●西村(智)委員
まず、この間、ここの委員会で質問してまいりました、学校一斉休校に伴って学童保育の指導員の皆さんが勤務時間がふえている、それによっていわゆる百三十万円の壁を突破してしまう事例も出てくるということについて伺いたいと思います。
これは、基本的に健保組合の方が被扶養者の収入確認はするということになりますけれども、今回、新型コロナウイルス感染症の影響がこれありということでもありますので、そこは柔軟に判断をされるべきだというふうに考えますけれども、この点について厚労省の見解を求めます。
●浜谷政府参考人(厚生労働省保険局長)
お答えいたします。
基本的には、御指摘のとおり、柔軟な取扱いが必要だと考えております。
被扶養者の年間収入につきましては、今後一年間の収入を見込んで各保険者が判断することとしておりまして、その認定に当たりましては、過去の収入、現時点の収入、又は将来の収入の見込みなどを用いることといたしております。
今後の被扶養者要件を判断するに当たりましては、例えば、被扶養者の今後の一年間の収入を年一回、直近三カ月分の給与明細書により見込んでいる保険者におきまして、被扶養者が直近三カ月の間に例年以上に勤務日をふやさざるを得ず、この間一時的に所得が上昇したことで、機械的に一年分の収入に換算すると百三十万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定が取り消されるわけではないものと考えております。
こうした場合におきましては、課税証明書によりまして過去一年間の収入が百三十万円未満であることを確認いたしましたり、雇用契約書や事業主が発行する今後一年間の収入見込み証明書によりまして今後一年間の収入が百三十万円未満と見込まれることを確認したりすることなどによりまして、総合的に将来収入の見込みを判断し、引き続き被扶養者として認定する運用が行われているものと承知をいたしております。
また、仮に、被扶養者認定を受けていた方の収入実績が、昇給や恒久的な勤務時間の増加などを伴わない一時的な事情により、その一年のみ上昇し、結果的に年収百三十万円以上となったような場合におきましても、被扶養者認定をさかのぼって取り消すことはないものと考えております。
このため、学童保育で働く方々が、新型コロナウイルス感染症に伴う休校への対応という一時的な事情により例年以上に長時間働き、結果的に年収百三十万円以上となったといたしましても、今後の被扶養者認定におきまして、毎年の確認時に今後一年間の収入が百三十万円未満となると見込まれる場合には引き続き被扶養者として認定され、また、過去の被扶養者認定につきましてもさかのぼって取り消されることはないものと考えております。
このような運用が保険者におきまして適切に行われますよう、被扶養者の収入を確認する際の留意点を整理いたしまして、健康保険組合等の保険者に対しましてしっかり周知をしてまいりたいというふうに考えております。
●西村(智)委員
大臣もお地元の方から同様の意見があったというふうに伺いました。周知が非常に大事だと思いますけれども、どのようにお考えですか。
●加藤厚生労働大臣
今局長からお話をさせていただいたのは、これは基本的な考え方ということでありますから、今回に限ったわけではまずないわけでありますが、しかし、それぞれの認定に当たっては、特に今回、こうした新型コロナウイルスへの対応において日常とは異なるさまざまな動きがあるわけでありますから、その辺を含めて、しっかり総合的に判断をしていただくことが必要だと思います。
いずれにしても、今委員が最初にお話しになりましたように、判断するのは健康保険組合や全国健康保険協会ということになりますので、そうした団体に対してしっかりと周知を、こういった考え方をもう一度徹底するとともに、今回こういう事情があるということも含めて、よく徹底をさせていただきたいというふうに思います。
●西村(智)委員
ぜひよろしくお願いいたします。
きょう、資料をお配りいたしております。これは、日本俳優連合という団体が組合員、会員の皆さん等にアンケート調査を行ったものでありまして、これは対象期間が三月三十一日から四月の二日までということで、正味三日足らずということになります。この時点では、フリーランスの方が利用できる貸付制度として設けられておりましたのは、例の学校休業に伴う一時給付金、一日四千百円というものと、それから緊急小口資金貸付けの二つでありました。
それで、このアンケートの中で、日本俳優連合が、政府から収入が減少した人に対して貸し付けされる制度が出されたけれども利用したいと思いますかという問いをしております。その中で、借りたい、使いたいという人が一二・八%。借りたくない、使いたくないという方は残りということですので、およそ八割近い方がこれを利用しないというふうにこの時点で考えておられたんです。その理由は何かというと、返せないと思うからというのが四七%、今後仕事が順調にできるかどうかわからないからというのが六四%、これは複数回答ですのでたくさんになっていますけれども、あと、手続がわからない、面倒だという方が二〇%ということなんです。
実際のところ、緊急小口の貸付けというのは償還時に所得が十分ない方は償還が免除されることになっているんですけれども、それが、こういうふうに、返せないと思うというふうに答えている方がたくさんいらっしゃる。
大臣、この受けとめを、どういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
●加藤厚生労働大臣
今回の生活福祉資金貸付制度の特例、特に小口の関連についても含めて、償還時において、正確な文章はちょっとあれですけれども、所得が減少した場合には返還しなくても済みますということを明示をさせていただいております。
ただ、各都道府県が実際に現場現場でやっていただいているパンフレットを見ると、必ずしもそこに言及されていないケースが見られておりますので、その辺も含めて、もう一度、これは都道府県の社協、あるいは社協全体の全社協を含めてよく御相談をさせていただきながら、今回の措置がどこが特例なのかということも含めて、しっかり周知がなされるように努力をしていきたいと思います。
●西村(智)委員
それはぜひお願いしたいと思うんですが、もともと、厚生労働省からの資料の中でも、償還時に所得が十分でない方は返還不要ですというような言葉も、一番下の方に小さい字で書いてあるんですよ。そういった姿勢がやはり各自治体あるいは社会福祉協議会にも伝わっているということだと思いますので、まずそこのところから見直していただいて、ぜひしっかりと周知をお願いしたいと思います。
あわせてなんですけれども、このアンケートを見ていただくと、本当に、切実という言葉以外に言葉が見当たりません。不安しかない、収入が全くない、何も考えられない、先が見えない、今月からどう生きていけばいいかわからない、助けてほしい。本当に深刻な状況です。日本俳優連合、恐らくはほとんどの方がフリーランスの働き方になります。やはり私は、こういった雇用によらない働き方であっても、しっかりと、厚生労働省は今雇用類似に関する研究会も行っておりますので、生活保障という面でやはり厚労省としてしっかりと目配りをしていくという姿勢を明示していただきたいというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
●加藤厚生労働大臣
まず、今回の、フリーランスを含めて個人事業主の方々、急に売上げが減少する、減少するといっても、一、二割減少するのではなくて一、二割になる、中には全くなくなってしまうという、これまでの経済的ないわゆる不況とか、そういったものとは全く様相が違う状況にあるというふうに認識をしております。
そういう中で、中小・小規模事業者に対する新たな給付金、生活に困っている世帯に対する新たな給付金、子育て世帯への臨時特別給付金、これらが緊急経済対策にも盛り込まれ、それ以外にも先ほど御指摘のあった小口の貸付け等もございます、そういった制度がしっかりあるということを、まずは、フリーランスを始めとした、そうした厳しい状況にある方々にしっかりと周知をしていくことが必要だろうというふうに思います。
その上で、フリーランスを含む雇用類似の働き方について、これはまさに中で検討させていただいておりますので、すぐに結論が出るという状況では残念ながらありませんけれども、こうした状況があったこと、それらも含めて、今後の検討には参考にしていかなきゃならないというふうに思います。
●西村(智)委員
私は、働き方や仕事の種類、内容いかんにかかわらず、やはり、まずは、全国で一律の現金給付、これをやるということが先になければいけなかったというふうに思うんです。その後のさまざまな、減収分の補填とか、収入が減った分の補填とか、それはやはりどうしたって時間がかかってくるので、まずは現金給付をやるということが一律であるべきだ。給付したお金については課税対象にすれば、ちゃんと後でバランスがとれていくということでもあろうというふうに思うんですけれども、なかなか政府にそういったことを考えていただけないというのは非常に残念です。
このアンケートの中には、同じように、住むところについての不安の声もたくさんあります。家賃が払えないとかいう言葉も、翌月分の家賃、光熱費などが不安とか、いろいろな住むところに対する不安の声も大変強くあります。
それで、生活困窮者自立支援法の中に住居確保給付金がありまして、これについては四月の七日に事務連絡が出ていて、今月の二十日から新たな省令が施行になるということのようなんですけれども、対象を広げるということ、これは非常にいいことだと思うんですけれども、確認です、フリーランスの方もこの住居確保給付金の対象に入るということでよろしいでしょうか。条件が、給与等を得る機会が当該個人の責めに帰すべき理由、当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にある者というふうになっているんですけれども、やはり、給与等と書いてありますので、ここはちょっと確認をさせてください。
●加藤厚生労働大臣
今お話がありました住居確保給付金、これは生活困窮者自立支援制度に基づくものでありますが、四月七日に取りまとめた緊急経済対策で支給対象見直しをさせていただきまして、現行は離職や廃業した方で住居を失うおそれのある方を支給対象としているが、現下の状況を踏まえ、離職や廃業に至っていない方がこうした状況と同程度の状況に至り、住居を失うおそれが生じている方についても対象とするということですから、離職と廃業と書いてありますから、必ずしも雇用関係にある人だけを対象とするものではないということであります。
●西村(智)委員
それで、確認をさせていただきたいんですけれども、フリーランスの方などで、収入がなくなって、このアンケートにもありますように、家賃が払えない、事務所から借りて今月は払ったけれども来月はどうしたらいいのかわからないという方もこれは使える制度だということでよろしいでしょうか。
●加藤厚生労働大臣
住居確保給付金そのものが生活困窮者自立支援制度の上にのっとっていますから、それにはのっとっていただくことが前提ではありますけれども、これについては、先ほどから申し上げているように、雇用者のみならず、フリーランスを始めとしたそういった方も当然対象になってくる。したがって、この場合には、離職じゃありませんから、廃業した方、要するに、それと同じような状況になっているということになるんだろうと思います。
●西村(智)委員
ぜひ、大臣の方からも、何というか、わかりやすい言葉で発信をたくさんしていただくことが大事ではないかと思うんです。
先ほどの緊急小口の関係ですとか、それから今回の住居確保給付金の関係ですとか、やはり、本当に必要な人に必要な情報がしっかりと届いて、それで必ずしも十分だとは私は思いません、思いませんし、そういった方々が、あっちの窓口に行ったり、こっちの窓口に行ったり、緊急事態宣言が出ているこの日本の各地であちこちの窓口に行かなきゃいけないというのは私はよくないと思いますよ。思うけれども、でも、少なくともそういった手だてがあるということはしっかりと大臣の口からはっきりと言い、そして各窓口に行き届かせて周知をしていかなければいけないことだと思いますので、ぜひお願いしたいと思っております。大臣、何かありますか。
●加藤厚生労働大臣
西村委員の指摘は全くそのとおりでありまして、制度の中身についてはいろいろ御議論があることは承知をしておりますが、今回いろいろな制度が設けられました。これについて体系的に説明をするということが大事だということと、それからもう一つは、やはり、こうした制度を知ることがないと使うということにはつながらない。
なかなかその知るに至らない方が残念ながら社会的弱者の中には多くおられるわけでありますので、そういったところにどう手を伸ばしていけるかという意味においては、なかなか公的な仕組みでは十分にいかないというのであれば、NGOを含めて、日ごろからそうした活動をされている方々とも連携をとりながら、まずはそうした皆さんにこうした制度があるということをよく熟知していただきながら、そこに相談に来られる方々の状況に応じてこの制度を活用していただく等、いろいろなことを考えていかなきゃいけないと思っておりますので、今委員から御指摘をいただきましたが、私の方も、私の所管に限らず、こうした制度について、体系的な説明をどこかでしっかりとやらせていただきたいと思います。
●西村(智)委員
それはそれでやっていただきたいとは思うんですけれども、やはり、私、先ほども申し上げましたが、全国民、個人個人に、一人一人の個人への一律給付というのが本来は先でなければいけなかったというふうに思うんです。
ところが、今回は新しい給付金制度ということで、自己申告制であり、かつ、かなり対象が限定されそうな一世帯三十万円の給付ということが補正予算に出てくるということのようであります。加えて、児童扶養手当、本則の給付の方々については一人当たり一万円を上乗せということなんですけれども。これは、もう既にいろいろ言われていますけれども、やはりちょっとおかしいんじゃないかというふうに思うんですよ。
例えば、条件でいうと、収入が減少し、年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準となる低所得世帯、それから、大幅に収入が減少した、これは半減以上ということのようなんですけれども、年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準の二倍以下となる世帯が対象。しかも、それは世帯主の所得についてということのようなんですけれども。
ちょっと確認をしたいんですけれども、例えば、東京都二十三区で、しようがないのでモデル世帯といたしますが、専業主婦とサラリーマンとの二人暮らしの世帯の場合に非課税になるのは年収百五十六万円以下なんですね。ここまで収入が減少しないと給付をされないということなんでしょうか。財務省に聞きます。
●宮島財務大臣政務官
委員御指摘の新たな給付金でございますが、これは生活支援臨時給付金のことだろうと思いますけれども、これは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入が減少し、生活に困っている世帯に対して生活を維持するための必要な資金を交付するというものが基本で考えられているものでございます。
具体的には、本年の二月から六月の任意の月における、任意ですからいつでもいいわけでございますが、世帯主の月間収入が感染症の発生前に比べて減少し、かつ年間ベースに引き直しますと住民税の非課税の水準になるという低所得者の世帯等を中心として、一世帯三十万円の給付を行おうということにしているところでございます。
委員の御指摘の住民税の非課税水準、この水準がちょっと厳し過ぎるのではないかという趣旨の御指摘だと思いますけれども、委員御指摘の世帯といえば、本年二月から六月のうち、先ほど申しましたけれども、一カ月だけでも、先生のおっしゃるものによれば、百五十六万円を十二で割った月収十三万円を下回った場合、給付金の対象となるわけでございます。
いずれにしましても、新型コロナウイルス感染症の影響により生活に困っている世帯に対してできるだけ早期に支援をすることが必要だと考えておるわけでございますから、総務省が今やっておりますけれども、早急に市町村との調整を進めていくことが重要だと今考えているところでございます。
●西村(智)委員
明確な答弁はなかったと思います。
次、では伺いますけれども、東京都二十三区内で専業主婦とサラリーマンとの二人暮らしの方、例えば、年収が六百五十万円であった、それが半分になって三百二十五万円になりました。ですけれども、いわゆるその水準には達しているかどうか。こういった場合には給付されることになりますか。
●宮島財務大臣政務官
委員の、この世帯の場合ですと、住民税非課税水準の二倍、これは百五十六万を二倍にすれば三百十二万でございますから、年収六百五十万から年収三百二十五万に半減しても住民税非課税世帯の水準の二倍を上回るため、対象にならないのではないかという御質問だと思いますけれども、しかしながら、今回の給付金は、先ほど申しましたように、ことしの二月から六月の任意の月における一カ月における収入を十二倍する、そして年間ベースに引き直してみて住民税の非課税世帯を算定する仕組みであるわけでございます。
結果的には、令和二年の年収が三百二十五万円であったとしても、本年二月から六月のいずれかの月に感染症の影響により仕事が減るなどして収入が大きく減少した月があれば、当然給付の対象になり得るものであるというふうに考えているところでございます。
いずれにしましても、この本給付金の仕組みについては、国民の皆様方に御理解いただけるよう、丁寧に説明をしてまいりたいと考えているところでございます。
●西村(智)委員
丁寧な説明の前に、まず制度のわかりやすさが必要じゃないですか。今の話だったら、聞いている人は自分のところが対象になるのか、ならないのか、さっぱりわからないですよ。さっぱりわからないですよ。
どうですか。これで、このまま、総務省、自治体の方に事務を頼みますと言って本当にうまくいくと思いますか、どうですか。もう一回答弁してください。
●宮島財務大臣政務官
委員御指摘のことでございますが、現在、総務省の方も市町村と調整するという形になっておりますし、もちろん、総務省、内閣府、財務省も一緒になって、国民にわかりやすい形をつくるべく、調整を進めているところでございます。
●西村(智)委員
いや、配り方の調整をしたってだめです、仕組みをそもそも変えないと。こんなわかりにくい仕組みで、では一体誰が該当するのか。そして、自己申告なんですよね。本当に申告に行ってだめだったとかということになったら一体どうなるんですか、これ。
もう一つ質問したいと思います。
支給対象は、世帯主の月間収入が減少した世帯ということになっているようです。世帯主じゃない方が主たる稼ぎ主となっている世帯も多くありますけれども、これはどうなんですか、対象になりますか。
●宮島財務大臣政務官
お答え申し上げます。
これは、そもそも国民の皆さんに早く届けなきゃいけないということで考えてつくってきたものでございますから、やはり、生活をともにしている世帯を中心にして一応考えるということに基本をいたしましたので、どうしても世帯主というところから入っていくという形でつくっているわけでございます。
●西村(智)委員
例えば、世帯主じゃない方が主たる稼得者であった場合に、その人の収入が例えば一、二のように減少したとしても対象にならないという答弁ですか、今のは。
●宮島財務大臣政務官
世帯主ベースということで今決まっているというか、世帯主ベースということになっております。
●西村(智)委員
世帯主ベースという言葉の意味を教えてください。
●盛山委員長
時計をとめてください。
〔速記中止〕
●盛山委員長
時計を動かしてください。
宮島財務大臣政務官。
●宮島財務大臣政務官
お答え申し上げます。
主たる世帯主が誰であるかということでございますが、これについては、今、総務省と協議しているところでございます。いわゆる世帯主の給与所得を基本に考えているということは事実ですが、世帯主というのはどういうものをいうかということに関しては、主たる収入のある方はどうだということを、どういうふうにするかということは、協議をして、今やっているところでございます。こういうことです。
●西村(智)委員
ごめんなさい、もう一回整理してもらえますか。補正予算の資料には、支給対象として、世帯主の月間収入が一、二の条件で減少した世帯等と書いてあるんですよ。世帯主と、主たる世帯主。主たる世帯主っているんですか。
●盛山委員長
時計をとめてください。
〔速記中止〕
●盛山委員長
時計を動かしてください。
宮島財務大臣政務官。
●宮島財務大臣政務官
済みません、主たる稼得者である世帯主の収入が減少しないのであれば、世帯主の収入が減少した世帯ほど生活に困難を来しているとは言いにくい場合も考えられることはございますから給付の対象としていないわけでございますけれども、実態をきちんと把握して、対応できるように考えていきたいと思っているところです。
●西村(智)委員
今の答弁は、世帯主の所得が減少しているのでなくても、ほかの状況もあり得るから、それを様子を見ながら自己申告のあり方とか給付のあり方を検討したいということですか。
●宮島財務大臣政務官
済みません、いわゆる主たる稼得者である世帯主の収入が減少していないのであれば、生活を困難としているわけではないだろうというふうに考えているところからいえば対象としないわけでございますが、もちろん、その実態をきちんと把握して給付できるようにという、これは総務省の方でやっているわけでございまして、まだ協議が進行中でございますので、今の場合は、そういうふうに対応してまいりたいというところで考えていただけたらと思います。
●西村(智)委員
そもそも、やはり制度のあり方そのものに無理があると思うんですよ。だから、今みたいなおかしな答弁になるわけです。
だって、これは、あれですよ、補正予算の資料として配られたもの、これは財務省ですよね、所管総務省となっていますけれども、ここには明確に、支給対象は世帯主の月間収入が減少した世帯と書いてあるんですよ。こんなむちゃくちゃな状況で、補正予算が出てきて、審議してくださいというのはちょっと私はおかしいと思います。今からでもあり方を見直して、個人個人に行き届く給付のあり方に変えていただきたい、これは強く要請をしたいと思います。
それで、総務省の方に伺うんですけれども、この給付は一体、どのように、いつごろ行うということで、今、財務省と協議中ですか。
●斎藤総務大臣政務官
西村委員の御質問にお答え申し上げます。
生活支援臨時給付金の給付のやり方と時期でございますが、この給付金は、感染症拡大を防ぐことに配慮しつつ、休業等により収入が減少し、生活に困っている世帯に迅速にお届けをする必要がございます。できるだけ申請のための手続を簡便なものとするとともに、給付対象世帯の範囲や申請に必要な書類等をわかりやすく周知をすることが重要であると考えております。
その支給方法でございますが、申請者みずからが窓口やウエブ上で申請書を入手していただき、収入状況を証する書類等を付して市町村に申請を行う方式を検討することとしております。また、感染拡大防止の観点からも窓口の分散に努めたいと考えてございまして、その他の官公署の御協力をいただくことも検討しております。
申請書の受け付けに当たりましては、感染症拡大防止に留意をしながら、御自宅からの郵送やオンライン申請など、窓口申請以外の方法が基本となるように検討を進めてまいりたいと考えております。
●西村(智)委員
この場で答弁いただく文章はすごくきれいなんですけれども、実際に始まったら現場は大混乱になると思いますよ。そこのところをよく自治体から意見を聴取していただいて、総務省に、こういうやり方では受けられませんということぐらいは言っていただかないと、本当にもたないと思いますよ。大変な混乱になるおそれが非常に強いので、ぜひ、そこはきちんと総務省としても対応していただきたいと思っています。
それで、生活保護について、四月の七日にこれまた事務連絡が出ておりまして、聞き取りなどは短時間でやるべきだというような通知を出していただきました。それ自体は非常によろしいことだというふうに思います。思うんですけれども、やはり、窓口に来る回数自体を減らしていただくような工夫というものも必要じゃないかというふうに思うんです。
具体的に何ができるか、私もちょっと考えましたけれども、例えば、申請書をホームページに載せて、それを見ていただいた上で、あらかじめ記入して持ってきていただくとか、そうすれば、また申請書を持っていってという、一回分の足を運ぶ回数を減らすことができますから、そういった工夫などもぜひ考えていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
●加藤厚生労働大臣
生活保護の相談においては、相談者に係る本人確認をまず行い、当該相談者がどういう生活課題を抱えているのかを把握した上で、生活保護を含む各種の制度について適用ができないか、また本人にも説明、理解を得る、そして、ほかの方法が可能ならばその担当者に引き継ぐ、そういったさまざまな対応が必要なことから、面談で一定程度行う必要があると考えています。
ただ、どの程度面談を、例えば回数を行うかは、これは個別のケースにもよるんだろうと思いますけれども、こうした状況でありますから、必要最小限にしていくということが必要だと思います。
自治体に対しては、申請の意思がある方に対しては、生活保護の要否判定に直接必要な最小限の情報のみを聴取することとし、その他の保護の決定及び援助方針の策定に必要な情報については後日電話等によって聴取をするといった中身について、四月七日付で事務連絡を発出させていただいたところでありますので、引き続き、そうした方針が徹底されるように努めていきたいと思います。
●西村(智)委員
もう一工夫をぜひお願いしたいところであります。つまり、本当に最後のセーフティーネットである生活保護ですので、皆さんの窓口に向かう足が重くならないような工夫をぜひお願いしたいというふうに思っております。
次に、DVや児童虐待に関連して伺いたいと思います。
午前中にも尾辻委員から質問がありましたけれども、やはりDVや児童虐待への懸念が非常に高まっているということ、これは、国連でもグテーレス事務総長が全世界、各国に暴力防止と救済を求めたということからしても、我が国も同様のことと受けとめて対応していかなければいけないし、実際に、今現在、学校が休校になっていますから、本来であれば学校のところでかなり多くの数の児童虐待の発見がされていたというふうに思いますので、そういった糸口を見つけるという機会すらもなくなってきているということは本当に強く懸念しています。
それで、DVのリスク増については、先ほど内閣府の方から午前中に、例えば電話回線をふやす、あるいは時間を延長する、それから、他のツール、SNSを使っての相談窓口などもやるというふうに言っていただいたので、それはそれで結構だと思うんですけれども、厚労省の方に伺いたいのは、相談なしで緊急一時避難、これがふえてくるんじゃないかというふうに支援団体の方も懸念をしておられるようです。
そういたしますと、今、実は自治体の相談センターで面談を中止しているところがかなりある。本来であれば、面談をして、そこで一時保護の手続を、ちゃんと措置がとられなければいけないんだけれども、そういったところからして、もっと自動的にといいましょうか、自動的に一時保護が開始できるように。
それから、シェルターなんかも、民間のシェルターに御協力をお願いするとしても、費用の負担とかはやはり行政の方で私は面倒を見るべきだというふうに思います。シェルターがもしかしたら足りなくなるなんということもあるかもしれません。
そういったことについて、もろもろ、ぜひ厚労省の方で検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
●加藤厚生労働大臣
今の、こうした新型コロナウイルス感染症で外出自粛等々がある中で、生活不安、さまざまなストレス、DVを始めさまざまな被害が増加する、また、その深刻化が懸念される、これは、実は先日も、G7の保健大臣会合でも他国からそういう指摘もありました。
当然、そうした意味において、十分な感染防止対策を行いつつ、DV被害者に対して相談対応から保護に至るまでの支援を継続的かつ迅速に実施するよう、今月三日に各都道府県に対して通知をいたしました。
緊急事態宣言の対象七都府県に、現状として、婦人相談所及び一時保護所における相談から保護に至るまでの支援についてお伺いをしたところ、従前と変わらず、これはどの程度変わらないのかちょっと把握をしておりませんが、対応していただいているというふうには承知をしております。また、現在の一時保護所の入所状況を踏まえれば、緊急に保護を求める方が一定程度増加した場合であれば受入れは可能な状況にあるということでもあります。
さらに、婦人保護施設や母子生活支援施設、民間シェルターなど一時保護委託施設の活用もあわせて行っていくことを考えていけば、当面、一定程度の対応は可能ではないかと考えておりますが、今月七日に閣議決定された緊急経済対策を踏まえた補正予算には、福祉施設における感染症拡大防止策として、一時保護所や一時保護委託先の婦人保護施設等において仮設による居室の設置等を図る場合の費用に対する補助を盛り込む等しております。
今後とも、地方自治体において適切な対応ができるよう、今は補正予算の話をいたしましたが、当初予算にも予算がございますから、そうした予算をしっかり活用して、しっかりとした対応が、また支援がなされるようにしていきたいと考えております。
●西村(智)委員
ぜひお願いします。
児童手当なんですけれども、今までも、例えば、DVを受けている母子が、父親に対して裁判所から接近禁止命令が出ているにもかかわらず、世帯分離がされていないために、児童手当が父親の口座に入金されているというような事例があります。平成二十四年の三月三十一日に、こういうようなケースにおいては監護要件を満たさないというふうに判断して、児童手当を父親の口座のところに入金しないというような措置がとれるようになったんですけれども、だけれどもいまだにそういった事例が続いていて、つい最近、私もそういった相談を受けました。
ということからすると、今回、緊急の対策として児童手当が一万円上乗せされるということなんです。通知が徹底されていないという現状で、やはりちょっと心配ですので、もう一回通知を出し直していただいて、市町村の窓口に徹底してほしいというふうに思います。
それとあわせて、額、上乗せの一万円、少ないと思います。これは増額できませんか。午前中もありましたけれども、もう一回お願いしたいと思います。内閣府に伺います。
●大塚内閣府副大臣
二点御質問があったと思いますけれども、一点目、まず、児童虐待、DVの被害者については、御指摘のように、保護者が虐待し、著しくその監護を怠り、その他保護者に監護させることが不適当と認められる場合には監護要件を満たさないと判断できるということが通知で既になされているわけでありまして、先生からいろいろ御指摘もいただいているところでございまして、しっかり周知できていないところがあるのではないかということもありましたので、本年二月二十一日に都道府県説明会を行った際にも改めて周知をしたところでございます。
あわせまして、御指摘のように、今度、子育て世帯への臨時特別給付金に関して自治体に通知をいたしますけれども、その際にも改めて入念にしていきたい、このように考えております。
それから、もう一つお問合せのございました臨時特別給付金の水準でありますけれども、今回の子育て世帯への臨時特別給付金は、低所得者層に限定せずに、中間所得者層も含めて、児童手当受給世帯に臨時特別の一時金を、子供一人当たり一万円ということで決めて支給するものでございます。
子育て世帯に対しては、この給付金のみならず、いろいろ、内閣府でやっておりますこととしては、放課後児童クラブやファミリーサポートセンター事業に係る財政支援でありますとか、個人で就業していらっしゃる方も、フリーランスの方もこの四月から対象に含めますけれども、企業主導型ベビーシッター利用者支援、これは三月からこれまでの五倍利用できるように拡充をしております。そのほかにも、厚労省でやられている小学校休業等対応支援金でありますとか、先ほど来議論になっております三十万円の給付金でありますとか、いろいろなものを総合的にあわせて子育て世帯も支援をしていくということでやっているところでございます。
今回は、事態が急変した中で、御家庭でもいろいろな急な対応をしなければいけない、また、事業所においても急な対応が追いつかない、こういうこともある中でさまざまな出費がかさんでいるであろうということも踏まえまして、児童手当の対象世帯ということに区切って一律で迅速に給付するということを優先的に考えた結果の仕組みになってございます。
まずは、この一万円、決めさせていただいたものができるだけ迅速に各市町村から子育て世帯に届くように、事務的にもしっかり詰めていきたいと思いますし、ほかの制度の効果も含めて、今後もしっかりと子育て世帯の状況を注視をしていきたい、このように考えているところでございます。
●西村(智)委員
私は、やはり、一万円では、せっかくのこの児童手当の仕組みを生かして行う特別給付としては不足だと思います。既に、自治体によっては、三万円という額の上乗せを自治体独自で決定しているところもあります。
これはやはり本則のところだけですよね。中所得層にもというようなお言葉はありましたけれども、本則のところにそれは上乗せするということですから、そんなに誇らしいような額ではないし、まして、本当に低所得の世帯に対してでいえばとてもこれは足りない額だと思いますので、今ある仕組みを生かしてすぐにできる対応策ですので、これは即効性が強い。即効性がある仕組みといえば今はこれしかありませんから、ぜひ増額を検討していただきたい。
あわせて伺いたいんですけれども、この新しい給付金制度ですね、先ほど質問した一世帯三十万円というもの、世帯に給付するということは、やはり限界がどうしても、おのずとあるというふうに思うんです。
厚労省の方から通知はしていただいていますけれども、やはり、世帯の中でもいろいろな問題があって、DVを受けている世帯の中で、お金を受け取るということがいかなる意味をその世帯の中でまた更にもたらすかということとか、リスクも非常にありますし、就労している人がその世帯の中で複数いて、その人たちみんなで一家を支えているというような場合の打撃には、これは到底応え切れない。
●盛山委員長
西村君に申し上げます。
申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。
●西村(智)委員
失礼しました。まず、そもそもが、今回の新たな給付金で対象になる世帯は一千万世帯ぐらいということですよね。非常に少ないと思います。私は、やはり、なぜ世帯単位なのかということについてもう一回聞きたい。そして、世帯ではなくて個人への給付にすべきだというふうに考えますけれども、合理的に、なぜ世帯なのか、なぜ個人への給付じゃないのか、それを答弁してください。
●盛山委員長
時間が経過しておりますので、簡潔に御答弁をお願いします。
●宮下内閣府副大臣
これまでの答弁にもありますように、今回は、生活に困っている世帯に対して生活維持のために必要な資金を交付する、こういう考え方で、生活の基本的な単位である世帯に着目して給付を行う仕組みということで、世帯単位という制度設計にいたしました。
この点、やはり、今厳しい状態にある世帯に迅速に支援を行う、そのためにはこの仕組みがいいのではないかということで制度設計をしたということかと思います。
●西村(智)委員
世帯じゃなくて、個人に注目をしてください。
終わります。