●西村(智)委員
西村です。よろしくお願いいたします。
COVID―19の新規感染者が増加しております。また、重症者もふえているということで、大変深刻な状況になってきている。これはもう皆さん共有しているとおりです。
こんな中、政府の専門家による分科会が、二十日に引き続いて二十五日ですから、極めて短期間のうちに二度にわたって提言を出しておられます。これは本当に強い危機感があってのことだというふうに思うんですけれども、その中で述べられていることでは、ステージ3相当地域との往来を自粛するようにと。また、GoToトラベルについては、感染拡大地域、ステージ3相当地域からの出発分も一時停止の検討を要請するというような内容だったというふうに聞いております。
そこでなんですけれども、この間、GoToトラベルキャンペーンを本当にどうするのかということについては皆さんが疑問を持っておられるところです。きのうも総理のぶら下がりの会見が行われたときに、総理の口から、手洗いやマスクはきちんと対策をとってくれというような話はあるんですけれども、GoToキャンペーンについてはどうですかという記者さんからの質問があるのを振り切って、何も答えずに帰っていかれた。これは私はやはりよろしくないことだというふうに思うんですよね。
そこで、お伺いをしたいと思います。順次参ります。
尾身会長が、ステージ3に相当する地域として、札幌市、東京二十三区、名古屋市、大阪市を例示したということのようであります。また、西村大臣が、ステージ3相当になっているのに必要な対策がとられていない地域があるというふうにも述べているそうですけれども、必要な対策というのは、具体的にこれは何を指しているんですか。
●和田大臣政務官
お答え申し上げます。
十一月二十五日の分科会からの提言におきまして、ステージ3相当の対策が必要であるが、そのような対策がとられていない地域があり、都道府県は、政府と連携し、当該地域において早期に強い措置を講じることとの御指摘をいただきました。
この具体的な中身でございますけれども、酒類を提供する飲食店における営業時間の短縮要請を早急に検討すること、二つ目が、必要な感染防止対策が行われていない場合は、ステージ3相当の対策が必要となる地域とそれ以外の地域との間の往来はなるべく控えること、三点目が、GoToトラベル事業の一時停止を行うこと、四点目が、GoToイート事業の運用見直しやイベントの開催制限の変更等も検討することなどの御提言をいただいております。
政府としては、この提言も踏まえて、各都道府県において、現下の状況等を的確に把握し、地域の実情に合わせた効果的な対策を講じることが重要であると考えております。
●西村(智)委員
明確に御答弁いただいたと思います。つまり、GoToトラベルの一時停止あるいはGoToイートについても検討をするということも盛り込まれているということを確認できました。
それで、今回、東京都が、二十八日ですからあすからですね、二十日間、時短要請を行った。これに引き続いてほかの自治体も時短要請を行っているところがかなり出てきまして、政府の分科会が言っているところの時短要請については、これはかなり進んでいるところはあると思うんです。
ところが、GoToトラベルについては、これはどこでも、誰も、検討している節がございません。
どの地域がステージ3に当たるかどうか、すなわち、GoToトラベルキャンペーンの一時停止について検討しなければいけないというステージ3に当たるかどうかの判断というのは、どこに委ねられているんでしょうか。
●和田大臣政務官
お答えを申し上げます。
まず、ステージ3に当たるかどうかの判断でございますけれども、これは都道府県というようなことになってございます。
八月七日の新型コロナウイルス感染症対策分科会におきましては、各都道府県における感染状況の段階を四つのステージに分けて、各ステージで講ずるべき施策というものが整理されました。ステージの判断に当たっては、一つ一つの指標をもって機械的に判断するのではなく、現場を最もわかっております都道府県がそれぞれの地域の実情に応じて総合的に判断することとされております。
感染拡大を抑制し、医療提供体制を守るためには、都道府県が地域の実情に応じた感染防止対策を行うことが重要であり、国としては、都道府県がこの対策をちゅうちょなく行っていただけるようにしっかりと支援をしており、引き続き、都道府県と緊密に連携をして感染防止対策に全力で取り組んでまいりたいと思います。
●西村(智)委員
この第三波と言われる波のときに、日本医師会の中川会長が、GoToトラベルキャンペーンが第三波のきっかけになったというふうに明確に述べておられました。
そんな悠長な、都道府県に判断をしてもらって、政府がそれをというような答弁では、はっきり言えば手おくれになってしまっているわけですよね。今まさに大きな波が来ている状況で、医療機関の逼迫も本当に懸念されているという中で、私は今の答弁ではとても納得はできません。
田村大臣、本当にまさに今逼迫しつつある状況の中で、今のような、都道府県に判断をお任せしているということではいけないんじゃないかというふうに私は思うんです。
しかも、分科会の方からは二十五日に提言が出されていて、ステージ3に相当するという地域においてはGoToトラベルの一時停止ということが、これはもう明確にやらなければいけないこととなっています。実際に、ステージ3でやらなければいけない必要な対策の中に盛り込まれている飲食の提供をする店での時短要請については、もう多くの自治体で既になされています。
ただ、GoToトラベルキャンペーンについては、これは出発地の問題と目的地の問題とありますから、やはりこれは都道府県が独自で判断するという枠を超えてのことだと思うんですよ。しかも、これは政府がまさに主導して、第一次補正予算にあれほどがっつりと盛り込んで始めていることですから、これはやはり政府の責任として、GoToトラベルの一時停止についてもっと踏み込んだ検討が行われてしかるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
●田村国務大臣
たしか中川会長は、GoToトラベルが原因であるという証左はないがというような前置きがあった上で、そういう発言をされたんだというふうに記憶をいたしております。
それから、GoToトラベル、よくこれは私ではなくて国土交通大臣等々がおっしゃられているわけでありますが、四千万人参加されて、百八十人強ですかね、今、それぐらいの方々が感染という形で報告をいただいておられるということでありまして、今まで政府は、直接的にGoToトラベルが今回の感染拡大の影響といいますか、そういうようなものとしてエビデンスがあるということがあるわけではない、つまり、エビデンスはないんだということで申し上げてきたんだと思います。
その中において、我々、分科会の方からいろいろな御提言をいただいて、今般、知事さんと西村大臣がお話しする中において、北海道、大阪に関して、GoToトラベルに対して一時停止ということを決められたわけであります。
今、東京都のお話だったですかね、委員がおっしゃったのは。東京都のお話がありましたが、それは、東京都知事さんとまたいろいろな話合いがあるんだろうというふうに思います。その上で判断されるという、一応制度上そういうような形になっておりますので、そういうような形になるんだというふうに思いますが、いずれにいたしましても、飲食の場面、お酒を飲む、これに時間制限をかけられた、これは非常に大きな意味があると思います。
やはり、クラスターが起こる、感染が起こる場所の危ない五つの場面の中で、大人数で飲食を長時間するような場所、こういうことは専門家の方々がおっしゃっておられるわけでありまして、こういうところをしっかりと閉じながら、また一方で、専門家会議の方でまた新たな御提言をいただきましたので、これにのっとって政府の中で検討を進めてまいるという形になるというふうに認識いたしております。
●西村(智)委員
いや、認識しておりますじゃなくて、まさに政府が先頭に立ってそこのところは判断をしなければいけないんじゃないですかということを私は申し上げているんですよ。今の田村大臣の答弁だと、全く他人事のように聞こえますね。
他地域との往来は控えること、これは明確にステージ3で取り組むべきこととしてあるわけですよ。他地域との往来は控えろと言っておきながら、GoToトラベルキャンペーンについては何の判断も政府がしないというのは、これは一体どっちなんですか。
きょうは国交省にも来ていただいているので、やはりこれは国の方が判断をすべきではないかというふうに考えるんですけれども、国交省としてはどういうふうに考えていますか。
●鳩山大臣政務官
御質問にお答えをさせていただきます。
政府の分科会からは、従来、ある都道府県がステージ3相当と判断された場合には、GoToトラベル事業にかかわる感染リスクを総合的に考慮して、当該都道府県を除外することも検討していただきたいということと、さらに、いずれのステージにあるかについては各都道府県が判断する必要があり、それを踏まえて政府が当該都道府県と調整する必要があるとの提言をいただいております。
これに加え、二十日の分科会において新たに、今までどおりの対応では早晩、公衆衛生体制及び医療提供体制が逼迫する可能性が高いと判断している、また、このままの状況が続くと、結果的には経済、雇用への影響が甚大になってしまうと考えられるとの現下の状況の判断があり、感染拡大地域においては、都道府県知事の意見も踏まえ、一部地域の除外を含め、国としてGoToトラベル事業の運用のあり方について早急に検討していただきたいなどの提言がなされたところであります。
こうした中で、二十四日夕刻、北海道、大阪府の両知事から、それぞれ、札幌市、大阪市が国のステージ3相当にあるとの認識が西村担当大臣に伝えられたことを受け、関係閣僚で協議をし、両市を目的地とする旅行について一定期間GoToトラベル事業の適用を停止することを決定したものであります。
GoToトラベル事業は国が実施する事業であり、事業の運用に関する判断は国が最終的に行いますが、その判断に当たっては、分科会のこれまでの提言に沿って、各都道府県の感染状況や医療提供体制の状況を最もよく把握している都道府県知事の判断も十分に踏まえる必要があり、各都道府県と緊密に連携の上、適時適切に判断を行うことが重要であると考えております。
●西村(智)委員
まあ、何も答えていただいていないんですよね。
国と地方が協議する、それはもう当然のことだと思いますが、GoToトラベル事業はまさにおっしゃったように国が主体として始めた事業ですから、やはり国の判断、責任において判断をしていただかなければいけない。
何で総理は沈黙しているんですか、あれ。きのうの記者会見、ぶら下がり、私もニュースで見ましたけれども、GoToトラベルキャンペーンについては一言も語らず、そして、質問があったのを何も答えずに帰っていかれたんですよね。
こういうやり方が国民に対して、どういうふうに行動したらいいのかということの迷いを与えてしまう、私はそうだと思っているんです。なので、ここはやはりきちんと協議をして、結果を出していただきたい。
厚労大臣に伺うしかないんですが、ちょっとまず国交省に聞こうかな。
今現在、GoToトラベルキャンペーンの一時停止について、どこかで、政府全体としてですよ、政府全体として、GoToトラベルキャンペーンの例えば出発地、目的地、どこにする、限定するような条件がついてもいいでしょう、いいんですけれども、一時停止について、どこかで協議はされていますか、それとも全くされていませんか。どちらでしょうか。
●鳩山大臣政務官
お答えをさせていただきます。
一昨日の分科会の提言において、今後の状況に応じて、当該地域からの出発分についても検討することが盛り込まれたことは、真摯に受けとめております。引き続き、最大級の警戒感を持って当該地域の感染状況等を見つつ、関係省庁と協議しながら、政府としてどのような対応がとれるか検討してまいります。
●西村(智)委員
検討していないということですよ、今の答弁は。
じゃ、内閣官房、いかがですか。協議していますか、していませんか。
●和田大臣政務官
お答え申し上げます。
同様の回答になりますけれども、先日の分科会で、このGoToトラベルに関する厳しい御指摘をいただいたのは事実でございます。しっかりと検討してまいりたいと思います。
●西村(智)委員
していないということですよ。
大臣、いかがですか、こんな状況で。医療機関は本当に逼迫しちゃいますよ。これは政府が率先してやる、それこそ田村大臣のリーダーシップで、協議、ちゃんとしてもらえませんか。
●田村国務大臣
医療機関の問題は、我々、大変深刻に捉えております。そういう発言も、私は分科会でもさせていただきました。
やはり重症者が非常にふえてきているということ、それから病床占有率ですね、これが上がってきているということでありますから、綿密にそのような地域、都道府県とは、厚生労働省、いろいろと情報交換をしながら、どのような形がいいのか、厚生労働省として支援できる部分はしっかりと今対応をさせていただいている状況であります。
あわせて、今は、GoToトラベル、GoTo事業全般ですか……(西村(智)委員「今、トラベルと言っていました、私」と呼ぶ)トラベルに関しては、先ほども申し上げましたが、これは私自身が所管ではありませんが、分科会から御提言をいただいておりますので、その御提言を踏まえて、今現状、政府として検討している最中だというふうに認識いたしております。
●西村(智)委員
いや、認識している人たちばかりで、本当に、何というか、ハッピーなことだと思いますが。
本当に、総理のリーダーシップで、これ、ちゃんとやっていただかないといけませんよ。この前の予算委員会でも、明確な答弁、何もなかった。総理のまさに肝いりで始めた事業ですよね、これ。やはり総理の判断、もう政府のメンツとか総理のプライドとか、そういうことを言っている段階じゃないはずです。そこはしっかりと検討して、結果を出してください。
次に移ります。検査体制について伺いたいと思います。
ほかの省庁の方は結構でございます、答弁のない方、政務官。
先日、新潟市内、私の地元の介護施設でクラスターが発生いたしまして、本当に残念だったんですけれども、入居者が八十数名だったところ、今既に五十名くらいの入所者の方が陽性ということで、当然職員の方も多数陽性になっておられます。
私の知人が施設に出入りしていた。職員ではないんですけれども施設に出入りしていて、濃厚接触者には当たらないという判断があったので行政検査は受けられなかったんだけれども、やはり一定時間施設の中にいたので心配で、家族ともども自費で検査を受けて、それで陰性だったそうなんですけれども、潜伏期間があることとか無症状の感染とかという可能性もいろいろ考えて、今、家族ともどもお仕事を休んでおられるということなんですね。
もちろん、職員の方々は、本当にそれ以上にというか、それと同様に今大変な心配な思いをされておられるという状況です。
これもたびたび何度も問題になっているんですけれども、医療従事者や介護施設などへのPCR検査、やはりこれを定期的にできる体制が私はあった方がいいというふうに思うんです。八月の二十八日に対策本部の決定がなされていて、介護施設への検査も積極的にやるという通知が出されていたと思うんですけれども、その結果というか実績、これについては確認しているでしょうか。
自治体から結果報告を求めるべきではないかと思うんですけれども、田村大臣と内閣官房、政務官にそれぞれお伺いいたします。
●田村国務大臣
今月十九日に、重点的な検査の徹底ということで要請をさせていただきました。
今までも実は何度もいろいろな要請をさせていただいておりまして、発熱をされていた場合にはまず絶対にといいますか、これはもう検査をいただかなければ困るわけで、お願いをしておったんですが、なかなか検査できていない。それはいろいろな事情があると思います。施設側のことがある場合もあるし、もちろん、検査をしようと思ってもしてもらえなかったというような場合があるという話も聞いております。
そういうことなので、再度徹底するということで、発熱者が例えば老人施設の中でいた場合は必ず検査してください、その上で、検査をして陽性が出れば、これはもう施設の方々は皆さん、症状がなくても検査してください、こういうふうなこともお願いをいたしました。(発言する者あり)いやいや、今までも何度も出しているんです。出しているんですが、なかなかそれがうまく動いていないので再度出させていただいたということであります。
済みません、長妻委員にお答えして申しわけありません。済みませんでした。
ということでございまして、そういう意味で、徹底をする。
今までそういうものがどれだけあったかというのは、実のところ、検査していないのでわからないというのが実情なんですが、今回、しっかりとフォローアップをするということで、そういう場合には団体の方々にお願いしまして、団体の方から、例えば自治体の方でやってもらえなかったなんということがあった場合、保健所ですね、そういう場合、今は大分なくなっていると思うんですけれども、一応フォローアップといいますか、情報をしっかりと確保するようにいたしております。
また、都道府県の方でもつかめた場合には、都道府県の方からもフォローアップをいただくということで、これからこういうふうなことがあればしっかりと情報が伝わるようにということでお願いをいたしております。
●和田大臣政務官
お答え申し上げます。
一部重複するかもしれませんけれども、厚労省の方で、厚労省さんから伺っていることを申し上げますと、感染者が多発している地域におきましては、症状がない場合も含めて、高齢者施設等に勤務する方々や入所者の方々を対象に積極的に検査をするというふうな方針で動いてございます。
また、陽性が判明した方がおられる施設におきましては、そこの従業員全員に対して原則検査を実施するといったことで、繰り返し要請と通知をしている次第でございます。
個々の市町村からのデータというのはないんですけれども、全体的な話といたしまして、一週間当たりのPCR検査数でございますけれども、四月には五万八千件程度でございましたが、直近におきましては二十一万件程度までふやしております。
また、季節性インフルエンザの流行も見据えまして、都道府県において検査体制の整備計画を策定していただいております。ピーク時には一日四十六万件程度の検査需要が見込まれておりますけれども、体制としてはそれを上回る一日五十四万件程度の検査能力を確保するべく、現在、体制整備を進めております。
いずれにしましても、厚労省さんとしっかりと連携して頑張ってまいりたいと思います。
●西村(智)委員
私は全体的なことを聞いたのではなくて、介護施設への検査を積極的にという通知が出されているので、それについて内閣官房はどういう対応をとってきているんですかということを聞いたんですよ。全くやっていない、厚労省さんの方から答弁があったとおりということなんですけれども、これは対策本部の決定ですからね。やはりちゃんと責任を持って対応していただかないと困ります。田村大臣からはこれからフォローアップするというような答弁だったんですけれども、これは一刻も早くやってください。
私も今回改めて思ったんですけれども、職員の皆さんのストレスというか、不安というか、やはりそれは相当なもので、自分が陽性じゃないか、あるいは何か熱が出たとき、せきが出たとき、本当に仕事に行っていいのかどうか、休んだらまた周りの人に迷惑をかけるしというような悪循環で、これは決していいことばかりじゃないんです。
陰性だったからといって慢心するかといったら、絶対そんなことはありません。より注意しようというふうに思うし、そこはしっかりとやはり体制、もう通知は何度も出していただいているということなんですけれども、結局、実績が上がっていないんですよ。大臣、今、これからフォローアップするようにするとおっしゃったんだけれども、結局、何度も何度も通知を出していて、例えば七月の二十八日にQアンドAで、包括支援交付金で、自費で検査を受けた場合には包括支援交付金の補助の対象となるということも示されているんだけれども、実際にはどのくらい進んでいるのかな、どのくらいこれが実行されてきているのかなというふうに思います。
この七月二十八日のQアンドA以降で、以降というか、これもあるので質問するんですけれども、包括支援交付金によって高齢者施設等において自費で検査を受けた場合に補助の対象となったものは一体どのくらいの件数、額があるでしょうか。
●田村国務大臣
基本は、発熱すれば行政検査なんですね。ですから、本当は行政検査でなければならないんですが、行政検査じゃない場合に関して、つまり、ないというのは、行政検査をしてもらえない。今は多分、今いろいろとお話があったとおり、医療機関等々で検査キットで、簡易キットの方でインフルエンザと両方とも疑われるということで対応いただく地域を、二万四千医療機関、これは診療・検査医療機関として指定をさせていただいておりますから、そちらに行っていただくことが多いと思いますが、以前はPCR検査等々、保健所等々にお願いしてという形だったと思います。
それで……(発言する者あり)いやいや、ちょっと仕組みだけ言わないと。
結局、何が問題かというと、結果的に言うと、そういうような中で、本人が診てもらえない場合は自主的に施設の方が出していただく、そういうものをこの交付金で出しますよという話であるんですが、全体で三千九百億円交付して、事業所の申請に基づき、県から事業所へ一千二百億円、この交付金は行っています。そのうち、今言われたものはかかり増し経費、つまり、検査だけじゃなくて、感染防護だとかいろいろなかかり増し経費の中の費用なんです。それが三百億円でありますので、何を申し上げたいかというと、全体の中の数字の内数なので、最終的に申し上げればどれぐらいというのは今のところつかめていないというのが現状であります。
●西村(智)委員
最後の一言だけ言っていただければそれでよかったんです。
仕組みは、それはそうだと思いますよ。なんだけれども、私、冒頭から申し上げていますけれども、無症状の方であっても、濃厚接触だと言われない方であっても、やはり不安はあるわけです。その中で仕事をしていくことについて、本人の不安を少しでも解消するために自費で検査を受けたいという方はやはりいらっしゃるんだと思うんですよ。
そういうところにちゃんと支援の方法がありますよということを、もうちょっとちゃんと丁寧にやっていただかないと、これはやはり、せっかくある、かかり増し、三百億円、これが生かされないというふうに思いますので、ぜひそこはちゃんと周知していただきたいと思うんです。
それでなんですけれども、以上のような回答が返ってくるだろうなというふうにも考えまして、これは、定期的に検査するというふうに厚労省の方から号令をかけていただく、そのことによって、今のような、何か複雑な仕組みで、施設がやってくれないとか、あるいは自費で検査を受けなきゃいけないとかいうようなハードルがないようにするという意味でも、やはり定期的な検査は必要じゃないかというふうに考えるんですけれども、いかがですか、大臣。
●田村国務大臣
これも、今般、改めてですけれども、以前からそうなっていたんですが、改めて通知させていただいているんですが、感染拡大地域に関しては、保健所所長の判断で、老人介護施設等々、要するに重症化の蓋然性の高い方々がおられる施設ですね、こういうところは集中的、定期的に検査をやっていただけるという仕組みになって、それを通知をさせていただいております。
ただ、感染拡大していない地域に関して全て今のような話でやるとなると、以前も申し上げたと思いますけれども、多分、検査能力だけで一日PCR二、三十万件ぐらいの能力で、たしか年間費用が二兆円弱ぐらいかかるというような推計であったと思いますけれども、費用対効果を考えるとなかなかそこまで回らないという現状であるということは御理解いただきたいと思います。
●西村(智)委員
私、何も感染が拡大していない地域まで定期的にやってくれというふうには申し上げておりません。そこは工夫の仕方で、いろいろあると思うんですよ。
ただ、やはり、スクリーニングというか、今回、私の地元で出たのも、本当にそんなに感染していなかった地域です。それが、あるときぱっと出て、それで施設内にわあっと広がっていって、だけれども、その施設の近辺では感染は見られていないんですよ。つまり、感染は拡大していない地域だったんです。
ということもあるので、例えば時期の問題とか、地域の問題とか、ちょっと工夫していただければ、それは私は可能になるんじゃないかと思うんですけれども、これは、どうやったらそういう形で、逆に大臣に聞きたいんですけれども、どういうふうにしたらそういう定期的な検査というのが可能になるでしょうか。
●田村国務大臣
定期的な検査というのがなかなか難しいのは、例えば十日に一回だとか一週間に一回、ずっとやり続ければ、ずっとその危険性が排除できるんですが、それはさっきも言ったとおり、費用対効果の問題と検査のキャパシティーの問題があると思います。
そこで、実は、症状が出た人は早目にお願いしますということを何度も何度も、これはもうずっと、八月、七月からですかね、お願いしているのはそこでありまして、誰も何もない中でやるというのは、いつやったらいいか、これはもう本当にわからないわけでありますから難しいんですが、何か味覚症状に異常を来した、ちょっと体調が悪くて倦怠感がある、これも初期症状ですから、そういう方々に関しては早くやっていただいて、もし陽性が出れば、もう全員、中におられる従事者の方々、また入所者の方々、全員検査をやる。これがもう一番、今の状況の中で、集団感染といいますかクラスターを起こさせないためには私は一番の方法だと思いますので、ですから、再度、症状のある方はもう徹底的にやってくださいということをお願いをさせていただいたということであります。
●西村(智)委員
まあ、ここは知恵の出し方だと思うんですけれども、施設に例えば出入りしている、勤務している、そのことがやはり不安になるんですよね。仕事の上でも、それはいろいろな支障が出てくると思います。ですので、当然そのキャパの問題はあるとは思うんだけれども、そこは全国民にやってくれという話ではないので、優先順位をつけての話で、今、全体でPCR検査の対応可能件数もふやしてくださっていますよね。だから、そういう中で何らか工夫できるんじゃないかというふうに思いますので、ぜひここは考えていただきたい。何度も提案のあったところだと思います。
それで、ちょっと具体的なことで確認なんですけれども、濃厚接触者の家族、これは行政検査の対象にはなりませんか。医療機関で例えば濃厚接触と判断された人の家族についてなんですけれども、何かこの点について厚労省から考え方を示すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
●田村国務大臣
これもまた委員からお叱りいただくかもわかりませんが、感染拡大している地域に関しては、これも私、七月だったですかね、まだ私は大臣じゃありませんでしたけれども、本部長で、同じような意識は共有させていただいていまして、その地域において感染拡大していれば、地域の住民も含めてそのエリアの方々は検査できる、行政検査できるという仕組みに一応なっております。そういう意味からすれば、そのエリアであれば、例えば、濃厚接触者の家族というような意味合いでなくて、濃厚接触者の家族もやれるということはあります。
一方で、濃厚接触者の家族という定義でいけるかというと、これは、濃厚接触者、PCR検査をやっていただいて、今ならば多分一日ちょっとぐらいで結果が出ると思いますから、それで陽性ならば今度は陽性者の家族ですから、多分同居していれば濃厚接触者になりますので、その場合は検査に入るという形であるというのが今の現状であります。
●西村(智)委員
それは、田村大臣も同じ問題意識を持っておられたということであれば、大臣になられたわけですから、ちょっと検討していただいた方が私はいいと思います。
つまり、陽性になったら今度は濃厚接触者ということになるんでしょうけれども、その間やはりタイムラグはできるわけですよね。では、その間どうするのか、仕事に行くのか、学校に行くのか、あるいは休まなきゃいけないのか、どういう権限で誰が休ませるのかとか、いろいろな問題が付随して出てきちゃいますので、私は、ここはもう一回きちんと整理していただく必要はあると。お願いいたします、ぜひそこは。お願いいたします。
それで、そういうふうにいろいろ見てくると、結局、何か検査体制というのはいろいろでこぼこが多いなというふうに私は思います。受けたい人が受けられないとか、医療機関に行っていろいろな対応をされるとか、いろいろな問題があって、やはりでこぼこがあると思うんですよ。
日常生活や経済活動、社会経済活動を行う上で不安材料をなくしていけるように、まさに厚労省が司令塔、厚労省なのか、政府全体、内閣官房なのか、そこはあれですけれども、そこが司令塔になって、検査対象者を拡充して、検査体制を、何というのでしょうね、不安のある人をこぼさないような、何かそういう仕組みにしていく、そういうことが必要じゃないかと思うんですけれども、大臣、もう一回お願いいたします。
●田村国務大臣
難しいのは、例えばクラスターが出ていたら、クラスターの濃厚接触者の家族というと、これは膨大な数に多分なると思うんですよね。そこを、委員の言われる話だと、本人が望む場合はというイメージなのかなと。すると、それは、感染防止というよりかは、本人の意向をどうするかという話の中で、何か対応できることがあるのかという話なんだと思います。
なかなか整理が難しい、委員も政府の中で高官をやられた御経験があると思いますので、そういう整理というものが非常に難しくて、万人とは言いませんけれども、同じように対応しなきゃいけないという行政の宿命がある中において、どういう方法があるのか、なかなか私も今即座に思いつくわけではありませんが、問題意識は私も共有している部分がございますので、どういう方法があるのか、ちょっと検討はいたしたいというふうに思います。
●西村(智)委員
やはりエッセンシャルワーカー最優先だろうというふうには思います。ぜひ検討をお願いします。
それで、一点確認です。
例えば土曜の夜とか、夜間救急センターに行ったときに、実際にPCR検査を受けていないと診られませんよというふうに言われるケースがあるようなんです。感染疑いでPCR検査をしていないということで、ほかの病気の診断がおくれたりすることがないようにぜひしてほしい。
自治体の対応状況についてはどういうふうになっているか、把握しておられますか。通告しているんですけれども。
●田村国務大臣
委員からいただいているのは、感染疑いで他の病気と判断されて、おくれたりすることのないようにするための自治体の対応状況ということで御質問は御通告いただいておりますが、これは発熱があるということですよね。発熱があるということになると、多分、今、診療・検査医療機関という形になりますので、例えばかかりつけ医に御連絡いただいて対応するという話になると思います。それで、夜間という話ですが、一応、夜間対応も、各自治体に一定数の夜間対応の部分をつくってくださいというお願いをさせていただいておりまして、つくっていただいているはずでございます。
ただ、それも含めて、委員が、本当にそうなっているのかというようなことでございますので、これは改めてどういう状況か、もしかして確認しているかもわかりませんが、私の方から担当の課の方にどういう状況か確認してまいりたいと思います。
●西村(智)委員
できれば今答弁いただきたかったんですけれども、ぜひ、後日で結構ですので、お願いします。
最後に、フリーランスの働き方について伺います。
ことし七月に閣議決定された成長戦略実行計画で、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するために保護ルールの整備を行うということで、年末までにガイドライン案を取りまとめてパブコメを行うというふうに聞いております。
まず、このガイドラインの位置づけ、どういう位置づけで、どういう内容となるのか、内閣官房に伺います。
●和田大臣政務官
お答え申し上げます。
本年七月に閣議決定されました成長戦略実行計画におきまして、フリーランスとして安心して働いていただける環境を整備するため、政府として一体的に、実効性のあるガイドラインの策定や労災保険のさらなる活用等を進めることとしております。
ガイドラインの内容でございますけれども、まず、発注事業者とフリーランスとの取引におきまして、独占禁止法や下請代金支払遅延等防止法の適用に関する考え方を整理し、ガイドライン等によって明確にするとともに、実質的に発注事業者の指揮命令を受けて仕事に従事していると判断される場合など、現行法上の雇用に該当する場合には労働関係法令が適用されることなど、こうした法令の適用関係を明らかにするとともに、独禁法、下請法、労働関係法令に基づく問題行為の具体的な事例も入れながらしっかりと明確化するということを想定しております。
ガイドラインにつきましては、先ほどお話のありましたとおり、年内をめどに意見公募手続を開始することとしておりまして、フリーランスの方々に安心して働いていただける環境の整備を進めてまいりたいと思います。
●西村(智)委員
雇用関係があればということなんですけれども、その点に関して申し上げると、一九八五年につくられた労働基準法研究会報告、この判断基準がずっと延々と残り続けているというふうに承知いたしております。
しかし、これはもう策定されてから長い時間が経過しておりますし、この間、新しい働き方が拡大してきていて、裁判で争われてもなかなか雇用関係というふうには認められないというような事例が続いているようです。
ですので、まずこの研究会報告の枠組みそのものを見直す必要があるんじゃないかと私は思います。時代に合わせて、雇用というあり方というか労働者性についての考え方を少し広げていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、厚労大臣、いかがでしょうか。
●田村国務大臣
労働者性というものは、使用されているという事実と賃金が支払われているかということがあるんだと思いますが、その中において、例えば、仕事、業務の指示でありますとか、仕事を依頼した場合、そういうものが諾否の自由があるのかだとか、あと、更に申し上げれば、指導監督みたいなものがかかっているのかどうなのかというところなんだと思います。
裁判では、言われるとおり、見直しというような、そういうような判例が出ているわけではないので、そこの部分自体を変えるというのはなかなか難しい。これは多分、日本だけじゃなくて世界じゅう同じように今悩んでおられるところであって、今、内閣官房で申されたとおり、やはりそれは、例えば下請との関係でありますとか、それから独禁法等々、いろいろな関係があると思いますけれども、そういう問題の中でやっていく話に今のところ議論を整理をされておりますので、なかなか労働者性という、労働法制の中で見るという話になると、今言ったような部分のところがしっかり確認をされる。ただし、契約上の問題ではありません、実態としてちゃんと確認できれば、それは労働者として取り扱わせていただくという話になるということだと思います。
●西村(智)委員
なので、私は、実態に合わせてよく判断をしていってもらいたいということを申し上げているんです。
先ほど大臣がおっしゃった契約云々ということですと、結局、一九八五年、今から三十五年前ですか、それと同じ枠組みにしかならないんですよね。その間、いろいろな働き方が出ているし、かなり多様になっていると思います。一言で言うと、この研究会報告では対応できないようなケース、事例がたくさん出てきているという実態があります。
ですので、パブコメでの意見の反映とか、実態をよく見るということとか、それから、この間JILPTが調査も行っていると聞いていますので、そういう結果も踏まえて、広げる方向で検討していってもらいたいというふうに思います。
これが一つと、それから、仮にこのガイドライン、今後手続を経て改定されたとしても、先ほど内閣官房からもあった独禁法や下請法、それから、私が今大臣とやりとりしている労働者性、いずれについても、やはりフリーランスの人たちを守るためにはまだまだ十分じゃないところがある、出てくるんじゃないかというふうに思います。残る課題はあるというふうに考えるんですけれども、内閣官房と厚労省の認識はそれぞれいかがでしょうか。
また、新しいガイドラインをつくったとき、あるいは、内閣官房で独禁法や下請法による執行の強化を行った後で、更に審議会などで議論して、具体的な法改正を行う必要があるというふうに考えるんですけれども、厚労省と内閣官房、それぞれに伺います。
●とかしき委員長
田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
●田村国務大臣
先ほど申し上げたとおり、基本的に、労働法制で対応しようと思うと、実態が労働者であるということ、これが重要でありまして、逆に言うと、今あるいろいろな多様な働き方でも、実態がそうであれば、それは労働者としてみなすわけでありまして、労働法制で対応をしっかりさせていただくということになろうと思います。
あわせて、先ほど来、下請法でありますとか独禁法、ここはガイドライン等々を踏まえた上で、関係府省と協力をしながらしっかり対応してまいりたいと思います。
●和田大臣政務官
お答えを申し上げます。
御指摘ありましたとおり、しっかりとまずは法執行ができるように体制を強化させていただきたいと思います。
あわせまして、下請法の一千万円要件、こういったものを、もうちょっとバーを下げるですとか、また、労災の特別加入を認めるようにする等々の立法的な課題の解決等々も含めて頑張ってまいりたいと思います。
●西村(智)委員
やはり圧倒的な力関係の差があるということをぜひ御理解いただいた上で、引き続きお願いします。
終わります。