************************************** 西村ちなみメールマガジン第85号(2006年6月26日発行) 「緊急であること、緊急でないこと」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 先週20日、小泉総理が記者会見でイラクからの自衛隊撤収決定を発表しました。陸上自衛隊が撤収作業を国旗を隠しながら行う傍らで、米軍への燃料補給を行っているとされる航空自衛隊が補充されるなど、決して「撤収」になっていないことは大きな問題です。 記者会見のときの背景が、いつもの青いカーテンから赤いカーテンに変わっていたことに皆さんお気づきでしたでしょうか。あの赤いカーテンは、昨年8月8日に郵政解散をした日以来です。あの場面で、総理が何をアピールしたかったのか全く分かりませんが、いずれにしても小泉総理にとって最後の赤いカーテンだろうと思いながら見ていました。 つい最近、防衛庁幹部が「イラク派遣をとおして、有事の際にはどうなるかという心の訓練を、隊員及び家族は行うことができた」と発言していました。日本は、サマーワは非戦闘地域で安全だという根拠で、自衛隊派遣を行ったはずです。なぜ安全なところに行く隊員が、心の訓練などできるのでしょうか。日本政府の本音が垣間見えた気がしました。 いずれにしても、イラクの復興は、実際にはまだまだこれからと思います。復興のためには治安の維持が絶対条件ですが、まだ混乱を抜けたとはいえません。外国の軍隊が撤収し続けている今これからが本番。国際社会がイラクの復興を責任もって支援していく必要があります。 私は、イラクへの日本の支援は、もともと良かった対日感情を考えたとき、やはり顔の見える協力であるべきで、現地の人たち自身が治安回復し国土の復興に努めることができるよう、警察官の育成やいわゆる民生部門で尽力すべきだと考えています。そのときに活躍するのは日本の現場を知っている人たちや現地とのコーディネイトができる人たちで、そうした人たちが現地で活動するのを応援すべきだと思います。 ところが、日本政府は、プライドがあるのか、現場を知っている人やコーディネイトができる人への支援をすんなりと行ってはくれません。スーダンのダルフールで200万人近いと言われる避難民の帰還に際して、日本のNGOが政府のODA予算を活用できないかと無償資金協力を申請したところ、「緊急支援ではない」という理由で撥ね付けられた経過があると聞きました。スマトラ沖地震へもジャワ島地震へも日本政府は「緊急支援」という名目で支援を行っています。しかしスマトラ沖地震のときは、機材を積んだ飛行機が現地に入るまでに何度も荷物の積み替えをするなどし、最後は現地に到達しなかった機材もあるとかで、緊急支援にもなっていなかったお粗末です。「緊急」であればかなりラフなお金の使い方をしますが、緊急を脱すると、とたんにどう叩いてもお金を出さなくなることも、日本の特徴だと思います。 しかし私たちの税金を使うのに、緊急だからOKで緊急でないから不可、などと一概には言えないと思います。今のような使い方でよいのかをチェックし、望ましい使い方へと改めるのが、私たち国会と有権者の役目でもあります。限られたお金ですから、同時代を生きる人たちのために有効に使われるよう、活用していかなければなりません。 「金儲けはいけないことですか」と開き直った村上氏。きょう5億円を払って保釈されました。「悪貨が良貨を駆逐する」ここまでくると、もう訳が分からなくなりそうです。