************************************** 西村ちなみメールマガジン第51号(2005年10月24日発行) 「災害とNPO・ボランティア」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 第163国会も残すところあと1週間。特別国会における議論も山場を越えつつある感がいたします。私が所属する総務委員会は先週、連日委員会が開催され、私も委員会での質問に2回、本会議での討論に1回、それぞれ立たせていただきました。委員会での質問は電波法・放送法の一部改正案とNHK決算について行ったもので、本会議での討論は電波法・放送法の一部改正案の本会議採決直前に行われるものです。いずれも自由で公平な放送のあり方につながる電波行政、不祥事が続いたNHK問題、放送局への外資規制や放送と通信の融合など、大きな問題ばかりでした。 さて、昨日10月23日は、新潟県中越地震からちょうど1年の日にあたります。小千谷市で開催された合同追悼式に私も参列し、献花をして、亡くなられた方々のご冥福を改めてお祈りするとともに、ご家族や地域で被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げてまいりました。地元小学校の子どもたちが、これからの復興を誓い、声を合わせて「がんばります」と言っていたのには、本当に感動しました。地が裂け、山が崩れてしまった被災地に、これから2度目の冬が訪れます。1日も早い復旧・復興のために、さらに取り組んでいくことを決意しています。 ところで昨年、新潟県内で発生した自然災害の際には、復旧・復興にたいへん多くのNPOやボランティア団体がかかわりました。どのような団体が、どのような活動をしてきたのか、また被災地の人々とどんなふうに出会い、どのような関係を構築していたのか。昨年1年間で2度の自然災害を経験した新潟県には今、「災害とNPO・ボランティア」について語るために十分な蓄積がされつつあります。 今、私の手元には2冊の本があります。『私の7・13水害 その時、今、思ったこと』(「私の7・13水害」編集委員会、2005年)と、『中越の経験−NPO・ボランティアが開いた地域づくりの扉−』(新潟県地域総合研究所、2005年)という、災害とNPO・ボランティアの関係を、実際に新潟県の経験に照らし合わせながら普遍化するために、重要な手がかりとなるものです。前者は一人ひとりの被災者の手記を中心とし、後者は、7・13水害から中越大震災までの中でNPO・ボランティアという視点からの考察を中心としています。 災害は、一瞬にして地域で暮らす人々の平穏な生活を奪います。地震予知に意味がないとも思いませんし、「備えあれば憂いなし」で、各ご家庭で緊急避難用の食料と水3日分を確保することは必要なことです。しかし、それだけで十分なのだろうか?私は2冊の本を読んでみて改めて考えました。究極の自然災害への備えは、日ごろから安心して生活することができるコミュニティそのものではないか、と。そういったコミュニティは強靭で、力を合わせて何事かをなし得ることができるでしょうし、NPOやボランティアとの関係を構築することも柔軟に行えるはずです。水害と地震という二つの大きな自然災害を体験した新潟だからこそ発信できる防災メッセージ。政策づくりにも生かしていけるポイントなのではないでしょうか。 民主党本部にはNPO局という部局があり、私はその次長をつとめております。また市民社会における政党の役割を模索する民主党では、以前から「市民がつくる政策調査会」という市民レベルでの政策シンクタンクとも連携をしております。来月はこの民主党NPO局と市民がつくる政策調査会が新潟にやってきて、災害時のNPO・ボランティア活動から見えてきた政策的課題についてヒアリングを行います。開催は11月、また近くなりましたらご案内させていただきますが、広く皆さんからもご参加いただき、パネリストの皆さんと問題意識を共有していただければと存じます。