************************************** 西村ちなみメールマガジン第37号(2005年7月19日発行) 「少子化 パート1」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 いよいよ新潟も梅雨明け間近になってまいりました。本格的な夏の到来ももうすぐです。一足早く梅雨明けした東京では、参議院で郵政民営化法案が否決されたら小泉総理が衆議院を解散するという噂話がまことしやかにささやかれています。このささやき声は、連休中のマスコミ報道によってさらに煽られましたが、「参議院で法案が否決されるとどうして衆議院が解散することになるのか」という論理的な話をしていたマスコミは一つもありませんでした。また、「いま衆議院を解散すると政治の空白が生じてしまうので、解散すべきではない」と発言する与党議員がいらっしゃいましたが、解散したら政治空白になるというのは本当でしょうか。郵政民営化関連法案に多くの閣僚がかかりきりになっており、他の重要法案や市民生活にとって関わりの深い課題が審議されないまま「吊るし」にあっている今のこの現状こそが、政治の空白状態なのではないかと、私は思います。 こんな政治の空白に落とし込まれた重要課題の中に、年金制度改革や少子化対策などがあります。今回は、この少子化問題について、プロローグ的に少し書いてみたいと思います。 民主党の岡田代表と自民党の小泉総裁が一対一で議論をたたかわせる党首討論を、民主党からは、今月20日に行うよう求めているところですが、先回行われた党首討論で短い時間ながら岡田代表は少子化対策について議論しました。いつも取り上げるべく準備をしながら、時間切れで取り上げることができなかった課題です。民主党では、数多くの政策調査会やプロジェクトチーム、ワーキングチームが、それぞれの分野から少子化対応について調査を行い、統合された政策づくりに取り組んでいます。 現時点でまとまっている政策の、基本的な考え方は、以下のとおりです。少子化は重要な問題ですが、短絡的な解決方法はとるべきではありません。子どもを産みたい人もいるし、産みたくない人もいる。産みたいと思っても身体的な事情から産めない人もいる。「少子化」を考えるときには、こうした多様な状況を考慮に入れ、きめ細かな政策対応がなくてはなりません。「産めやふやせや」で、子どもをもつことのできない人を追いつめないことも大切です。子どもをもつ人でも、希望する子どもの数と、実際の子どもの数に、ギャップが生じているケースは少なくありません。また子育てしている人が社会的あるいは経済的に追いつめられることから、その矛先が子どもに向けられるケースも生じています。 子どもたちは、未来の社会を担う貴重な存在です。また子どもは、存在自体がすばらしく、子どもがいるだけで地域や社会が明るく前向きになれます。そうした子どもたちの育成を、地域全体で支えていく。地域の子どもたちの育ちを、社会全体の願いとする。そのことはつまり、子どもを育てる人たちを支える社会をつくるということでもあります。そのことが、結果として、少子化を食い止めることにもなるのではないか。私たちはそう考えています。 しかし現状では、合計特殊出生率(一生のうちに1人の女性が出産する子どもの数)は、減少の一途をたどっています。現在の政策が、子どもをもちたいという人たちの気持ちに応えられていないことの証左に他なりません。 いったい少子化の現状はどうなっているのか、またそれに対応するための政策課題は何なのか。次回から、何回かのシリーズに分けて、私の考えをお伝えし、またみなさんと一緒に考えていきたいと思います。