************************************** 西村ちなみメールマガジン第29号(2005年5月23日発行) 「奇妙な株式会社」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 郵政民営化法案をめぐる取り扱いが山場を迎えました。私が所属する総務委員会にとっては、郵政事業も重要な審議事項です。郵政民営化法案が総務委員会に付託されたときには、小泉式民営化が不要不急であることと問題だらけであることなどを委員として問いただすつもりでいましたが、先週金曜日の本会議で野党欠席のまま、郵政民営化特別委員会の設置が決められてしまいました。大変残念です。報道によれば、総理は官邸からこの特別委員会の人事を指揮したとのこと。解散総選挙と候補者公認などをちらつかせながら与党議員をコントロールする小泉総理の賢しいやり方には、舌を巻くほかありません。 今回の法案には、あらためていうまでもなく、いくつかの重大な問題点があります。修正を前提としたままの欠陥法案を提出していること。郵便局ネットワークの設置基準など郵政事業の根幹にかかわる部分の多くは法案ではなく政府の裁量で変更できる政省令に委ねていること。条文にミスがあること。昨年、年金制度改正法案においても条文の間違いが発見されましたが、今回は、必要性も緊急性もないが出されてきた、世にもまれな悪法であると思います。そもそも中央省庁等改革基本法には、郵政公社とすることにより「民営化等の見直しは行わない」とされており、法案そのものが法律違反であるという極めて異常な事態になっています。 肥大化を続けてきた郵貯・簡保のかかえる問題点は、今回の民営化では解決しません。また現在の郵政公社の運営には税金は一円たりとも使われていないのです。むしろ民営化によって、株主を国とする奇妙な株式会社が誕生することになり、結果して民業圧迫になる可能性は大です。 財政投融資の金がこれまで無駄遣いされてきた責任は、郵貯・簡保にあるのではなく、使う側、つまり政府の側にあると思います。民主党は、行政改革を行うにあたっては特殊法人の原則廃止や特別会計の改革、天下りの禁止などを訴えてきました。これからも、本物の改革を訴えていくつもりです。 民主党の今回の戦術については、皆さんからもいろいろご意見のあるところだと思います。どうぞ忌憚のないご意見をお寄せくださるよう、お願い申し上げます。