************************************** 西村ちなみメールマガジン第83号(2006年6月12日発行) 「ワールドカップとサミット」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 いよいよ通常国会の残り会期が1週間となりました。昨年の通常国会と比べると拍子抜けするほどの短さですが、私の仕事量は昨年よりも格段に増えました。質問回数も、提出法案も、とても多くなっています。息切れせず、最後までがんばりたいと思います。 サッカーワールドカップが開幕しました。4年前は日本と韓国の共同開催で、新潟スタジアム(ビッグスワン)でもゲームが行われ、大変な熱狂だったことを昨日のことのように思い出します。新潟駅からビッグスワンへの観客の輸送は、世界的にも注目されたほどのスムースさでしたが、その後のビッグスワンはどうでしょうか。もちろん今でもバスの輸送は行われていますが、地元のアルビレックスのゲームがある日などは自家用車の長い列ができ、とても渋滞しているようです。成功例をしっかりと引き継ぐことができていないようで、とても残念に思います。 今、新潟は、2008年のサミット開催地誘致に向けて、横浜市と連携しながら、県と市を上げて誘致活動に取り組んでいます。私は、この活動に単純に賛同し、応援しているところです。その理由は、新潟が日本海側に位置する街であること、対岸との交流の歴史がしっかりと展開されてきたこと。人間は、いま自分がいる地点からしか世の中を見ることができません。想像力で地球の裏側の人たちがどんな暮らしをしているかを認識することはできますが、その想像力も暮らしの中から出てくるものなので、「私」がどこにいるかは時代を見るときにも極めて重要な要素です。新潟は「裏日本」と呼ばれていた地域にあります。おそらく欧米の政府首脳は、日本といえば東京、太平洋に面しているところだと感じていることでしょう。新潟でサミットを開催することができれば、そうした発想を転換するきっかけを、日本国内のみならず世界に向けても発信することができるのではないかと思います。 ところで新潟が「大きなもの」を誘い込むことを選択したのは、ワールドカップサッカーに次ぐ出来事だと思います。日本で前回のサミット開催地は、沖縄でした。クールビズというのが永田町では大流行で、私は単に環境省が主導しているネクタイ外し運動だと感じていますが、国会の中でも2年目になりました。小泉総理はこのところ「かりゆし」という沖縄の衣服を着ていますが、そのパフォーマンスは米軍基地再編で煮え湯を飲まされた沖縄県へのささやかな配慮ではないかと噂されています。 地方は今、医師不足に悩み教育機会の不均衡など大都市部との格差が広がりつつあります。沖縄の問題に関して言えば、総理が留意すべきは、「かりゆし」を着ることではなく、沖縄の人たちと真正面から向かい合うことでしょう。もちろん新潟でサミットが開催されることになったとしても、そのときの総理は小泉氏ではもはやありませんが、浮ついたパフォーマンスに眩まないしっかりとした目で、新潟の将来を見つめていきたいと思います。