************************************** 西村ちなみメールマガジン第103号(2006年10月30日発行) 「女性参政60年」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 今週は教育基本法特別委員会一色になりそうです。月曜日は衆議院の委員会開催日となっていませんが特別委員会だけは例外で開催曜日は決まっていません。今日10時から5時まで質問が続けられましたが、前の国会と比べても議論が深まったとは思いませんでした。教育の問題は、いじめや未履修問題が最近また表出するなど、普段は隠れていて分かりにくい構造的な問題がたくさんあります。それらを一つ一つ明らかにし、どうしたら教育を良くすることができるのか、本質的な議論をしていきたいと願います。 さて皆さんは憲政記念館をご存じでしょうか。永田町には、国会議事堂、議員会館、国会図書館などの施設がありますが、1970年に議会開設80年を迎えたことを記念して「議会制民主主義について一般の認識を深めることを目的として」設立されたのが憲政記念館で、1972年に開館しました。常設では国会の組織や運営について、また憲政の歴史に関係ある資料などが展示されていますが、ときどき特別展が開催されます。 今月26日から来月17日までの日程で、「女性参政60年特別展」が開催されています。第1回目の衆議院総選挙で当選した女性議員は39人。昨年の総選挙では初めてこの数字を上回る43人の女性議員が当選しましたが、他のOECD諸国などと比べるまでもなく依然として女性議員の比率は低いままです。衆議院ではまだ9%にしかすぎません。 「女性議員を増やしたい。」これは、多くの女性たちの願いであり、また多様な視点から政策立案をすべきであるという時代の要請です。すでに北欧などでは閣僚の半数以上が女性だったこともありますし、女性の首脳が誕生している国もあります。そうした国々の中では、子育て支援などが充実し、合計特殊出生率の凋落に歯止めがかかっている国もあります。 しかし日本では国会も地方議会もなかなか女性議員は増えません。選挙に必要なのは「地盤、看板、鞄」だと言われてきた政治風土と、「男性が仕事、女性が家事」という性別によって役割を決めてきた価値観が背景にあると思います。しかし最近は女性でもやってみようと考える人も出てきていますが、いくつか壁を乗り越えなくてはなりません。そのための仕組みづくりも、女性たちの手によって行われています。もちろん男性も参加してくださっています。 アメリカでは民主党が民間の女性による選挙資金集めを行う非営利団体(1985年設立、本部ワシントンDC)「エミリーズ・リスト」を設立、女性候補者への経済的支援を行ってきました。団体の名前は、Early Money is Like Yeast の頭文字をとったもので、その意味は、早期の資金はパンを焼くときのイースト菌のように、ふくらます力があるということ。つまり、選挙戦の初期に資金不足で女性候補者が落選することのないよう支援しましょう、というものです。 日本でも、「ウィンウィン(Women In NewWorld,International Network)」がこれにならって活動しています。私も先の総選挙で推薦をいただきました。民主党では「WS基金(Waterand Seed:種と水)」を設置し、女性新人候補へのわずかですが支援も行っています。またローカルレベルでも、財政的支援はできませんが、女性の政治学習をすすめるための組織もたくさんあります。お隣の長野県で長く活動してきた「女性議員をふやすネットワーク『しなの』」は草分け的存在、新潟では「女性議員を増やそうネットワークにいがた」があります。 憲政記念館で特別展を見学していると、女性が参政権を得て政治に参画することの意味、そして意欲が改めて感じられます。また、これまで多くの先輩たちが行動して築き上げてくださったさまざまな権利や仕組みの上に、今の私たちが生活し活動できているのだということがひしひしと感じられます。そうした先輩方の多くはすでに幽冥世界を異にされておられますし、また現世界の進歩もめざましいものがありますが、先輩たちの志はしっかりと引き継がれていると思います。また引き継いでいかなければなりません。 新しい歴史の1ページを開くことができるよう、さらに決意をもって活動していきます。国会見学の折にぜひ憲政記念館へも観覧にお越しになってください。