●西村(智)委員
西村です。よろしくお願いいたします。
予防接種法及び検疫法の一部改正案ということで、やはり、早くいい薬ができるといいねとか、いいワクチンができるといいねというようなことは、多くの皆さんが地元に帰ると聞かれることだし、私もそう思っております。
その一方で、やはり、ワクチンの有効性、安全性といったものについては、これはもう最大限配慮しなければいけないということでもありますので、きょうはそうした観点から幾つか質問をしたいと思っております。
いろいろ条文等々を読ませていただいたんですけれども、有効性、安全性のところですね。条文の中にはっきりと例えば有効性、安全性に配慮しとか確保しなどという文言があるわけでなく、それは基本、薬機法で審査が終わったものについてという前提なので、ここはそうじゃないんだというふうな説明を受ける、予防接種法の方では、その文言は必要ないんだというような話もあるかと思うんですけれども、やはり、この法改正の中からきちんと読めるようなといいますか、読むような感覚でないと、私は、本当に、ことしの年明けから始まって今は十一月、一年足らずの間に、こんなに感染が拡大をして、日本国内そしてまた全世界で拡大をしているCOVID―19の予防接種としては、もうちょっとやはり配慮が必要なんではないかというふうに思うんです。
この改正法案の新設の第七条の四に、有効性及び安全性に関する情報その他の情報を踏まえというふうに書いてあるんですけれども、これだと少し弱いかなというふうに正直なところ思っております。なので、大臣に改めて有効性や安全性がやはり最優先であるということを確認をしたいと思っております。
この予防接種、ワクチンのあり方については、とかく官邸主導といいましょうか、政治主導で何か事が進んでいるような見え方もするし、他方で、医療崩壊を食いとめるために予防接種をするんだというような、そういった考え方もちらほらと見えてきておりますので、そうじゃない、つまり、圧力の中で、みんなが受けなきゃいけないというようなことではないんだということで、安全性、有効性のこのことについて、大臣の考えを伺いたいと思います。
●田村国務大臣
薬事承認をするものでありますから、安全性、有効性をしっかりと確認をしないことには、それは承認はされないということであります。
でありますから、そこは一番の肝でありまして、そこがなければ、たとえ海外で承認されても、我が国でそれが確認できなければ、それは承認できないということであり、それをちゃんと確認できたものに関して、予防接種法にのっとって接種をしていただくということであります。
●西村(智)委員
そこのところは、やはり第三相の審査が行われないということと関連するところだと思いますが、大臣、先ほど答弁くださったということを今は受けとめて、前に進みたいと思います。
それで、今回は臨時接種だというふうに位置づけられる。予防接種法の中での臨時接種だというふうに位置づけて、A類と同様の公的関与であるということ、そしてまた救済給付もあるということ。加えて、これもA類、努力義務が課せられるということなんですけれども、そもそも、なぜ臨時接種の枠にしたのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。予防接種法でなくて、例えば新型インフル特措法には特定接種ですとか住民接種というカテゴリーもあります。A類と同様ということですと非常に給付水準も高水準であるということなんですけれども、そうした理由についてお聞かせください。
●田村国務大臣
今、なぜ臨時接種の特例というふうに位置づけたかというお話だったと思います。
午前中もお答えしたというふうに思うんですが、そもそも、定期接種のような平時の蔓延予防ではなく、蔓延予防、緊急性があるということでありまして、蔓延予防上の緊急の必要性があるということ。
それから、特定接種ということになりますと、これはどちらかというと、住民一般というよりかは、職種といいますか、そういうもので分けるということでございますから、それとは今回の場合は違うであろう。
また、住民接種であれば、これは住民になるわけですが、ただ、これも緊急事態宣言下の接種であるということを鑑みますと、やはり、もう一つ、新臨時接種というのもございますが、これは病原性の低い疾病で感染力が強い、こういうものが当たりますので、それと比べると、インフルエンザ、二〇〇九年でしたかね、インフルエンザがはやったときの、あのときの致死率と比べると、やはり今回の新型コロナウイルスはちょっと桁が違うというところでありまして、その意味からいたしますと、一定程度やはり重篤性があるというところ、そういうところを考えた場合に、臨時の予防接種の特例。臨時の予防接種でありますから、先ほど申し上げました被害者救済という意味からしますとA類相当ということになるわけでございまして、比較的厚い、そういうような対応になるということでございます。
●西村(智)委員
何だか、わかったようなわからないような説明なんですね。
つまり、特定接種だと特定の職業ということになるんだけれども、それは違うということなんですけれども、一方で、中間とりまとめ等では、接種順位について医療従事者等というふうに書かれていたりするわけでして、そのあたりをやはりどう説明されるのかということは、これから開発されるワクチンの内容、安全性、有効性、これらを恐らく総合的にといいましょうか、そういうことの判断になってくるのかなと。なので、今以上の答弁も出ないのかなというふうに思いつつも、いま一つちょっと明確でないように私は受けとめました。
先に進みます。
政府の分科会がまとめて、内閣官房と厚労省とで、ワクチンの接種についての中間とりまとめが、九月二十五日にまとめられております。ここで、接種順位についてなんですけれども、接種目的に照らして、新型コロナウイルス感染症患者に直接医療を提供する施設の医療従事者等というふうに一つ黒ポツがあるのと、もう一つの黒ポツが、高齢者及び基礎疾患を有する者を上位に位置づけて接種するという方針が示されているわけです。
他方、この中間とりまとめの方針はあっても、大臣も午前中も答弁されていたと思いますが、努力義務というのは、接種開始前であっても後であっても、政令によって外すことができるということです。これは、例えば一回外した後で努力義務を再度課すことも、これは制度上あり得る。機動性がある反面、なかなか一貫性がないというか、そういった批判も起こり得るのではないかというふうに考えています。
まず確認なんですけれども、ワクチンの性質、有効性や安全性、リスク、ベネフィットがわかってきた段階で、高齢者や医療従事者への接種勧奨と努力義務を外すということはあり得るのかどうか。また、具体的にどういう条件のもとでそれを外すということになるでしょうか。
●正林政府参考人
条文上、対象者を指定してという文言を入れていますので、例えば高齢者だけとかあるいは若い人だけとか、そのように対象者を限定して努力義務とか勧奨を外すということは可能です。
どういう場合かでありますけれども、接種を開始した時点では恐らく治験のデータに基づいて薬機法の承認がおりていますので、原則的には、通常は努力義務あるいは勧奨がかかる形でスタートするかとは思います。
ただ、その段階でも、治験で有効性が確認された後、有効性の程度が限定的で、リスクとベネフィットを比較考量して、少し個人の方が慎重に行った方がいいような場合とか、なかなか今の段階で具体的にこうというのは言えませんけれども、そのような場合はあり得るかなと思います。
●西村(智)委員
原則的に、恐らく全員が接種勧奨と努力義務がかかる形でスタートする、比較考量しながら外していくこともあり得るということなんですけれども。
じゃ、具体的にどういう条件で、比較考量のバランスが、こっちが重くなった、リスクの方が重くなった、ベネフィットの方が重たくなった、重い、そういう判断をするのか。例えば、副反応の発生状況等によってそれを比較考量するのか、それとも、まさに感染者の数とか、受けたんだけれども感染している人がいるとか、感染者の状況あるいは発症の状況、こういうものを見て判断するのか、どういう条件でそういったものを判断していくことになりますか。
●正林政府参考人
いろいろな要素を恐らく勘案しながら判断すると思います。
御指摘のとおり、コロナのウイルスの病原性とか、それから感染の広がりぐあいとか、あるいは感染力とか、それから実際にワクチンの副反応の度合い、いわゆるリスクがどうかとか、あと有効性はどうかとか、いろいろなことを考えて、さまざまな要素で比較考量しながら、場合によっては努力義務、勧奨を外すということはあり得るかなと思います。
●西村(智)委員
やはりそこのところは、私は、ある程度わかりやすく、具体的にあらかじめ国民に説明をしておくことが必要なのではないかと思うんです。当然、ワクチンですから副反応はあり得る。社会との対話をしながら進めていく部分もあるとは思うんですけれども、やはり、どういう条件で例えば接種勧奨が外されるのかとかいうようなことがあらかじめ見えていた方が、私は今後のためにもいい。
この間、緊急事態宣言が出るとか出ないとかいう時期に、定性的なものじゃなくて定量的な数字で幾つか出していたような自治体はありました。あそこまで明確ではないとしても、やはり、ある程度のあらかじめの考え方、これは示しておく必要があると思いますけれども、もう一回、いかがでしょうか。
●正林政府参考人
副反応の出方もさまざまですし、今の段階から、具体的あるいは客観的な数字でもって、こうなったら勧奨を控えるとか努力義務を控えるとか、そういう指標をつくるというのはなかなか難しいかなとは思います。
ただ、これから接種に向けて準備の中でいろいろ考えてはいきたいと思います。
●西村(智)委員
来年の前半までに全国民が受けられるようにするわけですからね、これはちょっと、本当にきちんと急いで整理していただく必要があると思います。
次に進みます。
接種順位のところなんですけれども、引き続いて。優先順位のつけ方によっては、やはり受けなきゃいけないという同調圧力が発生しかねないと思っています。先ほどもありましたけれども、例えば高齢の方が、中間まとめの接種順位でいうとちゃんと上がってきているということで、自分が受けられるようになるということで、それをよしと思っている方もいらっしゃるでしょうし、逆に、安全性、有効性がはっきりしないうちに本当に受けなきゃいけないのかというふうに思っておられる方もいらっしゃるというふうに思うんです。
やはり、正確な情報提供がないまま、間接的に何か接種を強要されるようなことがないように、これはやはり何か方策が必要だと思っております、情報提供を含め。政府はどういうふうにお考えか。
あわせて、先ほどのやりとりを聞いていますと、集団接種も必ずしも排除されていないように思いました。集団接種は、例えば高齢者や基礎疾患を持つ者等が集団接種になるのかどうか、そのあたりについて大臣の今の考えを伺います。
●田村国務大臣
まず、前段から申し上げますと、これはもう本人の御判断で接種は受けていただくということでございますので、決して強制的に接種をするということではないということでありますから、そこの情報をしっかり我々政府としてお伝えする。
ただ一方で、有効性や安全性が確認されて承認をされる。もちろん、そうはいっても、接種が乏しいといいますか、初めてのワクチンでありますから、いろいろな情報を集めながら、また、接種が始まってからもいろいろな情報というものを集めて、その上で情報発信していかなきゃならないとは思っておりますけれども、そういうものを正確に情報を国民の皆様方にお伝えしながら、その中で御本人が御判断をいただく。承認されていますから有効であるということは確認済みでありますので、こういうメリットがありますよということをお伝えをさせていただきながら、最終的には御本人の御判断でということであります。
後段の部分に関しては、ちょっとイメージとして集団接種なのかどうなのかといいますと、強制的というか義務的に受けるという集団接種は、これは当然、今も申し上げたとおり御本人の意思ですから、それはないわけでありまして、本人が打ちたいという意思がある。
そして、言うなればクーポン券か何かで、それをもって何月何日受けられますよみたいなものがあったとして、そこが個別の医療機関じゃなくて、先ほど来いろいろと話が出ていますように、流通や保管で一定程度の体制を整えなければならないというようなワクチンが開発され、日本がそれを購入した場合には、これは物理的に、やはりどこかで、一定の期間で、接種をあるロットをしなきゃいけないということが起こるわけです。これは委員も御理解いただけますよね。
そのときに、みずからの自主的な意思でそこに来られて、広い場所で、ちゃんと感染防止しながら、普通のクリニックよりかは多くの方々が打たれるというようなことは、これは想定をいたしておるということでございますので、先ほど来出ているような集団接種とはちょっとイメージが違うのかなというふうに思っております。
●西村(智)委員
また後で関連の質問もあるんですけれども、例えば、クーポン券なんかを渡したりする場合に、私の住んでいる自治体などで想像すると、例えば地域を区切ってこの町内に住んでいる人たちは何日から何日まで受けられますよとか、あるいは何歳から何歳までの人がこの日数で受けられますよというようなことだとすると、やはり来る人来ない人はわかるわけですよね。そういった問題はやはり出てくる可能性はあるかなというふうに今聞きながら思いました。ちょっとまた後で質問をいたします。
それで次に、優先順位のところなんですけれども、医療従事者は接種の優先順位が高いんだということになっております。
医療従事者の家族などについてはどういうふうに考えられるのでしょうか。例えば、同居しているとかしていないとかあると思います。また、ほかのエッセンシャルワーカー、例えば公共交通機関の運転手の方とかいうのも非常に公共的な色彩の強い仕事だと思うんですけれども、そういった方々はどういうふうに考えられているのか伺います。
●正林政府参考人
接種順位について、中間とりまとめで、重症者や死亡者をできるだけ減らし、蔓延防止を図る目的に照らして、新型コロナウイルス感染症患者に直接医療を提供する施設の医療従事者等や、高齢者及び基礎疾患を有する方を接種順位の上位に位置づけて接種するというふうに整理されています。
それから、社会機能維持のために特定の業種について接種を行う、いわゆる特定接種の枠組みはとらず、住民への接種を優先する考えに立って、簡素かつ効率的な接種体制を構築するというふうにされています。
このため、医療提供体制維持という観点から、医療従事者の家族に優先的に接種を行うということは現時点では想定しておりませんが、接種順位の上位に位置づけられていない方々についても、ワクチンが確保され次第、迅速に接種を進めていくことを考えています。
●西村(智)委員
総理の十月二十六日の所信表明演説では、これはささいなことと言われるかもしれませんが、優先順位の表現の仕方について、高齢者、基礎疾患のある方々、医療従事者を優先してとおっしゃっていたんです。九月二十五日の内閣官房の中間とりまとめでは、一番上の一つ目の黒ポツが医療従事者等となっていて、二つ目の黒ポツが高齢者及び基礎疾患を有する者と書かれていました。
順番が入れかわっているんですけれども、これは何か意味がありますか。
●正林政府参考人
優先順位については中間とりまとめの段階ですので、その順番がどっちかというのは、はっきりまだ決まっておりません。
ただ、ついでに申し上げると、二〇〇九年のときは医療従事者がトップでありました。
●西村(智)委員
じゃ、時系列でいうと、中間とりまとめが九月の二十五日で、総理の所信表明が十月二十六日ですから、現状では、高齢者、基礎疾患のある方々、医療従事者を優先してという、この順番だというふうに受けとめていいですか。
●正林政府参考人
繰り返しでありますけれども、中間とりまとめ、それから総理の所信表明、順番が入れかわっているかもしれませんが、それはどちらが先という意味ではなくて、今の段階ではその順番については決まっておりません。
●西村(智)委員
これは順番がそれぞれで違うんですよ。やはり、報道なんかでも医療従事者が先に来ているものもあるし、これはきちんと整理していただかないとまずいと思います。
それで、先ほど大臣の方から、適切な情報提供、情報収集という言葉がありました。この適切な情報収集、ちょっと先走って申し上げると、副反応についての情報収集ですね。これを適時適切にやっていただき、そして、きちんとそれはかみ砕いて国民が知るというプロセスというかルートが確立されているということが私はとても重要なことだと思っております。
これまでの事例もあるんでしょうけれども、とかく今回は、非常にこれだけ急速に広まり、また世界的な広まりを見せているCOVID―19です。それで、接種開始後に副反応疑いが報告された場合に、すぐさまこれは公表されるのかどうか。
つまり、副反応疑いの報告の仕組みについてという厚生労働省の説明ペーパーがありますけれども、まずは医療機関からPMDAの方に報告がされる。その後、厚生労働省に報告がされて、地方公共団体との情報の共有ですとか、報告、調査、いろいろ行われる。そして、最後の9というところで、厚生労働省から地方自治体に対して「必要な措置(情報提供、接種の見合せ等)」というふうに書かれているんですけれども、1をゼロ日目として、この9の厚生労働省から地方自治体に対しての必要な措置が行われるまでの期間は大体どのくらいと見込まれておりますか。やはり遅滞なく行われることが必要だと考えております。
あわせて、プレスへの発表等はどの段階で行われますか。
●正林政府参考人
報告の仕組みについては、先生御指摘のとおり、予防接種法に基づいてまず医師はPMDAに、それから薬機法に基づいて製薬メーカーはPMDAに集めて、PMDAで整理して、審議会、これは薬機法に基づく審議会と、それから予防接種・ワクチン分科会のもとに副反応検討部会というのがありますが、よく合同で開催して、そこで評価をします。その上でどのような対応をとるかというのを決めていきます。
審議会については定期的にやるつもりですけれども、通常の定期接種の頻度よりは頻度を上げてやるつもりですし、もし緊急の対応が必要であれば、臨時で審議会を開いて直ちにその対応をとろうと思っています。
●西村(智)委員
済みません、委員長に申し上げますが、私、大臣がせっかく手を挙げてくださっているし、正林局長は念のためということで登録をお願いしているので、大臣が手を挙げているときに、答弁、ぜひ指してください。
そして、今の答弁も答えていないんですよ。私は、だから、何日、どのくらいの期間で行われますかと、具体的な日数と、それから、プレス発表はどの段階で行われますかと伺っているんですけれども。
●田村国務大臣
失礼いたしました。今、正林局長が言ったことを私が言って、正林局長が今委員がおっしゃったことを答えなきゃいけないという話で、本来、PMDAもしっかりと強化して、しっかりそこはなるべく早くやるようにしますし、今ありました審議会の方もちょっと強化をしながら、審議会の回数、それを今までよりも期間を短目に回すようにして、臨時でやるのも必要ならばやりますが、ちょっと、私自身、まだ、日にちを何日というのはなかなか今の現状では難しいというふうに思います。
なるべく早くやるということで御理解をいただきながら、回していくうちに、だんだん、どれぐらいで、なれてくれば、やれるということもわかってくると思いますので、もし、そういうことが起こらない方が本当は幸せなんですけれども、そのようなことが起こるようでございましたらば、なるべく早く国民の皆様方に情報が伝わるように努力してまいります。
●西村(智)委員
審議会の先生方には本当に大変な御苦労をおかけするんですけれども、やはり、これだけ関心の高いワクチンのことですので、ぜひ遅滞なく行われるようにお願いしたいと思います。
確認ですけれども、プレス発表はその後ということですね。
●田村国務大臣
やはり、当然プレス発表はその後になりますので、そこは御理解いただきたいと思います。
●西村(智)委員
それで、ちょっとまたもともとの話に戻るんですけれども、もともと臨時接種というのは昭和三十五年から三十六年にポリオが大流行したときにつくられた枠組みで、昭和三十六年一月から、このときから、生後六月から生後一年六月の幼児を対象として定期接種がスタートしたと。また、集団発生地域の周辺のゼロ歳から四歳までの小児に対して臨時の予防接種を実施したというふうに聞いております。これが初めての臨時接種。
今回は、現在の予防接種法となって初めての臨時接種ということになります。初めての臨時接種ということであればなおのこと、やはり、ワクチンの接種に当たっては、接種を受けていただく方にきちんと理解して、安全性、有効性、こういったものを理解して打っていただく必要があるというふうに思いますけれども、ここ、確認です。もう一回、大臣お願いします。
●田村国務大臣
そういう意味では、非常に病原性も低くはない、そして、感染性もそれなりに強いということで、臨時接種の特例という形で、国が市町村に実施を指示して市町村にやっていただくというような、そういう仕組みにしたわけであります。
安全性、有効性という話、今も出ましたけれども、そこはしっかりと確認した上で、我々としては臨時接種の特例という形で、今回の新型コロナウイルスワクチンを、国民の皆様方にしっかりと、望んでいただければ打っていただける体制を組んでいきたいというふうに思っております。
●西村(智)委員
それでは、ここから少し同調圧力ですとか差別の問題について質問したいと思います。
やはり、きのうの分科会でも感染者の情報発表のあり方について少し議論があったと伺いました。これについてはまた別の場で私も議論できればというふうに思っているんですけれども、やはり、残念ながら時々聞きますのは、感染だと、感染がわかった人に対する差別、また、濃厚接触者だということで検査を受けただけで差別を受けたりというようなことがあったりすると。本当に残念なことだと思います。
感染者がこうやって毎日毎日ふえているという状況ですので、もう誰がなってもおかしくないという状況だと思いますので、これは私たち自身、私自身もやはりよく胸に置いてやっていかなきゃいけないなというふうに思っているんですけれども、やはり、ワクチンを接種していない方とかに対する、またいろいろな意味での差別といいましょうか、そういったものが起きてくるのではないかということも少々心配です。
それで、努力義務の対象の方でも、接種を選択しなかった方も恐らくは出てこられると思います。そういった方々に対する差別はあってはいけないというふうに思いますけれども、具体的な方策は、今、厚労省としてはどういうふうに考えていますか。
●田村国務大臣
これからこの法律ができた上での話になってくるというふうに思いますが、今言われるとおり、努力義務、これは原則国民の皆様方にお願いする法律になっておりますけれども、打つか打たないかは御本人のこれは意思です。そのための情報は我々が国民の皆様方にしっかりとお伝えをしていきたいというふうに思っています。
さはさりながら、じゃ、打たない人に対して、打った人が、あなた打っていないから、それを、何で打たないんだと。よく、マスクをしていない人にどうだみたいなことがあるわけでありますが、マスクはしていただいた方が間違いなく御自身の感染も防げますし、また家族への感染も防ぎますから重要なことなんですが。このワクチンに関して、それはそれぞれの、これはあくまでも有効性や安全性というものを我々は承認した上で国民の皆様にお示ししますが、とはいいながら、それぞれワクチンに対していろいろな思いもあるわけでありまして、そこは国民の皆様方のお考え方というのもあります。
ですから、打っている人が打たない人に対して、あなた打っていないからと言うのではなくて、その方々に対しては、打ったら私コロナにかからなくなったよというような情報提供は、これは決して我々否定するつもりはないですけれども、しかしながら、打っている人は、基本的にワクチンが効けばうつらない、発症しない。うつるかどうかわかりませんが、発症はしづらくなる。そういう効果があればですけれども、効果が認められれば発症はしづらくなるわけでありまして、打っていない人に対して言うよりかは、私も、要は、これで発症しなくなっているんだから、あなたももしよかったらどうと言う程度の話であるということでありまして、決して、それをもってして、圧力だとか、差別だとか、また偏見だとかという形で、打っていない方々が何らかの被害を受けるということはあってはならないということでありますので、そこはしっかりと広報をしてまいりたいというふうに思っております。
●西村(智)委員
具体的に、もう一つ伺います。
ワクチンを接種していないことを理由に職場などで不利益な取扱いがあってはいけないというのは、これは当然のことだと思うんですけれども、医療従事者等に対する接種の考え方、医療従事者。ここに対する接種の考え方は、これは厚労省の中できちんと今整理されているんでしょうか。医療従事者が接種をしなかった場合の考え方、具体的に言うと。
●田村国務大臣
優先順位という意味からすると、先ほど来お話が出ています、感染者と対応される医療機関の従事者は、優先順位はこれは上位になるわけでありまして、その方々が打っていない場合、どういう位置づけかという御質問でよろしいんですよね。
その場合も、御本人のこれは判断でございますので、医療従事者だから、優先順位者だから、義務に近い形、努力義務はかかっていますけれども、義務的に打たなきゃいけない。もし、それによって雇われている医療機関から、打っていないことによって不当な対応、待遇を受けるようなことがあれば、これは例えば総合雇用相談センター等々に御相談をいただいて、要するに、ハラスメントというのがいいのかどうかわかりませんが、本来、そういうようなことによって不当な対応をされるというのは、これはあってはならないことでございますので、これは職場問題として御相談をいただければ対応させていただくということになると思います。
●西村(智)委員
考え方としては明確だったと思います。ぜひ、その対応についても、相談があったときに対応するということよりも、何かもう一歩踏み込んで、指導とか、何かそういったところまで必要になってくるかと思いますので、ぜひ引き続き検討をお願いします。
次に、自治体の関与のあり方について伺います。
私、この接種が始まると、かなり自治体の方が負担が出てくるのではないかというふうに思うんです。予診票を送るとか、クーポンを配るとか、いろいろな話がありますけれども。まず、その判断ですね。例えば高齢者施設や障害を持っている方へのアプローチはどうするのかとか、そういったところ。まず、そのアプローチの仕方で自治体にきちんと支援をするということが必要ではないかと思っております。
また、それ以外にも本当にいろいろな対応が多分自治体は出てくるんだろうなと思います。住民からの問合せだとか、いろいろなことが。やはり、厚労省から、ここは支援というような形で、何かはっきりとしたガイドラインを示すとか、支援をするとか、そういったことが必要になるかというふうに思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
●田村国務大臣
ワクチンの供給という意味からすれば、それは、ワクチンの接種に向けた円滑化システムというのを組んで、これは、自治体でありますとか国だとか、また卸だとか、いろいろなところが入って対応をしながら供給をちゃんとやっていくということ。それから、当然、相談窓口等々も必要であると思いますし、それから人員等々の確保も必要であると思います。
そもそも、先ほど来出ておりますように、ワクチンを打つという段になった場合には、医療機関にお願いをして指定医療機関のような形で対応する場合もあれば、そうじゃなくて、場所をどこか確保して、自治体が中心になって、そこで接種をしていただかなきゃいけないような場面もあるかもわかりません。
いずれにいたしましても、いろいろな想定ができますので、それに対してしっかりと相談に乗れるように、また、都道府県が、広域的な市町村への協力というような、そういう役割を担っておりますので、都道府県にもお助けをいただきながら、とりあえずのところ、今、地方自治体体制整備に関する経費の補助として予備費で二百二十一億円、これを計上させていただいておりますので、こういうものを使いながら、接種体制の考え方や、あらかじめお示しをする情報、こういうものをしっかりとお伝えをさせていただきたいというふうに思います。
●西村(智)委員
時間ですので終わります。ありがとうございました。