************************************** 西村ちなみメールマガジン第22号(2005年4月4日発行) 「開かれた年金改革論議を」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 今月のオープンミーティングは、新・新潟市の合併をテーマとして、特別に2回シリーズで外部講師をお招きして開催することとしました。9日(土)は10:00から11:30までの予定で、新潟駅前交番向かいのガレッソホールにて、総務省自治行政局行政課行政企画官の吉川浩民さんをお招きし、国の視点からとして、全国の市町村合併の動向、政令市の権限と財源、新・新潟市が政令市に指定される可能性などについてお話いただきます。質問の時間もあります。合併に関する「?」をお持ちの方、ぜひこの機会にご参加ください。 さて4月1日(金)の本会議、ようやく年金制度改革に向けた第一歩が踏み出されました。「年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議」が採択されたのです。 年金制度は昨年夏の参議院選挙では大きな争点となりました。国内世論も、年金などの社会保障制度改革を優先的に行ってほしいという意思を、たびたび示しました。年金財政が破綻に近づいていることは誰の目にも明らかでしたが、政府は「百年安心プラン」なのだと主張して引きません。民主党でなければ年金制度の改革はできないと訴え1日も早い政権交代を求めるか、あるいは視界不良ではあるけれども超党派での議論に持ち込むよう努力するか。民主党内でも本当に真剣な議論が行われてきました。その結果、粘り強く与党に働きかける道を選択しました。そうして先月から与野党協議がスタートし、自民党の重い腰も協議のテーブルへと向けてようやく立ち上がってきたのです。 いろんな問題点を隠しながら法案を出してきた厚生労働省、年金財政の赤字を積み重ねてきた責任を指摘することもなく法案にただ乗りするだけの与党・・・これまでの経緯を考えれば、野党としては、怒りと同時に「顔を洗って出直して来い」と言いたいところです。また、与党としては、昨年法案を通したばかりという面子もあるため、あからさまに自らに瑕疵があったとは言えないでしょう。両者の距離が縮まるのは困難な状況でした。 決議にはこう書かれています。「・・・出生率、経済財政情勢、産業構造、雇用構造など時代の大きな変化に対応すべく、過去の経緯などにとらわれず、議論に必要な論点を国民に提示し、あらゆる観点からの議論を尽くし、社会保障制度改革なかんずく年金制度改革について、その実現のため全力を傾注しなければならない」。この決議文をまとめるために、与野党間でどのようなやりとりがあったのでしょうか。野党が「これだけの文言は入れる」と主張し、与党が「こういう書き方でなければ駄目」などとやりとりしたその痕跡が、随所に浮き彫りにされているように、私には感じられます。 今後の進め方については決議および要綱で、以下のように決まりました。 ①全会派参加による両院合同会議を設ける。各党会派の割当は、自民13人、民主12人、公明6人、共産2人、社民2人。会長1人、会長代理1人、幹事8人。幹事は自民4人、民主3人、公明1人、幹事会オブザーバーを、共産1人、社民1人。 ②議論はすべて国民に公開する。 ③まず年金制度改革に関して各党が論点・目指すべき姿・施策について提起して議論を進め、今秋までに改革の方向付けを行い骨格の成案を得ることを目指す。 「骨格の成案を得ることを目指す」。日本語としては通じますが、表現は玉虫色です。議論を合同会議の35名に任せるのではなく、どのような成果をもたらすのか、しっかりとウオッチしていかなければなりません。 またこの間、話題となってきた国会議員年金制度ですが、これについても時代に適応した形へと変えていく必要があります。スタート当初の互助年金制度の枠組みを維持しつつも、国庫から多額の負担金が投入されており、あまりにも優遇された制度だと批判されています。今年に入って、衆参両院議長の諮問機関から、両院議長に答申がありましたが、その内容は短い時間の不十分な議論から出てきており、制度変更しないというものでした。これは納得できる内容とはなっていません。国家公務員の共済年金と一本化する案、一本化とまではならなくとも公務員共済年金に準ずる案、などなど、さまざまな試案・私案が出されてはいますが、民主党が主張する年金制度の一元化により、国会議員年金制度はその中に吸収されることとなり、議員年金だけが高い国庫負担率になっているという不公平な仕組みは解消されることになります。 皆さんからも引き続きウオッチをお願いします。