************************************** 西村ちなみメールマガジン第35号(2005年7月4日発行) 「疑惑も、疑問も、ひとつも解明されないまま」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 たった今、郵政民営化に関する特別委員会の最後の質疑が終わり、採決を終わって、議員会館に戻ってきたところです。私は午前中、短い時間ですが、参考人の意見陳述に関する質疑を行いました。午後からはテレビ入りで先輩議員が質問、討論ののちの採決は賛成多数で修正案・原案ともに可決しました。もともと自民党の委員の中には、反対派議員もいらしたのです。ところが採決が秒読みに入った先週金曜日に、反対派議員は全員が賛成派議員に「差し替え」られていました。その結果として、委員会室の雰囲気がそれまでとは全く異なり、下品な野次が飛ぶなど、賛成派議員によって自民党席のすべてを占められた委員会が変質したことは、ホームページにも書いたとおりです。反対派ないしは慎重派であった議員の方々がどれだけ良識的であったか、改めて思い知らされました。 109時間に及ぶ審議でしたが、なぜ今郵政民営化なのか、そのメリットとデメリットは何なのか、また官でやること公でやること民でやることはそれぞれ何なのか、法案の解釈は修正によって変わるのか変わらないのか、等々、納得のいく答弁は一つもありませんでした。それどころか、追及されて苦し紛れの答弁をした閣僚から、その答弁の訂正やお詫びが行われ、それのために109時間のうちどのくらいの不必要な時間を費やしてきたかも分かりません。極めつけは総理です。総理は、修正案がまとまる前日まで答弁で「政府案がいちばん良い。修正する必要はない」と言ってきました。ところが今日は、修正案が政府案の変更にあたると認識しているかという問いに対して、「私が最初から修正もありうると言えば、民主党が、修正案を出すくらいなら最初から出せ、と言うでしょう。だから修正もあるとは言わなかったんだ」との発言が飛び出しました。つまりこれは、修正はあると思っていたけれども、ないという虚偽の答弁をしてきた、と自らが語っているに他なりません。語るに落ちるとはこのことです。また、郵政民営化広報企画案にもとづいて全国1400世帯にフライヤー(チラシ)が配布されましたが、ここにびっくりするような記載があるのです。「小泉内閣支持基盤」として「主婦層&子供を中心、シルバー層」を挙げ、「具体的なことは分からないが、小泉総理のキャラクターを支持する層:小泉内閣を支持する層」などと表記した上でそれらを「IQ軸LOW」軸に位置づけ、ここに対する「徹底したラーニングプロモーション」を実施するとした内容です。これにも憤りを感じます。このフライヤーは、作成から配布まで1億5千万円を超えるものですが、随意契約で発注されました。これは政府内の心ある方からの内部告発によって明らかになったことです。 いずれの疑惑も、疑問も、ひとつも解明されないまま、特別委員会の最終日となってしまいました。空しい、というのが率直な感想です。しかし明日の本会議がまだあります。廃案をめざして、最後まで頑張り抜きます。そして人口減少社会に向かうこの国のかたちをしっかりとデザインする、基本的な議論に立ち返るまで、政権交代を目指して、改めてがんばる決意です。 また私は、この郵政民営化特別委員会で、本当にいろんなことを学ばせていただきました。多くの方々が評価してくださるように、民主党の委員会メンバーはよく連携し、中身の濃い質疑を行ってきました。また理事メンバーが委員会運営に全力で取り組む姿から学ぶことも本当に多かったです。今後の国会活動に、必ず生かしていきたいと思います。 昨日の都議選では、私が応援に伺った候補者全員が当選いたしました。皆さんのご声援に心からお礼申し上げます。都議会で民主党が第2党にしていただいたというのは、本当に重要なことと思います。今後ともご支援いただきますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。