************************************** 西村ちなみメールマガジン第13号(2005年1月31日発行) 「異例のスタート」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 いよいよ第162通常国会の本格的な論戦がスタートしました。先週24日のメルマガでは、衆議院代表質問前の様子をお伝えしましたが、その後の質問は異例づくめの展開となりました。民主党の岡田代表が論戦の口火を切り、それに対する小泉総理の答弁が不十分であったため再質問を行いましたが、総理は答弁拒否。その総理に対して議長の「総理は誠意をもって答弁するように」という注意があったのも前代未聞ですが、その注意に対して総理が「私は誠意をもって答弁しています!」と議長の言葉をけとばしたのも異常でした。この国会、波乱含みでスタートしました。これからどうなるのか不気味な感じすらします。 さて衆議院では、補正予算の審議が行われ、先週金曜日に全会一致で可決されました。この補正予算に関して提出されていた法案は、地方交付税の増加ぶんを処理するための法律が一本だけということで、委員会としては総務委員会で審議が行われるのみです。合計1時間10分の審議時間、そのうち30分を、私が質問することになりました。質問することが決まったのが26日の夕方。その2日後に質問。いつもそうなのですが、「質問は急に決ま」ります。私は地方交付税の繰越とあわせて、補正予算にも関連する災害対策、とりわけ壊れた家屋の修復への支援を定めた、被災者生活再建支援法の改正案について、議論をすることにしました。 被災者生活再建支援法は、阪神・淡路大震災の後に制定された、被災者の行う住宅再建に国と地方がともに支援を行うための法律です。住宅再建のためというと、壊れた住宅を建て直すための支援かとイメージするのですが、法律的には、住宅本体の修理・建築費用にあてることはできず、がれき撤去費用やローンを組むときの利子への支援にとどめられています。また、被災者の年齢や年収による要件が定められており、たとえば45歳未満で年収501万円以上の人は受けることができないなどのしくみになっています。そして、支援を受けることができるのは「全壊」の世帯のみで、「半壊」の世帯は対象外となっています。新潟県では全壊の世帯が2867棟ですが、半壊の世帯は11122棟、圧倒的に半壊の世帯が多くなっているのです。法律はあっても、支援を実際に受けることができるのは限られてしまう。これではせっかく作られた法律も生きてきません。 この支給要件を緩和し、半壊の世帯も対象にして、支給限度額を300万円から500万円に引き上げるという法案を、民主党は他の野党とともに提出しました。自民党の中に賛成してくださる議員も多く、全国知事会や地元自治体・議会からも要望があり、世論調査などでも改正は妥当という声が8割にも上っている内容です。しかし本会議や予算委員会などでの総理・担当大臣の答弁は、一貫して、①住宅本体という個人資産に公的助成を行うのは妥当ではないという考え方がある、②耐震化や地震保険の加入促進など自助努力を促すことを損ねるという考え方がある、という理由で、さらなる支給額の上乗せなどは難しい、というものでした。 私はこの点を質問しました。①の考え方も、②の考え方も、根拠のない言い逃れにすぎません。そのことを質疑の中で問い質しながら、被災者の気持ちにたった支援をと訴えたのですが、満足のいく答弁を得ることができませんでした。本当に残念です。しかし必ずや国民の皆さん賛同をいただける改正案だと思っていますので、粘り強く取り組んでいきます。