●西村(智)委員 立憲民主党・無所属フォーラムの西村智奈美です。
先ほどの尾辻議員とのやりとりの中で、大臣が、もともと尾辻議員の問題意識は、恐らく、特別監察委員会に統計の関係者、統計に関する会議、検討会の関係者である廣松さんがいらっしゃるということはどうなのかという趣旨で質問をされたんですけれども、その大臣の答弁の中で、廣松さんは、兼業規定に反するから、構成員ではなく、構成員以外の関係者としてお入りいただいているという答弁がありました。
これって正当ですか。認められるものですか。兼業規定に禁止されているから入れないというのが兼業禁止規定の趣旨なのではないですか。
●根本国務大臣 兼業規制があって、構成員になっていただくのは難しかったから構成員にはなっていない、そして協力者として参加いただくこととした、こういうことであります。
●西村(智)委員 私も議事録を見ましたけれども、廣松先生は毎回発言されているんですよね。まさに構成員と一体とみなされなければならない状況です。
その方が、兼業規定で入れないのに、なぜか構成員以外の協力者として入っているというのは、これはどこかでお墨つきをもらった話ですか、厚生労働省が単独で判断してそういうふうにやっているんですか。答えてください。
●根本国務大臣 私は、これは当時の部長が決めたと聞いております。そして、私は、兼業規制があるから構成員にはなっておりませんが、協力者として参加していただいていると承知しております。
●西村(智)委員 いや、ちょっと待ってください。兼業規定の趣旨って何ですか。同じ方が幾つもの委員をかけ持ちして、そこで考えを述べるということを避けるために兼業禁止規定等々があるんじゃないですか、あるいは利益相反を避けるために。それを、構成員以外の協力者ということで入れるというのは、これはおかしいと思いますよ。
ちょっとこれは突然の質問なのですぐには答えられないと思いますので、ぜひ理事会で諮っていただいて、きちんとした資料、これに関する厚生労働省の見解を求めたいと思います。
委員長、お願いします。
●冨岡委員長 理事会にてお諮りいたします。
●西村(智)委員 それで、私も、ベンチマーク更新のことについて、時間もないので、まずお伺いしたいと思っています。
平成27年の9月の16日に毎月勤労統計の改善に関する検討会の中間報告が取りまとめられて、そこで、ベンチマーク更新時の賃金・労働時間指数については、新旧ベンチマークの差に伴う労働者構成のギャップ補正を行う、ただし、過去の増減率については変更しないというふうに結論づけられております。
それで、その後、統計委員会にも無断でその方法を変えてしまった、こういった問題はあるわけですし、また、その後、後づけのように、厚生労働省と統計委員会が何だか統一見解ペーパーなるものを出したということはあるんですけれども、私がきょう質問したいのは、では、なぜこの検討会の結論が厚生労働省のその後の検討でひっくり返ってしまったのかということなんです。先ほど尾辻さんも質問しておられました。
これは、昨日、私は詳細に質問通告もしておりますが、きのうの時点で持ってきてくださいと言っていたペーパーも、全く出てきませんでした。
大臣、お答えいただきたいんですけれども、2月の28日に衆議院の予算委員会で長妻委員からの質疑もあって、どの部長のときに、どういう経過で、いつこの決定を覆したのかということを改めて出してくれという要請がありました。私もこの点について全く同じことを通告しておりますので、ぜひお答えいただきたいんですけれども、ベンチマーク更新をしたら遡及すべきという結論は、一体、いつ、どのような議論を経て変えられたのか、お答えください。
●根本国務大臣 お尋ねのウエート更新、重みづけですね、ウエート更新については、新旧データ接続検討ワーキンググループなど、統計委員会における一連の議論を積み重ねて、その中で、統計の利用者のニーズやわかりやすさ等の観点から、サンプル入れかえと同時に行われるウエート更新も、同様に、今回の遡及改定しないという対応に至ったものと承知をしております。
そして、ちょっといいですか、このウエート更新の取扱いに関する認識について、事務方に、じゃ、誰がというお話だったので、平成28年10月の変更申請当時の政策統括官から聞き取りを行わせました。
当時の政策統括官は、四点ほど申し上げたいと思います、ローテーションサンプリング方式への変更に係る総務省への申請に当たり、ウエート更新に係るギャップの補正について明示的に議論した記憶はないが、今回の毎月勤労統計調査の見直しについては、過去にさかのぼって数値の改定をすることがわかりにくい、これがそもそもの問題でしたから、問題となっていて、このことはウエート更新も含めたものであると考えていた、そして、なお、統計委員会において平成二十七年に行われた未諮問基幹統計の議論、これは毎月勤労統計が対象で議論をされましたが、その際にもウエート更新時も含めた数値の補正方法について議論されたと聞いており、今回の見直しに当たっても、経過措置期間中の取扱いについて同様の方法を提案したが、統計委員会における議論の結果、数値はそのまま接続し、遡及改定も行わないこととしたところであるという旨報告を受けております。
●西村(智)委員 統計委員会の話というのは後づけの話ですよね。何か過去の話と、要はこの問題が明らかになった後の後づけの話と一緒くたにして答弁をしないでください、大臣。混乱しますよ。(根本国務大臣「混乱していない、ちゃんとやっております」と呼ぶ)混乱していますよ。
28年に明確に議論した記憶がないということは今答弁をされました。では、28年時点での政策統括官は、そういった話はしていないから、方式を変えているということは決めていらっしゃらないのでしょう。
では、どの部長のときに変わったということは明確にわかっておられるんですか。これは通告していますよ。答えてください、大臣。
●根本国務大臣 当時の政策統括官は安藤よし子であります。
●西村(智)委員 それは、平成28年の、明確に議論した記憶がないがとおっしゃった人が安藤さんということですね。
私は、いつ、この方式、要するに検討会で出された結論がどなたが部長のときに変わったのかということを聞いているんですよ。
じゃ、一人一人聞いていきます。
姉崎さん、あなたが部長のときでしょうか。
●姉崎参考人 お答えいたします。
私、平成27年の10月で人事異動をしておりますので、私ではございません。
●西村(智)委員 じゃ、大西さん、あなたのときですか。
●大西参考人 私が着任したときには、既に新しい方式で統計調査が行われておりましたものでございます。
●西村(智)委員 じゃ、酒光さん、あなたが部長のときですか。
●酒光参考人 お答えいたします。
私が着任しましたのが平成29年の7月でありまして、着任時には、もう既にこれは決定済みの事項ということで受け取っておりました。
●西村(智)委員 きょう、私は、平成27年10月からの部長である小川さんと、それから、平成28年6月から政策統括官であった安藤さんも、参考人として答弁していただきたいということでお願いをしていましたけれども、きょうは来ていただいていません。これでは、きちんとした真実が明らかにならないと思いますよ。つまり、検討会の結論を部内の議論で変えてしまったんですから。
これは大臣も答弁していますよ。資料できょうおつけしていますので、見てください。大臣もおっしゃっているんですよね。長妻委員の質問に対して、内部で更に検討を加えたと事務方から私は聞いております、部内での検討で、いろいろな議論がありますということで、部内でそれは検討してきたということで変わったんだというふうに大臣はおっしゃっているわけですから、きちんとこれは調べてもらわないと困りますけれども。
大臣、もう一回お願いします。
●根本国務大臣 では、ちょっと私に答弁をさせていただきたいと思います。
先ほど、私は前段で答弁をいたしました。ウエート更新については、新旧データ接続検討ワーキンググループなど、統計委員会における一連の議論の積み重ねの中で、統計の利用者のニーズやわかりやすさ等の観点から、サンプル入れかえと同時におけるウエート更新も、同様に、今回の遡及改定しないという対応に至ったものと私は聞いて承知をしております。
ウエート更新の一連の議論、ここは答弁させていただきたいと思いますが、毎月勤労統計では、もともと、過去の数値を遡及補正するため、かねてより利用者のニーズやわかりやすさ等の観点から問題である、これがそもそもの発端であります。
そして、このような問題意識の中で、統計委員会での議論は、全体的には影響の多い標本入れかえの議論が中心でありましたが、その議論の結果、全数調査など真の値がある場合、それを利用して数値を滑らかに接続する等の考え方、つまり、全数調査のような真の値がある場合には滑らかに接続するとなっておりますが、今回の賃金については、全数調査などの真の値ではありませんので、今回のウエート更新は、サンプルの入れかえ、そしてウエートも同時に一体的にやった、こういう認識でやった。
それから、もともと統計委員会では、ウエート更新も課題の一つとされていました。そして、平成28年度中の諮問の時期までの検討課題とされてきました。
厚生労働省では、このような一連の議論の経緯を踏まえて、全体として見れば一体的に判断いただいたものと認識していた、こういうことであります。
●西村(智)委員 またごちゃごちゃにして答弁されたんですね。
つまり、話はシンプルなんですよ。厚生労働省が設置した検討会で出された結論が、何だか、めちゃめちゃかねてから問題視されていたとか、後づけで統計委員会からオーケーとも言われましたとか、そういう話と一緒くたにして答弁されているんだけれども、私が聞きたいのはシンプルです。厚生労働省が設置した検討会、ここが出した結論が、いつ、どういう議論を経て、なぜこの遡及改定をしない、遡及をしないということに変わってしまったのかということなんです。
大臣、もう一回答えてください。
●根本国務大臣 これは、検討会からその後統計委員会に移って、専門的、統計的な見地から議論されていったものであります。
ここは、繰り返しになりますが、私は、ぐちゃぐちゃにして答弁しているつもりはありません。きちんと答弁をしております。
もともと、過去の数値を遡及補正するための対応、これは、かねてから利用者のニーズ、わかりやすさ等の観点から問題になっていました。このような問題意識の中で、統計委員会での議論は、全体的には影響の多い標本入れかえ、要はローテーションサンプリング、これの議論が中心でありましたが、その議論の結果、要は新旧サンプルを接続するかどうか、こんな議論もさんざんやってきた上で、全数調査など真の値がある場合はそれを利用して、全数調査は全部わかっていますから、数値を滑らかに接続する。逆に言えば、そういう全数が明らかでないものは新旧をストレートに接続するということが示されて、そして、そういう考え方も踏まえながら、今回のウエート更新に至ったものであります。
これは、もともとウエート更新も課題の一つとされて、平成28年度中の諮問の時期まで検討課題とされてきましたから、厚生労働省は、私が答弁したように、一連の議論の経緯、経過を踏まえて、全体として見れば、ウエート更新と新旧サンプリング入れかえ、これを一体として判断していただいたものと認識していたということであります。
●西村(智)委員 もう一回聞きますけれども、いつこの結論は変わったんですか。ベンチマーク更新の遡及をしないというふうに決定したのはいつですか。通告しています。明確に答えてください。
●根本国務大臣 これは、担当の当時の部長から聞き取りを行わせました。そして、私は先ほど答弁をいたしました。ローテーションサンプリング方式への変更に係る総務省への申請に当たり、ウエート更新におけるギャップの補正について明示的に議論した記憶はないが、そもそも今回の毎月勤労調査、統計の見直しについては、過去にさかのぼって数値の改定をすることがわかりにくいということが問題となっており、このことはウエート更新も含めたものであると考えていたと。
それを前提にして、そういう考え方のもとに変更申請をしていたので……(西村(智)委員「そんなことは聞いていない」と呼ぶ)正確に私は答弁をさせていただいております。
そして、統計委員会においても経緯を説明しています。平成27年に行われた未諮問基幹統計の議論の際には、この補正方法についても議論されたと聞いております。
●西村(智)委員 委員長に申し上げます。
今、大臣は同じことを答弁されたんですよ。私は、いつと伺ったんですよ。今の話の中で、いつという言葉は一言でも出てきましたか。出てこないですよね。大臣はちゃんと答えてくれるんですか、いつって。
●冨岡委員長 根本大臣、いつごろかがわかればお答えください。
●根本国務大臣 だから、私は、それを踏まえて変更申請をしたということですから、こういう考え方を前提として、平成28年10月に厚生労働大臣から変更申請が行われた。だから、いつというのは、ここの変更申請が行われたときにこういう考えのもとにやった、こういうことであります。
●冨岡委員長 10月ごろということですかね。
●西村(智)委員 28年の10月に申請をしました。ですから、それまでに、いつやったんですか、いつ変更したんですかと聞いているんですけれども、全く答えないんですよ。議論の経過も答えられない。
こんなむちゃくちゃで、0.4%の差が出ているんですよ、これ。一番大きい差なんですよ、ほかの由来のものよりも。しかも、この結果、ことしに入ってもまた実質賃金は下がっていない、ずっとプラスだと言っている。昨年のものも、今の厚生労働省の公式データではプラスのままです。
ですけれども、大臣は私の質問に、認めましたよね、平成30年の1月から11月はマイナスでしたと。はっきりと数字を示してください、昨年の実質賃金の数字を。
私、もっと質問したいことはあるんですけれども、まだ大丈夫かな。ちょっとやってみたいと思います。
ちょっと委員長、まず、先ほどの私の質問のことについて理事会で諮ってください。いつ決定したのか、どういう議論を経て決定したのか、理事会に資料を出させるようにお願いします。
●冨岡委員長 今の案件について、大臣、お答えがありますか。(発言する者あり)
一応、お答えがないようですので、理事会で諮りたいと思います。
●西村(智)委員 委員長からも私の質問時間を少なくされて、大変心外です。
適切な復元処理ということについて、きょうは委員長代理からお越しいただいていますので、一つだけ質問をさせていただきます。
私、中規模の事業所についての復元の処理というのは、それはそれで、あると思うんですけれども、大規模事業所についての復元処理というのは、統計委員会の委員の方が意見を表明されておられますけれども、やはりもともとのところに返らないと適切な復元処理というのはできないんじゃないかというふうに思うんです。
ただ、追加報告書の中では、この大規模事業所に関する処理も、適切な復元処理と、繰り返し繰り返し、繰り返し繰り返し、何十回も出てくるんですね。
これは、実は厚生労働省が、この案件が発覚したときに一番最初に、本来やるべき復元を行っていなかったことが問題であるというふうに言った、大臣も昨日の答弁で、本来やるべき復元をやっていなかったことが問題の本質だというふうにおっしゃったんですけれども、でも、私は違うと思う。もともとのところにやはり戻っていかないといけないというふうに思うんです。
そこで、きょうは荒井委員長代理にお越しいただいていますので、大規模事業所に関する処理というのは本当に適切な復元処理と言えるのかどうか、統計委員会の委員の方々からの指摘もあります、それを踏まえて御答弁をお願いします。
●荒井参考人 結論から申し上げますと、大規模事業所とそれから中規模事業所の二つについて、その適切な復元処理というのが違うかどうかということにつきましては、変わるところはないと考えております。
統計委員会からの御指摘につきましては、特別監察委員会に直接宛てたものではないということで、この点につきましては厚生労働省の方で適切に対応されるものと考えております。
御指摘の適切な復元処理という表現でございますけれども、大規模事業所、中規模事業所、いずれにつきましても、抽出調査を実施する場合や抽出率を変更する場合には統計上の処理として必要な復元処理を行うことは当然でありまして、本来実施すべき復元処理を講じることを適切な復元処理と表現したものでございます。
もっとも、平成30年1月調査分からの復元処理につきましては、適切な調査変更の手続を行っていない、その上で抽出調査の実施や抽出率の変更を行ったからこそ実施されたものでありまして、また、当時は公表もされておりません。この点とあわせて考えますと、不適切な行為であったと言わざるを得ないところでございます。
●冨岡委員長 西村君、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
●西村(智)委員 これは、こっそり三倍補正なんです。私は、適切な復元処理ということではないということを申し上げて、まだまだこれは終わりません、きょうは参考人の方からも十分来ていただけませんでした、そのことを申し上げて、終わります。