性が浮上してきました。これが小泉内閣の「三位一体改革」です。 ところが三位一体改革は、税財源の委譲や補助金の削減など一定の目標数値を掲げたものの、補助金の削減が先行したことにより自治体財政の圧迫をもたらしました。また税財源の委譲も非常に緩やかで、交付税も今年は補助金的な性格を増すなど、自治体が望む自由度の高い行財政運営はさらに遠のいている感があります。 さて安倍総理になって分権改革はどのように進められるのでしょうか。1990年代の第1期分権改革に引き続いて、今年4月からは新設される地方分権推進委員会を中心に第2期分権改革がスタートすることになります。分権とは、中央省庁にとっては自らの 存在意義にもつながる権限と財源を手放すこと。第1期分権改革ではそれらを手放したくないという中央省庁からの抵抗はすさまじいものがありました。第2期分権改革では、おそらく、このときよりもさらに激しい抵抗が予想されます。そうした抵抗を突破する熱意と決意が総理には必要なのですが、果たしてどうでしょうか。 総務委員会ではこの通常国会で合計16本の法案提出が見込まれています。他の委員会と比べても最多の本数です。こうした法案の審議の中で、内閣の分権に対する考えと姿勢をしっかりと質し、この国の本物の構造改革を成し遂げていきたいと考えていま す。 ■インフォメーション□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 1.「格差社会−日本の本当の姿−」冊子完成のご案内 日本における格差社会の現状をまとめた22ページの冊子が出来上がりました。 分かりやすい内容になっておりますので、是非一読ください。 ご希望の方は西村ちなみ新潟事務所までご一報ください。 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■