************************************** 西村ちなみメールマガジン第16号(2005年2月21日発行) 「補助金の削減と、交付税改革と、税源移譲。」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 昨日は、民主党役員室の仕事で、岡田代表の仙台遊説に同行しました。地方分権について宮城県の浅野知事との対談やフロアとのやりとりと、街頭演説・記者会見などの日程です。4月に行われる予定の宮城2区の補欠選挙に向けて、門間ゆきこさんの訴えもありました。寒い日でしたが、大勢の皆さんが集まってくださり、充実したフォーラムになりました。 フォーラムのテーマとなったのがいわゆる「三位一体改革」。財務省ふうに解説しますと、国と地方とのお金の関係を改革するため行われるものであり、補助金の削減、交付税改革、税源移譲の3つを意味します。政府は2010年代初頭にプライマリーバランスの黒字化を目指すとし、2006年度までに3兆円の補助金廃止・縮減と、2005年度までに3兆円規模の税源移譲を行うなどとしています。昨年は地方自治体が予算をつくる直前に税源移譲など地方財政改革の全体像が示されないまま補助金が削減されるという事態となり、各自治体から猛反発の声が上がったところでした。 そもそも日本の地方行財政のシステムは、地方自治とは言いながらも、手足をかなり国(中央)によって縛られていると指摘されています。20兆円にもおよぶ補助金は、法令によって決められた以上に細かい制約を地方自治体に求める源になっています。補助金を獲得するために自治体は細かな計画書を作成し、中央省庁は全国から集まった膨大な量の計画書を時間をかけてチェック、予算の獲得と箇所付けのためにまた膨大な作業を行い、配分を受けた自治体は事業を実施して綿密な報告書を書いて、省庁はまたそれをチェックして…と、日本では中央官僚や地方官僚など優秀な頭脳のほとんどは、無駄とは言いませんがシステムさえ改革すれば不必要になる仕事に多くの時間を割いているのが現状です。 また交付税の仕組みについて、国会論議の中では「交付税は地方固有の財源」と明言されていますが、実はその額がどのようにして決まるのか、どのような考え方で分配されるのか、仕組みはほとんど明らかにされていないのです。自治体の体力はそれぞれ異なりますから、財源調整という考え方は必要なことと思いますが、ここは総務省の独壇場、さじ加減ひとつで交付税の額と分配が決められると言っても過言ではありません。結果として地方の財政規律の破綻につながるのではないかという指摘も頷かざるを得ないところです。 補助金も交付税も、これまで社会資本の形成などにかなりの役割を果たしてきました。しかしもうそろそろ本当に改革が必要な時期ではないでしょうか。地域が創意工夫をこらし、住民・市民の声がきちんと行財政に反映される、いきいきとした地方自治の姿を目指すときです。結果として自治体間に一時的に格差が出るのはむしろ当然のこと。地方の力を信じてこそ、本当の分権改革が可能なのです。 民主党は、まずは市町村など基礎自治体がやれることをやる、できないことを都道府県などがやる、それでもできないことを国がやる、という、補完性の原理を貫いた分権論議をすすめていくことになりました。私もこの論議に、地方分権プロジェクトチームの一員として参加していきます。 プライマリーバランスの黒字化や消費税については、また機会を改めてお伝えしたいと思います。