************************************** 西村ちなみメールマガジン第56号(2005年11月28日発行) 「災害とNPO」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 昨日、民主党NPO局・市民政策議員懇談会の主催で「災害とNPO」意見交換会を新潟市内で開催しました。NPOの5名の方々から私たちに対する政策提言をしていただき、参加国会議員6名からの質問、そして短い時間でしたが傍聴席からのご意見をいただくというものです。おそらく新潟市で、NPOの代表者と国会議員が向かい合って意見交換をするという場が設けられたのは、初めてのことではないかと思います。このような場をつくることができ、たいへん感慨深いものがありました。 内容も濃い意見交換会としていただきました。このところ日本列島をたびたび襲っている自然災害。救援・復旧・復興に、NPOやボランティア団体の皆さんが大活躍しています。しかし、活動を行うにあたってさまざまな問題が発生したり、それらを解決するためにボランティアだけの力ではどうにもならないことも多いということが分かってきました。地球規模的にみてもこれだけ災害の多い国ですし、すでにNPOやボランティアの活動にあたっての課題も集約されつつありますから、それを政策立案や立法に生かすことが必要だと思います。特に今回は日本の国土面積の約7割を占める中山間地での災害でしたので、今後の参考に資するところ大です。 私が今回、ぜひ政策提言者の皆さんから聞きたいと思っていたのは、3つです。1つは中山間地という特性から、どのように復興プログラムを考えるのが良いのか、という点。2つめは、すでに神戸や東京で開催された意見交換会の中で、災害発生時にボランティアや行政とのコーディネイトができる人材を確保し派遣するためのプラットフォーム(調整機関)が必要だという意見があったのですが、それをどのような規模で考えるのか、という点。3つめは、ボランティア活動のための資金繰りが難しいという声がある中で、今回新潟県では新潟NPO協会が呼びかけて5000万円の活動基金を集め、60のプロジェクトに支援しているのですが、この活動基金はどのくらいいつまで構築していくのか、という点。 たとえば今日も私はNPO局長の近藤昭一衆議院議員と中越地方を視察してきましたが、2度目の冬が近づいてきている被災地で、まだ住宅再建ができず、底冷えのする仮設住宅で過ごさなければならない方々がまだたくさんいます。被災者生活再建支援法などが本当に被災者の生活の復興を目的としたものといえるのか、大いに疑問を感じますし、これからも改正について訴えていきたいと思います。また私は災害発生時に県外の団体からアレルギーをもつ子ども用の離乳食などを提供するという連絡を受け、どこの避難所にそのようなものが必要なのか知りたいと思っても、そうした情報が把握できないという状況にも直面しました。たいへん良い活動をしている団体で、活動資金が枯渇したために撤退を検討していた場面にも出会いました。 もちろん、それぞれの団体は、活動の目的も異なれば対象としている被災者の層も異なり、すべての団体が同じ着眼点と関心をもとに活動しているわけではありませんので、1つの論点について議論しているときでも意見がかみ合わないということはときどきあります。しかしいずれの団体も、人のために体や頭を動かしたい、という思いは同じ。被災者の皆さんと、そして次に発生するかもしれない災害地およびそこで活動するNPOやボランティアのために、本当に真剣に意見を述べてくださいました。 民主党は結成の当時から「市民社会との連帯」をうたっており、生活者の目線から提案されてきたさまざまな論点を各部門会議での議論に反映してきています。「災害とNPO」というテーマで、今年は、新潟だけでなく神戸・東京・名古屋でも意見交換会を行います。いただいた意見を生かして、迅速にかつしっかりとした立法につなげていきたいと考えています。