■西村(智)委員
立憲民主党の西村智奈美です。
私は、今日は、桜を見る会前夜祭での安倍晋三後援会の有権者への違法寄附疑惑、この疑惑問題についての結末にも私自身は納得しているわけではございませんが、この違法寄附疑惑の中で新たに発覚いたしましたサントリーからの酒類無償提供問題について質問をいたします。
本日、参考人として、安倍元総理、そして安倍氏の元秘書である配川氏、そしてサントリー社長の新浪氏を参考人としてお呼びすることをお願いしておりましたが、大変残念ですが、お越しいただけませんでした。事実関係を明らかにするためには、これらの参考人の方々からお話を聞くことが不可欠ですので、次回以降も参考人としての出席を、是非、委員長、お願いをいたしたいと思います。
■薗浦委員長
後刻、理事会で協議をいたします。
■西村(智)委員
それでは、当事者の方々がいらっしゃらない中で、本日聞けることを確認をいたしたいと思います。
今日は、総務省からもお越しいただきました。政務官、まず、公職選挙法のことについて伺うんですけれども、企業は政治家の後援会に政治活動に関連して金品を寄附できますか。お答えください。
■鳩山大臣政務官
御質問にお答えをさせていただきます。
一般論として申し上げて、政治資金規正法においては、会社、労働組合、職員団体その他の団体は、政党及び政治資金団体以外の者に対しては、政治活動に関する寄附をしてはならないとされております。
■西村(智)委員
公職選挙法ではなくて、政治資金規正法の方でした。失礼いたしました。
今の御答弁、できないということでございます。
今回のサントリーの安倍後援会行事への酒類の寄附は、こうした、今の御答弁にもございましたとおり、政治資金規正法違反の疑いがあります。あります。
今日は法務省からもお越しいただいておりますけれども、法務大臣政務官、この件について、やはり新たに明らかになった事実ですから、改めて捜査すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
■加田大臣政務官
西村智奈美議員の質問にお答え申し上げます。
お尋ねは捜査機関の活動に関わる事柄でありますので、一般論として申し上げましたら、捜査機関の活動内容等を公にした場合、他人の名誉やプライバシーの保護の観点から問題があるなど、今後の捜査、そして公判に重大な支障がおそれ、恐れることがありますので、したがって、お尋ねにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
■西村(智)委員
捜査するのかしないのか、はっきりお答えはいただけないということなんですかね。しかし、これは、やはり政治資金規正法に係る本当に重要な事件だったわけです。
そもそも、私、冒頭で申し上げましたけれども、違法寄附疑惑のこの結末についても私はやはり国民感情からして納得できていない、納得していないところが多々あるというふうに思うんですね。
是非これは捜査すべきだというふうに私は考えますし、もし捜査をしないということであれば、我々として、今後も、参考人招致、今後例えば閉会中審査、開かれるということであればそれ前提ですけれども、参考人招致をしっかりと行って、事実関係を明らかにしていく責任が私はあるというふうに思っております。
さて、この問題については、実は、政治資金規正法以外の問題点も指摘をされております。
この酒類の寄附が行われていた2016年そして2017年、サントリーにとって大変重要な課題が政治の争点でありました。ビール、それから第3のビール、発泡酒、この税率統一問題であります。この税率統一は、何度も課題になりながら先送りが繰り返されて、2016年12月の税制改正でようやく決定されたわけなんですが、何と、税率が実際に一本化をするのが、その時点から数えて10年後、今日この時点から数えても4年後の、2026年ということなんです。
10年もの移行期間が設けられた、この理由は何でしょうか。財務大臣、お答えください。
■鈴木国務大臣
酒税改革につきましては、ビール系飲料の税率格差の解消だけではなくて、清酒とワインとの税率格差の解消や、いわゆる缶酎ハイの税率引上げなど、幅広い品目を対象として、税率の引上げ、引下げを行ったものであります。
これは多くの消費者や事業者に関係するものであることから、その影響が急激なものとならないよう、十分な経過期間を確保しつつ段階的に進めることとされたもの、そのように承知をしているところでございます。
■西村(智)委員
ビール4社、大手4社ですね、本当に、そのほかの会社もあるんですけれども、今回はビール大手4社ということで私は取り上げさせていただくんですけれども、いわゆる第3のビールが得意なところ、それから、ビール、一般的なビール、これが得意なところ、会社によって特性はいろいろだというふうに思うんですよね。ビールの税率が、ビールの税金が高かった、これを下げていく、他方で、発泡酒の税金、これはちょっと最後の段階で上げる、新ジャンルと言われているものの飲料については段階的にこう上がっていくということでありますと、税率統一で不利になる会社と逆に有利になる会社、これは、一般的に考えて、やはりあるんだろうなと思うわけなんです。
第3のビールが販売比率が大きかったところ、新ジャンルと言われているところが販売比率が大きかったところは税率統一で不利になる、逆に、ビールの比率が高い会社は有利になる、こういった会社があるということを、財務省としては把握していましたでしょうか。
■鈴木国務大臣
酒税改革の議論が与党の税調等で中心にされていた当時、ビール各社の販売数量の状況、これは把握をしておりました。
そして、与党の税制調査会に対しまして、各社の販売数量の資料、これを提出いたしました。その上で与党の税調において必要な議論が行われた、そのように承知をしているところでございます。
■西村(智)委員
把握しておられたということです。しかも、販売数量についても、自民党の税調に数字として提示をしていたということであります。
実は私、昨日から資料要求をしておりました。一つは、大手ビールメーカー4社別の税率統一による影響の試算そしてその比較、また、四社各社から財務省に対して要望があったと思います、その要望の内容、あるいは、財務省と4社との面談の記録、そして、総理官邸とこの問題についての協議の記録、自民党税調に財務省が提出した資料の提出というのをお願いしてきました。
最後に申し上げた自民党税調に対して財務省が提出した資料の提出は、これはいただいたんですけれども、前の三つについて、全くこれはいただけていないんです。これは財務大臣の方からもう一回指示していただけませんでしょうか。
先ほど、自民党税調の方に販売数量についても提示をしたというお話がありました。昨日、待てど暮らせど出てこないんですよ。これを出していただきたいんですけれども、もう一回お願いできませんか。
■鈴木国務大臣
与党税調に出した資料は先生の方にお出しをした、こういうふうに思っておりますが、この酒税改革につきまして4社からの要望はあったのかということ、それから面談はしているのかということでありますが、この酒税改革につきましては、酒業界全体からの要望は受けておりますけれども、個別の各社からの税制改正要望については受けていない、そのように承知をしております。この面談記録も、したがいまして、現時点では確認できていない、そのように承知をいたしております。
そして、総理官邸との協議記録はないのか、そういうお話でございましたが、これも、現時点では面談記録は確認できていない、そのように承知をしております。
■西村(智)委員
いや、おかしいと思うんですよね。当時とても問題になっていたビール系の飲料の税率問題です。報道もたくさんありましたし、財金委員会でも質疑がありました。それについて、いろいろな資料が出てこない、残っていない、これはやはりちょっとおかしいというふうに思います。
それから、ビールメーカー4社ごとの税率統一による影響の試算、これはやはり可能だったんじゃないですか。これはやっておられたんじゃないですか。これぐらいは出てくるはずだと思うんですけれども、いかがですか。
■鈴木国務大臣
先ほど申し上げましたとおり、酒税改革の議論が行われた当時、ビール各社の販売数量の状況、これに対して各社の販売数量の資料、これを与党の税調に対して提出をいたしました。
なお、これ以外の資料については、現時点では確認できていないと承知をいたしております。
■西村(智)委員
この税率統一による影響の試算は行ったんでしょうか、行わなかったんでしょうか。
■鈴木国務大臣
試算を行ったかどうか、分からない、資料がないということでございます。
■西村(智)委員
委員長、このような状況でして、きちんと探していただいているのかどうかすらも分からないんです。
面談記録も、これは皆さん御経験からお分かりだと思いますけれども、面談した記録、やはり取りますよね、メモ。あるいは、総理官邸との協議の内容について、私はやはりきちんと取っておられるはずだというふうに思いますので、もう一回、委員長の方からも、財務省に対して資料提出の要求をお願いしたいと思います。
■薗浦委員長
その取扱いについても、理事会でお話をさせていただきたいと思います。
■西村(智)委員
この報道など、私も当時のものをずっと見てまいりましたけれども、税率統一を10年先送りにしたということは、サントリーの政治力の結集の結果だというふうに随分当時報道されておられました。
時期的にもいろいろ符合するんですよね。2016年、15年当時ですか、15年の12月に税制改正、ビール税についての改正が先送りにされた後に、16年の桜を見る会前夜祭にサントリーからの酒類の無償提供が行われております。また、16年の10月24日、これは安倍総理始め大変多くの方々が佐治会長と面会になられておりますけれども、その翌々日に、ビール税の一本化を来年度中は見送りだというふうに報道もされておられます。
私、こういった企業から、言ってみればお友達の企業からの疑惑、これがやはり問題だというふうに、問題の本質だというふうに思うんです。大臣は、こうした企業から安倍後援会に違法の疑惑がある寄附が行われていたということを財務大臣自身はどういうふうにお考えになりますか。
■鈴木国務大臣
酒税改革は、ビール系飲料でなく、清酒やワイン、いわゆる缶酎ハイなど幅広い品目を対象とした見直しでありまして、これは今の税制改正の決定プロセスでありますが、与党の税調において議論を重ねて決定される、そういうことでございまして、この酒税改革についても幅広く与党税調において議論が行われ、その結果このような形で決定されたと承知をしております。
そして、併せてのお尋ねでありますが、政治家の後援会が企業から寄附を受けたか否かなどにつきましては、財務大臣としてはお答えする立場にはない、そのように思っております。
■西村(智)委員
サントリーは新ジャンルのビールの比率が高い企業でした。ですから、税率統一によって不利になる企業のカテゴリーに入っていたというふうに思います。
今日の質疑では、参考人の方からもお越しいただいていません。また、お願いをしていた資料についても全く出てきておりません。改めてこれらの要求をしつつ、私としては、引き続きこの問題を明らかにすべく質問をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
終わります