●西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。
旧統一教会の被害対策としては、昨年末、悪質な寄附を規制する法律が、大変不十分な内容ながら、成立をいたしました。
私たちは、引き続き、二世信者の皆さん、被害者の皆さんの救済などに向けて、この法律の実効性を上げることと、そして新たな立法の必要性について引き続き模索をしていく、その決意であることを冒頭申し上げます。
さて、この旧統一教会の被害に関しましては、文科省の方で、現在、質問権が行使をされている。これについては、私は、解散命令請求、これを視野に入れた質問権の行使だというふうに認識をしております。
宗教法人の解散というのは、何も団体として解散を求めるということではなく、現在受けている税制上の優遇措置、これをなくすという意味での解散なんですね。
ですから、一日も早くこのことをやるべきだというふうに思いますけれども、永岡大臣、現在行使されている質問権というのは、これは解散命令請求を視野に入れたものであるという理解で間違いないでしょうか。
●永岡国務大臣 お答え申し上げます。
旧統一教会に対する報告徴収、質問権を行使しているのは、旧統一教会や信者等の行為に関する不法な行為責任を認めた判決が多数あり、民事裁判の判決において認められた損害賠償額も多額に及ぶことなどから、法令違反による広範な被害や重大な影響が生じている疑いがあると認められるからでございます。
いずれにいたしましても、報告徴収、質問権の効果的な行使等を通じまして、旧統一教会の業務等に関して、具体的な証拠や資料などを伴います客観的な事実を明らかにするための対応を、しっかりと法律上にのっとりまして、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
●西村(智)委員 今日は河野大臣をお呼びしていないんですが、消費者庁の霊感商法に関する有識者の検討会議、ここの報告書では、解散命令請求も視野に入れて質問権を行使する必要があるというふうに書かれています。
文科省は、この検討会の報告書に反した形で質問権を行使しているということですか。解散命令請求を視野に入れた質問権の行使であるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
●永岡国務大臣 法令違反によります広範な被害や重大な影響が生じている疑いがあると認められることで、質問権の行使に至っているところでございます。
●西村(智)委員 解散命令請求を視野に入れた質問権行使だというふうには絶対におっしゃらないんですね。これは私、非常に、政府の姿勢としてはいかぬというふうに思います。これだけ団体の反社会性が明らかになったにもかかわらず、税制の優遇をいまだに続けている。これは一刻も早く、私は、裁判所に請求をしていただきたい、そのことを強く申し上げておきます。
総理、私、二月一日に予算委員会で、自治体議員の調査、旧統一教会との関わりについて、地方議員の皆さんにも調査をすべきではないですかというふうに質問をいたしました。総理は、そのことについて明確にはお答えにならなかったんだけれども、都道府県連の地方組織を通して検討していきますというふうには御答弁になりました。
いつまでに結論を出してくださいますか。
●岸田内閣総理大臣 統一地方選挙に当たって、自民党、党本部の基本的な考え方を徹底するために、地方組織との意思疎通、行っております。
そもそも、議員と旧統一教会との関係については、様々な情勢における本人の判断、認識、すなわち心の問題であるからこそ、各党とも議員本人による報告に基づいて実態把握を行っているものと考えております。
そして、自民党としては、昨年九月にその結果を取りまとめました。そして、結論として、自民党においては、旧統一教会及び関係団体との一切関係を持たない方針であること、この方針を踏まえてガバナンスコードを改定し、その方針を党所属の全国の国会議員、そして全国都道府県連に通知をし、これを徹底してきたところですが、統一地方選挙に当たっては、党本部と各都道府県連の間で緊密に意思疎通を図り、党としての方針を具体化する、こうした手続について意思疎通を行っている最中であります。
●西村(智)委員 二週間前と全く答弁が変わっておりません。二週間、検討し続けている。いつまでに結論を出していただけますか。
これは、国会議員に対しては、調査ではないけれども自己点検という形で、皆さん自己申告という形で一応のまとまりは出たわけです。自治体議員、地方議員に対しては何も行わないまま、地方組織との協議をやっていますということで、このまま統一地方選挙に突入するということにはまさかならないですよね、総理。
●岸田内閣総理大臣 全国の都道府県連と意思疎通を図っておりますが、県連によっては、党の方針を文書で確認するなど、様々な具体的な対策を講ずることを決定している県連もあります。状況は様々であります。
その中で、それぞれ党の方針を徹底するためにどうあるべきなのか、こうした意思疎通を行っている、こうした状況であります。
●西村(智)委員 そういうふうにやっている組織があるということは分かります。
報道によれば、しかし、十二の県連が何の取決めもしていない、何の報告もしていないということなんですけれども、このまままさか統一地方選挙に突入してしまえば、報告、申告すらできない自治体議員が自民党の中には多数おられるというふうに推測せざるを得ないんですけれども、それでもよろしいんでしょうか。
●岸田内閣総理大臣 マスコミにおいて様々なアンケートが行われていることは承知をしております。しかし、その中で、党としては、全国の都道府県連、地方組織と意思疎通を図っています。そして、具体的な対応について決定をする、そうした県連も増えてきております。
是非、こうした作業を進めることによって有権者の皆さんの信頼を得ること、これが何よりも重要であると思います。そうしなければ、選挙において厳しい批判にさらされてしまう。そういった状況の中で、是非、政治の信頼回復のために、都道府県連と党の間において意思疎通を続けていきたいと考えております。
●西村(智)委員 政治には信頼が大切、そのとおりだと思います。ですけれども、今のままでは、自民党と旧統一教会が本当に関わりを絶てているというふうに言うことは、判断することはできません。是非、早急に、やらない県連があるんだとすれば、それは総理自らそのことについても公表していただく、そのぐらいをやっていただかないといけない問題だというふうに申し上げておきます。
次の議題に移ります。
結婚した夫婦が、希望する場合に、別の姓、別の名字を名のることができるようにしたい、そういう声が実はかなりあります。全体の数から見ればそんなに多くはないかもしれません。
しかし、今、結婚した際に名字を変えるのは圧倒的に女性です。九六%が女性です。大変煩雑だとか、あるいは自分が失われるような気がするとか、いろいろなお声がある中で、希望すれば別々の名字を選ぶことができる、もちろん希望すれば一緒の名字を選択してもいい、そういう制度を私は実現をしたいというふうに思って、前回、総理に質問いたしました。
このことは、一九九六年、もう今から約三十年前に法務省の審議会がそのための法律改正案を作ってまとめたんですけれども、政府は国会に提出をしておりません。
私たちも、議員立法として、ならばということで、一九九七年から二十二回、二十二回ですね、議員立法として法案提出をしておりますけれども、自民党が反対して、議論すらできずに廃案になるということがずっと繰り返されてきております。
数は少ないかもしれないけれども、選択的に別の氏を選ぶことができるという仕組みを待っている人はおられます。
総理は、この件について、国民の間に様々な意見があることから、議論をしていくんだというふうに答弁しているんですけれども、総理就任以降十三回、同じ答弁を繰り返しておられるんですね。
総理は、この望めば別の氏を名のることができるという制度をつくることに賛成ですか、反対ですか、どちらですか。
●岸田内閣総理大臣 選択的夫婦別氏制度の導入、法制化については、委員御指摘のように、国民の皆さんの間に様々な意見があるから、この理解のために議論を進める必要がある、このように考えていると申し上げてきました。
そして、賛成ですか、反対ですかという御質問ですが、私は、私自身は、反対ということは一度も申し上げたことはありません。これは、価値観や心に関わる問題であるからして、議論が必要だということを申し上げてきているわけであります。自民党の中にも議員連盟が存在し、議論が行われているところであります。こうした状況を注視していきたいということを申し上げております。
●西村(智)委員 反対だと言ったことはない、初めてその答弁をいただきましたけれども、では、総理、ここは総理の指導力を発揮していただいて。待っている方はいらっしゃいます。
私、この仕組みをつくるからといって、全ての人に別の氏を名のってほしいなんということは思っていません。選ぶことができるんですからね。別の氏を選びたい人はそうすれば結構だと思いますけれども、そうじゃない人はそうしなくてもいい。この制度をつくることに何が総理はひっかかって、進めようということにはなっていないんですか。
●岸田内閣総理大臣 要は、国民の皆さんの中に様々な意見があるから、議論が重要だということを申し上げております。
自民党の中にも、議員連盟の中で、賛成する、賛成の活動をしている議員もいる、これはそのとおりであります。こうした議論があるからこそ、こうした、国民の幅広い理解につなげるために議論を深めることが重要であるということを申し上げている次第であります。
●西村(智)委員 様々な意見があるから議論をすると、今日で十五回目の答弁、同じ答弁をいただくことになってしまいました。
総理、今のお話を伺っていると、国民の中にもそれは様々意見はあると思います。何か心配なことがある、その気持ちは私も分かります。ですけれども、重ねて申し上げますが、全ての人にそうしろというふうに言っているのではない。むしろ、今の話を聞いていると、国民の間の意見の相違もさることながら、自民党の中の意見の相違があるから提出できないというふうに聞こえるんですけれども、そういうことなんですか。
●岸田内閣総理大臣 自民党の中で議論がある、その背景には、国民の皆さんの中においても様々な議論がある、こうしたことであると認識をしています。
国民の価値観ですとか心に関わる問題でもあることから、議論を深めることが重要だということを再三申し上げている次第であります。
●西村(智)委員 だとすれば、いつまでに検討をされるんでしょうか。
総理、この間、検討、慎重に検討、極めて慎重に検討、幅広く意見を聞いて検討、検討という言葉のバリエーションがすごくたくさんあるんですけれども、結論が出ましたということが、私、聞いたことがないんですよ。いつまでにこの件、期限をつけて、総理が指導力を発揮して結論を出してくださいますか。
●岸田内閣総理大臣 これは、国民の皆さんの価値観や心に関わる問題であるから、議論を深めることが重要だと申し上げています。
今、検討するという言葉を使ったとおっしゃいましたが、委員との議論においても、こうした選択的夫婦別氏制度の問題、LGBT理解増進法の問題、同性婚の問題、こうした様々な課題について議論を行ってきました。その中で、国民の議論の深まり具合は様々であります。その状況に合わせて検討という言葉も私は使い分けてきたと考えております。
是非、それぞれの課題における国民の理解の深まり具合をしっかり見ながら、政治としてしっかり判断していく、これが重要であります。いつまでに結論を出せ、そういう課題ではないと考えております。
●西村(智)委員 検討に種類があるけれども、検討する、何だったんでしょう、今の答弁は。つまりは、結論を出すつもりがないということでしょうか。この困っている方々をいつまでも放置するということですか、総理。
これはもう三十年近くになるんですよ。三十年近くもう議論をしてきて、まさに議論してきたわけですよ。法制審の答申が出るまで、法案がまとまるまでも、それは当然議論があったわけです。さらに、一九九六年からもまた、法案がまとまってからも議論してきているわけです。一体いつまで待てばいいのか、本当に待っている人たちはそういう気持ちですよ。
同じ答弁をまた繰り返すだけになる、これは、十五回、今の答弁でもう二十回くらいになりましたか、慎重に、国民の間に意見があるので議論するということ。
そして、最後にもう一回聞きますけれども、やはり、総理自身が賛成か反対かということを言っていただいて議論が始まるんです。議論するというのはそういうことだと思うんですけれども。
どうですか、総理、もう一回。総理自身は賛成ですか、反対ですか。
●岸田内閣総理大臣 賛成、反対については、先ほど申し上げたとおりであります。私自身、反対と申し上げたことはありません。だから、議論が大事だということを申し上げております。
●西村(智)委員 指導力がないということですかね。なかなか言えないんでしょうかね。本当に。
次に、また二週間前に質問した件について伺いたいと思います。
二月の一日、私は、男性と男性、女性と女性で結婚したいという方がいたら認める制度をつくったらどうですかという質問をいたしました。それに対して総理は、社会が変わってしまうという答弁をされたんですね。こちらがその答弁です。黄色いところが、社会が変わってしまうと書かれている部分です。
この答弁については後でまたゆっくり質問したいと思いますが、まず、荒井秘書官の件について、発言について、私の思いを、伺いたいと思います。
荒井元秘書官の発言は、この、社会が変わってしまうという答弁をかばうために行われた、かばうように行われた発言だというふうに思います。
その発言は差別発言であったということはもちろん問題なんですけれども、荒井秘書官自身が、言ってみれば、同性愛、男性と男性、女性と女性、お互いに好きになるというこの問題の前提を私は理解していないというふうに思って、大変残念に感じました。
隣に住んでいるのも嫌だ、見るのも嫌だ、そういうふうに発言されたようですけれども、荒井秘書官はそのときに、もしかしたら自分の同僚に、あるいは会見で取材している記者さんの中にそういう当事者がいるかもしれないというふうに、想像力を働かせなかったんでしょうか。当事者が見えにくい問題だということを私は指摘したいと思います。極端な話、例えば荒井秘書官の息子さんが同性愛者かもしれません。お父さんに言えなくて、悩み、苦しんでいるかもしれません。そのときに、見るのも嫌だと言われたら、息子さんはどういう気持ちになるでしょうか。
最近は公表する方も増えてきて、それは当然、よいことだというふうに思います。ですけれども、多くの公表できない方、言えない方、言えずに悩んでいる方、こういった方々がいるというのがこの問題の前提なんです。こうした問題だということ、総理も同じように認識してくださっていますか。
●岸田内閣総理大臣 私自身も、世の中において、様々な考え方、立場の方がおられる、そういった方を差別するようなことがあってはならない、これは当然のことだと思います。
御指摘の荒井元秘書官の発言についても、政府の考え方とは全く相入れない、言語道断の発言であるということで、厳しく対応をし、そして改めて、不快な思いをさせてしまった方々に私自身もおわびを申し上げた、こういった次第であります。
●西村(智)委員 当事者が見えにくい問題であるということは、総理も認識していますか。
●岸田内閣総理大臣 委員が今おっしゃったような形で、なかなか言い出すことができない、結果として見えにくい問題になってしまう、こうしたことが実際であると私も認識をいたします。
●西村(智)委員 いわゆる当事者と言われる方々、これはいろいろなグラデーションもあるんですけれども、大体人口の一〇%くらいは当事者がいらっしゃるんじゃないかというふうに言われています。そうした現実を総理としてしっかりと認識してくださった上で、この後の答弁をお願いしたいと思います。
この発言に移ります。
二月の八日に、我が党の岡本あき子議員がこの発言の趣旨について質問いたしました。
総理は、そのときに、この、社会が変わってしまう、つまり、これは何かといいますと、私が、いわゆる同性婚ですね、男性と男性、女性と女性が法律的に結婚をするということを認める、その制度をつくってはどうですかということを質問したときに、総理は、全ての国民にとっても、家族観や、価値観や、そして社会が変わってしまう、こうした課題でありますというふうに答弁をされました。この、社会が変わってしまうという言葉に対して、岡本あき子議員がネガティブな意味なのではないかというふうに問うたところ、総理は、これはネガティブな意味で申し上げたものではないというふうに答弁されていたんです。
私、二月一日のこの答弁があったときに、本来であれば、もっと追いかけるべきだったと思います。
今日、改めて総理に伺いますけれども、これはやはりネガティブな発言だと思うんですよ。たまたま、このことについて今日質問しようと思っておりましたら、東京新聞の今朝の朝刊で、金田一秀穂先生、日本語研究の第一人者であるということ、私もおじいさんとかの辞書を使わせていただきました、この杏林大学名誉教授のコメントが掲載されていて、この答弁は明らかに否定的ニュアンスを表しているというふうに日本語研究の第一人者がおっしゃっておられました。
総理、この発言、答弁、撤回すべきだと思うんですけれども、いかがですか。
●岸田内閣総理大臣 私の使った言葉がネガティブに受け取られたとしたならば、これは反省しなければいけない部分があるかとは思います。
是非あのときのやり取りを振り返っていただきたいと思いますが、これは国民生活の基本に関わる問題である、あるいは家族観とも密接に関わる問題である、社会に関わる問題であるから議論が大事だ、社会が変わってしまうから議論は大事だということを申し上げたわけであります。議論を否定する意図は全くありませんし、是非、議論を行った上で、この問題についても国民とともに考えていこうということを申し上げたわけであります。
ですから、いきなり、変わってしまうから否定をしたというのではなくして、変わるから議論をしましょうという趣旨で発言した、これを是非御理解いただきたいと思っています。
●西村(智)委員 答弁は、私、全部読んでおりますけれども、やはりこれはネガティブというふうに読むのが言語的にも日本語的にも恐らく正しい。
私も、いろいろ考えてみました。社会がという言葉を使ってポジティブな動詞をつけると、おかしな文章になるんですね。例えば、どういうことかというと、社会が豊かになってしまう、おかしいですよね。社会が発展してしまう、おかしいですよね。ネガティブな動詞をつけると、これはしっくりくるんですよ。社会が混乱してしまう、社会がすさんでしまう、これはしっくりくるんですよね。
総理、そこまでおっしゃるのであれば、金田一先生もおっしゃっていますから、社会がというのを主語にして、てしまうという言葉を使って、何かポジティブな例文を作っていただけませんか。
●岸田内閣総理大臣 ネガティブかポジティブかは別として、変わってしまうという結果をもたらすから議論を深めることが大事だという形で、そういう表現をするということはあり得ると思います。
私の表現が不十分だということについて、御指摘は謙虚に受け止めたいと思いますが、あのときの発言の趣旨、社会が変わる課題であるから議論を深めたいということを申し上げたということ、このことは、決して否定的でもなければ肯定的でもない、そういった発言であると私は思っております。
●西村(智)委員 であるとすれば、やはりこの発言は撤回した方がいいと思うんです。私は今、総理に、この、社会が変わってしまうという言葉を撤回する最後のチャンスをここに今出したわけですけれども、総理は撤回されなかった。本当に残念です。
この同性婚、同性同士で結婚できるということを法制化するとします。恐らく、そんなに、法律的な結婚をしようという人は、皆さんがびっくりするほどたくさんは出ないんじゃないかと私は思うんですね。社会も崩壊しないし、全ての国民にとって家族観や価値観は変わらないということを、私は先ほどの選択的夫婦別姓の話でも申し上げましたけれども、当事者にとってはそれは大きな変化、意味のある変化かもしれないけれども、そうじゃない方にとってはそうではない。
一九九三年に、ニュージーランドで同性婚が法制化される際に、モーリス・ウィリアムソンという議員が議会で演説をされました。一部御紹介したいと思います。
反対する人の多くは、この法案が社会にどういう影響があるかということに関心があり、心配しているんでしょう。その気持ちは分かります。自分の家族に起こるかもしれない何かが心配なんです。
繰り返しになりますが、言わせてください。
今私たちがやろうとしていることは、愛し合う二人の結婚を認めよう、ただそれだけです。外国に核戦争をしかけるわけでも、農作物を一掃するウイルスをばらまこうとしているわけでもない。お金のためでもない。単に、愛し合う二人が結婚できるようにしようとしているのであり、この法案のどこが間違っているのか、本当に理解できません。なぜこの法案に反対するのかが。自分と違う人を好きになれないのは分かります。それは構いません。みんなそのようなものです。
この法案に反対する人に私は約束しましょう。水も漏らさぬ約束です。
明日も太陽は昇るでしょう。あなたの十代の娘は、全てを知ったような顔で反抗してくるでしょう。明日、住宅ローンが増えることはありませんし、皮膚病になったり、湿疹ができたりすることもありません。布団の中からカエルが現れたりもしません。
明日も世界はいつものように回り続けます。だから、大騒ぎするのはやめましょう。この法案は、関係がある人にはすばらしいものですが、関係ない人には、ただ今までどおりの人生が続くだけです。
総理、この文章を聞いての感想を是非聞かせてください。
●岸田内閣総理大臣 まず、先ほどの私の発言については、肯定的なものでもなく否定的なものでもなく、議論することが大事だという趣旨で申し上げたということをいま一度申し上げます。
その上で、今の発言については、そうした意見、これもしっかり傾聴に値するものとして受け止めなければならないと思います。一方で、それと違う意見を持っておられる方も世の中にいるというのもまた事実であります。
ですから、この同性婚について、特に日本においてもう少し議論を深めることが大事なのではないか、議論を否定するものではない、是非、国民各層の意見ですとか、あるいは国会における議論ですとか、あるいは訴訟の動向ですとか、あるいは自治体におけるパートナー制度の運用や導入の状況ですとか、こうしたものを注視していく必要があるということを申し上げている次第であります。
●西村(智)委員 まず、総理が賛否をきちんと明確にしていただくこと、そして、反対意見、私も、心配はよく分かります。心配があるのは分かります。それをこの場で議論するという、その場がこの国会なんじゃないでしょうか。
そのことを指導する力を強く強く総理に求めて、発言を終わります。