●西村(智)委員 おはようございます。立憲民主党、西村智奈美でございます。
旧統一教会の被害救済に向けては、いよいよ本当に重要な局面に入ってきたというふうに考えております。
昨年7月以降、改めて、我が国において旧統一教会の被害実態がこれほどまでに深刻で、かつ長く続いていたということが明らかになってまいりました。
それと同時に、旧統一教会と政治との関わりも明らかになっております。特に深く長い関わりがあったのは自由民主党の方々でおられます。私たち立憲民主党としては、旧統一教会被害対策本部を早急に立ち上げ、全国会議員に調査、全てを公表いたしましたけれども、自民党の方々におかれては、点検ということが行われたのみで、申告したのに公表されていない方々がいらっしゃる、そもそも点検の対象にすらなっていない議員の方もおられました。
その後、いわゆる悪質寄附規制法が成立をいたしまして、その後の課題として、解散命令請求や財産保全の問題があるというふうに指摘されておりました。
この間、私たちは、被害者の方、あるいはこれまで旧統一教会の問題と闘ってきた弁護士の先生方からも何十回もヒアリングを行い、延べ100人を超える被害者の方々からのヒアリングを行ってきたところでございます。
昨年の11月22日には初めての質問権が行使され、今年10月13日には解散命令請求が文化庁から東京地裁に対して行われております。
こういった状況の中で、私たちは臨時国会の冒頭の初日に特別措置法案ということで包括的な保全を可能にする法案を提出、日本維新の会の皆さんは宗教法人法の改正案を国会に提出されたわけですけれども、11月の21日、私たちの提出から一か月たってやっと自公国の三党の法案が国会に提出された。極めて自公国の対応は遅いということはまず申し上げなければなりません。
その後、私たちは、それぞれの法案を取り下げまして一本に取りまとめ、改めて国会に提出をいたして、そして、提出者会議というものも行われる中で、12月の1日に修正案の概要が示されて、そして今、柴山提出者の方から修正案についての質疑があったということでございます。
私は、やはりまずは、被害者の救済のために、旧統一教会の財産を散逸させないということ、このことを最優先に、最速で行うべきだというふうに考えておりまして、私たちの法案が必要だということは、これはもう最初から最後まで訴えをしなければなりません。
他方で、民事保全、今ある仕組みを拡充するという点におきましても、これは評価できるところがあるというふうに思っております中で、今日示された修正案の中での、特に附則の部分でございます、この附則の解釈について私は伺いたい。
まず一点は、この附則の修正案ですと、法施行後、3年後を目途にということですので、随分悠長な構えだなというふうに見えるわけです、読めもするわけです。ここはどういう意味なのか。
多額の財産の散逸あるいは隠匿の兆候があったり、実際に散逸や隠匿が行われた場合などにおいては、やはり、施行後3年と言わずに、例えば施行後1週間であっても1か月であっても、2か月、3か月、半年、1年、必要があれば、財産保全に向けた法制上の措置を講ずることに向けていつでも検討に入るということは私は必要だと思っておりますけれども、そのとおりで相違ないでしょうか。
●柴山議員 お答え申し上げます。
附則第6条の規定に基づき、この法律の施行の状況等を勘案した結果、具体的に検討するべき課題が生じた場合においては、3年を待たずに、財産保全の在り方を含めこの法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて法制上の措置その他所要の措置を講ずることとなります。
ただし、今の段階で対応の時期をお答えすることは差し控えます。
●西村(智)委員 3年を待たずにということで御答弁ありました。
旧統一教会の被害者の皆さんからのお話を伺いますと、やはり普通の民事保全とは違うという大前提に立たなければいけないということも、私たちは改めて確認をしてきたところでございます。
ひとつには、この委員会の中で、先日、吉田統彦委員が指摘をされたように、例えばジャパンライフの問題、これは、実際に救済された方々、あるいは金額が僅か全体の被害額の1・2%なんですよね。大規模な消費者災害については、個別の救済あるいは損害賠償ということではなくて、やはり公益的な取組があらかじめ必要ではないかという議論も、今、消費者庁の方で始まっているというふうに伺っております。
やはり、財産が散逸して救済できないということを防ぐためにも包括保全が必要であるということ。
また、オウムの経験もありました。オウムに関しては3割ぐらいしか救済がされていない。実際に、解散命令請求から随分多くの不動産などが散逸をしているという状況もありました。
また、民事保全の申立ても実は時間がかかるんだという弁護士の先生方からのお話、私たちも一緒に、提出者の皆さんとともに伺ったところでありますし、そもそも、信者さんから、疎明をするということは実はこれが一番難しいんだと。領収書は取っていない、マインドコントロールに置かれている。また、裁判官の方も、地域によっては、いろんな地域でやっている方がいらっしゃるし、同じ方々にいつも当たるわけではないというようなことですとかですね。
やはり、こういうふうに手をこまねいていると、私は、本当に、法テラスでいざ裁判をやったとしても、実際に返すお金がなくなっていた、そういった事態を招きかねないというふうに思っております。
ですから、これ以上そのような散逸を防ぐためにも、次の質問について、包括的財産保全について伺いたいと思っております。
多額の財産が散逸や隠匿するおそれがある場合、あるいは実際にそういったことが行われている場合など、必要があると認めるときは、包括的な財産の保全について講ずることは必要だというふうに考えております。この点について提出者の答弁を求めます。
●柴山議員 私どもの修正の附則六条において、財産保全の在り方を含めという文言を加えさせていただきました。
この法律の施行の状況等を勘案した検討に委ねられることとなりますけれども、その検討がなされる時点において実効的な財産保全の方策が検討の選択肢となり得るものと考えられます。
ただし、今の段階で具体的な選択肢についてお答えすることは差し控えます。
●西村(智)委員 実効的な財産保全の第一歩は包括的な財産保全であるということを強く申し上げたいと思います。
それでは、次に、今朝も報道がありました、岸田総理、当時自民党政務調査会長が、2019年の10月4日に、世界平和統一家庭連合、旧統一教会の友好団体のトップと面会をされていたという報道、問題について柴山提出者にお伺いをしたいと思っております。
2019年10月当時、柴山提出者は政務調査会長代理だったのではないかと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
●柴山議員 その立場にはおりました。
●西村(智)委員 柴山当時政務調査会長代理は、10月4日のこの面談に同席しておられましたか、あるいは、この件について関与しておられましたか。
●柴山議員 同席しておりませんし、今朝の報道を見て初めてそのときの状況について知った次第です。
●西村(智)委員 これは、私たちも党内でいろいろ調査をいたしましたけれども、自民党におかれても、点検ということではありますが、全国会議員に自己申告での報告を求められていたわけです。
柴山提出者御自身も、2021年と2022年、2回、関連団体の会合に出席をされたということを自己申告されて、それは自民党の方から公表がされました。党内のそうした議員さんなどに対してはいろいろ点検が求められ、そしてこのように公表されているわけですけれども、岸田総理御自身が、承知していないというこの一言で済ませようとしているということについて、柴山提出者は、御自身が2回あったというふうに申告し、公表されたことについてどういうふうにお考えでしょうか。
●柴山議員 今申し上げたとおり、私、その場に同席をしておりませんし、今御指摘になられた面談については、当時の岸田政調会長がギングリッチ元米国下院議長とお会いになったということでありまして、その同行者についての質問に対して、岸田総理がおっしゃるような答弁をされたということ以外に私どもとしてお答えする立場にはありません。
●西村(智)委員 ただ、今日も新聞一面に写真が出ておりまして、並んで写っている写真があるんですよね。私、これはやはり岸田総理に、機会がありましたら御本人に伺いたいと思っております。このような、承知していないというような答弁を総理がされればされるほど、総理御自身が旧統一教会の被害についてその事態を小さく見て、そして御自身の関わりについてもできるだけ小さく見せようとしている、何か逃げようとしているというふうに映ってしまうんですよね。
この映ってしまうという中で、今回、財産保全についての法案がこうやって議論されているわけですけれども、ここできっぱりとした態度を示していただくことが、私は、この問題について自由民主党の皆さんも真っ正面から向き合って、そして解決をしていこうというその意思の表れになっていくと思うんです。
ですから、是非総理にもそのことをお伝えいただけるのかどうか、ありますけれども、是非そこは伝えていただいて、ここは逃げることなくきちんと説明をすること、それが私は被害者の皆さんに対する誠意だというふうに思っております。
その意味においても、私たちは、包括的な財産保全をやって、バケツの穴をまずはしっかりと塞いで、そして民事保全という土俵に立てるように環境を整える、これが立法府としての責任だというふうに強く思っております。
ですから、私たちの今回の法案の成立を最後まで強く求め、私の質問とさせていただきます。
終わります。