■西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。
野田総理の後、質問をさせていただきます。
ファイザー製、ファイザー社のワクチンが正式承認となりまして、いよいよ医療従事者等への先行接種が始まることになります。午前中も質問がありましたけれども、なかなかこのワクチン接種体制に関する情報が遅いということと、錯綜しているということの方が私は大変大きな問題だというふうに思っています。
まず、ワクチン接種を、いつ、誰が、どのワクチンを接種したのか、この記録をどのシステムでやるのかということについて伺いたいと思います。
十二月十八日に厚生労働省が初めて自治体向けの説明会を行いました。そこでは、それぞれの自治体が、誰が、いつ、どのワクチンを接種したかということを記録してくださいということで、その後、自治体の方ではシステムづくりに入ったんですね。九割以上の自治体が既に予防接種台帳での取組を進めているということなんですけれども、年が明けて、一月十八日に河野大臣が就任をいたしました、ワクチン担当として。その翌日に、平井大臣が、マイナンバー担当ということで、マイナンバーと接続したらいいんじゃないかというような話があったんでしょう、その数日後、一月二十二日に、新しいシステムを検討していると河野大臣が発表されました。その数日後また、二十五日に、大臣、こんなふうに記者会見でおっしゃった、ワクチンに関する個人情報を国の方で一元管理をすると。これは報道でも出ていたんですけれども、実はその翌日にすぐ、国としてはデータは取り扱わない、個人情報は取り扱わないというような、前日とはちょっと、真逆とは言いませんが、かなり内容が変更された公表をしておられるわけです。
端的に伺います。誰が、いつ、どのワクチンを接種したのかという個人の記録、これはどこでするんでしょうか。今検討している新しいシステムでということになるのか。お答えください。
■河野国務大臣 今、国が整備しようとしているデータベースは、国が開発するシステムの中で区分されたところに市町村がそれぞれのデータを管理していただくことになります。それぞれの接種会場で打った方の接種券を基に情報を入力をし、それで管理をすることになります。
もちろん、自治体は接種台帳に紙ベースで入力をするということをやられると思いますけれども、それが実際に接種台帳に記録が載るのは恐らく二か月後ということになりますので、国の設計しますデータベースを使って、三週間後の接種の勧奨、二回目の接種の勧奨、あるいは、一回目と二回目で引っ越された方、そういう方に関するデータを自治体をまたいで記録を見る、そうしたことに役立つというふうに考えております。
■西村(智)委員 データを移管して、そこで自治体の方から見ていただくということなんですけれども、ここに至るまでに大分紆余曲折があったと思います。
この間、予算委員会が開かれてまいりまして、このシステムについては何人の方かが質問をしているんですけれども、厚労大臣は、このシステムについて、新しい、今、河野大臣がおっしゃったシステムについて、やるかどうかも含めて検討中であると。これは二月の五日の時点でそういうふうに述べておられます。
ですけれども、その後ちょっとまた答弁も変わってきているということなんですけれども、厚労大臣として、新しいシステムで一元管理を今言われたような仕組みでやるということでよろしいですね。確認をします。
■田村国務大臣 自治体は自治体で、ワクチン台帳、接種台帳のシステムを九十数%つくっていただいていますが、河野大臣が言われるとおり、多分、紙媒体を入力をいただくということですから、一定程度集まったものを自治体でシステムに入力いただくということで、時間がやはり二か月ぐらいかかるというのはそのとおりでありまして、そういう意味からいたしますと、接種勧奨等々をやるという形ならば何らかのものをつくらなきゃいけないということで、河野大臣の下でそれを検討いただいているということでございますので、河野大臣の下でしっかりと対応できるものを今検討いただいているというふうに認識をいたしております。
■西村(智)委員 ここに至るまで、情報が物すごく錯綜したんですよ。自治体の担当者の皆さんがどれほど苦労しておられるか。ヒアリング等々もやられたと、部分的にやられたというふうには聞いていますけれども、大混乱ですよね。しかも、デジタル化、予防接種台帳のシステム化をできていないところもまだ幾つかはあります。
そもそも、私、この誰が、いつ、どのワクチンを打ったかという仕組み、せっかく厚労省がV―SYSをつくるのであれば、そちらの方で把握できるようにしておけば、こんなに後になって、新しいシステムがどうなるのか、問合せもいろいろあったし、政府の方にもいろいろな意見が上がったと思いますけれども、こんなことにはならずに済んだ。
もちろんV―SYSだって心配ですよ。複雑なシステム、ワクチンの接種の量、それから入ってくる量、卸とつないで、国と自治体、都道府県から市町村につないで、医療機関、どういうふうに減っていて、どこに補充するか。こんなシステム、入力するのも多分大変だと思うし、このシステム、そもそも動くのかどうか。厚労省はHER―SYSで大変な失敗をしていますからね。
ということからして、なぜこのV―SYSでやらなかったのか。そこでやっておけば、今こんなシステムについて、自治体を右往左往させることはなかったはずだと思うんですけれども、いかがですか。
■田村国務大臣 多分もう委員御承知で、何度も質問もいただいているので。
V―SYSは、元々はワクチンを供給するための自治体や卸、卸といいますか製薬メーカー、それと医療機関等々をつないでいるもので、ここに個人の情報を入れるとなると、なかなかそこで入力が大変手間取るわけで、そういう意味では、河野大臣の下で、やはり住基、それからマイナンバー、こういうものを使ったもので管理をしていくという形の方が、それは実際現場での運用を考えたときにスムーズに動くというようなことなんだろうと思います。
なかなか、医療機関の皆様方にお聞きをいたしておりましても、V―SYSでいろいろなことを入力する、そういうものを考えたときに、これは最小限度のものでというようなお話もいただいておりますので、そういう中において、新たなシステムを河野大臣の下でしっかりと御検討いただいておるということだというふうに認識いたしております。
■西村(智)委員 いずれにしても、もう先行接種が始まり、そして春からは一般の方向けにも始まる、高齢者の方にも始まるという時期ですから、非常にこのシステムの提示についても遅いということ、これはよくよく今後にも響いてくることだと思いますので、この点だけ申し上げて、午前中の質疑は終わります。
■金田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時四分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
■金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。西村智奈美君。
■西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。
午前中に引き続いて質問させていただきます。
まず午後の一問目として、おとといの福島、宮城での地震について一問伺いたいと思います。
時あたかも、大学の入試シーズン、多くの受験生が高速道路あるいは新幹線、こういったところを通じて移動して受験する予定になっていたことと思います。東北新幹線が全面復旧するまでに十日ほどかかるということで、これは受験生そして関係者の皆さん、大変御心配だというふうに思います。
まずは、早急に該当する教育委員会などでニーズの調査を行っていただいて、対応を取っていただきたい。既に私立の大学などでは、後日、試験を行うというところで対応しているところも出ているようでありますけれども、これはやはり政府としての対応も必要ではないかと思います。この点について伺います。
■萩生田国務大臣 まずは、被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
令和三年度大学入学者選抜が始まっている中での今回の地震により、被災地域の受験生は大きな不安と混乱を抱えていると思いますが、受験生の受験機会を最大限確保する措置を講じていくことが何より重要だと考えております。
昨日十四日付で、文部科学省より文書を発出をし、全ての国公立、私立大学に対して、各大学の個別入試において、追試験の設定又は別日程の受験の振替の設定などの配慮措置を講じるとともに、措置を決定した場合には受験生などに広く情報提供をするように、文書で依頼をしました。
各大学では、今般の新型コロナウイルス感染症への対応として、既にほとんど全ての大学で追試験の設定などの配慮措置を講じることとしておりますが、今回の被災地域の受験生も対象とすることで、更なる受験機会の確保をお願いしたところであります。
また、それぞれの受験生が抱える事情も様々であると考えますので、受験生からの大学への問合せに対し適切に対応してもらいたいなどについても、併せてお願いをしました。
さらに、国土交通省からは、東北新幹線の代替交通手段を確保すべく、鉄道、バス、航空の各事業者へ協力を要請し、調整の整ったものから順次、代替輸送を開始すると承知をしております。
文科省としても、被災地域内の県教育委員会や高校団体等から要望を聞きながら、受験生第一の立場に立って引き続き対応してまいりたいと思います。
なお、今朝の時点の段階では、岩手、宮城、福島三県で受験があった大学は二校というふうに承知しておりまして、そのうち一校は延期をしました。
また、先生今御指摘のは、首都圏の大学などが地方で受験をする会場を設けている場合がありまして、例えば仙台で行われた東京の大学の受験については、試験時間を二時間遅らせての開始をしたというふうに承知をしております。
まだ漏れた話があると思いますので、今日、各方面に調査をかけているところでございます。
■西村(智)委員 代替の交通機関も、飛行機は高い、あるいはバス等はなかなか既にもう予約が取りにくい状況になっているという話も入ってきています。是非、地元の教育委員会にも状況把握していただいて、対応策を講じていただきたい、強く申し上げます。
それでは、本題のワクチンの質問に入ります。
予防接種法が改正になって、有効性、安全性が確認されたワクチンについては、国民に広くそのリスクとベネフィットを周知しながら、個々人の判断によって接種していただくということ、これが基本線でございます。
また、もちろん、副反応などが起きた場合には、万が一にも起きた場合には、速やかにその情報などをPMDAが収集し、そして審議会の方にかけて、必要なものは速やかに周知をしていくようにする、これは基本線だというふうに思い、私も、このワクチンの、言ってみれば大プロジェクトについては是非成功していってもらいたいと。スムーズな接種体制がしかれ、そして効果を上げるということを期待をしているところなんですけれども、大変残念ながら、この間、政府から、実際にワクチンの接種主体となる自治体への情報提供が極めて遅く、しかも、その情報が錯綜しているという問題がございます。
情報の遅れについては、午前中の与党質疑の中にもありました。私は、情報が錯綜しているということについて幾つか伺いたいと思います。
まず、総理、自治体の方が、このワクチン接種に関する情報が本当にばらばらで、昨日言っていたことと今日言っていたこと、まあちょっと、昨日と今日、一日単位ということはないとしても、さっきの午前中、私が質問したシステムの話でいうと、一月の二十五日言っていたことと一月の二十六日言っていたことがまるっきり違うわけだから、これを受ける自治体の方はとんでもない状況になっているんですよ。
何を信じて接種体制を整えていったらいいのか、こういう状況が今、全国の自治体の中で生じているということ、このことを総理は御存じでしょうか。
■菅内閣総理大臣 そうしたいろいろな声があるということは、私にも届いています。
■西村(智)委員 いろいろな声があるということは知っている、何だかもう極めて弱々しい答弁で、本当にますます不安になりますね。
具体的に伺います。
厚労大臣、自治体向けの説明会は厚労省が行っておられます。この間、十二月の十八日、一月の十五日、これは都道府県向け、そして一月の二十五日ですか、何回か説明会が行われてきて、その都度挙げられたクエスチョンに対して、アンサーも紙ベースで出ていたりはしております。
一月十三日の自治体向けのQアンドAで、ある小さな町から、町、小さなってよく分かりませんけれども、ある町から、こういう問いがあったんですね。
ファイザー社のワクチンは供給単位が多いため、本町では、一つの医療機関において供給分のワクチンを有効期間内に使い切ることが困難になることも想定される。そうですよね、百九十五バイアル、これが一つの単位だということなので。しかもそれが、当初は一千百七十回分。今は九百七十五回分かな、そういうふうに減っちゃったんですけれども、質問はここからです。その場合、一医療機関に納品された一箱分から、町内の複数医療機関に分配することは可能かという問いがありました。
この問いに対して、一月十三日の時点では、数十か所といった多数の医療機関への移送はできません、できませんというふうに書いてあるんです。そして、一月の二十五日の説明会でも、せいぜいで、小分けしても最大三か所ぐらいでしょうということで説明があったんですが、突如として一月の二十九日に出てきたのが、例の練馬区モデルです。
このモデルを見ますと、区内の二百五十か所の診療所等に、四つの施設から五十から七十に小分けをして、配送委託業者が原則として三時間以内に移送してということなんですけれども、つまり、数十か所の移送を僅か数日の間に、できるというふうに百八十度方向転換をしているんですね。
この厚生労働省の説明は、首尾一貫していると言えますか。
■田村国務大臣 御承知のとおり、このファイザー社のワクチンというのはマイナス七十五度ぐらいで保管しなきゃいけないということで、ディープフリーザーを一万か所という形の中で、その中で、言われるとおり、百九十五バイアルが一つのセットになっているということでありまして、出しますと基本的には五日間冷蔵。まあ、冷凍庫といいますか、ボックスにドライアイスを入れれば、五日ごとに入れ替えると十九日ですか、もつというような、そういうことを、これはファイザー社から我々も聞いております。
それで、要は、初めは多分、小さい自治体がという話の中でそういう話だったと思いますが、それぞれ、町の状況が違いますので、例えば、医療機関の数も違えば、人口密度、人口も違いますし、交通機関、つまり、どこからどう動くのにどれぐらいかかるかというのも違ってまいります。併せて言えば、物流をちゃんと動かせる、そういう仕組み、どれぐらいで、どの医療機関に何分ぐらいで着くか、こういうのもそれぞれ違っております。
自治体の皆様方には申し訳ないなと我々も思っておりますのは、これだけの、多分今までやったことのないオペレーションを組む中において、それぞれ、こういうやり方でやろうといいつつも、それぞれの自治体からいろいろな提案をいただいて、それができるのかできないのかということをお互いに話しながら、いいモデルに関しては、それは、じゃ、それぞれの自治体で、これにかなう地域に関してはこういうやり方もありますよということで、それぞれがちゃんと対応できるような形でオペレーションが組めるかどうかというのをお考えをいただく中において、我々は、好事例もいろいろと御参考にして出させていただいております。
でありますから、初め申し上げたというのを絶対守ってくださいということで、結果的にそれでその地域がワクチンの接種が十分に進まないということは問題でありますので、それぞれできるということであるならばこういうやり方もお使いくださいという中においてお示しをしているわけでありまして、なかなか、初めから、首尾一貫、全部ばしっと、これで全てやってくださいというのが出せれば本当はいいんですが、これだけのオペレーションの中において、大変御迷惑もおかけいたしておりますけれども、よりよい方向で、各自治体と協力をさせていただきながら、我々もこれからも情報をしっかりとお伝えさせていただきますので、各地域でワクチン接種を進めていただくようにお願いをさせていただきたいというふうに思っております。
■西村(智)委員 全くお答えになっていないですね。
私は、一月十三日のQアンドA、これは、数十か所といった、何回でも言いますよ、数十か所といった多数の医療機関への移送はできませんと書いてあるんですよ。この町の人は、担当者は、これを聞いて、ああ、できないんだな、うちの町で、じゃ、百九十五バイアル、なかなか一か所でやるのは大変だけれども何とかしなきゃいけないなと思って、体制を組み始めたと思うんですよ、あるいは近隣の市町村と共同でとかで。いろいろなことを考え始めて、しかも、それが何の訂正もされずに今日まで来ています、このQアンドA。そうですよね。
総理、こういうふうに全く、基礎的な条件、接種をするために、どうしても集団的な接種会場でやらなきゃいけないのか、あるいは、複数の医療機関などでやってもいいのかというようなことは、自治体がワクチンの接種体制を組む上で本当に入口の、基本中の基本的な条件設定なんですよ。それがこんないいかげんに取り扱われていて、しかも、一月十三日、一月二十五日、一月二十五日、突如としてこれが変わってしまう。そして何のアナウンスもない。何のアナウンスもなく、二百数十か所まで分配することができるというこの練馬区モデルを参照してくださいといって、あたかも推奨するがごとく全自治体に配られているんですよ。こういうやり方が自治体をまさに混乱させている。そのことについて、総理自身はどういうふうに思いますか。
総理です。河野大臣は呼んでいません。総理、お願いいたします。総理、お願いします。時間が短いから。
■金田委員長 国務大臣河野太郎君。
先に、それで聞きますから。その後、答弁してもらいます。
■河野国務大臣 千七百の自治体がございます。地理的な状況も違えば、自治体の、人口の大きさも違います。そういう中で、一番それぞれの自治体がやりやすいようなやり方をできるように、我々も後押しをしていきたいと思っております。
このワクチンの小分けについては、最初はファイザーが、小分けはしないでほしいという話でしたけれども、小分けをしてもいいということになりましたので、小分けができますということを自治体にお伝えをし、手引でもそのようにお知らせをしているところでございます。
これからも様々な自治体のクリエーティビティーやら柔軟性というものが発揮できるように、自治体からの希望があれば、我々もなるべくそういう方向に沿ってできるように対応してまいりたいと思っております。
先ほど田村大臣が答弁をされましたように、最初からびしっと全部決めることができればそれにこしたことはございませんが、千七百の自治体がこのようなワクチンの接種をやった経験はございませんから、そこはしっかりと自治体と情報を共有しながら今後も進めてまいりたいと思います。
■金田委員長 それでは、続いて総理、総理の御発言……
■西村(智)委員 私は、今、河野大臣が言ったようなことを全て分かっています。各自治体には各自治体のいろいろな状況があるんです。それに応じてできるようにということでした質問が、回答がそのまま生きていて、しかも、何の説明もなくですよ、何の説明もなく、それは自治体に周知したと言っていますけれども、それは後づけの話じゃないですか。順序が逆のことを言わないでくださいよ。
総理、どうですか。
■菅内閣総理大臣 実際に実務を行う自治体や医療機関、できる限り負担をかけないように、そうしたところにしっかりとした情報を伝達をする、そのことが大事だというふうに思いますし、また、そうした皆さんの現場の声もよく聞きながら今後対応させていただきたい、このように思います。
■西村(智)委員 だとしたら、総理、是非ともここは約束していただきたいのは、今私が質問した点については、まさに自治体が接種体制を構築する上で本当に入口のところの話です。分かりますよね。輸送とか接種会場をどうするか、今、各自治体も接種会場を探すのにすごい苦労をしているんですよ。恐らく、長期間の会場確保が必要になるから、公的な施設だけだと足りない、民間の施設まで借りなきゃいけない、すごいお金になりますよね。いつからいつまで取っておくのか。
そういったことも含めて、今本当に大変な状況の中で、状況が変わるときには、なぜそれが変わるのか、そして、どうしてそれを変えなければいけないのか、それまでのことをちゃんと踏まえた上で説明をしていただく。それをやっていただかないと、自治体の方の混乱はもっともっと大変なことになりますよ。接種開始がもっと遅れますよ。そして接種会場が混乱しますよ。
約束してください。
■菅内閣総理大臣 そうしたことがないように、地方自治体、医療機関はもちろんですけれども、河野大臣、田村大臣の間でもしっかり連携をしながら、お互いに問題を共有して進めることができるように、しっかり私の方からも責任を持って対応させていただきたい、こう思います。
■西村(智)委員 そういう御答弁をいただきましたので、是非これから両大臣にはよろしくお願いしたいと思います。
田村大臣、百九十五番、この一月十三日のQアンドAの百九十五番、私がさっき読み上げた質問は百九十五番という質問なんです。この自治体の方には本当に謝らなきゃいけないと思いますよ、私。また、このQアンドAを見て、自分の町でも、ああ、そういうことだったらといって体制を考えたところもあると思いますから、是非そこは真摯に向き合っていただいて、丁寧な情報提供を。
しかも、さっき総理に私はお願いしました。なぜ変わるのか、それをきちんと踏まえた上で、これまではどうだったけれども、今回こういうことになりますよという、当たり前の話をきちんと丁寧に説明していただくように是非お願いをしたいと思います。これは要望にとどめます。さっき総理から答弁をいただきましたので、もう結構です。
それで、次は、政府の中でいろいろな、ワクチンの接種開始時期ですとか、ワクチンの種類ですとか、確保する時期とか、いろいろな話があるんですけれども、何か政府内での情報が一貫していないということについて質問をさせていただきたいと思います。
まず、河野大臣の発言についてです。
今入ってきたのは、ファイザー社のワクチン一種類。今言われているのが、モデルナ社それからアストラゼネカ社。また、日本国内でもいろいろ開発が進んでいるということで、これから、時期は分かりません、時期は分かりませんが、いろいろな種類のワクチンが供給が可能になってくるかと思います。
また、そもそもファイザー社も、メッセンジャーRNAという方式ですので、このメッセンジャーRNAの、ファイザー社のワクチンの中でも複数の種類ができてくることも想定をされます。ただ、入ってくる時期がいつだか分かりません。
そういうことを踏まえて、昨年の十一月に参議院の委員会で、打つ人が、接種を受ける人が、どのワクチンを自分が受けたいといって選択ができるようになるんですかという質問がありました。これに対して、当時、厚労省の政府参考人は、それは想定しておりません、現場が混乱することになる、接種会場でですね、だから、自治体がその時期に提供するワクチン、これはV―SYSを使って決めていくわけですよね、それで受けていただくことになりますという答弁があったんですよ。私も、それはそうだなと思って聞いておりました。
そうしたら、年が明けて二月の八日、衆議院の予算委員会で河野大臣が、突如として、国民の皆様がそれぞれ選択するんですというふうに答弁をされたんです。私はびっくりしました。
高齢者についてはファイザーの一社だけだということをおっしゃりながら、その質疑者は与党の方だったんだけれども、三社のことを紹介しながら、あのワクチンもある、このワクチンもある、有効性はそれぞれ何%だということを紹介しながら、ここで選ぶことになるんですかという質問に対して、河野大臣は、高齢者についてはファイザー社一社だけれども、国民の皆様がそれぞれ選択することになるんですというふうにおっしゃったんですね。
えっと思っていたら、先週の金曜日のまた予算委員会では、副大臣が、それぞれの方が、接種する時期に接種を受ける地域において供給されるワクチンを接種していただくことになると、去年の十一月の政府参考人と同じ答弁をしておられるんですね。
河野大臣、国民の皆さんは、接種会場に行って、接種するワクチンをそれぞれで選択するんでしょうか。
■河野国務大臣 当面、ファイザー社のワクチンが承認されましたので、先行接種、医療従事者の接種、高齢者の接種、これはファイザー社のワクチンでスタートをいたします。
国民の皆さんは、このワクチンを打つ、打たないの選択をすることができます。我々としては、ベネフィットがリスクを上回ると思っておりますので、正しい、正確な情報をいち早く国民の皆様にお伝えをしてまいりたいというふうに考えております。
今後、残りの二社のワクチンの承認のプロセスが恐らく動いていくことになろうかと思いますが、その際については、また国民の皆様にお知らせをすることにしたいと思っております。
■西村(智)委員 答えていただいておりませんし、今の答弁、何か前半の部分は、つまり、打つ、打たないを国民の皆さんにそれぞれ選択していただくという、そういう答弁ですか。そんなふうな答弁じゃなかったですよ、二月八日の答弁。
私、こういうふうに、何というか、場当たり的な答弁を、あるいは記者会見での発表を河野大臣がされることで、自治体の皆さん、そしてこれから接種を受けようとされる皆さん、本当に混乱していくことになると思うんですよ。私は、ですから、河野大臣の発言、どうか気をつけていただきたい。
続きます。ワクチン確保の時期をめぐって。
これも、ちょっと古い話になりますけれども、一月の下旬に、河野大臣がワクチン担当の大臣に就任されたちょっと後ですね、坂井官房副長官が、六月までに全ての国民に必要な数量のワクチンを確保すると従来の政府見解を述べたのに対して、翌日の午前中に、河野大臣は、政府内に情報のそごがありました、あっけらかんとおっしゃって、古い情報でした、修正しますというふうに言って、一回その発言、何か否定されたんですよね、それまでの政府見解を。ところが、その日の夜になって、そごはないと確認したと。大事なワクチンの話なのに、簡単に、政府内で情報のそごがありました、こんな発言、あっていいんでしょうか。私はちょっとおかしいというふうに思いますよ。
それから、接種ルートの多様化についても、先日、我が党の奥野議員が質問した件なんですけれども、先ほど申し上げた、集団的な接種会場でやるか、あるいは個々のクリニック等々でも打てるようにするかという話で、皆さんもお気づきのように、最初は集団的な接種会場でやるというのが原則だったんです、一自治体三か所ぐらい。ところが、これがいろいろなところから、当然の話ですけれども、三か所ではとてもやり切れないという話が出てきて、複数の場所にいわゆる接種ルートを多様化してきた。
このときに、田村大臣は、その接種ルートの多様化について、二月九日の記者会見では、そういったことも対応はあり得るというふうにおっしゃっていたんですけれども、河野大臣の方は、それは将来的には否定するものではないけれども、今は自治体で決めてもらっているとおりにやるんだと言って、何か情報が入っているのか入っていないのかよく分からないようなことをおっしゃっているんですね。
それから、接種開始時期についてもです。もう時間がないので、一気にお話しします。
午前中の質疑でも、接種開始時期について資料を提示された与党の議員の方がいらっしゃいました。それを見たら、高齢者の接種開始は、赤い、たしか赤だったと思うけれども、赤の帯が三月の下旬からついているんですよ、中下旬と言ったらいいのかな。当初、厚生労働省の説明も、高齢者の接種は三月の下旬からという説明だったと思います。
ところが、河野大臣は、一月の二十七日の会見で、早くても四月一日以降になるというふうにばしっと言っちゃっているんですよ、ばしっと。これはどういう根拠で言っておられるのか。
河野大臣、まとめて聞きますけれども、これらの発言、どういう根拠でおっしゃったのか。また、御自身で、こういう政府内のそごが生じているというふうに御自身はおっしゃったけれども、まさにその政府内のそごを生み出しているのは河野大臣御自身じゃないですか。そのことについての見解を伺います。
■河野国務大臣 政府の基本対処方針は、私が繰り返し申し上げているように、令和三年前半までに全国民に行き渡る数量を確保を目指すということで、これは何ら変わりはございません。私の発言もそれに基づいたものでございます。
供給スケジュールに鑑みて四月一日より前に接種がスタートしないということを申し上げたのは、自治体が三月中に公的な施設を確保していることがあればそれは解除してくださいという意味で、早くとも四月一日と申し上げたわけでございまして、供給スケジュールがもう少し確定できれば、いつからスタートしたいということを申し上げようと思っているところでございます。
将来的に否定しないと言ったのは、職域でやってほしいという意見が自民党のPTからも上げられております。そういう意味で、職域でやることは将来的には否定をしないけれども、現在自治体が進めている集団接種、個別接種、これで高齢者はファイザーワクチンを使っていきますということを申し上げているわけで、将来的にそういう職域が入るということはこれから検討しなければなりませんが、現在のファイザーのワクチンで高齢者の接種には職域は当然に入らないわけでございますので、何ら問題はないと思います。
■西村(智)委員 今のような答弁が、何というのかな、接種体制を今まさに組もうとしていて、いつから接種ができるのかというふうに注目をしておられる国民の皆さんに、更に混乱、分からなさというものを私はもたらすと思うんですよ。何か聞いていると、その発言を聞かされている方が分かって当たり前だみたいな、何かそんな感じがないですか。
政府は、本来であれば、国の責任において、このワクチン、本当に平時ではなくて非常時の体制です、非常時の体制で臨時接種の特例ということで始めるという体制ですから、国が全部責任を持って財源も全部面倒を見るというふうに言っていますから、そこはやはり丁寧に説明をして、しかも、自治体に責任を負わせることなく、しっかりと錯綜しない情報を伝えるということが私は必要だというふうに考えています。
総理、聞いていられますか。こういう状況が、今総理がまさにゲームチェンジャーとして望みをかけているワクチンの接種体制を構築するこの現場で起きていることなんですよ。現場で起きていることなんですよ。是非そこは理解していただいた上で、私は、やはり情報発信の一元化、これはやはりどうしても必要だというふうに思います。
今自治体に向けて説明をしているのは厚労省です。これをどういうふうに今後もしていくのか、総理自身はどういうふうにお考えか、河野大臣はどういう役割をこのワクチン体制の中で果たすことにするのか、そこは明確にしていただきたい。
それは、総理にとって心地いいとかメンツが立つとか、そういう考えではなく、まさに接種をする自治体の皆さん、この立場に立っての情報管理の一元化が必要だということなんです。どうでしょうか。
■菅内閣総理大臣 まず、河野大臣の立ち位置ですけれども、私、なぜ担当大臣にしたかといいますと、ワクチンを接種するというのはまさに一大プロジェクトでありまして、厚生労働省だけでなくて、例えば、運搬をするときはどうしても国土交通省からのお願いをしなきゃならない、あるいは、マイナス七十五度の冷凍庫ですか、これを作るについては経済産業省の知恵をかりなきゃならない、そして自治体は総務省からも手伝いを得なきゃならない。そういう中で、各省庁を調整する役割、そして接種について全体を取りまとめる役割を河野大臣に託したということです。
■西村(智)委員 もう時間ですので終わりますが、総理、調整を任せたはずの河野大臣が今まさに混乱の元になっているということ、これを私は申し上げたかったんです。そのことを含めて、今後の情報管理体制、情報発出体制の一元化について、是非ともここは検討していただきたい、そのことを申し上げて、終わります。