************************************* 西村ちなみメールマガジン第116号(2007年2月5日発行) 「大臣の自覚を求めます」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************* みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 柳沢大臣の「産む機械」発言は、海外のメディアでも取り上げられました。英語メディアでは「birth-giving machines」と直截的な訳語で紹介し、辞任を求められていることを当たり前のように伝えています。海外ではこのような人権感覚しかもたない閣僚は長く大臣の椅子に座っていることはできないでしょう。柳沢厚労大臣は安倍総理大臣が勝利した自民党総裁選挙の選対本部長でした。辞任しない理由、罷免できない理由は、こんなところにもあるのかもしれません。 ところで今日本では、10組に1組の割合で不妊に悩むカップルがいるといわれています。「子どもがいて当たり前」などのプレッシャーで追い詰められているとも聞きます。里親や養子制度なども古くからあるのですが、さまざまな理由からなかなか進展しません。非嫡出子の差別も問題で、民法の見直しも必要です。 また日本では妊娠を契機として結婚する例があるように、「結婚して出産」が一般的です。しかし経済的に不安定な非正規社員のほうが、正規社員よりも結婚率が低いというデータがあります。若者の雇用格差をいかに是正するかが、政策として重要です。 地域社会で、世代間で、育児を支える仕組みが消えかかっている今日、育児はとくに母親の肩にのしかかってくることが多いのではないでしょうか。ボランティア・NPO・行政など新たな取り組みによって支えていく必要があります。男性を含めた働き方の見直しや、育児を含めた生活と仕事を両立させるための政策も重要です。 現在日本では出産時に危険が及ぶケースは2万人に一人ほどですが、近くにお産のできる産科のない地域が出てきています。女性の健康格差は厳然として存在するのです。 以上、短い文章で振り返ってみただけでも、子どもをもちたいと思う人が安心して生み育てられる社会のために、政策でやれること、やらなければならないことがたくさんあるということは、たちまちにして分かります。柳沢大臣は、「産む機械」と言った後に「一人頭でがんばってもらわなければならない」とも語ったそうです。政府の無策を棚に上げて、「少子化」を女性だけの問題にしようとする無責任な発言。女性も男性も互いに尊重する社会とはまるきり逆行しています。これを機に「少子化」の議論を国会で深めるべきだというマスコミもあるのですが、有意義な議論をするためにまずは与党の皆さんが賛同して大臣を交替することです。それができなければ政権交替しかありません。