■西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。
ちょっと順序を変えまして、ワクチンの接種体制等から伺っていきたいと思います。
やはり、事態はかなり深刻で、医療体制の逼迫どころではない、崩壊が起きている、そんな中で日本政府の対応がまさに今注目されているところだ、長妻委員からも質問があったとおりだと私も思います。
そこで、政府の方としては、ゲームチェンジャーということでワクチン接種を進めていこうとされているわけで、私も是非協力できるところは協力したいと思っております中で、先日、大規模接種会場が東京に設置される、大阪にも設置を検討しているという報道がございました。報道がございましたというか、担当大臣がそのように会見等でも述べられておりますので、その方針はそのとおりなんだろうというふうに思うんですけれども。
さっき長妻委員の資料の中にもいろいろ、実はこの問題について恐らく質問を準備されていたと思うんですけれども、あって、それで、分からないのが、この大規模接種会場というのは誰を対象に接種を考えておられるのか。
先日、田村大臣はテレビ番組で、七月末までには高齢者が終わるから七月中にできればというようなことをおっしゃっていたり、他方、河野大臣はまたちょっとそれとは違うニュアンスのこともおっしゃっておられるようなんですけれども、防衛省の考え方によれば、東京に設置される大規模接種センターでは、一都三県の六十五歳以上の人と併せて、それから、接種券が送付された後は、一都三県の基礎疾患を有している者、介護施設従事者等ということになっていて、ここがよく分からないんですけれども、実際はどういうことになるんですか。
■田村国務大臣 済みません、ちょっと担当でないので、基本的な考え方はある程度聞いておりますけれども、責任を持って細かい部分までが正確かどうかというのは御理解をいただいてお聞きをいただきたいと思います。もし細かい部分、そごがあれば、その点に関しては担当の大臣にお聞きをいただければというふうに思いますが。
基本的……(発言する者あり)
■とかしき委員長 済みません、答弁中です。
答弁を続けてください。
■田村国務大臣 私が答えるの。(西村(智)委員「まずはお願いします」と呼ぶ)
基本的に、東京、大阪というところは、東京圏、大阪圏と言った方がいいかも分かりませんが、日本の国の高齢者のうちのかなりの割合がここに集まってきているという状況であります。
そこで、七月中に高齢者の方々にワクチン接種を何とか終えたいという総理の思いの下で、各自治体にそういうお願いをさせていただくということでございまして、そのような意味では、そのかなりの割合のおられる東京、大阪という地域でこのような形でワクチン接種をやるというのは、それなりに合理性というものはあるのであろうと思います。
あわせて、接種券というものがないと、なかなか、集まってこられて、どなたが資格があるかが分からないという話でありますから、そういう意味で接種券を配られている方ということになっておりますので、順次進んでいけば、基礎疾患を持っている方々にも接種券が行きますから、期間によっては高齢者と同時に接種券が配られた方々も当然対象になってくるということでございますので、このような形に、今回発表といいますか、報告をされたというふうに私は存じております。
■西村(智)委員 そこからなんですけれども、河野大臣は、この大規模接種センターで接種するワクチンについては、モデルナ社のワクチンが承認された場合はそれを別のトラックでやっていくんだというふうに言っておられるんですけれども、大臣も同じ認識でよろしいですか。
■田村国務大臣 これも河野大臣にお聞きをいただければありがたいので。私は直接担当じゃありませんから、オペレーション。
ただ、私が推測するに、モデルナ社のワクチンとファイザー社のワクチンは、当然扱いが違います、管理等々の仕方も違います。今、各自治体にはファイザーのワクチンで体制を組んでいただいておりますが、仮にモデルナ社のワクチンが承認をされて、そして供給ができるとなった場合に、各自治体にすぐにそのような形で体制を整えていただくのはなかなか大変であろうという中において、このような形でモデルナ社のワクチンを使うというのは当然あり得る話であろう。
ただ、それを決めているかどうかは河野大臣にお聞きをいただきたいというふうに思いますが、当然それは一つあり得るオペレーションであろうなというふうには感じております。
■西村(智)委員 これまで政府は、ワクチンを接種する際に、ワクチンの接種についてという基本対処方針、それに類するものを作ってこられて、一番最新のものでいうと二月の九日、ここで、新型コロナウイルス感染症対策分科会での議論を踏まえてこういうふうに決めるというようなことがありましたり、また、優先順位、いわゆる優先接種の順番を決める際に、結局、高齢者と医療従事者、基礎疾患を持っている方、この方が優先接種の対象だということになったわけなんですけれども、ここに至るまでに、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会、ここで数回にわたって議論を行って、言ってみればワクチン接種の対処方針というものを決めてきたということがあると思います。
私、今大臣がおっしゃったような、大規模センターをつくって、そこで高齢者もやる、あるいは基礎疾患を持っている方々も、六十四歳以下の方もやるということであれば、やはり科学的な知見を基に何か方針を打ち立てるということがないと、何かいかにも唐突で、今後、東京や大阪に、大阪にもつくるということで、私も素人考えで、感染拡大地域に集中的にやるというのは、それは考え方としてはあるんじゃないかというふうには思っていました。
ただ、それは、言ってみれば公平性と言ったらいいのかな、河野大臣がワクチンを人口比に応じて全自治体に配るんだというふうにおっしゃったことは、それはそれとして、これまでの議論の積み重ねとして、その上にある話なんだろうというふうに思っているんですけれども、ただ、大規模接種センターということの話になると、今度はほかの地域との差が出るんじゃないかというふうにも思うんですよ。
ということからすると、今回のことは、言ってみればワクチンの接種に関して大きな方針の転換であるので、やはり科学的なところで、そういった有識者の方々の意見、こういったものを多少なりとも聞いて方針を決めてきたんじゃないかというふうに思っているんですけれども、実際のところ、どうなんでしょうか。そこのところは、厚労省として、これまでも厚生審ですとか対策本部の分科会にも関わってきた立場から、やはり必要な議論じゃないかというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
■田村国務大臣 基本的には医療従事者、高齢者、ここが一番初めで、その後、基礎疾患を持っている方々になってくるわけですよね。ですから、そういう意味では、この大規模ワクチン接種も、いきなり若い方々、つまり何の優先順位もない方々を打つというわけではなくて、まずは高齢者という形。それで、高齢者が済んでくれば基礎疾患を持っている方々、接種券が配られるでありましょうから。そういう方々を対象にしていくということでございまして、そこの優先順位は変わっているとは思っておりませんし、各自治体でスピードは当然違うわけでございまして、高齢者が終わったからもう次に、基礎疾患に入っているところもあれば、もう一般まで入っているところもあれば、まだ高齢者が終わっていないというところも出てくると思います。それはその自治体の規模によっても違いますし、接種体制によっても違う。
ですから、押しなべて日本国民全部の高齢者が全部終わらないと、日本において、次、基礎疾患者には行かないということではありませんので、その地域地域において、事情によって、そこは日本全体で見るとグラデーションができるんだと思いますけれども、ただ、地域においての考え方、そこの接種会場での考え方というのは、今までどおりの順番というのは基本的にはあって接種をいただくということなんだろうというふうに私も思いながら、これを見ております。
■西村(智)委員 実際に進んでみて、私も、現状、そのときの状況をよく見ながら、また質問させていただきたいと思います。
ただ、高齢者がやはり対象になるということになりますと、本当に、この大規模接種センター、大手町の合同庁舎ということなんですね。この長妻委員の資料によりますと、本当に大手町のど真ん中。防衛省の資料によれば、東京メトロ竹橋駅から徒歩二分、東京メトロ大手町駅から徒歩三分、JR神田駅から徒歩十五分と、最寄り駅からのアクセスということで書いてあるんですけれども、私が別の不動産会社のサイトで調べましたところ、もっとかかるんですよ。もっとかかるんです。私が調べたところだと、所要時間が、大手町のC2出口から八分、竹橋の3b出口から九分、大手町のA1出口から十分。
よく皆さんも御存じのとおり、では本当に八分と書いてあるから八分で着けるか、十分と書いてあるから十分で着けるかというと、とてもそんな短い距離じゃない。これは大体時速四・八キロメートルの換算だということなので。
しかも、御高齢の方を、来てくださいということですよね。一都三県、埼玉、千葉、それから神奈川かな、こういうところから本当に来られるということを想定してこの場所にしたのか。高齢者の移動について、また、今、東京都の中では、電車を減便してくれとか、何かそういう話もあるようなんです。
大臣、どういうふうにお考えですか。この大規模接種センターで高齢者に対して接種を行うということについて、高齢者の移動の安全性等について保たれるというふうにお考えですか。
■田村国務大臣 私に聞かれても、あくまでも委員から聞いたお話をお聞きした上で、どこまで責任を持ってというか、これはやはり担当大臣なりが責任を持っている話でありますので、私がどこまでこれをお答えできるか分かりませんが。
ただ、客観的に見て、東京の中心であるということからすれば、時間はかかるにしても、高齢者は東京に満遍なくおられるわけでありますから、そういう意味では一番集まりやすい中心地というような考え方もあるのであろうなというふうに思いますが、場所の選定に関しましては、担当の方にお聞きをいただいた方がより正確なお話はできるんだというふうに思います。
■西村(智)委員 この辺りは、何というか、国のワクチンの接種体制の責任体制の見えにくさだと思うんですよ。
やはり船頭がすごく多くて、河野大臣と田村大臣の役割分担が私はいまだによく分かりません。これは本当に、そこのところがやはり根本だと思うんですよね。本来であれば、ワクチンの接種、自治体に向けて説明をしているのは厚生労働省ですから、厚生労働大臣としてやはりきちんと説明をしていただかないと、本当にどうなるんだろうというのは分からないですよね。ここはもう最初から、私、二月から言っていることなんですけれども、是非ワンボイスで国民に対して説明ができるようにしておいていただきたい。そこを強く要請をさせていただきます。
それで、最近非常に心配なのが、海外でもいろいろな国で感染拡大が言われております。先ほども質問がありましたけれども、インド株ですね。インドでは非常に多くの人たちが感染しておられる。酸素マスクをつけている状況とかを拝見しますと本当に切ない思いがいたしますけれども、日本にも既に確認をされているということのようでございます。
インド株の変異ウイルスについては、海外でいつ確認をされ、そして国内でいつ確認をされたものか、まずここから伺います。
■田村国務大臣 委員御指摘のインドからの報告されている変異株B1・617でありますけれども、これは国立感染症研究所によると、二〇二〇年十二月初旬にインドから報告をされたということでありまして、英国、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、米国、ドイツ、カナダなどでも確認されていると承知いたしています。
国内は、この四月二十日、国内の患者から得られた新型コロナウイルス陽性検体から初めて検出されたということでありますが、我が国で今得ている情報は、インドは非常に感染者が増えています。ただ、今言ったB1・617という株もそうなんですが、一方で、N501Yの方がかなり増えているということでありますので、そういう意味では、これで増えているのか、N501Yの影響で増えているのかというのは、我が国で今得ている情報ではN501Yの方が割合としては多いのではないかということでありますが、まだ我々としても細かくは詳細を、情報を収集しておりませんので、引き続きインドの状況も収集しながら、また国民の皆様方に報告してまいりたいというふうに思います。
■西村(智)委員 先ほどの質問にもありましたけれども、インドからの入国者は変異型流行国・地域からの入国者とは扱われないということで、検疫が、何というか、非常に緩いんですよね。出国前七十二時間以内の検査証明があって、入国時に検疫所での検査を行って、そして入国後は十四日間の自宅等での待機ということになりますけれども、変異株の流行国・地域からの入国者については、出国前七十二時間以内の検査証明を取って、検疫所での検査を行って、ここまでは同じなんですけれども、検疫所の宿泊施設で待機をして、入国後三日目の検査陰性で退所する、その後、十四日間の自宅等での待機ということになっているようなんです。
実は、私たち立憲民主党から提案しておりますゼロコロナ戦略に即して言えば、もうちょっと入国時の検疫も時間を少し長めに取って、また、PCR検査を適切にやって、二回、三回やって、そして出ていただくというふうになっている。ただ、現行、変異株が流行している国や地域からの入国者については多少手厚い検疫が行われているようなんですけれども、やはり、これはインドについてもう少し早く、先ほどゲノムサーベイランスというお話がありました、そういうのをやっていただくなりして、早急に対応していただく必要が私はあるんじゃないかなというふうに思うんです。
といいますのは、イギリス型などと言われる変異株、確認されていたのが十二月だったと思いますけれども、これも、変異株流行国・地域からの入国者として指定をされたのが二月なんですよね、二月。時間がすごくかかっているんですよ。インド株についても十二月初旬には分かっていたということなので、これまでの検疫の反省、まさにイギリス型とか南ア型とかブラジル型とか、年末にせっかく入国を一回閉じたのに、またその後すぐ開いてしまって、検疫の方針の転換、こういったものがやはりこういった国内での感染の拡大というものにつながってきているんじゃないかということを考えますと、これまでの反省を生かして、適時、変異株流行国それから地域の指定、こういったものはやっていくべきではないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。
■田村国務大臣 基本的には、一回閉めて開けてと言われましたけれども、開けておりませんので、閉めたままの状況です。
それで、完全に封じ込めようと思うと、本当を言うと、国外から人が入ってこないようにするということをすれば入ってこないのは当たり前なんですが、そこは、日本人もおられるわけでありまして、なかなか難しいという現状があるというのは御理解をいただきながら、そういう変異株を国内になるべく広げないための検疫での対応、これはたしか新型インフルエンザのときにこういう方針になったというふうに理解いたしておりますけれども、なるべく国内で広がるのを遅くしていこうというような基本的な考え方で今やっております。
インド株に関しては、感染性が高まる部分、それからもう一つは、ある意味、ウイルス自体の変異という部分に関して、一定の、何といいますか、同じ部分が変わっているというのはあるんですが、本当にこれで感染性が上がるのかどうかということに関しては、まだ科学的に分からない。実は、昨日もアドバイザリーボードでこの話が出たんですけれども、まだ完全に証明されていないという中で、インドに関してどうしていくか、インド株に対してどうしていくかというのは引き続き注視をしていかなきゃならぬなという話でございます。感染研の方でもしっかり評価をいただいていかなきゃならないと思っています。
一方で、インドの方は、N501Yが増えてきているのも事実でありますから、そういう意味では、N501Yというものに着目してどうするかというのを今評価をしている最中でございますので、これに関してはどのような取扱いをするかというのは、近々に判断をしてまいらなければならないというふうに思っております。
いずれにいたしましても、検疫を更に強化をしっかりしていかなきゃならないということは私どもも思っておりますので、どのような形で強化していくか、これは早急に、更にもう一段強める方策というものを今検討の最中でございまして、しっかりと、なるべく国外から変異株が入りづらくしていくという努力は我々としてもこれからもしてまいりたいというふうに考えております。
■西村(智)委員 先ほど尾身先生も、国内での人流を小さくするような緊急事態宣言が出ている最中であるから、水際についてももう少し人流を減らす、そういう策が必要ではないかというふうなこともおっしゃっていました。是非、そこは早急に検討していただきたいというふうに思います。
あわせて、ゲノム解析、これがやはりこういった時点でも非常に重要だというふうに私も思います。
前々回でしたでしょうか、私、理化学研究所でゲノム解析の御協力をお願いできるのではないかというふうに大臣にお話をしましたら、大臣が、分かりましたというとても気持ちのよいお返事をしてくださって、大変ありがたかったんですけれども、その後どうなりましたでしょうか。
■田村国務大臣 前回、大学等々にお願いをしていく、文科省と協力してという話の中で、委員おっしゃられたとおり、理化学研究所もゲノム解析できるのではないかというような御提案をいただきました。
四月十四日でありますけれども、理化学研究所に対して、自治体から要請があった場合にはPCR検査のみならずゲノム解析等々の積極的疫学調査に御協力をいただきたいということと、変異株を確認した場合には自治体に情報共有いただきたいというようなことを文科省と一緒にお願いをさせていただいたところでございますが、ちょっとまだ、御返事の方をいただいているというようなことは、事務方からまだ情報は入っておりませんので、また、どうであったかという結論が分かりましたらば、委員にお伝えさせていただきたいというふうに思います。
■西村(智)委員 是非よろしくお願いいたします。
それでは、看護師の日雇派遣の問題について伺いたいと思います。
理事からのお力添えによりまして、ようやく、打合せのヒアリングメモと、それから、第一回規制改革推進会議ホットライン対策チームというものだったんですね、結局、その議事概要というものが出てまいりました。
政務官、前回私が伺いましたときに、この第一回規制改革推進会議ホットライン対策チーム議事概要について、これは打合せだというふうにおっしゃいました。しかし、この体裁、内容をどう見ても打合せではなくて会議だと思うんですけれども、それでもまだ、これは打合せですというふうに政務官は御主張されますか。
■岡下大臣政務官 お答えいたします。
御指摘の点は、平成三十年十一月十二日に規制改革ホットラインの要望の取扱いについて委員間で行った、あくまでも打合せでございます。
■西村(智)委員 これは打合せなんですか、打合せ。いやあ、驚きましたね。二十三ページにわたって、これは多分速記者が入って、録音もちゃんと取って、それで本当に末尾まできちんと書いてあるんですけれども、これが打合せということですか。まあ、そういうふうに言い張るのであればそういう前提でいくしかないですけれども。納得できませんけれどもね、私は。
それで、この規制改革推進会議ホットライン対策チームというのには運営方針というのがありまして、ホットライン対策チームの主査がそれぞれの案件について重要だと判断したものについて、議長又は議長代理の了承を得て、それで専門チームに諮るというふうになっているんですけれども、まず、ホットライン対策チームの主査はどの時点で看護師の日雇派遣の課題について重要だと判断したんでしょうか。まずそこから。
■岡下大臣政務官 平成二十九年九月十一日に規制改革推進会議で決定された規制改革ホットライン運営方針では、本会議又はワーキンググループ等で扱わない事項につきましても、ホットライン対策チーム主査が重要と判断した事項について、議長又は議長代理の了承を得て、専門チームにおいて検討すると規定されておりました。
本件につきましては、この取扱いに従いまして、当時のホットライン対策チームの主査が平成三十年十一月十二日の委員等との意見交換を経て重要と判断され、平成三十年十一月十九日の規制改革推進会議に諮った上で、同月二十八日に専門チーム会合で議論したと承知しております。
■西村(智)委員 非常にきれいに説明自体は流れてきているんですけれども、私が聞いたのは、どの時点で重要と、どういう形で重要と判断したのかということなんです。もう一つは、議長又は議長代理の了承というのを得ることになっているんですけれども、これはどの時点でどういうふうに得ていることになっているのか。
それは、今答弁された中で非常に何かすらすらすらと流れるように来ているんですけれども、看護師の日雇派遣という、看護師の皆さんの働き方、そして看護師の皆さんが相対する人の命や健康、これを預かる仕事の在り方であるにもかかわらず、こんな軽々しい扱いで本当にこれを決めていってしまってよかったんですかね。
やはり、議事録が非公開になっていたということも含めて、何か、規制改革推進会議及びホットライン対策チーム、そしてもっと言えば専門チーム、ここの在り方というのは、もうちょっと、もちろん、規制を打破するということ自体は、私はそれ自体は否定しません、必要なものもあると思います。だけれども、事人の命に関わることについて、こんなに簡単にやってしまう。しかも、今日は私は質問しませんけれども、スーパーナースという特定の看護師派遣業者の方が大変深く関わっておられるとされる日本看護師派遣協会の人たちからの提案をそっくりそのまま受け取って、それがまさに形になっていくプロセスが、今政務官がお話し、答弁されたプロセスなわけですよ。こんなことで本当にいいのかなというふうに思うんですけれども。
田村大臣、本当に、何でこれにもうちょっと厚生労働省が関わらなかったのか、私は不思議でならないんですよ。規制改革推進会議、それはある時期からどの政権にもあって、私もちょっと関わったことはあります。関わったことはあるんだけれども、どこかの時点で、本当にこれだけは、人の命に関わるというものについては、やはり主管省庁がちゃんと物を言って、それを何か正す、道を正すということを私はやってきていたと思うんですよ。そこにはやはり厚生労働省の、申し訳ないけれども官僚の方じゃなくて、政務が関わらないと駄目なときがあるんです。なのだけれども、専門チーム会合でヒアリングするときもそうなんだけれども、それ以降も政務が関わったという形跡がまるでないんですよね。ということは、何か厚生労働省としても、政務、大臣含めて丸抱えでこの問題をいいというふうに言ってきたんじゃないかというふうに私には見えてならないんです。
実際に、このホットライン対策チーム会合では、いろいろな、確かに自由なやり取りが本当にされていました。大臣も後で議事録を時間があったら是非見ていただきたいんですけれども、いろいろな発言があるんですけれども、例えば、看護と限らず日雇派遣を望むというような声があったりですとか、それから、全面的にやると一歩も引き下がらないということになりかねないので、やり方としては非常に狭いところから攻めていくというような発言もあったんですよ。
つまり、何が言いたいか。このホットライン対策チームの中で話し合われていたのは、看護師の日雇派遣の一部の部分をアリの一穴にして、そこから看護師全体の日雇派遣につなげていこうということ、そして、看護師の日雇派遣から始まって、ほかの業種にも日雇派遣を広げていこうということがまさにこの中で話し合われていたんですよ。
大臣は、看護師の日雇派遣を解禁することとか、それから日雇派遣を全面的に解禁することとか、この点についてどういうふうに考えていられますか。
■田村国務大臣 いろいろな方がいろいろなことを言われるのは自由でございますので、それを事細かく私が、言うこと自体を言うなとは、そういうことは言えないわけでありまして、いろいろな御議論があるというのは、民主主義国家でありますから、当たり前だと思います。
日雇派遣に関しては、もう御承知のとおり、二十四年の派遣法改正で、やはり非常に短期だということで、これは派遣元、派遣先共に雇用管理がしっかりできないのではないか、特に労働災害が起こったときに、非常に対応の仕方というものが難しいといいますか、無責任になる可能性があるということで、原則禁止にしたという経緯があるのはもう御承知のとおりであります。
ただし、専門性があるもの、いろいろな専門的な知識でありますとか経験でありますとか技能、こういうものがあるものに関しては特例的に一定の条件の下で認めるということで、これは厚生省令等々で定めるという話であったというふうに思いますけれども。
正直申し上げて、今般のことに関しては、これは規制改革推進計画、閣議決定をされて、調査をすることということで、調査したわけですね、これは閣議決定案件でありますが。その調査をした結果、一定のニーズがあるということが出てきて、それで認めたわけではなくて、さらにそれで、まず、雇用管理以前に業務管理、つまり、本当にそのような形態でサービス利用者の方々が大丈夫なのかどうなのかということも含めて社会保障審議会の医療部会で御議論をいただいたわけで、そのときに、健康管理等というものに対して対応するということであるならば限定的であるから、これは言うなれば業務管理上も差し支えがないであろうという御判断をいただき、一方で、いろいろな御議論がありましたけれども、労政審の下で、これは雇用管理上どうなんだと。このときには事業者の方々のヒアリングもしたというふうにお聞きいたしておりますけれども、そこでは確かに一定のニーズがあったというふうに報告を受けております。
例えば、雇っておられる常勤の看護師の方が急に休まれたりだとか、また、その方のワーク・ライフ・バランス等々の対応の中で休むということもありますでしょうから、そういうときにこういうものがあった方が便利だという御議論もあった。もちろん、そうじゃない御議論もあったというふうにお聞きはいたしておりますが。
結果、そこで、雇用管理上も、いろいろ御議論はあるけれども認められたということでございまして、そういう手続を踏んだ上で最終的に決定をいたしておるということでございますから、委員がおっしゃられるように、こういう提案がなされる上でいろいろな経緯があったというお話は、それはそれであるのかも分かりませんが、我々としては、手続上、そのような形で御判断をいただいた上で今回の改正になったというふうに理解いたしております。
■西村(智)委員 前回、大臣が私に対しておっしゃったことと恐らく全く同じ答弁を今繰り返されました。
私が伺ったのは、日雇派遣を看護師に全面解禁すること、そして、ここから先、看護師以外のところにもこの日雇派遣の解禁を進めていくという考えが大臣にありますかというふうにも聞いています。どうですか。
■とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので。
■田村国務大臣 だから、お答えしていると思いますが、一定の制約の中で、ちゃんと審議会におかけをした上でこういう形になったわけでありまして、例外であることは間違いないわけでありまして……(発言する者あり)いやいや、だから例外ですから、例外の中で認められるものはあるかも分かりませんが、これを原則にするというようなことではない。その場合には法改正が必要でありますから、今の現状ではできないということであります。
■西村(智)委員 ほとんど答えていただけませんでした。大変残念です。
終わります。