************************************** 西村ちなみメールマガジン第75号(2006年4月17日発行) 「医療制度改革 3つ緊急課題」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村ちなみです。 医療制度改変がこの国会で提案されています。政府の考え方は、基本的には「医療費の総額抑制」という一言に集約されるといってよいでしょう。介護保険制度と横並びで入院時の食費など周辺費用の負担率増加や、高齢者の窓口負担率引き上げは、とりあえず目先の医療費の伸びに歯止めをかけるための施策。生活習慣病の予防に力を入れることによって病気の重篤化を防ぐというのは、中期的に医療費の増嵩をおさえるための施策。診療報酬の改定も行われますが、医者や診療科の偏在がそれで解決されるわけではありません。 この間、民主党としても、医療制度改革に向けて、患者の方から、また医療に従事する方から、ヒアリングを何度となく行ってきました。その結果、たいへん多くの問題がこの国の医療制度にはあるということが分かりました。 誰もがどこに住んでいても等しく質の良い医療を受けられること、また医療従事者にとっても納得のいく医療を提供できること、これらは成熟社会に入った日本ではごく当たり前に約束されるものでなければなりません。 しかし実態はどうでしょうか。私たちは病気になったとき、あるいは怪我をしたとき、医療を受けます。ところが、住んでいる場所によって受けられる医療の質が異なったり、医療従事者も情報交換の場が少ないことなどからどんどん地域医療の現場から離れていくという悪循環が発生したり、決して満足のいく状況とはなっていないのです。医療過誤は重大な問題であり、最近は医者個人の責任が問われるケース(福島県立大野病院での医療事故)なども出てきていますが、構造的な問題の議論にまでは至っていません。基本的には医療従事者と患者の間の、またドクターとナースの間の、コミュニケーションの問題ではないかと私は考えています。 民主党は、医療における緊急課題として3点に絞り、政府提案への対案を示しました。第一に小児医療制度の充実です。小児科医の減少が深刻です。産科もない地域が増えてきています。少ない小児科医は多くがオーバーワークで疲れ切っており、燃え尽きる寸前になっていると言われます。そうした状況を解消するため、地域における小児緊急医療のシステム化、医療機関の連携など小児医療の再編を大胆に提案します。 第二にがん対策の充実です。日本のがん医療は、地域格差・情報不足・専門医の不足など問題が山積しています。これらは日本の医療が抱える問題を象徴しており、政府のかけ声だけでは解消できません。がん情報ネットワークの構築と相談体制の確立、全国どこでも標準治療が受けられる体制の整備など、患者が医療機関の間をさまよう「医療難民」にしないためがん対策基本法案を提案しています。 第三に医療を受けるときの安心・納得のため、患者の知る権利や自己決定権などを確立し、医療機関などからも情報提供を求めることです。医療事故の調査制度を確立し、法整備も検討します。十分な情報と理解と納得は、医療が実施されるときの不可欠な要件だと考えます。 ぜひこれらの提案について国会で審議が行われ、法案を成立することができるよう、取り組んでまいります。 ところで現在、千葉7区で補欠選挙が行われています。これは、通常国会終盤、民主党が掲げている政策に対して有権者の方々がどのように評価しているのかを示していただくための選挙でもあり、重要法案が山積している今だからこそ負けられない選挙です。私も明後日は千葉7区に応援に行ってまいります。国会対策もがんばり、選挙対策もがんばります。