************************************** 西村ちなみメールマガジン第23号(2005年4月11日発行) 「“改革”のようなもの」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 先週水曜日、竹中大臣が委員会答弁をドタキャンするという事件が発生しました。この日、私が所属する総務委員会では、郵政事業を所管する麻生総務大臣と、郵政民営化担当という特命を小泉総理からうけた竹中担当大臣の委員会への出席を求め、与野党理事が合意のうえで質疑が行われることになっていました。民主党からもバッター(質問者を意味します)が4人決まり、質問通告も行い、朝10時の開会を待つだけになっていました。 ところが委員会開会直前の理事会で、竹中大臣が急に委員会を欠席するという知らせが届きました。「郵政民営化法案を具体化するため調整に一刻の猶予もならない状況にある」つまり忙しいというのが理由とのこと。これには与野党理事も、また自民党議員も、憤懣やるかたない様子でした。総務委員会は、委員長が「誠に遺憾」と述べ、答弁者がいなくては質問になりませんから、次の開会はまた理事会で協議することとし、1分ほどで散会となりました。 憲法63条には、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」と定めています。竹中大臣の今回の行動は明らかな憲法違反。しかもその理由と責任を問われた本会議質問で、「情報収集に不備があった」など苦しい逃げの答弁をしていましたが、総務委員会理事会で示された欠席理由とはまったく食い違うものでした。 その郵政民営化法案ですが、小泉総理が指示した期限(先週末)内にはとうとうまとまりませんでした。自民党に提示された政府案も、中身の何もない代物となっており、多くの問題点が指摘されています。私がとりわけ重要と考えるのは以下の2つです。 ひとつは、小泉総理が郵政民営化を主張した動機そのものが不明確だということです。当初、郵政事業の資金が財政投融資を介して特殊法人などに流れ込み、浪費されて大量の赤字が生み出され、それを解決するための手段として、財政投融資の「入り口」改革が言われたのが、郵政民営化論のスタートでした。しかし、財政投融資は入り口改革だけやっていては不十分で、出口改革(特殊法人そのものの改革)を行わなければ本末転倒となってしまいます。その出口改革は必要性が指摘されてから20年間というもの放置されつづけてきました。また今回の民営化案は、政府保証を残すというものになっています。郵貯・簡保の縮小にもまったく手をつけておらず、巨大な官有民営企業を生み出すことにつながりかねません。いったい何のための郵政民営化なのか。明確な答えは未だに聞かれません。 もうひとつは、世界では郵政事業の民営化は、かつて推進された時期もありましたが、先に民営化したドイツはじめ各国ではおしなべて失敗に終わっているということです。民営化して郵便サービスが向上したという国はありません。またアメリカは毎年日本政府に「年次改革要望書」を提出し報告を求めており、そこで郵政民営化について言及していますが、そのアメリカにおいてさえ郵便事業は国営のままです。郵政民営化が政策課題となったのは、ひとえに、小泉総理の私怨によるのではないか、と、国会周辺ではささやかされています。 いまや政府は内閣不一致、政府与党もばらばら。しかし小泉総理の人気を頼みに政権にしがみつくことしかできてこなかった与党に、いったいこれ以上何ができるでしょう。結果として、年金や介護保険や子育て支援など生活者に密着した政策については内閣の関心が薄くなり、そのしわ寄せは今を生きている市民、これからを生きようとする次の世代へと、不安の増大という形で押し寄せてきています。 ここで民主党がいかなる戦略をとるかが、とても重要です。今月は宮城と福岡で二つの補欠選挙が行われます。また新・新潟市においては市議会議員の増員選挙が行われます。これらの選挙で議席を得ることが、当面の目標です。それぞれの地域に民主党議員を生み出していただき、市民が主役の政治をめざして活動する民主党に、より大きなお力添えをいただけますよう、心からお願い申し上げます。 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 西村ちなみオープンミーティングのご案内 [テーマ]市町村合併 −新潟市の視点から− [日時]4月23日(土)10:00〜11:30 [会場]ユニゾンプラザ *参加費は無料です。市町村合併に関する質問の時間もございます。 ご友人とお誘いのあわせの上、お気軽にご参加ください。 ご不明な点等ございましたら下記までお願いします。 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□