●西村(智)委員 おはようございます。立憲民主党の西村智奈美です。
旧統一教会の名称変更問題について、下村博文元文部科学大臣の参考人招致を要求しておりますが、いまだに理事会では協議が続いているということで、お認めいただいておりません。これではやはり、自民党と旧統一教会との関わり、政治との関わりについて事態が明らかにならない。大変深刻だと思いますので、引き続き理事会での協議を強く要請いたします。委員長、お願いします。
●根本委員長 理事会で協議します。
●西村(智)委員 原子力発電所の運転期間延長問題について質問をいたします。
私は、そもそも、福島第一原発事故のあの経緯を見まして、原発ゼロを一日も早く実現すべきだという立場でございます。ところが、今回、政府は、十分な議論もなく、ウクライナの状況などを理由といたしまして、長期的なエネルギー政策とは無関係なところで、無関係な問題を運転期間の延長の理由にするなどしております。大変こそくだと私は思います。
この方針転換にはいろいろな問題がありますけれども、今日は運転期間の延長に絞って質問をしたいと思います。
今日は、原子力規制委員会委員長山中さんにお越しいただいております。昨日、規制委員会が開催されて、そこでこの運転期間の延長が諮られたところ、石渡明委員が六十年の運転制限を原子炉等規制法から落とすのは安全側への改変とは言えないと反対意見を述べて、決定が保留されたという報道がございましたが、これは事実でしょうか。
●山中政府特別補佐人 お答えいたします。
昨日、二月八日に開催されました原子力規制委員会において、原子力規制庁より、高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の概要案に関するパブリックコメントに対する考え方の了承及び当該概要案の決定を付議いたしました。その際、各委員からそれぞれ意見を伺ったところ、石渡委員より、運転期間の制限を落とすのは安全側への改変とは言えない等の理由から、反対意見が述べられました。
このため、私としては、議論を続けていくことが望ましいと考えまして、更に委員の間で議論をすることとし、概要案の決定については、今回、見送りとすることといたしました。
●西村(智)委員 私も、石渡委員が指摘されているとおり、やはり安全側への改変とは言えないということは同じ考え、意見でございます。
そもそも、原子力発電については原則四十年、そして最長六十年という運転期間のルールがあったわけでありますけれども、辻元清美参議院議員の質問主意書でも取り上げているんですけれども、平成二十四年の二月七日に、当時の細野環境大臣が、原発の運転期間を原則四十年としたということで、その理由、根拠を述べております。
その答弁、かいつまんで申しますと、四十年で原子炉の脆化が始まると。データを取っていると、急激に冷やしたときに脆化がいつの頃から、何といいますか、高くなるかというか強くなるかということで、四十年から脆化が始まるということでの答弁があります。
そもそも、四十年からもうそういうふうに脆化が始まると指摘されているわけですけれども、この細野大臣の答弁、これは現在も有効でしょうか。
●山中政府特別補佐人 お答えいたします。
御指摘の平成二十四年二月七日の国会審議において、当時の細野大臣が、運転期間を原則四十年とした根拠として、既設炉の許認可申請において、原子力圧力容器に中性子が照射されることで弱くなる現象について、想定年数を四十年として申請していることなどを挙げ答弁されたことは承知しております。
一方で、平成二十四年六月五日の国会審議において、当時の細野大臣は、四十年がたてばそのときから急に危険になるわけではないと答弁されたことも承知しております。
また、現行法の提案者から、四十年は政治的な数字であり、科学的な知見に基づいて決定された数値でもないとの答弁もあったと承知しております。
いずれにいたしましても、平成二十四年当時、国会の審議においては、技術的見地を含め、幅広い観点から議論が行われた上で立法されたものと認識しております。
なお、科学的、技術的見地から申しますと、運転年数が長くなればなるほど中性子照射による劣化は進んでまいりますが、発電用原子炉施設の設備、機器等の劣化に関しましては、使用履歴や保守管理の状況などにより、それらの進展は一様でなく、運転開始から四十年というのは、一律に壊れやすくなるというものではございません。
運転延長認可制度のこれまでの審査実績を見ましても、四十年の時点で中性子脆化による劣化を懸念しなければならないようなデータが示されているわけではございません。
また、許認可申請時の耐用年数四十年について言えば、設備、機器等の設計上の評価を行うために用いられたものであり、原子炉の寿命そのものを示しているものではございません。
●西村(智)委員 いや、今の答弁、大変驚きました、私。これが規制委員会の委員長の御答弁かと。
安全性を確保するというのが、その見地から物を言っていただくというのが規制委員会の委員長であられるはずなのに、何かとうとうと、四十年たったら云々とか、いろいろなことをおっしゃいましたけれども、では伺いますが、四十年と四十五年を比べて、どちらの方がより脆化が進んでいると、それははっきり言えますよね。どうですか。そこは御答弁ください。
●山中政府特別補佐人 お答えいたします。
年数がたてばたつほど中性子による劣化は進んでまいります。ただし、いずれにいたしましても、私ども原子力規制委員会では、安全規制を行う上で、基準をしっかりと決め、その基準を満たしたもののみ運転を許可する、基準を満たさなければ運転を許可しないという、今、四十年の運転延長認可制度を実施しているところでございます。
●西村(智)委員 余り四十年の話に持っていくと六十年の話ができなくなりますので、六十年の方に移りますけれども、現在のスキームで最長六十年を限界としております。その根拠についてお尋ねいたします。
●山中政府特別補佐人 お答えいたします。
平成二十四年当時の国会審議において、日本での高経年化技術評価で、運転開始後六十年を見通した経年劣化の評価を行っていること、米国の事例として、運転許可の更新は一回につき二十年を超えない期間としていること等を考慮した結果、最大二十年の延長規定が設けられた旨の説明があったと認識しております。
●西村(智)委員 原子力規制委員長にお尋ねしますが、そうしましたら、その六十年期限の根拠、経年劣化の評価というのは、誰がどう判断して、それで六十年というふうに変更するんでしょうか。
●山中政府特別補佐人 現行制度においては、四十年の運転延長認可申請が事業者からなされて、その申請に基づき、原子力規制委員会が評価をし、審査をして、認可の判定をしております。
●西村(智)委員 現在のスキームでも、こういうふうにちょっと分かりにくい説明であるのを、さらに、六十年を超えて運転することを認める。しかも、先ほどの規制委員会の委員長の御答弁を伺えば、個々の炉で判断するんだというふうにおっしゃっていますけれども、でも、四十年から四十五年、例えば四十五年から五十年、こうやって年数が進んでいくごとに脆化が進むということは、先ほど委員長もお認めになりましたよね。なりましたよね。うなずいておられます。
やはり、こういう中で、今ある六十年、最長六十年というのを超えて、さらに、そこから先の運転まで、極端な話を言えば、七十年、八十年、九十年と運転ができるというスキームに変更するというのは、私は原子力規制委員会としての責任放棄ではないかと思うんですけれども、委員長、いかがですか。
●山中政府特別補佐人 お答えいたします。
運転期間の延長に関しましては、原子炉等規制法において、運転期間に関する定めと高経年化した発電用原子炉の安全規制に関する定めがセットで規定をされております。このうち、運転期間に関する定めにつきましては、令和二年七月に決定した見解のとおり、原子力利用の在り方に関する政策判断であり、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではないと考えております。
一方で、経済産業省が現在検討されている運転期間に関する定めがどのようなものになろうとも、原子力規制委員会としては、高経年化した発電用原子炉に関する安全規制を厳格に実施できるよう、必要な検討を行っているところでございます。
●西村(智)委員 今の御答弁を伺っても、私は、原子力規制委員会は責任放棄しているのではないかと言わざるを得ません。
放射能を浴びない自動車でも、飛行機でも、皆さん、六十年を超えて使おうという発想になりますか。ならないですよね、普通は。
日本は福島第一原発事故を経験しました。そして地震の多い国であります。海外の状況とも全く違うところがあります。原発を使い続けること自体に疑念がありますけれども、六十年を超えて使用しようとする今回の政策決定は、私は容認できません。そのことを申し上げておきます。
次の質問に移ります。
知床観光船の事故についてです。
昨年の四月に、知床で遊覧船、観光船の事故が発生をいたしました。二十六名の方が、お亡くなりになったり、まだ行方不明ということでございます。船会社の責任が重大であるということは確かにそのとおりだというふうに分かるんですけれども、行政に全く責任がないのかということについては、私、ずっと疑問に感じてまいりました。
そんな中で、昨年の十二月十五日に運輸安全委員会からの報告書が出ております。経過報告ということで、最終報告ではないようでありますけれども、その中で、沈没の直接の原因として、船首の方の甲板にあったハッチが開いて、そこから水が入ったということが沈没の原因であったというふうに指摘をされております。
なぜハッチが開いたのか。これはまだ運輸安全委員会の経過報告には明確には示されておりません。もちろん、船長が何らかの理由で開けて閉め忘れたとか様々な可能性はあると思いますけれども、ハッチが確実に固定できない状況であったというふうにはされております。
このハッチの状況は、事故の三日前ですか、日本小型船舶検査機構が検査で入っております、その検査で発見できていれば事故が防げた可能性はあるというふうに私は考えるんですけれども、大臣はどのようにお考えですか。
●斉藤(鉄)国務大臣 まず、この知床遊覧船事故でお亡くなりになられた方々と御家族に対して心からお悔やみを申し上げますとともに、事故に遭遇された方々、そしてその御家族に心からのお見舞いを申し上げます。
日本小型船舶検査機構による検査の現場におきまして、合理的な理由なく国と異なる検査が行われており、その結果、機構の携帯電話やハッチカバーに関する検査方法が十分でなかったことについては重く受け止めております。機構が実施していた不十分な検査方法については、携帯電話やハッチカバーに関するものを含め、既に見直しを行い、その強化を図ったところでございます。
また、実際の機構の検査現場の国による点検も実施しております。私も、現場に行ってそれを確認いたしました。さらに、検査の実効性の更なる向上のため、機構に対して、現場における検査実態について総ざらいするよう指示したところでございます。
このような痛ましい事故を二度と繰り返さないよう、知床遊覧船事故対策検討委員会における検討を踏まえ、機構に対する監督強化を含め、小型旅客船の総合的な安全対策について、国土交通大臣として、私自身責任を持って主導し、実施してまいりたい、このように決意をいたしております。
●西村(智)委員 この検査では外観を見ただけであったと。大型船への国による検査では、当然、ハッチを開けたり閉めたりという確認はする。だけれども、JCIの検査は外観を見るだけということで、内規があったということですかね、その存在が指摘をされている。今、大臣も部分的に御答弁になりました。
それから、船からの連絡手段については、携帯電話の通話可能範囲については、船会社側からの自己申告で認める、実際には確認をしなくてもよいと。例えば、エリアがどうなっているとか、実際にそこから通じるとかという確認をしないまま、自己申告で認めるということも内規で規定されていたと。大臣もさっき部分的に御答弁になりました。
国土交通省がこうした内規の存在を知らなかったということですけれども、国土交通省が監督する団体が、結果としてこのような重大事故を招くずさんな内規を基に検査をしてきたということ、この責任は私は国土交通省にあると思います。
大臣、遺族の心情に寄り添った御答弁をもう一回お願いいたします。
●斉藤(鉄)国務大臣 まず、ハッチカバーの件でございますけれども、機構の検査の現場では、ハッチカバーの検査において、ハッチカバーに腐食、亀裂等がないこと及びハッチとハッチカバーとの間に隙間がないことが確認できた場合は、締めつけ装置、クリップの作動確認を省略しておりました。このクリップの作動確認を省略していた機構の検査方法は、水密性の確認方法として十分ではなかったことから、ハッチカバーの締めつけ装置の作動確認を必ず実施するよう、検査方法の見直しを指示し、本年一月一日より改善されたところでございます。
先ほども申し述べさせていただきましたけれども、今回、この国会に法案改正もさせていただこう、このように考えております。小型旅客船の総合的な安全対策につきまして、私自身が主導し、責任を持って対応してまいりたい、このように思っております。
●西村(智)委員 今の御答弁でも、やはり私は納得できないですね、済みません。
これからのことは、それはちゃんとやっていただきたいです、大臣が責任を持って。だけれども、国土交通省が監督する団体、それが、結果として、こんなずさんな内規を基に長年検査を行ってきた。それで、乗る人たちは安全だと思って乗っているわけですよ。この責任を国土交通大臣としてどう考えるのか、そのことについて御答弁いただけませんか。
●斉藤(鉄)国務大臣 運輸安全委員会の経過報告に示された沈没に至るメカニズムと日本小型船舶検査機構による検査との関係を含め、事故原因については運輸安全委員会において今後更に調査分析を進める予定であることから、責任の所在についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
しかしながら、機構の携帯電話やハッチカバーに関する検査方法が十分でなかったことについては重く受け止めております。機構の検査業務の改善を図ることが、機構を監督する国土交通大臣としての責任を果たすことであると考えておりまして、全身全霊でしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
●西村(智)委員 今の答弁で、よしという声が自民党の方から聞こえたんですけれども、ちょっと信じられないですね。
内規があったことについて反省はありませんかということなんですけれども、何度やってもこれは同じ答弁で、本当に残念です。本当に残念でなりません。このままで本当に改善なんかできるのか、ここは強く申し上げます。
ちょっと順番を変えまして、次に、高市大臣に多様性に関して質問をさせていただきたいと思います。
高市大臣、私たち、超党派のLGBTに関する議員連盟がありまして、二〇二一年の春に、私と稲田朋美衆議院議員とで長い間交渉しまして、私たちは差別解消法案というのを既に国会に提出しています。ですから、私たちとしては、その差別解消法案の成立を一日も早く実現したいというふうに思っていますが、なかなか他党の方の、特に自民党さんの賛同が得られないので、超党派の議連で、私と稲田さんとで議論をして、自民党さんの持っておられた理解増進法案の骨子案、これについて議論をして、一本に最後まとまりました。
私も言いたいことはいろいろあったし、これでは不十分だという思いは本当に強かったんですけれども、ないよりはましということで合意をしたんですね。それで、他党に、ほかの党は全部持って帰ったんですけれども、自民党さんだけは途中で審議が止まってしまって、総務会預かりということになっているんです。
最低限、この理解増進法案だけは、私は国会で通るべきだというふうに思っているんです。高市大臣はどういうふうにお考えですか。
●高市国務大臣 性的指向ですとか、また性自認に関して、偏見があるというようなことはあってはならないと思っております。ですから、私は、理解増進そのものについては賛成でございます。
ただし、おととしの総裁選挙に出馬をいたしましたときに、原案についてはまだ慎重な議論が必要だという意味で反対の意を表明しましたのは、当時、LGBTの当事者の方からお話を伺いました。そのときに、企業の努力といったところで、これがこのままで通ってしまったら、自分たちがかえって企業に採用されにくくなるのではないか、こういった懸念のお声もありましたので、当時、まだ自民党で結論は出ておりませんでしたし、現在も自民党で結論を得ていないと承知をいたしておりますので、文言について十分な調整が必要な段階なんだろうと考えております。
●西村(智)委員 ちょっといろいろ話が何か混ざっちゃったような気がするんですけれども、自民党の案には、理解増進法案には賛成、私と稲田さんとでまとめた超党派の案にはまだまだ議論が必要、こういうことでしょうか。
●高市国務大臣 済みません、私は自民党の案は読んでおります。その中で、当事者の話を聞いたときに、やはり、就職で不利になるのではないかという懸念の声がありましたので、そういった論点も詰めた上でということで、当時は慎重な立場を取らせていただいておりました。
まだ自民党内で結論は得ていないと思います。
●西村(智)委員 ということは、自民党さんが取りまとめた理解増進法案にも、高市大臣は当時は慎重な立場であったということでよろしいでしょうか。
●高市国務大臣 自民党が党議決定をするまでには、政調会の部会で議論をして、全会一致か若しくは部会長一任を取り付け、その後、政調審議会で全会一致が基本でございます。その後、総務会で全会一致が基本で、そこで初めて党議決定をされます。
まだ党議決定には至っていないと承知をいたしております。まだ論ずべき論点が残っているということなんだろうと思っております。
●西村(智)委員 済みません、意図的かどうか分からないんですけれども、話がちょっとこんがらがっているんですが、自民党さんがまとめた理解増進法案というのは多分あるんだと思うんです、骨子案。それをもって、私と稲田さんとで、超党派の議連で交渉してまとめた、タイトルは理解増進法案というのがあるんです。
だから、理解増進法案も、自民党オリジナル案と超党派案とあるんですけれども、高市大臣は、どちらに賛成、あるいはどちらに慎重でしょうか。
●高市国務大臣 済みません、その超党派案の議論に私自身が参加をしておりませんでしたので、それでは、例えば企業の努力のところがどういう書きぶりになっているのか、こういったことを教えていただければと思います。
ただ、現在、閣僚の立場でございますので、岸田内閣として何かを決定したということではございません。
●西村(智)委員 理解増進法案というのは、元々、本当は、ほとんど中身は自民党さんの条文なんですよ。そこに一文書き加えたものが超党派の案なんですけれども。
先ほど、企業から採用が難しくなるというお話がありましたけれども、この間のいろいろ議論がある中で、逆に、今、日本の中で、大手の、例えば上場しているところとか、LGBTフレンドリーといいまして、逆に多様性がないことが経済活動にはマイナスだという声が結構上がっていて、これは日本社会の中でもようやく、ようやくじゃないな、もう本当に結構大きな声になってきているんです。
経済安全保障を進めていく上でも、人権デューデリジェンスですとか、いろいろな考え方、国際機関などで言われておりますけれども、そういったことからしても、やはり、企業の皆さんが採用しにくくなるというのがちょっと私は、ごめんなさい、その方と直接やればいいんですけれども、大臣はその声をどういうふうな思いでお聞きになったんでしょうか。
●高市国務大臣 確かに、今、大企業を中心に人権への意識は高まっております。私が担当する経済安全保障でも人権デューデリジェンスにつきまして理解が広まりつつあります。
他方で、日本の企業数の中での九九・七%が中小企業でもございます。その中で、まだまだ人権への意識を浸透させていかなければならないなというのが現在の私の課題でございます。
私が当事者からお話を聞きましたときには、特に、中小企業が多い中で、様々な負担、そういったことを、例えば設備上の負担ですとか、社内で社員教育もしっかりやらなきゃいけない。それは当然、各企業、御理解をいただけるとは思うんですけれども、取っかかりのところで、自分たちの就職が不利になる、採用したくない、こういった気持ちが働いてしまっては困るので、そこのところを十分詰めてほしいというお話でございました。
●西村(智)委員 そこがまた、ですから、社会が変わってしまうという岸田総理の答弁と結局何か根っこは同じかなというふうに思うんですけれども。
少なくとも、私は、やはり経済のことを考えても、多様性がこれだけ言われている社会の中ですから、まさに担当大臣が先頭に立って多様性を経済活動の中でも担保していこうというふうに、私は先頭に立つべきだというふうに思うんですよね。
企業の努力、ちょっと済みません、私も理解増進法の中でどういうふうな書き方になっていたか、今にわかには思い出せないので本当に申し訳ありませんが、でも、企業の努力ですから。やらなきゃいけない、要するに義務規定だったらいろいろあるんでしょうけれども、努力してくださいということは、これは私は、まさに働く人たち一人一人の人権、あるいは企業の利益ということを考えても、やはり大臣から、そこは一緒にやっていこうよというふうに言ってしかるべきじゃないかというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
●高市国務大臣 経済安全保障担当大臣としては、人権DDにつきましては、できるだけ多くの企業にしっかりと認識をしていただきたく、その努力は続けております。
そしてまた、いわゆる性的指向ですとか、また性自認の問題、これにつきましては、私は、それをもって不当に何か差別をされたり偏見を受けるということはあってはならない、だから、理解を増進するということについては大いに賛成でございます。
ただ、それを企業に、私の現在の担務の立場で浸透させていくというのが、必ずしも私の権限の中でできるのかどうかということは分かりませんが、しかし、人権に対する考え方というのはしっかりと企業が持たなければ、世界市場の中でやはりビジネスチャンスを失う、そういったリスクもあるということは十分に承知をいたしております。
自民党が作った案、それからまた合意された案にしても、全て、やはり条文ベースで、自民党内では本当に条文ベースで丁寧に議論が行われると思いますので、これは党議決定を待ちたいと思っております。
●西村(智)委員 今の御説明、大変、何というか、ダブルスタンダードだなというふうに思いました。企業にはそういうふうに求めていくけれども、自分として求めることはしない。何か、これだと、どういう立場での担当大臣なのかなというふうに思います。
同性婚について伺いたいと思います。
大臣は、同性婚についてどういうふうにお考えですか。何度も申し上げますけれども、これは人権の問題でもありまして、やはり、異性間でできる婚姻を、他の同性パートナーのカップルにも認めようという考え方。もう既に全国のかなりの数の自治体でパートナーシップ条例などの制度が導入をされていて、その人口カバー率は、もう六割ぐらいだというふうに言われています。結構、社会も進んできていて、私は同性婚を法制化したいというふうに思うんですけれども、高市大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
●高市国務大臣 同性婚制度を導入するかどうかということについては、現在、岸田内閣では何ら決まったものはございません。
私個人の考え方をここで述べるのは不適切かもしれませんけれども、憲法二十四条の解釈も含めて、これは非常に難しい問題だと思っております。様々検討するべき事項もありますし、岸田総理がおっしゃっておりますとおり、地方自治体でのパートナーシップ条例の動向など、こういったものも見ながら、そして、まだ裁判で係争中の案件でもございますので、こういったことも見ながら論点整理が進んでいくんだろうと考えております。
●西村(智)委員 私たちは、既に婚姻平等法案というのを国会に提出しております。
それは違憲ではないということ、憲法には反しないということで、令和三年の二月二十五日に予算委員会の第三分科会で尾辻かな子委員が質問しましたときに、衆議院法制局から答弁がありました。すなわち、日本国憲法は、少なくとも、同性婚を法制化することを禁止はしていない、すなわち、認めているとの許容説は十分に成り立ち得るというふうに答弁している。また、憲法十三条や十四条等の他の憲法条項を根拠として、同性婚の法制度化は憲法上の要請であるとするような考えなどは十分に成り立ち得るということで、衆議院の法制局、ちゃんと答弁をしております。
また、このところ出ている各地の同性婚に関する訴訟でも、憲法、法の下の平等、あるいは二十四条の第二項、これに照らして、違憲である、反するというような判決も出ておりますので、是非、そこのところはよくよく知っていただいて、共に、本当に一人一人の人権を守るための議論をさせていただきたい。強く申し上げて、時間になりましたので、質問を終わります。