************************************** 西村ちなみメールマガジン第100号(2006年10月10日発行) 「北朝鮮の地下核実験」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 北朝鮮の地下核実験強行のニュースに、驚きと不安をもって接した方も多いのではないかと思います。実験の規模、実験の成否は依然として明らかになっておりませんが、実験を行ったという報道は確かになされました。国連安保理が声明を採択したばかりであるにもかかわらず、また中国もかなりの強い姿勢をもって北朝鮮に不実施を求めていたにもかかわらず、実験は強行されました。このことは、国際社会の連携が十分だったか否かを検証する必要があることを示していると思います。そして国際社会の連携もさることながら、唯一の被爆国である日本が、核兵器廃絶の訴えをまだ世界中に十分浸透させるに至っていないことを証明したと思います。 イランは核兵器の製造につながるウラン濃縮活動を行っています。8月末までに濃縮を停止しなかった場合は制裁に向けて新たな決議を採択すると明記された国連安保理決議にも関わらずです。北朝鮮が2003年に脱退し未だ復帰していないNPT(核兵器不拡散条約)において、米国、ロシア、英国、フランス、中国の5ヶ国が核兵器保有国と呼ばれていますが、この5ヶ国で保有されている核兵器は、多少古い数字ですが2002年時点の核弾頭数で米国7600、ロシア8331、英国185、フランス348、中国402となっています(おそらく今日の数字はこれよりも多少減少していると思います)。インドとパキスタンは核兵器保有を宣言しているNPT非締約国、イスラエルは宣言してないものの既に事実上の核兵器保有国と言われています。つまり、この地球上には、今なお多くの核兵器が存在しており、また開発が進められているのです。 私は広島、長崎、沖縄など、行ける範囲でしかありませんが時機をとらえて日本国内でも戦争の爪痕を辿り、遺された物を見て空気を感じて人と話してきました。核兵器の非人道性は、多くの体験者が顔を歪めて語るとおりだろうと私は確信します。二度と戦争はいやだ、核兵器は駄目だ、との訴えは、国家の威信や統合よりも優先されるべき真理であるはずです。それをいともたやすく、国家の求心力を維持し瀬戸際外交の一環として実験してしまった北朝鮮を、私は断じて許すことはできません。 ミサイル発射の後、特定船舶入港禁止法により新潟港に万景峰号の入港が禁止されました。この船の入港制限が経済制裁とは言われましたが、日本の対北朝鮮貿易額に占める新潟港における輸出入額のシェアは、輸出で7.9%、輸入で4.2%です。拉致問題でも進展の見られない中でミサイル発射、そして核実験と、日朝平壌宣言を無き物に等しくした北朝鮮に対して、より厳しい制裁措置(非軍事的)はもはや已む無しと考えます。 人類は、戦争ではなく平和を、威嚇や抑止よりも対話と信頼を、選択してきたはずなのに、また環日本海地域では人々の地道な努力が積み重ねられてきたのに、どうして私たちが暮らすすぐ側で核実験が行われたのでしょうか。日本に在住する北朝鮮国籍の人たちはどのくらい肩身の狭い思いをされていることでしょうか。本当に残念でなりません。 今日の夕方、急遽開会された衆議院本会議では、「北朝鮮の核実験に抗議し、全ての核兵器及び核計画の放棄を求める決議」が全会一致で採択されました。あらゆるルート、あらゆる手段をもってその決議が有効に実現され、平和的な解決が模索されるよう、国会として、議員として、民主党として、取り組んでいく決意です。