************************************** 西村ちなみメールマガジン第12号(2005年1月24日発行) 「日米演説の違いは」 ※無断転用、無断転載は固くお断りします※ ************************************** みなさんこんにちは。衆議院議員の西村智奈美です。 先週金曜日から第162通常国会が始まりました。今回の通常国会で民主党は、子ども、アジア、地域をキーワードに、論戦を挑み、改革を迫っていきます。大きな争点として、年金介護など社会保障制度、政治とカネ、憲法改正、少子化、郵政民営化などが挙げられます。金曜日の施政方針演説に続いて、今日は岡田克也代表と小宮山洋子ネクスト大臣が代表質問に立ちますので、ぜひ応援してください。 通常国会の初日21日は、小泉総理の施政方針演説につづいて、外交・財政・経済に関する演説がそれぞれの担当国務大臣から行われました。4人で合計約1 時間半にも及ぶ演説です。これまでですと、与党側からの賛同の声や拍手と、野党側からの反対の不規則発言で、議場はかなり騒がしくなるのですが、今回は様相が異なりました。小泉総理が演説を始めても、与党席は水を打ったように静かで、拍手が全くおこらないのです。小泉総理の原稿を読む声も、就任当初の絶叫とは180度転換し沈んだ調子になっていました。 演説原稿は本会議場で配布されますので、私たちもそれを手元において、見ながら演説を聞きます。A4縦書きで19枚になる原稿の5ページ目から7ページ目までが郵政民営化についてでした。総理がこの通常国会で何としても成し遂げたいと熱意を見せている唯一の政策です。しかし与党席からは何の音沙汰もなし。「民営化紙芝居」をやった議員も静かに座っています。「北海道が道州制に向けた先行的取り組みとなるよう支援」というフレーズのところで拍手をした議員もいましたが、おそらく北海道選出の方と思われます。 さて演説も中盤。総理の演説は淡々と続いていますが、与党席は完全にそっぽを向いています。これは嵐の前の静けさなのだろうか、それとも単なる惰性だろうか、と考えていたそのとき。滞っていた空気を破るような、勢いよく叩かれる手から発せられる音が、唐突に議場に響き渡りました。この拍手の主は誰かと振り返ってみると、それは、自民党の武部勤幹事長でした。轟きわたるクリアな音と、武部幹事長の憮然とした表情がミスマッチで、議場からは失笑が漏れています。その後もさしたる反応もないままに、総理の演説は終了しました。 日本の総理が国会で施政方針演説をしたのと同じ21日(日本時間)、アメリカでは、ブッシュ大統領が第2期の大統領就任演説を行っていました。このニュースは米国ばかりでなく関心をもっている全世界に配信され、日本でも内容について詳しく報道されていたのは皆さんご存知のとおりです。私もまたブッシュ大統領がどういう内容の演説をするのかと注目していた一人です。先週18日、北朝鮮を訪問した米国の下院議員団が、大統領就任演説か一般教書演説に自分たちの訪朝の成果を反映させたいと語っていましたが、つまりそれは大統領の演説が非常に重要なものであるということの裏づけでもあります。演説とは、それほどまでに重要なものなのだと思います。 小泉総理の演説は、全世界に配信されたのでしょうか。インターネットで全世界の有名紙を覗いてみましたが、重い取り扱いはされなかったようです。マスコミの報道姿勢によるものなのか、それとも内容の差によるものなのか…。ブッシュ大統領の演説と小泉総理の演説。国内的なインパクトも、国際的なインパクトも、あまりに違うところに、私は、戦後続いてきた55年体制の限界を見る思いがしています。 ところでこの通常国会では、内閣提出法案と民主党提出法案をあわせて約100本の法律案が審議される予定です。民主党として予算案も現在作成中であり、今月中には発表できる見込みです。また近いうちにご報告したいと存じます。 それでは本会議に行ってきます。またお会いしましょう。