************************************** 西村ちなみメールマガジン第50号(2005年10月17日発行) 「政党外交」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 先週、私は、急な海外派遣を民主党本部から命じられ、2泊3日で台北まで行ってまいりました。自由主義インターナショナルの流れを汲むCALD(アジア自由民主連盟)が今年、女性の政治参画をテーマに国際会議とワークショップを開催したのです。日本の民主党はCALDの正式メンバーではありません。毎年、招待をいただいているわけでもなく、幹事会などに参加するときもオブザーバーという立場での参加にとどまっています。ちょうど総選挙のころ民主党へ招待状が届いていたらしく、鳩山幹事長の「誰か行ってもらいましょう」という一言で滞っていた人選が進んだところ、私が男女共同参画副委員長・国際局次長ということから出席することになったのです。 私が台北で何を感じ、何を考えたか?それらをみなさんと共有するために、日程や参加者からご案内したいと思います。まず日程ですが、13日は台北で政治への参画を検討している女性候補予定者が参加してワークショップが行われました。参加者は、実際に地方選挙を行っている選挙事務所へも視察に行ったようです。また午後からはCALD幹事会が開催され、私もオブザーバーとして参加しました。14日はセッション、「政治における女性の役割」や「女性の政治参画を促すための党と国会の役割」などのテーマごとに報告と質疑応答が行われました。 女性の政治参画はアジア共通のテーマとして、議論に値する重要なテーマであることを再認識しました。 政党としての参加は、フィリピン、タイ、マレーシア、インドネシア、インド、スリランカ、台湾、韓国、日本からの、正式メンバーおよびオブザーバー政党です。それぞれの政党は、与党として安定した政治勢力を保っているもの、連立政権の一翼を担っているもの、野党として閣外協力しているもの、与党と完全に敵対しているもの、極めて厳しい状況におかれているもの、など、実にさまざまなでした。また個別の参加者は、議員や政党職員、政党と関係ある学識経験者やアドバイザーなど多様であると同時に、幹事会メンバーの多くはすでに友好的な人間関係が作られている友人同士でありました。 使用言語は英語。私に要求された出番は、14日のセッションで15分のスピーチを行い、他の参加者とともに質問を受けるというものでした。これまでシンポジウムやパネルディスカッションで喋ることは何度か経験していても、すべて日本語の世界。初めて英語でスピーチと質疑応答を行い、道具としての語学の重要性を再認識しました。 さて私は、今回の台北滞在で、あらためて日本という国の外交戦略と私自身の外交スタンスについて考えをめぐらせました。CALDの会議には、求めに応じて、民主党から毎回それぞれ別の議員が参加しています。ですから、幹事会に出席しても、そこで培われている人間関係やそれまでの議論が理解できていません。各国の政治状況に対してCALDとして決議文を採択するため、その内容等について検討している幹事会においても、日本として、また民主党として、容易に発言することができないのです(オブザーバーですからある意味当然のことですが)。 CALDそのものが、民主党が参加すべき組織かどうかということについては別の問題として議論しなければなりません。いずれにしても、外交で必要な継続性、人間関係や言語などを、もっと私たちは重視すべきであると感じました。アジア重視の外交政策を掲げる民主党です。主張をきちんとぶつけ合い、受け入れられるもの・受け入れられないものをきちんと峻別することが必要です。そうした判断に基づいて、目指すべき方向のために、努力するということ。この視点を保ちつつ、私も国際局の次長になりましたので、民主党としての政党外交にしっかりと関わっていきたいと思います。