●西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。
子育て予算のことについてお伺いをいたします。
先日、ここの予算委員会で長妻委員から、二〇一二年の六月に社会保障・税の一体改革に関して三党で合意した内容についての紹介があり、また、それについての質疑がありました。
この確認書によりまして、保育士の配置基準、これを変えようということで、三千億円を速やかに措置するということを確認をしていた。しかし、その後、二〇一五年の子ども・子育て支援新制度が始まりましても、この約束、十年たちますけれども、まだ果たされておりません。特に一歳児と四、五歳児、ここの職員配置の改善が全く行われていないということであります。
長妻委員の指摘によりますと、二〇二一年の保育事故は年間で二千三百四十七件、統計方法が新たになった二〇一五年以降最多ということであります。お亡くなりになった方が五人、骨折件数が千八百八十八件、極めて深刻。子供の命、子供の安全、こういった問題に直結する私は問題であるというふうに思っております。
大砲かバターかという論争は常にあるものかというふうに思いますけれども、新年度予算を見ますと、防衛費と比べて子供予算、増えていないですよね。防衛費は五・四兆円から六・八兆円、二六%の伸び。ところが、子供予算は四・七兆円から四・八兆円、ほんの僅かな部分。しかも、ほんのちょっとしか増えていない子供予算の中でも子供の安全に関わる部分がこうやって置き去りにされているというのは、私は大変大きな問題だと思っております。
昨日の長妻委員への答弁で、総理は、この配置基準の見直しについて、優先順位を考える中でというふうに答弁をされました。つまり、配置基準の見直しは優先順位が低いから後回しになってきたということだと受け止めざるを得ないんですけれども、子供の安全や命に関わる予算の優先順位を総理は低くしたということですか。確かに、幼児教育の無償化、保育の無償化は大事なテーマではありますけれども、子供の安全を置き去りにしたということですか。
●岸田内閣総理大臣 御指摘の、二〇一二年の三党合意に基づくいわゆる三千億円問題、保育の質の向上の部分についてですが、これについて、昨日も質疑の中で申し上げましたが、その後の社会のニーズの中で、待機児童の受皿の充実と、そして幼児教育、保育の無償化、それらに取り組んできたということを申し上げました。
保育士の処遇改善についても、様々な取組を進めることによって、累計で一八%、これは三党合意の際には給与の改善は二%でありましたが、結果として累計一八%の給与改善を進めてきた、こういった取組を行ってきたところであります。
今後とも、社会のニーズに応じて、こうした保育の質の向上についてもしっかり取り組んでいくということは併せて申し上げさせていただきました。
今、子供、子育て政策を整理し、パッケージで示すということを申し上げています。この取組の中で、保育の質の向上の部分についても取組をしっかり考えていきたいと思っています。
●西村(智)委員 聞いてもいないことには答えをいただきましたけれども、肝腎の部分についてはお答えをいただいておりません。
その後の社会のニーズの変化、ニーズは確かにいろいろあったでしょう。幼児教育の無償化、保育の無償化、私たちも時間があってお金があったらやりたいと思っていたので、賛成をいたしております。だけれども、子供の安全ということについては、社会のニーズがいかに変わろうとも、やはり最優先で取り組まなければいけないことじゃないですか。どうしてこれが優先順位が低くなったんですか。もう一度御答弁ください。
●岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げたように、十年前の議論から、その後、取組として、予算は間違いなく増強しました。そして、このニーズに応じて、幼児教育、保育の無償化、こうしたことに取り組んできました。
子供の安全に関わる部分を後回しにしたのではないかという御指摘がありましたが、処遇改善についてはしっかり取り組み、一方、御指摘は、配置基準、こちらの部分にもしっかり手をつけるべきであったということを御指摘になったんだと思いますが、その部分についても、これから政策のパッケージを示す中で、政府としてもしっかり考えていくということを答弁させていただいております。
●西村(智)委員 処遇改善のことは私は聞いておりません。聞いていないことに長々と御答弁され、そして、安全は、これは待ったなしなんですよ。三千億でやると。十年前の約束ですよ。これを相変わらず置き去りにして、防衛の方を極めて突出させた予算編成とするということは、私は大変おかしいことだと思っております。
一月の三十日、この予算委員会が始まりました冒頭に、岡田委員の方から、トマホーク、一体幾つ、幾らで買うのかただしました。一か月たって、ようやく昨日、後藤委員の質問に対して、四百発であるという、予定だというふうに答弁がありました。
では、伺います。この四百発ということにした根拠、なぜ四百発なんですか。お答えください。
●浜田国務大臣 今回の防衛力の抜本的強化の検討に際しては、国民の命を守り抜くのか、極めて現実的なシミュレーションを行い、トマホークを含めたスタンドオフミサイルについて、必要な数量を導き出しております。
国産のスタンドオフミサイルを必要な数量整備するためには一定の時間を要することから、そこまでの間に十分な能力を確保する必要があります。このため、国産ミサイル開発、生産のスケジュールや製造能力を踏まえて、トマホークを四百発取得する予定であります。
トマホークの取得予定数については、大変関心の高い事項であることや、米国の議会プロセスの一環として、売却する可能性のある最大数量が公表されることを踏まえ、我が国として最大購入数量をお示しすることとしたものであります。
●西村(智)委員 一二式は、トマホークと同じ二〇二六年度の配置予定、納入予定になっていますよね。今の答弁、違うんじゃないですか。
総理、もう一回答弁してください。
●浜田国務大臣 間違って答弁はしていないつもりでありますが。
基本的に、始まるとすればということで、我々とすれば、この一二式を造るまでの間に、トマホークを購入することによって補填をするという考え方でおります。
●西村(智)委員 よく分からないんですよね。同じ年度、二〇二六年度に、昨日これは後藤委員が示された資料ですけれども、トマホーク、二〇二六年度納入予定、一二式能力向上型、これは二〇二六年度に配備予定ということになっているわけですよね。同じ年度じゃないですか。
私は、百歩譲ってトマホークが要るとしても、やはり、何で来年度、こんなに一気に巨額の予算措置が必要なのか、本当に疑問なんですよ。二〇二六年に納入する、早くということであったとしても、二〇二六年、今から三年後ですよ。三年後だし、それに比べて保育の充実は、さっきも言いましたけれども、十年以上たなざらしなんですよ。それなのに、何でトマホークはこんなに急いで巨額を投じるという予算になったんですか。
大臣はいいです、総理から答弁をお願いします。
●岸田内閣総理大臣 先ほどの質疑のやり取りの中で、二〇二六年に一二式も配備されるのではないかという御指摘がありましたが、これは二〇二六年から配備が始まるということであります。完全な必要とされる数を十分確保するには時間がかかるということであり、こうした国産ミサイルの開始、生産のスケジュールあるいは製造能力を踏まえて、トマホーク、これを取得する必要があるという判断でトマホークの購入を考えているということであります。
そして、いずれにせよ、こうしたミサイル体制を充実させるためには時間がかかります。だからこそ、今から備えなければならないということで、それぞれの取組を進めていくということであります。
子供、子育て予算、そして防衛力の強化、これはどっちを優先させるというものではないと考えています。二者択一ではないと思います。共に国民の命、暮らしにとって大切な予算であるということで、共に充実を図らなければいけない課題であると認識をいたします。
●西村(智)委員 今、重大な答弁をされたと思いますよ、私。子供の安全も大事だというふうに言われましたけれども、十年も置き去りにしている安全のための保育の配置基準の見直し、では、これは何で今回やらなかったんですか。
これは、もし、今年度予算でやらなかったということで、二〇二一年のデータで、もう既に二千三百四十七件も保育事故が起きている、亡くなっている方が五人もいらっしゃる、骨折した方が千八百八十八件もある、こんな事故、改善しておけば防げたかもしれないという事故が起きたら、では誰が責任を取るんですか、総理。答弁してください。
●岸田内閣総理大臣 子供、子育ての中で、安全、安心に関わる部分、これが重要であるということは御指摘のとおりだと思います。その中にあって、具体的な政策、予算の優先順位について考えてきた。今日この時点で安心、安全に不安があるということについては重く受け止めなければなりません。
是非、だからこそ、この包括的なパッケージ、政策のパッケージ、しっかり示す中でこうした課題にも取り組んでいきたいと申し上げております。
●西村(智)委員 もう重く受け止めていただくのは十分ですから、早く予算措置をしてください。本当に、どうやって責任を取るんですか、万が一事故が起きたら。受け止めていないで行動をお願いします。強く求めます。
保育士の処遇改善、さっき総理が答弁されましたけれども、ここで私は質問したかったんですよ。今回の予算で保育士の処遇改善、どのくらい行われますか。
●岸田内閣総理大臣 先ほども申し上げたように、累計でプラス一八%の給与改善を進めてきたところですが、保育所等の運営費のうち処遇改善に係る予算額のみを取り出した試算は行っておりませんが、令和四年人事院勧告に準拠したプラス二・一%の給与改善の所要額は約三百億円であり、機械的に計算すると、プラス一八%の給与改善の所要額、約二千五百億円になると承知をしております。
また、これとは別に、技能、経験に応じた月額最大四万円の給与改善を平成二十九年度から行っているというのが現状であります。
●西村(智)委員 ちょっと質問の仕方を変えればよかったと思うんですが、新年度の予算では三%ですね。全産業平均と比べても、実は、保育士それから介護職員の方、まだまだ八万円くらいの開きがあります。
これは政府も以前答弁しているんですけれども、他の産業、民間の給与の伸びと合わせて介護職員、保育士の給料を上げていくというふうに答弁しておられました。ということは、いつまでたってもこの八万円の開き、なくなっていかないんですよ。
これは、保育士の全産業平均との差、給与の差、これを縮めるつもりは総理はないということですか。
●岸田内閣総理大臣 こうした保育士等の処遇改善、いわゆる公的価格と言われる処遇改善の部分ですが、これについては、政府として、公的価格検討会議において引き続き議論をすることになっています。この公的価格の処遇改善に向けて、引き続き努力を続けてまいります。
その中で、今言った民間との格差についても議論をし、そして、改善に向けて努力していきたいと考えます。
●西村(智)委員 また検討使に戻ってしまわれたわけですね。ここでも結論も出ないし、方向性も出さない、議論に委ねるということで単なる先送りをしている、これが繰り返されてきた失われた十年だというふうに強く申し上げたい。
次に、統一教会について質問をいたします。
自治体議員の調査ですね、私、二月の一日と十五日に質問をいたしました。都道府県連と党とで意思疎通を行っていると、全く同じ答弁をいただいていたところだったんですが、昨日、山岸委員への答弁では、いろいろ述べられながらこういうふうに答弁している。党として方針を通知した時点で既に公認、推薦を終えている都道府県に対しては、これは自民党の皆さんはみんな知っていることだとは思うんですけれども、宣誓書を徴取する、あるいは県連の方から新たに確認の文書を発出するということなんですけれども、県連の方から確認の文書を発出するだけの県連もあるということですか。これはちょっとずさんだと思うんですよ。
発出するだけでは、本当に断ち切ったかどうか、確認にならないんじゃないですか。これで本当に十分ですか、総理。
●岸田内閣総理大臣 統一教会との関係については、これは様々な状況における本人の判断、認識、すなわち心の問題であることからして、実態把握については、我が党だけではなくして、各党とも議員本人の報告に基づいて実態把握を行っている、こうしたものであると認識をしています。
そして、統一地方選挙を前にして、自民党としては改めて、各地方組織に通知を行い、選考プロセスの中に、旧統一教会の関係を持たないという条件をプロセスの中にしっかりと組み込む、こうした取組を行い、公認、推薦の認定を行うということを行いました。しかし、既に通知を行った段階で公認、推薦を終えている都道府県連については、宣誓書、あるいは文書を送付する、こうした確認を行ったということを申し上げました。
文書で十分なのかということでありますが、大事なのは、未来に向けて関係を絶つかということであります。これについて、都道府県連として、こうした確認の文書を発出した上で、各議員の状況についてしっかりと状況を把握していくことは重要であると思います。そして、必要であるならば、これは議員本人から過去等についても説明をしていく、こういったことによって各地方組織において政治の信頼回復に向けて努力する、これが重要であると認識をしています。
●西村(智)委員 いろいろおっしゃいましたけれども、つまり、一言で言えば、都道府県連任せになっているんですよ。党本部、岸田総裁は、この件については直接リーダーシップは何も発揮しておられません。
だったら、しているということであれば、じゃ、どの県連で本当に宣誓書を取っているのか、あるいは、どの県連でどういう内容の確認を取っているのか、それをちゃんと発表していただけませんか、総理。
●岸田内閣総理大臣 選考プロセスに盛り込んだ県連、そして宣誓書を発出した県連、そして確認の文書を発出した県連、それぞれ対応を行っていると承知をしております。
具体的に、今手元で、どの県がどこだという資料はありませんが、今回の統一地方選挙によって県議会議員選挙と地方議員選挙を行う全国の県連においては、対応を全て行っていると承知をしています。
●西村(智)委員 各党の取組にまでお詳しい総理が、自分の党の中のどういう県連がどういう取組をしているのか答えられないというのは本当に驚きですね。
国会議員については、少なくとも人数と内容については全て御公表になったわけですよ、細田議長は含まれておりませんでしたけれども。自治体議員についても、少なくとも、関わりがあった人が何人いるのか、この県連では何人ですというところまで明らかにしていただく必要が私はあると思うんですよ。でなければ、未来に向けて関係を断ち切るときれいな言葉だけ言われても、本当かなという思いでこのまま統一選挙に突入することになりますよ。少なくともそのくらいは公表してもらえませんか、総理。
●岸田内閣総理大臣 統一地方選挙に向けて、自民党として、公認、推薦の過程の中で、未来に向けて関係を絶つということをしっかり確認するということを申し上げています。
そして、過去、どのような関係があったかについて調べろという御指摘かと思いますが、それについては、統一教会との関係においては、様々な場面において、本人がどのような認識をし、どのように関わったか、最後は心の問題であるということから、どの党もそれぞれの議員の申告に基づいて状況を把握しているということであると認識をしております。
よって、過去についても、地方議員において、その過去の関係についても、それぞれの議員が説明をすることによって有権者に対して信頼を回復するために努力をする、これがあるべき姿であると認識をしております。
●西村(智)委員 各党みんな自主的な申告でというふうにおっしゃいましたけれども、もちろん我々もそういうふうには申告は求めました。それだけでなくて、いろいろなマスコミさんから情報が来たりします。ジャーナリストの方からも情報が来たりします。それについてもちゃんと調査は行ったんですよ。
自民党は、国会議員に対しても自己申告ということで調査はしていない、自ら、アウトリーチといいますか、外に手を伸ばしてやる調査というのはやっていないんですよね。そういうところが自治体議員に対してはまた更に甘く、人数も公表しない、どの県連がどういう対応をしているのかも公表しない。このまま統一選挙に入っちゃったら、みんな、有権者の皆さん、不信の目で見られますよ。明らかにすべきだと思います。
総理、もう一回お願いします。
●岸田内閣総理大臣 委員の御指摘のようなマスコミ等からの御指摘については、それぞれの議員がそうした指摘についてしっかりと説明責任を果たすということで党としてそれぞれの対応を促し、そして行っているということであります。地方議員においてもそれが基本であると思っています。
そして、各県連の対応について、今手元にその資料がないということでお答えをしておりませんが、各県連の対応についてもしっかり確認をして明らかにしていきたいと思っています。
●西村(智)委員 では、その資料を理事会の方に提出していただくように協議をお願いいたします。
●根本委員長 理事会で協議します。
●西村(智)委員 昨年十一月二十八日の予算委員会で、私は、旧統一教会の名称変更問題について質問をいたしました。今日も下村元大臣、そちらの委員席にお座りになっておられるので、理事の皆さんが参考人で認めてくださればこの問題を明らかにできるんですけれども、今日も拒否されてしまいました。大変遺憾であります。
このような中で聞かなければいけないんですけれども、永岡大臣、改めてお伺いいたします。
十一月二十八日の予算委員会での質問に対して、下村元文科大臣の関与がこの名称変更に関してなかった、関与はなかったと認識しているという答弁をされたんですけれども、何を根拠にこのときこういう答弁をされたんでしょうか。
●永岡国務大臣 お答え申し上げます。
旧統一教会の名称変更につきましては、宗教法人法の規定に従いまして手続を行い、その審査の過程において法的な検討を重ねた結果として、本件は認証すべき案件であると事務的に判断したものであります。政治的な関与はなかったと認識をしている次第でございます。
このことにつきましては、担当の宗務課におきましても、当時の資料の内容の確認を行うとともに、当時の担当者から聞き取りを実施をしたところによっても、当時の文部科学大臣からの指示はなかったとのことでございました。
●西村(智)委員 永岡大臣は、直接その資料を御覧になりましたか。また、当時の担当から直接話を聞きましたか。
●永岡国務大臣 そういう報告は、当時の宗務課の担当というところからは聞いてはおりません。私が八月の十日に就任をいたしまして、そのときの宗務課の担当から聞いたものでございます。
●西村(智)委員 当時の担当から、聞いていない。
資料は確認したんですか。
●永岡国務大臣 資料等は確認しておりません。
●西村(智)委員 何も確認せずに、大臣はこの委員会で、関与はなかったと認識しているという答弁をされた。大変無責任だと思うんですけれどもね。
ちょっと、じゃ、伺いますが、当時の資料、それから当時の担当に話を、今の人が何か聞いたか見たか、何かしたんでしょうかね。当時の資料を提出をお願いしたいんですけれども、理事会で協議いただけませんか。
●根本委員長 理事会で協議します。
●西村(智)委員 この間、こうした資料については一切出てきていないんですけれども、大臣がここまで自信を持って、関与はなかったというふうに認識していると。何にも資料も見ていないし、当時の人から話も聞いていないのにここで答弁をされたんですから、それは明確に出していただく必要は、私は更に強まったというふうに思います。
次に、全国霊感商法弁護士連絡会、こちらの方、本当に三十年にわたる旧統一教会との戦い、これをやってこられた皆さんですけれども、二〇一五年の三月に名称変更について文科省に申入れをしていますね。その直前の旧統一教会の幹部会で名称変更することを決定した。ただ、この名称変更を仮に認めると新たな被害者を獲得することにつながる、あるいは被害回復請求を抑制する目的で行われるものであるというふうに考えられるということで、文科省にはやらないでくれと、端的に申し上げれば、そういうふうな申入れがありました。
この申入れ書は、下村大臣のところまで届きましたか。
●永岡国務大臣 お答え申し上げます。
二〇一五年三月に全国弁連から旧統一教会の名称変更の申請を認証しないことを求める申込書、これは受け取っております。
当該申込書につきまして、当時の文部科学大臣に報告していたかどうかは、確認はできておりません。
●西村(智)委員 今、そこに下村大臣いらっしゃるので、永岡大臣、下村元大臣に聞いていただいて、それで答弁していただけませんか。あるいは、与党がすぐ参考人で認めてくださっていれば、下村大臣、お答えしたいですよね。
ちょっと、認めていただけませんか、理事。確認していただきたいと思います。お願いします。
●根本委員長 じゃ、速記を止めてください。
〔速記中止〕
●根本委員長 速記を起こしてください。
じゃ、速記を暫時止めてください。
〔速記中止〕
●根本委員長 速記を起こしてください。
文部科学大臣永岡桂子君。
●永岡国務大臣 お答え申し上げます。
名称変更等につきまして政治的関与はなかったと認識をしているわけでございまして、このことにつきましては、当時の担当の宗務課において、当時の資料の内容の確認を行うとともに、当時の担当者から聞き取りを実施したところによっても、当時の文部科学大臣からの指示はなかったと私は宗務課から聞いているところでございます。
●西村(智)委員 私は、指示のことについては聞いておりません。申入れ書が下村大臣のところまで届いたのかというふうにお伺いしましたら、確認できないということなんですよね。下村大臣はそちらにいらっしゃるから、参考人を認めていただければ、これはこんなに時間を費やさなくたっていいわけですよ。私だって、ほかのことを、質問したいことはたくさんあるんですけれども。
では、下村大臣のところまで確認できなかったということなんですけれども、誰に聞いてそういうふうに確認をされたんですか。
●永岡国務大臣 当時の宗務課にいた方々に調査をいたしまして、そして、それを私が報告として受けたわけでございます。
●西村(智)委員 直接聞いていないんですよ。
それで、確認できなかったということなんですけれども、では、どうして大臣まで上げなかったのか。下村さん、本当に答弁していただければいいんですけれども。では、仮に大臣まで上がっていなかったとしたら、どうして大臣まで上げないという判断をしたんですか。誰がそこの判断をしたんですか。
●永岡国務大臣 どうしてと言われましても、私の方ではお答えすることはちょっと不可能かと思っております。
●西村(智)委員 これは重要な話なんですよ。
全国弁連が申入れをして、名称変更は認めないでいただきたい、受け取らないでいただきたいというふうに書いてある申入れ書、これを、大臣宛てになっているわけですよ、名前は、当然ですけれども。それが何で大臣の、仮に上がっていないとすれば、どうして上がっていないということを大臣自身が確認もせず、下村大臣のところまで届いたかどうかは確認できないと、どうしてこういう矛盾した答弁ができるんですか。
●永岡国務大臣 宗教法人法上、形式上の要件を備えた申請、これは名称変更になりますけれども、所轄庁におきまして受理をされる必要があります。そして、所轄庁は、申請を受理した場合に、宗教法人法に基づきます審査を行い、要件を備えていると認めたときは認証する旨の決定を行う必要があります。
旧統一教会の名称変更につきましては、このような宗教法人法の規定に従いまして手続を行い、その審査の過程によって法的な検討を重ねた結果として、本件は認証すべき案件であるとの事務的に判断したもの、そういうふうに認識をしている次第でございます。
●西村(智)委員 何度も同じ答弁をされるんですけれども、私は聞いていませんし、つまり、今の話でも、文科省は行政上の措置として、申請を受け取らないように、要するに出させないように、十八年間かな、してきたわけですよ。それを、突如として、二〇一五年、受け取った。しかも、全国弁連から申入れ書が届いているのに、それを大臣のところに上げたのかどうかすらもお答えにならない。こういったことすらも確認できなくて、どうして下村大臣の関与がなかったというふうに答弁ができるのか、私は甚だ疑問であります。
もう一つ伺います。
十一月二十八日の私の質問に対して、永岡大臣は、下村大臣からの指示はなかったとのことでございました、これは指示ですね。指示があったんじゃないですか、関与していたんじゃないですかということを質問したときに、下村大臣からの指示はなかったとのことでございました、聞き取りをした結果というふうに永岡大臣は当時答弁されたんですけれども、その後、岸田総理が、同じ趣旨で私が質問いたしましたら、ちょっと前段がいろいろあるんですけれども、こういうふうに答弁しているんです。下村大臣が直接その情報に接していたかどうか、関与していたかどうか、これは確認できないと考えております。
永岡大臣は指示はなかったということで答弁している、岸田総理は関与していたかどうか確認できない、こう答弁をしている。これはどっちが正しいんですか。
●岸田内閣総理大臣 共に同じ趣旨のことを答えていると理解しています。確認できないからなかったということであります。
●西村(智)委員 詭弁ですね。真逆のことを答えておられます。
これは、こういうふうに、やはり本当のことを隠そうとすると答弁がぶれるということなんですよ。私、このことについては、引き続き、下村元大臣の参考人招致を行っていただきながら、明らかにしていきたい。
そうでないと、もう今も五十人の方が集団で旧統一教会と交渉を始めております。被害総額が五十人で約十六億円と言われております。だけれども、この五十人の中に入った方々というのは本当に一握りだと思うんですよね。これだけ多額の被害を生んで、しかも二世の皆さんは大変辛酸な思いをしておられる。こういったことについては引き続きただしていきたいと思います。
次に、原子炉の安全性について伺います。
私は、冒頭申し上げますが、一日も早く原発ゼロを実現したいという立場です。
その上で、先日、気になるやり取りがございまして、岸田総理が、あえてなのか、原発運転期間については最長で六十年に制限する、この現行の枠組みを維持すると、二回答弁しておられるんですよ。これは事実と異なるミスリードな答弁だというふうに思います。
つまり、停止期間は除外するわけですよね、その条件をきちんと説明せずに、六十年という制限は、これは維持するというふうに言っている。停止期間を除外するということを隠している、こそくな答弁だと私は思うんですけれども、いかがですか。
●岸田内閣総理大臣 先日閣議決定したGX実現に向けた基本方針において、現行制度と同様に、運転期間は四十年、延長を認める期間は二十年との期限を設けた上で、原子力規制委員会による厳格な安全審査が行われることを前提に、一定の停止期間に限り、追加的な延長を認める、これを明記したところです。
これを受けて、先日の質疑で、実質的に稼働している期間は最長六十年ということになるとの趣旨を答弁したものであります。これは、こうした実態を踏まえた答弁であったと認識をしております。
●西村(智)委員 運転期間を、除外するということをちゃんと説明しないといけないんじゃないですか。これは、テレビで見ている視聴者は勘違いしたかもしれないですよ。最長六十年という原則、ああ、変わらないんだなと思った視聴者、いらっしゃったと思いますよ、私。
これは、じゃ、この停止期間を運転期間に含めるということなんですけれども、二月の九日に、予算委員会、私も質問をいたしました。
当時、規制委員会で、この運転期間の変更について石渡明委員が反対意見を述べられて、ちょうどその採決ができなかったとき、タイミングだったんですけれども、その後、一週間後ぐらいですか、また委員会が開かれたときに、今度は採決が行われて、でもやはり石渡明委員は反対をしておられる。その理由の一つはこういうことなんです。審査を厳格に行うほど高経年化した炉を運転していくことになる。分かりますか。つまり、長く休めば休むほど、そのまま運転期間が延長されていくということなんですよ。
私、これはやはり問題だというふうに思います。つまり、審査を厳格にちゃんと行えば、審査が長引けば、長引くに従って運転期間が延びていく。矛盾していますよね。
●根本委員長 申合せの時間が過ぎておりますから、おまとめください。
●西村(智)委員 このことについて、まず前段、審査をちゃんとやれば停止期間が長くなって運転期間が長くなるということは事実ですね、総理。
●岸田内閣総理大臣 運転期間という言葉ですが、先ほど申し上げたように、実質的に稼働している期間は最長六十年になるということ、これを申し上げた次第です。
いずれにせよ、原子力規制委員会の安全確認がなければ運転できない、これは大前提だと申し上げた上で、実質的に稼働している期間は最長六十年、こういった趣旨を答弁させていただいたということであり、これは実態に即した答弁であると認識をしております。
●西村(智)委員 時間になりましたので、大変残念ですが、最後に一言だけ。
石渡明委員は、運転を停止した期間は六十年にプラスするという案は、我々が安全のため審査を厳格に行い、長引けば長引くほど運転期間は延びていく、これは非常に問題だというふうにおっしゃっています。私も全く同じ思いです。
ですから、この予算案、今後出てくる法案、本当に大問題だということを申し上げて、私の質問を終わります。