************************************** 西村ちなみメールマガジン第25号(2005年4月25日発行) 「合併のあとに取り組まなきゃいけないこと」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 昨日、宮城と福岡の二つの小選挙区における補欠選挙と、新潟市議会増員選挙が、投開票日を迎えました。私が応援してきた民主党の候補者は落選。残念ですが、この敗戦で明らかになった課題を、今後の努力で克服していきたいと考えてます。ご支援いただいたみなさん本当にありがとうございました。力不足をお詫びするとともに、今後ともご支援くださるようよろしくお願い申し上げます。 今月のオープンミーティングでは、外部講師をお招きし、2回連続で市町村合併について学びました。第1回目の「市町村合併〜国の視点から〜」では、全国の市町村合併の動向、政令指定都市の権限と財源、新・新潟市が政令指定都市に指定される可能性についてお話しいただきました。第2回目の「市町村合併〜市の視点から〜」では、合併後の新潟市のめざす姿、今後のまちづくり等に向けての課題、新潟市合併マニフェストについてお話しいただきました。参加者のみなさんからの関心も高く、活発な質問を出していただきました。 そもそも政令指定都市とは、急激に人口増加がすすむ大都市の問題に対応するために作り出された制度です。昭和31年に五大都市(大阪、名古屋、京都、横浜、神戸)の指定と同時にスタートしました。人口集積が急速に進むことにより、都市計画や道路の管理や教職員の任免などに生じるひずみを速やかに解消するため、その権限を都道府県から政令指定都市におろし、スムースな都市化をはかる、ということが目的でした。 地方自治法には、政令指定都市とは政令で指定される人口50万人以上の市をいう、としか書いてありません。この50万という数字は、昭和31年に指定された五大都市のなかに神戸市が含まれています。これは他の4つの都市が人口100万人を超えていたものの、神戸市がわずかにこれに届かなかったため、50万人以上としたのではないでしょうか。その後、人口100万人を超える都市、そして100万人には満たなくとも今後人口が増えて100万人くらいにはなるという見込みの都市が、次々と指定されてきました。平成13年には市町村合併推進プランが策定され、①大規模な市町村合併が行われ、②合併関係市町村と関係都道府県の要望がある場合には、弾力的な政令指定都市指定を検討することとされました。これを受けて市町村合併による政令指定都市への移行がさいたま市と静岡市で行われ、政令指定都市は新たな時代に入りました。 さて、市町村合併について2回にわたって話をお伺いしたところで、いくつかの課題が浮かびあがってきました。 ひとつには、地方財政についての課題です。国から地方への交付税は今後10年間確保されるということになっていますが、厳しい財政事情で将来にわたっても交付税が確保されるという確約はありません。いわゆる三位一体改革がスタートしてから、地方六団体(全国の都道府県、市、町村の首長と議長がそれぞれに構成している六つの団体の総称)が政府に要望書を出して、補助金の削減、交付税改革、税財源の移譲について、具体的な提案を行っています。国としてはそれを真摯に受け止めるとしていますが、実際には、権限と財源を手放したくない各省庁の抵抗にあり、実態はあまり進んでいません。 地方の財政計画を立てているのは国であり、その財政計画の決定の方法が不透明であるということも、問題です。また、政令指定都市に移行したとき、いわゆる市民の参画をいかに新しい市政運営にしっかりと組み込んでいくかも課題です。新潟市の合併は、政令指定都市の指定を受けるためという側面もありましたが、より実践的な住民自治を行うためのものとしなければなりません。大きな市になったからこそ、それぞれの地域の個性が生かされ、市域内の分権が確立されるしくみをつくっていく必要があります。 対外的には、新潟の拠点性をいかに高めていくかという大きな課題があります。 こうした課題について、次回のオープンミーティングでは、「国の視点から」「市の視点から」に引き続き、「市町村合併〜私(たち)の視点から〜」として、みなさんとともに今回の市町村合併と新潟市の政令指定都市への移行についてもう一度課題を整理し、私と参加者のみなさんとで話し合う場としたいと思います。前回、前々回のお話しを踏まえて、国や市の考え方に対してご意見やご要望をおもちの方、どうぞお気軽にお越しください。