●西村(智)委員
立憲民主党、西村智奈美です。
今日は、まず、子供の食品誤嚥による窒息事故に関連して伺いたいと思っております。
今年二月、福岡県のみやま市で、給食の時間でウズラの卵を詰まらせて亡くなられた、小学校一年生の男児と伺っております。本当に痛ましい限りです。政府を挙げて、私は、やはりこういった誤嚥による窒息事故の防止に取り組むべきであるというふうに考えまして、今日は質問をまずはさせていただきたいと思っております。
まず、厚労大臣に伺うんですけれども、人口動態・保健社会統計室からの資料によりますと、こういった事故で、カウントできるようになった一九九五年以降、徐々に子供の窒息による死亡事故というのが減ってきているというふうに見受けられまして、大変好ましい傾向だというふうに思っておりますけれども、この要因を大臣としてはどういうふうに分析しておられるか、引き続き、ゼロにしていくためにどういった対応が功を奏して、そして今後どういった対応を進めていくべきだというふうに認識しておられるか、そこを伺いたいと思います。
●武見厚生労働大臣
厚生労働省の人口動態統計によりますと、ゼロ歳から十四歳の食物の誤嚥による窒息の死亡者数は、一九九五年、平成七年に七十四名、二〇二二年には十二名というふうに、長期的に見ると確かに減少傾向にあるというふうに認識をしております。
減少の原因については、この人口動態の結果からだけだと分析することはなかなか難しいのでありますが、こども家庭庁では、まず第一に、保護者などに対して、子供の事故防止ハンドブックなどによって食事中における注意ポイントの周知を図るとともに、第二に、地方自治体や保育施設等に対し、教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインを示して時節ごとに注意喚起を行うといったことなど、事故防止に向けた取組を行っているということが、一定程度、その防止効果に貢献したのではないかというふうに思います。
●西村(智)委員
やはり注意喚起をやっていくということが非常に重要だというお話でしたけれども、一方で、保育園、幼稚園、あるいは小学校、こういった現場で窒息事故も現に発生をしているわけですね。これは、カウントできるようになった平成二十八年以降、十四件というふうに伺っておりますけれども、そのとおりで間違いないでしょうか。内閣府こども家庭庁に伺いたいと思います。
●工藤内閣府副大臣
誤嚥事故の件数については、自治体から報告を受けることとした平成二十八年以降、合計十件を公表しており、その内訳は、死亡事故が六件、意識不明事故は四件となっております。
●西村(智)委員
十件ということですね。
それで、ちょっとまず、就学前の子供の、幼稚園、保育園の施設における事故ということで、関連してお伺いしたいと思っております。
昨年の四月、鹿児島県姶良市の保育園で、すり下ろしたリンゴを喉に詰まらせて亡くなられた生後六か月の女児の事件がありました。亡くなりました。本当に痛ましい限りでございます。
政府の方は、こうした教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインというのを平成二十八年に作成しておりまして、ここでは、リンゴについて、詰まりやすい食材であるから、離乳食が完了するまでは加熱して提供するようにというふうに書かれているんです。
ところが、この事故となった施設においては、加熱しないで生のまま、すり下ろしなどをして、それで提供したということのようなんですけれども、先日、姶良市の事故検証委員会の報告書が公表されまして、そこで明確になりましたのは、このガイドライン、その施設においては、認識はしていたけれども、ガイドラインがあるということは認識していたけれども、それを職員の間で共有はしていなかった、情報共有はしていなかったというふうに記載をされておりました。また、市の方で、この検証委員会の方では市内のほかの施設にもアンケートを行っているんですけれども、市内のおよそ三割の施設が、ガイドラインの職員の間での情報共有を行っていないというふうに回答しているわけなんです。
これは有識者会議におきましても実は指摘がされていて、ガイドラインや有識者会議で示されたいろいろな注意事項が現場に浸透していないんじゃないかというふうに指摘をされているわけです。
これは、ガイドライン、政府としては、本当に現場にちゃんと行き渡っているというふうに確認をできているのかどうか、そこを確認させていただきたいと思います。
●工藤副大臣
保育所等における子供の事故防止については、重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項等についてまとめたガイドラインを策定し、現場にも周知徹底を図っております。
また、今年度、ガイドラインの内容について、保育現場での更なる浸透を図るため、効果的な周知方策について調査研究事業を行い、この中で、保育士、栄養士等へのアンケートを実施いたしました。このアンケート調査結果によると、ガイドラインを知っている、六八・六%、ガイドラインを読んだことがある、五八%との回答が得られております。
このような結果も踏まえつつ、本事業においては、保育士や栄養士等へのアンケートやセミナーを実施し、現場職員のニーズを踏まえた上で、ガイドラインの内容をより浸透させるための分かりやすい啓発資材を作成したところでございます。
今後、速やかに自治体にも周知を行うこととしており、ガイドラインの内容についても一層周知徹底を努めてまいります。
●西村(智)委員
つまりは、今までは十分行き渡っていなかった、これからはより周知できるようにするというお答えだったんですけれども、何か定量的に言われて、もうちょっと言ってほしいなと思うんですよ。定期的にきちんと、何か会議で。先ほど厚労大臣からも、きちんと周知するということが大事だというようなお話がありましたけれども、一〇〇%それはやっていただけますね。副大臣、いかがですか。
●工藤副大臣
今委員から、ガイドラインの記載内容等、周知徹底が甘いんじゃないかというお尋ねだと思いますが、まさにおっしゃるとおりで、いろいろな面でしっかりとしてガイドラインを出す、そして現場の方に徹底する。二度とそういう事故が起きないようなこと、例えば、誤嚥のこともありますけれども、寝る、食べる、水遊び、そのようなことも、ガイドライン、そして現場、しっかりしたい、それが考えでございます。よろしくお願いいたします。
●西村(智)委員
私によろしくお願いしますでなくて、ちゃんと関係者によろしくお願いしてください。大臣、よろしいですか。(工藤副大臣「はい」と呼ぶ)
姶良市の報告書では、このガイドライン、記載が分かりづらいという指摘もあります。国のガイドラインにおいては、リンゴの加熱の必要性について本文の中に明示しておらず、遵守すべき必須事項であることを認識しづらい表現となっているというふうにも報告書の中には書かれておりました。私もちょっと見ましたけれども、別に特段抜き出しているわけではないし、必ず加熱しなさいというふうにも書かれていないので、確かに報告書の指摘はそのとおりかなというふうに思います。
こういったことも含めて、より安全性の高い表現にすべく見直しもしていっていただきたいと思いますが、その点、いかがですか。
●工藤副大臣
分かりやすいガイドライン、そして周知徹底をしっかりと努めていきたいと考えております。
●西村(智)委員
これは、政府の方から自治体に対して、あるいは施設に対して何か押しつけるという話ではなくて、まさに子供の命を守るためなので、そこはしっかりと、前にだんと出てやらなきゃいけないテーマだと思いますよ。よろしくお願いいたします。
とはいえ、やはり事故が起きることも万が一にはあるかというふうに思います。実際、平成二十八年以降、そのような事故が教育、保育などの現場で十件起きているという話でありました。
それで、救急救命の実技を、例えば先生方とか、本当に身につけておられるのか。ちょっと伺いましたら、研修だとかでやっている人もいます、やっている施設もあります、あるいは、教員の養成課程で座学でやることは項目の中に入っていますというような話があったんですけれども、本当にやれているのかどうか。どうも少ないような気がするんですよね。
まず、保育士の方について伺うんですけれども、例えば、保育士の方が養成課程や研修でやっているか、これは実技も含めてですけれども、やっているかどうか、そこは確認できていますか。
●工藤副大臣
保育所における誤嚥事故により子供の貴い命が失われることは、あってはならないことです。
保育所における事故防止については、保育士養成課程の教科目において、ガイドライン等を踏まえ、救急処置及び救急蘇生法などの演習を行うこと、さらに、保育士等キャリアアップ研修においても、救急処置及び救急蘇生法の習得などの実践的な能力を身につけることなどを盛り込んでおり、保育現場で誤嚥事故等が発生した際に迅速かつ適切に対応することのできる保育士等の育成に努めているところでございます。
また、保育所保育指針解説において、園で誤嚥事故などが発生した際の救命救急処置については、保育士等を始めとした全職員が各種研究会等の機会を活用して救急蘇生法や応急処置について熟知していく必要があることを求めた上で、各施設への周知徹底を図っているところでございます。
こども家庭庁としては、園の全ての職員が事故発生時における適切な対応力を身につけ、子供の命と安全を確保できるよう、引き続きしっかり取り組んでまいるよう、しっかり指導してまいります。
●西村(智)委員
ちょっと表現が曖昧だったんですけれども、対応力を身につけるということは、別に養成課程で全員が、例えば背部叩打法とかハイムリッヒ法とか、実際に実技も含めてやっているかどうかということは確認できていないと思うんですよね。そこまで確認していただきたいと思います。副大臣、よろしいですね。はい、うなずいていただきました。
それで、今度は幼稚園と小中学校の教職員の方でございます。こちらの皆さんには、例えば養成課程や研修でどのくらいやっているのか、全員が実技演習も含めてやっているというふうに確認できているのかどうか、文科省に伺います。
●安江文部科学大臣政務官
まず、言うまでもなく、子供たちが安心して充実した学校生活を送るためにも、事故の予防に努めることはもちろん、万が一事故が発生した場合に備えて、教職員が、一人一人が事故の際の対処法等を適切に身につけていることは重要と考えております。
委員は、養成段階とまた研修段階、それぞれについて問題意識をお持ちであられるかと思いますが、まず、養成段階におきましては、教職課程において、教師を目指す全ての学生が、教育に関する社会的、制度的又は経営的事項に関する科目で学校安全への対応について履修することとなっておりまして、この中で、学校の管理下で発生する事故等の対応について取り扱うこととなっております。
また、研修段階につきましては、給食指導における窒息事故への対処法について、文部科学省が作成をする食に関する指導の手引において留意点を示してきたところでもありますけれども、先般の痛ましい事故を受けまして、改めて指導の徹底を求める事務連絡を各都道府県教育委員会等に発出をしたところであります。
そして、実技をしっかり行っているかという点につきまして、養成段階を担う大学や学校の設置者等において適切に判断されるべきものとされておりますけれども、やはり私としても、実技を通じて一人一人がしっかりと具体的な対処方法を身につけていることは大変重要であるというふうに認識をしております。
今後、消防庁との、関係機関との連携も図りながら、実技を含めた研修等の実施については積極的に検討いただくよう、引き続き大学、教育委員会に対して取組を促してまいりたいというふうに考えております。
●西村(智)委員
実技の実習を促して、それはいつまでに全員やらせていただけるということになりますか。大学の方で例えばシラバスを書いたりするのは実際には先生方ですから、そこでということになるんだろうとは思うんですけれども、これはやはり命の問題なので。
それで、実際に実習をやっておけば、若いときにやはり身につけ、一回やっておくと、いざというときの恐怖心とかそういったものも私はなくなるんじゃないかというふうに思っていますし、仮にその方々が教職員になっていかないとしても、そういった実技ができる人たちが広がっていく、世の中にいるということは、それはそれで非常にいいことだというふうに思うので、これは、教育現場、教育への介入だとかということではなくて、もう少し踏み込んで、全員にやってもらいますというぐらいのことは言っていただけないでしょうか。
●安江大臣政務官
今委員に御指摘をいただいた、やはり命の問題だという点、実技をしっかり一人一人が身につけていくという点につきましては、おっしゃるとおりだというふうに思っております。
その上で、やはり現場への負担等も考慮しながら慎重な検討が必要とも考えておりますけれども、いずれにしても、関係機関としっかり連携をさせていただきながら、各学校等、また各教育、また養成課程においても実効性のある取組が更に進んでいくように促してまいりたいと思います。
●西村(智)委員
別にそれは誤嚥のことだけではなくて、心肺蘇生ですとかいろいろなこともあるので、現場の負担と言わずに、そこはもうちょっと、通知を出していただいたことは本当に評価いたします、感謝いたしますけれども、もう少し踏み込んでいただきたいなと思っております。
消防の方からも是非協力をしていただきたいんですね。要請があれば、例えば自治体などで、心肺蘇生のやり方とか背部叩打法とかいろいろ、演習というんですか、私たちも受けることができるわけですけれども、これまで、例えば保育士や学校の先生などの養成課程で、消防士あるいは普及士、そういった方々が行って実技演習をやったという実績はおありでしょうか。
あるいは、本当にやるとなれば、普及員とか指導員の方々も数が十分いらっしゃるのかとか、あるいは、乳児用と小児用と成人用の人形、こういったものがちゃんとあるのかとか、やはりそういったことも含めて、地域の例えば大学ですとかあるいは教育委員会と、もっともっとちゃんと積極的な連携、例えば、もっと踏み込んで言えば協定を結ぶぐらいの感じでやってほしいと思いますけれども、どうでしょうか。
●船橋総務大臣政務官
総務省消防庁におきましては、住民等による応急手当ての適切な実施が高い救命効果につながりますことから、全国の消防本部に対し、住民や事業所などを対象とした応急手当て講習の実施をお願いしてきてございます。
このうち、異物による気道閉塞への対処も含む応急手当て講習につきましては、令和四年中に約五万回開催されてございまして、約八十六万人が受講していただいております。
また、開催場所ごとの回数についてまでは把握をしてございませんが、令和五年八月に全国の消防本部を対象に実施をしたアンケート調査によりますと、約三割の消防本部におきまして、小中高等学校の教職員に対する救命講習の実施を計画的に実施しているとの回答が得られております。このほかにも、学校等からの要請に応じまして、現地に出向いて講習を実施しているものもあると承知をいたしております。ただ、保育所、幼稚園、大学については、実施本部数を把握をしていない現状にございます。
救命率の向上には住民等による応急手当ての実施というものが重要でございまして、総務省消防庁としては、学校等の教職員における応急手当て講習の受講が進むよう、関係省庁とも連携をして取り組んでまいりたいと考えております。
●西村(智)委員
必ず、こういった質問をさせていただくと、連携を強化して取り組んでいきたいという答弁が、最後、まとめの言葉として入るんですけれども、言葉だけに終わらせないでいただきたいと思うんですよね。本当にこれは命の問題なので、是非言葉だけに終わらせないように、また機会を得て質問したいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
この件についてはここまでとし、消防庁と文科省の方は結構でございます。退席していただいても構いません。
次に、小林製薬の紅こうじの問題について伺いたいと思います。
先ほど柚木委員も質問されました。昨日は私の後にも早稲田委員も質問されました。重ならないようにと思いながら質問をしたいと思いますが、改めて申し上げるまでもなく、我が国の保健機能食品は、特保、それから栄養機能食品、機能性表示食品の三種類がありまして、このうち特保は約千種類ということで、なかなか伸びないということから、二〇一三年に当時の安倍総理が、世界で一番企業が活躍しやすい国を実現するというふうに宣言をされて、規制緩和の流れで、二〇一五年に機能性表示食品が始まった、この制度が始まったわけです。事業者の責任において、科学的根拠に基づいて保健の目的が期待できる旨を表示することができる制度ということで、消費者庁に届け出ることで表示が可能になるわけですよね。
今回は本当に初めての事例でありつつ、大変深刻な状況になっておりまして、既に死者が、死亡が四人、報道では、台湾においても摂取後に腎不全になられた方がいらっしゃるということで、被害はかなり広がっているというふうに思います。事業者の責任ということで済む問題ではないと私は思うんです。既に厚生労働省は食品衛生法により対応を取っていただいておりますけれども、今後国がどうするのかということは、本当に重く問われることだと思っているんですね。
それで、まず消費者庁の方に伺うんですけれども、自見大臣が先日会見で、小林製薬とZEROPLUSの安全性に関する科学的根拠の再検証ということで、四月五日までに消費者庁に報告を求めました。もう一つは七千件に関しての健康被害情報の確認ということなんですけれども、私は、四月五日までに本当に科学的根拠の再検証というのはできるのかと思っているんですよ。
そもそも、まずは原因究明がされるということが前提ではないかと思いますし、科学的根拠の再検証だけ求めていてもそんなに意味はないんじゃないかと。何を根拠に四月五日というふうに根拠を区切られたのか、教えてください。
●工藤副大臣
小林製薬から健康被害について具体的な報告を受けた三月二十二日に、小林製薬ほか一社に対し、安全性に関する科学的根拠の再検証を行うよう求めました。検証には一定の時間を要することを想定し、依頼してから二週間が経過した四月五日の時点での検証結果について報告を求めました。
今、西村委員御指摘、質問されました四月五日というのは、四月五日時点でありまして、継続的に検証を進めてまいりたいと考えております。
●西村(智)委員
期限ではなく、その時点での報告ということですね。失礼いたしました。
いずれにしてもなんですけれども、事業者の自己点検、自己の再検証でよしとしていいのかというのが私のそもそもの疑問なんです。
といいますのは、そもそも、この機能性表示食品、日本のガイドラインはいろいろ甘いところがあるんじゃないかとかねてから指摘をされてきました。論文についてはスピンがあるんじゃないかという指摘があったり、それから、届出をされたものでも、機能性の根拠が弱い、安全性に疑問がある、誤解を招きかねない広告、宣伝がなされているというような指摘が消費者団体からも指摘をされてきているわけです。こちらにいらっしゃる吉田統彦委員も、平成三十年の厚生労働委員会で、論文にもっと明確なルールをつけるべきではないかというふうにも質問されておられました。
安全性評価に関するフローチャートでは、食経験、この評価が入口となっていて、食経験の評価の後、安全性の評価というふうになっていくわけですけれども、消費者団体からは、その食経験の評価について、判断基準を明確にすべきだという要請が度々なされています。ところが、ガイドラインでは、一定期間の喫食実績があればよい、全国規模での評価ができなくてもよいという甘いルールになっています。
コレステヘルプの基本情報、これは消費者庁のホームページからも見られるものですけれども、これを見ますと、喫食実績は二〇一八年から二〇二〇年までということで記載されておりますが、健康被害は報告されていないというふうに記載されているんですよ。企業判断です、もちろん。
こういった小林製薬側に本当に科学的根拠の再検証ができるのかという率直、素朴な疑問なんですけれども、消費者庁、どう考えますか。
●依田消費者庁審議官
委員御指摘のとおり、機能性表示食品制度は、別途ございます許可制でございます特保制度とは別に、事業者の責任におきまして、科学的根拠に関する情報をあらかじめ消費者庁の方に届け出まして、そして機能性の表示を認めるということでございます。
したがいまして、こちらの安全性なり有効性の立証というものは基本的に事業者の方に求めるということでございまして、仮に、いろいろな、問題提起をいただきまして、その表示の適正性に疑義がある場合には、私どもとしまして、その根拠があるのかどうかということの検証をお願いしまして、その結果、事業者が挙証できないということであれば届出を撤回していただく、こういう仕組みになってございます。
引き続き、制度の適切な運用に努めてまいりたいと存じます。
●西村(智)委員
吉田委員から、そんなの甘いんじゃないかという声が出されましたけれども、私も全くそのとおりだと思います。
そもそも、だって、小林製薬側は、つまり、この健康被害の状況を二か月、保健所にも言わず、厚生労働省にも言わず、黙っていたんですよ。そんな事業者側に、自己点検、改めて再検証を求めますなんて、恥ずかしくて、消費者庁、本当に言えるんですか。私は、これはやはり国がもっと乗り出して原因究明をやらないといけないと思いますよ。厚労大臣、いかがですか。
●武見国務大臣
厚生労働省が所管する食品衛生法において、有毒又は有毒な物質が含まれる食品の販売等を禁止することができる等の規制が設けられております。機能性表示食品についてもその対象となります。また、食品衛生法に基づいて、機能性表示食品を含め、食品の販売等を行う事業者がその遵守状況を確認する責務を負っているほか、監視指導を通じ食品の安全性の確保を図っております。
今回は既に四人の死亡者が出ておるということでありますが、つい先ほど一名増えたということでございますから、五名亡くなったということになります。これからも亡くなられる方が増えることが大変心配でございまして、この被害の状況というものをとにかく的確に把握をして、そして、これ以上被害が広がらないように、とにかくこのリスクに関わる周知徹底をしなければならないだろうというふうに思っております。
その上で、厚生労働省、所轄として、実際にその有害物に関わる因果関係をきちんとこれを分析して、そして被害が生じた経緯というものをしっかりと分析した上で、いかに今後こうした問題が起きないようにするかということを徹底的に考えていきたいと思います。
●西村(智)委員
日本のガイドライン、やはり甘いんですよ。食経験と、さっき私、小林製薬は、二〇一八年から二〇二〇年の食経験がある、その間健康被害はなかったというふうに基本情報に記載しているんですけれども、ほかの国は大体みんな二十五年です。二十五年の食経験があるということを、FDAもEUも、それから、私がちょっと見たところ、オーストラリアとかニュージーランドとか、そういうところはみんな二十五年ですよ。そうですよね、審議官。
そういった状況で、私は、この機能性表示食品をこのままの制度、在り方でいいというふうには思えません。もちろん、厚生労働省から、原因究明をちゃんとやってもらって、被害が拡大しないように。回収もまだ全然進んでいません。すごい広がりです。食品なので、医薬品と違うわけだから、もうどこまで広がっているか分からないです。これは本当に、大変なことにならないように、それは厚生労働省にちゃんとやってもらいたいんだけれども、消費者庁に、少なくとも原因究明が終わるまでは、この機能性表示食品の新規の届出をストップしてはいかがですか。
●依田政府参考人
委員御指摘のとおり、今回、回収命令の対象となっております食品は、当庁の方に届出されておりました機能性表示食品ということではございますけれども、安全性に問題のある食品の販売規制はあくまでも食品衛生法によるものということでございまして、今回の事案を、機能性表示食品制度のみの問題ということだけではなくて、食の安全性確保に向けた、関係省庁一丸となって全力を尽くしているというふうに認識してございます。現に、食品衛生法を所管する厚生労働省を中心に、今般の健康被害の原因となった物質と当該物質が製品に含有されるに至った原因の特定の取組を進めております。
加えまして、機能性表示制度につきましては、健康被害の発生及び拡大のおそれがある場合には、届出者は速やかに消費者庁あるいは保健所等の衛生部局に報告することとしておりますが、委員御指摘のとおり、今回、一月に実際にお医者さんの報告があるにもかかわらず、当庁への報告が二か月ぐらい遅れているということを非常に重く受け止めまして、他の機能性表示食品七千件に関しまして、健康被害の情報収集体制がきちっと機能しているのか、緊急点検を、確認を求めている状況でございます。
消費者庁としましては、こういう形で、この制度について信頼を得られるような適切な運用にまずは努めていきたいというふうに考えております。
●西村(智)委員
大変残念ですけれども、質問の時間が終わりましたので終わりますが、消費者庁、本当に反省してくださいよ。今のような抽象的な答弁では、とても国民の命を守れません。実際に五名も亡くなっています。本当に涙が出そうですよ。
終わります。