●西村(智)委員 立憲民主党・無所属フォーラムの西村智奈美です。
昨日、この場において、参考人の招致について与野党で合意したかのような発言を委員長は確かにされました。私は、それを聞いていて、おかしいなと思ったんです。そんな合意はなかったはずだと。
きのうもいろいろありました。私たちが要求している政府参考人、これについてはほとんどの方が呼ばれていない。また、呼ばれているとしても、肝心の答弁から逃げているという状況です。これでは、この毎月勤労統計の不正に関して真相を解明することはできません。
ぜひ、委員長からも、議員が要求している参考人について積極的な出席を図っていただきたい、そのことをまず約束をしていただきたいと思います。
●野田委員長 発言については撤回いたしました。
参考人につきましては、後刻、理事会にて協議いたします。
●西村(智)委員 きょうは、私、実はまた参考人の方、何人か要求をしていたんですよ。
ところが、大西前政策統括官、それから統計委員会の委員長代理、これらの方については、まだお越しいただいていないんです。こういう状況では真相を明らかにすることができない。大変残念ですけれども、委員長もみずから真相解明しようという意図がないのではないかというふうに見ざるを得ません。
ぜひ、この点については、強く委員長として采配を振るっていただきますように、強く要請をいたします。
それでは、質問に入りたいのですが、まず、麻生大臣、昨日、大串委員が、子供を産まない方が問題だという麻生大臣の発言について、撤回と謝罪を求められました。
その点について、麻生大臣は、何か小さい声でいろいろ言われたんですね。そういうふうに捉えたというのであれば、その発言は今後気をつけたいと思いますし、そういった発言だけを捉えたというんだったら撤回をさせていただきますということでした。
必ずこの手の話をされるときは、麻生大臣、条件付なんですね。つまり、聞いた方がそういうふうに捉えたんだったら撤回をするというふうにおっしゃったわけなんですけれども、これは、前後の文脈がどうあれ、やはり、子供を産まなかった方が問題だという発言そのものは大変大きな問題だと思うんですよ。
昨日はこの点について謝罪がありませんでした。ぜひもう一度、撤回と謝罪をしていただきたいと思います。
●麻生国務大臣 これは昨日の御質問だったと記憶しますけれども、福岡での私の発言で、これは、いわゆる少子高齢化という話が一くくりにされているのが今の傾向ですけれども、少子と高齢化というのは基本的に別の話なんで、高齢化とか長寿化というのは、いかにも悪いかのような感じ、響きがありますけれども、そんなことはないんじゃないか、それよりむしろ産まなかった方が問題なんだと言ったら、女性に限らず、例えば私なんかは六人兄弟ですけれども、私は子供二人しか産んでいませんから、そういった意味では、私含めて産まなかった方が問題なんじゃないかというつもりで申し上げたんですけれども、女性だけに限っておるというようにとられた方もおられるんだという御指摘なんだと思いますけれども、そういう意見のようにとられたんであれば、私の方としては、誤解を招くような発言だったとして撤回をさせていただきます。また、そういった意味で、不快に思われたという方がいらっしゃるというんであれば、その点に関しておわびを申し上げます。
●西村(智)委員 全く問題の本質をわかっていないというふうに今思いましたね。
産む、産まない、これは一人一人の、カップルの選択なんですよ。それを、カップルの選択を後押しするための政策をやるのがまさに政府に求められていることであって、私たち、別に長寿社会が悪いって一言も言っていませんよ。一言も言っていないのに、そう麻生大臣が勝手に、何か長寿社会が悪いと世間では言われている、なんだけれども、少子化の方が実は問題で、子供を産まなかった方が悪いというふうに言っているということは、じゃ、麻生大臣はこれまで本当に少子化対策をやってこられたのかというふうに私は思うんですよ。
これは社会全体の問題だと思っております。子供を産む、産まない、これはやはり個人の、カップルの問題、選択ということであるし、そして、いろんな状況があるわけです。そうでなかった人たちが、これは大変やはり心を痛めているというふうに思います。
麻生大臣、今おわびはされましたけれども、もう今後こういった発言は絶対にしないでいただきたい、それから、もし万が一されたときには、条件付で、そういうふうに受け取った方があたかも悪いような発言は絶対にしないでいただきたい、こういうふうに強く要求をいたしたいと思います。
それで、本題に入りますけれども、組織的な隠蔽があったのではないかと言われる今回の毎月勤労統計の問題です。
私は、今回の問題は二つだと思っています。一つは、消えた給付金になるのではないかという問題。それから、今回の毎月勤労統計の不正は、何だか今、厚生労働省内の、内部の官僚の不正だというふうに問題が矮小化されるかのような意図が政府の方から出ていますけれども、実はこれは、アベノミクスがうまくいっていたという心証を与えるために賃金を偽装していたんではないかという疑い、これがあるということだと思っています。
加えて、根本厚生労働大臣の資質の問題です。
この間、いろんなことが徐々に徐々に明らかになってきましたけれども、少なくとも、12月20日には根本厚生労働大臣のところに報告が上がっていた。しかし、根本大臣は、そのことを聞いていた、その話を、不正があったという話を聞いていたにもかかわらず、翌日の毎月勤労統計の情報公表を了としていたわけですし、何よりも、予算の閣議決定にサインをしておられるわけですね。
私は、大臣に、役所の中から報告が上がったときの文書、レクの文書、それから決裁文書、これを出してほしいと、1月の11日から要求をしております。もう既に三週間たっているんです。しかし、出るとも出ないとも何にも返事がない。一体これはどういうことですか。
根本厚生労働大臣、12月20日の、大臣にレクに行ったときの文書、出していただけますか。
●根本国務大臣 私は、12月20日に事実関係の一報を事務方より受けました。具体的には、500人以上規模の事業所において全数調査とすべきところ、東京都において抽出調査を行っていたこと、抽出調査の結果に必要な統計的処理を加えず、適切な復元処理を行わずに集計していたことについて報告を受け、私からは、経緯等について速やかに徹底的な調査を行うよう指示いたしました。
これは口頭で私は報告を受けました。(発言する者あり)口頭で報告を受けました。
●西村(智)委員 口頭で報告は受けた。そのときに、ペーパーは、役所の方は持っていませんでしたか。
●根本国務大臣 私が報告を受けた、一報を報告を受けた、これは私、今申し上げました。これはこういうことだということで、口頭で報告を受けました。
●西村(智)委員 答えてください。
そのとき、役所側は手元にペーパーは少なくともあったんじゃないですか。それから、秘書官、大臣の秘書官がメモをとっていたはずですね。それはありませんか。
●根本国務大臣 これは、内容は今私が申し上げたとおりですよ。この内容で尽きていますから。ですから、私はこれは口頭で報告を受けたし、何かこういうものを文書にして私に示して、こうですよということを読み上げたわけでもないので、これは口頭で報告を受けております。(発言する者あり)メモはありません。だから、そういう意味での、そういう意味での資料はありませんよ。
●西村(智)委員 官房長、いかがですか。
●定塚政府参考人 お答え申し上げます。
12月20日の件につきましては、大臣に報告した者からも、また秘書官からもお話を伺いましたが、大臣には、余り時間がない中で口頭で報告をしたと聞いているところでございます。
●西村(智)委員 大臣のところに説明に行くときに、じゃ、手ぶらで行くんですか。そんな役人なんているんでしょうか。あり得ないですよね。
大臣のところに報告に行くということは、少なくとも省内で情報を共有しているということですよね。共有している文書については作成をしなければいけないというのが公文書管理法の趣旨です。それはきちんと公開をしてもらいたい。作成しているんじゃないですか。官房長、どうですか。
●定塚政府参考人 先ほど申し上げたとおり、当日報告をした者からは、資料を大臣にお見せをして説明をしたということではなく、口頭で報告をしたというふうに聞いております。
●西村(智)委員 私は見せたか見せないかということも聞いていますけれども、役人の方が手元に資料は少なくとも持っていたでしょうというふうに聞いていますが、それについてはどうなんですか。それを出してほしいんです。
●定塚政府参考人 お答え申し上げます。
当日大臣室に行きましたときに、行って報告をした者が手元に資料を持っていたかどうか、申しわけありませんが、今私は把握しておりません。
●西村(智)委員 このように、大臣にどのような説明をしたかということは明らかにされないんです。されないということは、やはり組織的隠蔽をしているんじゃないかという疑いが極めて濃厚になってきているということです。
この点について、やはり私、鍵を握るのは、大西前政策統括官だというふうに思います。この参考人招致についてずっと求めておりますけれども、きょうも、きのうから要求しているんですけれども、きょうも来ていただけない。
これはやはり、大臣、大西政策統括官から、来ていただいて、本当にその経緯はどうだったのか、プロセス、大臣に報告するために作成された文書がいかなる内容のものであったのか、それについて明らかにしてもらう必要があるというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
●根本国務大臣 もう一度申し上げたいと思います。
私は口頭で報告を受けました。大臣に対する報告というのは、おわかりかと思いますが、資料で説明して報告を受けるケースと、そして、これは先ほど申し上げたような事案ですから、こういう事案がありましたという口頭で報告を受ける、さまざまな私はやり方があると思いますが、少なくともこの点については私は口頭で報告を受けました。
そして……(発言する者あり)紙を持ってきて、その紙で説明を受けたわけではありません。
そして、大西統括官の件ですが、我々、統計への信頼回復に向けて全力を挙げて取組を進めておりました。その中で、基幹統計に関する一斉点検に際して報告漏れがあった政策統括官ですから、何でそこで報告漏れがあったのか、これは私は、引き続き統括官の職務を担わせることは適当ではないと考えて、今回の人事を行いました。
厚生労働省の所管する統計に関することについては、国会での答弁も含めて、新たに任命された統括官が対応することが適当と考えております。その上で、前統括官に国会において政府参考人として答弁を求めるかどうかは、これは国会で決めていただくことだと考えます。
●西村(智)委員 出したくないんですね、大西政策統括官を。
なぜ、この大西さんだけ一人が更迭されたのか、これは私、すごく疑問なんですよ。
毎月勤労統計の問題については、外部有識者も含めた特別監察委員会で報告書が出た。出ると同時に22人が処分をされました。
この特別監察委員会の報告は極めて不十分なものであるし、その点についてはまた後で聞きたいと思いますけれども、それについては、曲がりなりにも検討の場があって、それで処分がなされたわけです。
ところが、賃金構造統計調査に関しては、内部の調査だけで、本当に数日間の検討で、しかも大西さん一人が更迭をされているんです。
何でですか、この違いは。どうしてこういう違いが出るんですか。教えてください。
●根本国務大臣 私は、それぞれの事案によるものだと思います。
そして、今回の統計については、これは毎勤統計で、我々は毎日精力的に取組をしている、その中で政策統括官が、今回の、いわゆる賃構といいますが、これについて、総理府から一斉点検を受けて、そして特段問題はないと報告をした、その次の日に気がついて、そして、要は改めて報告をし直した。
やはり政策統括官というのは、その局、その職務の、この分野のトップですから、しかも、これについては、12月には彼はそれを知っていましたから、調査員を郵送にしていたということは知っていたので、それで、報告をした後気がついたということで、再度報告したんだけれども、私はこれはやはり大変遺憾でありますから……(発言する者あり)
●野田委員長 御静粛に。
●根本国務大臣 そこは引き続き統括官の職務を担わせることは適当ではないということで、次の人間に担ってもらうように異動してもらった、こういうことであります。
●西村(智)委員 意味不明な説明でした。
今、お話を聞いていれば、隠していたのは室長の方ですよね。政策統括官を更迭させるというのは、私は根拠不十分だというふうに思いますよ。しかも、内部の調査で。外部の目が全く入らない調査で、大西さん一人を更迭するということを決めちゃったわけです。
いつ決めたんですか、これ。問題が発覚してから、いつ、どういう経緯で、いつの時期にこれを発令してやめさせたんですか、更迭したんですか。
●根本国務大臣 これは我々の判断として、彼はその分野の上司ですからね。そして、本来、トップだったらそういうことは気づいていなければいけない。
我々はこの問題でずっとやってきているわけですから、その中で、この新たな問題について……(発言する者あり)人ごとではない。新たな問題についてまた漏れがあった、チェックできなかった。そして、しかし、すぐに次の日、報告を受けましたよ。これは統括官として私は任に値しないという判断をして、発令は、2月1日に発令をいたしました。
●西村(智)委員 1月28日というと、もう本当にこれは三日とかのうちですかね、その日のうちなのかな、すごく短時間のうちに発令されているんですよね。
これは、やはり客観的に見れば、組織的に隠蔽をしようとした。この毎勤の問題について解明をするキーマンである大西さんの口を封じよう、国会に呼ばれないようにしようと意図したというふうにこれは見られても仕方ないんですよ。
大臣、問題解明をしようとしたら、当時担当者を、当事者、関係者をやはりこの場に呼んでいただいて、これは与野党ともに追及していかなければいけないことです。だから、しっかりと解明するというのが、これはどうしても必要なんじゃないですか。どうしてそれから逃げるんですか。何でそれを隠した、何で大西さんを隠したんですか。
委員長、もう一回、大臣に答弁を求めてください。
●根本国務大臣 隠すつもりは毛頭ありません。
要は、基幹統計における一斉点検に関して……(発言する者あり)
●野田委員長 御静粛に。
●根本国務大臣 申告、報告漏れがあった。これは私は大変遺憾ですから。しかも、信頼回復のために毎勤統計でこれだけ最大限の努力をした中で、また気がついていませんでした。これは私は、その任にあらずということで、適当ではないと考えて、次の統括官にその任を担っていただくことにいたしました。
そして、隠すなどというつもりは毛頭ありません。これは人事の処遇としてやった話であります。(発言する者あり)
●野田委員長 御静粛に。
●西村(智)委員 だったら、隠すつもりがないというのであれば、大臣の命令によって大西さんを政府参考人として出席できるようにすべきではありませんか。隠すつもりはないんでしょう。ぜひそういう指令を出していただきたいと思いますが、いかがですか。
●根本国務大臣 厚生労働省の統計に関することについては、国会での答弁も含めて、新たに任命された統括官が対応することが適当だと考えておりますが、その上で……(発言する者あり)
●野田委員長 御静粛にお願いします。
●根本国務大臣 その上で、前統括官に国会において政府参考人として答弁を求めるかどうかは、国会でお決めいただければと思います。
●西村(智)委員 これは堂々めぐりなんですよ、堂々めぐりですよ。
政府参考人として呼ぶかどうかは国会が決めることだ。委員長は、もう既に局長級ではないから呼ばないということをおっしゃる。これは、じゃ、どうしたらいいんですか。どうやったら呼べるんですか。
やる気がないんですよね。隠すつもりがあるから、やはりそうやってボールをお互いに投げ合って、結局呼ばないでこの予算委員会をやり過ごそうとしている。そんなこと、国民が許しませんよ。
改めて聞きます。12月20日に大臣のところにこの一報を入れたという、報告に入ったのはどなたですか。大臣、答えてください。
●根本国務大臣 私が報告を受けたのは、厚生労働審議官と政策統括官です。
●西村(智)委員 ほかにどなたかいらっしゃいませんでしたか。審議官と政策統括官、ほかに誰かいらっしゃいませんでしたか。どこで説明を受けて、その部屋の中にはほかにどなたがいらっしゃいましたか。
●根本国務大臣 私が報告を受けたのは、大臣室であります。そして、報告をした人間は、厚生労働審議官と政策統括官であります。
●西村(智)委員 審議官と政策統括官、どなたですか。現在の政策統括官ですか。具体的に名前を答えてください。
●根本国務大臣 大西前政策統括官であります。
●西村(智)委員 だとすれば、やはりキーマンは大西前政策統括官ということになります。
ですから、やはり必ずこの予算委員会の場に、予算審議に間に合うように出てきていただかなくてはなりません。もう二日も逃げられていて、このままでは、この審議、なかなか深まっていかないですよ。ぜひここは、しっかりと呼んでいただけますように、委員長にも重ねてお願いをしたいと思っております。
さて、それで、今回の問題は、第三者性を持った特別監察委員会が調査をするということで、わずか一週間足らずの議論で調査報告書がまとまったということにも問題があります。
1月の17日に、発足をして一回目の会議が開かれて、二回目の会議は1月の22日に開かれて、午前中に招集されたその会議の、その日の朝に報告書の原案が役所の方から見せられて、それをもとに議論した。
つまり、この特別監察委員会というのは、調査項目も厚労省の事務方が決める、そして、質問のヒアリング、これも、そのおよそ三分の二ぐらいを厚労省の内部の人たちがやっているということで、非常にお手盛り感の強い調査だったわけですね。
これは、私、この前の閉会中審査で大臣に聞きましたら、しっかりと議論はしてほしい、だけれども、できるだけ早く議論をしてほしいということで要請があったというふうに伺っているんですけれども、きょうは、この特別監察委員会の委員長を務められた樋口先生も来てくださっていると思います。
委員長、この大臣からの要請、そして、わずか一週間足らずの議論で報告をまとめなければいけなかったというこのスケジュール、すごく短期間で、むちゃな注文だなというふうにお思いになりませんでしたでしょうか。
●野田委員長 ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕
●野田委員長 速記を起こしてください。
●西村(智)委員 これはちょっと世間の常識からすると信じられない話なんですけれども、JILPTの理事長として呼んだら来てくださるんだけれども、特別監察委員会の委員長として呼んだら来ないということなんですよね。これってどういうことですか。(発言する者あり)
●野田委員長 お静かにしてください。
●西村(智)委員 同じ人物であるのに、肩書が違うだけで、来れない、あるいは来る。これって、もう質疑できないですよ、私。
この内容についてもう一回、あるいはプロセスについてもう一回、委員長に聞こうというふうに思っていたのに、これって一体どういうことなんですか。(発言する者あり)ちょっと、後ろの人、やじがうるさいので、委員長、注意してください。
私、こういう一つ一つが、政府・与党がこの問題から逃げようとしている、隠そうとしている、こういうことにやはり見えてくるんですよ。きちんと出るべき人が出て、そして出すべき人もきちんと出して、真摯に説明をする。
何せ、この問題は、統計に関する国際的な信用を落として、そして大変多くの国民が、給付、保険、この過少な給付を受けていたという、国民に迷惑がかかっている話なんですよ。だから、この場で明らかにするということは当然だというふうに思うんです。それができない。何か理由があるというふうに私たちはやはり見ざるを得ません。
これまで安倍内閣は、森友、加計の問題でも財務省の佐川さんを隠し続けました。そして、公文書の改ざんまで行ってきた。そういう内閣ですから、私はこういうことも平気でやるんだなというふうに思います。ぜひこの点は明らかにしていってもらうべきだというふうに思っております。
それで、では、きょう委員長がいらっしゃらないので大臣にお伺いしますけれども、昨日、大臣は、この特別監察委員会について、何かちょっとおかしなことをおっしゃいましたよね。第三者性を強調し過ぎたというふうに答弁されているんですけれども、これはどういう意味ですか。
●根本国務大臣 特別監察委員会は、統計の専門家、弁護士などの外部有識者による中立的な、客観的な立場から集中的に検証を行って、事実関係と、関係職員の動機、目的、認識など、さらに、責任の所在を明らかにする報告書をまとめていただいたんですが、要は、特別監察委員会というのは、それまで監察チームということで、外部有識者とそして厚労省のメンバーと、これはもともとそういうチームがありましたから、こういう案件があった場合にはそういうチームが発動してやる、それはずっとやってきましたけれども、やはり私は、より中立性、客観性を高める必要があるということで、統計の専門家も入れて、そして弁護士などで構成する有識者の方も入れて、そこで判断してもらう、そこで検証してもらうということで、17日に立ち上げました。
そして、これは、まさに中立性、客観性を高めるために特別監察委員会を設けた。そしてそれが、私は、第三者的立場からやっていただいていますから、その意味で第三者委員会という言葉も私は、そういう言葉を使ったこともある。そしてそこが、これが果たして第三者委員会として言えるのかと。小泉進次郎議員から、第三者性を強調し過ぎたのではないか、こういう話があったので、私は、中立性、客観性を高めるために、私の指示で外部有識者のみの会議体としたにもかかわらず、その趣旨が事務方に徹底されずに、厚生労働審議官や大臣官房長といった内部の者がヒアリングで質問するなど疑念を抱かせたこと、これを反省していますから、私は、第三者、疑念を抱かせたこと、結果的に、これは私も第三者性を強調し過ぎたということで、その点について私は反省をしていると述べました。
そして、現在は、特別監察委員会の委員のみが質問する形式でのさらなるヒアリングを行っていただいております。
●西村(智)委員 いや、全く意味のわからない答弁でした。私は、第三者性を強調し過ぎたというのはどういう趣旨ですかと聞いたんです。それについて、大臣、今の答弁は何ですか。何か意味がわからなかったですね。
もう一回質問します。第三者性を強調し過ぎた、今言われたんですけれども、これは、どういう考えで、きのうそういうふうに答弁をしたんですか。
●根本国務大臣 ちょっと私、事実関係で訂正させていただきます。
特別監察委員会を17日に設置したと言いましたが、設置したのは16日であります。
それで、この特別監察委員会の性格、これは、私は、より中立性、客観性を高めるために、統計の専門家も入れて、そして外部有識者、弁護士なども入れて、そこで会議体としてしっかりやっていただこう、要は、厚生労働省は入らないで、外部の有識者たちでやっていただこう、これが私の趣旨。そして、その趣旨が事務方に徹底されずに、立ち会ったということで、それは……(発言する者あり)
●野田委員長 お静かにしてください。
●根本国務大臣 疑念を抱かれましたから、結果的に疑念を抱かれた、その意味で、第三者委員会という発言もしましたが、第三者性を強調し過ぎた……(発言する者あり)
●野田委員長 御静粛に。
●根本国務大臣 これを私は反省しております。そして、今、外部有識者の方に、改めて委員のみが質問する形でさらなるヒアリングを行っていただいております。
●西村(智)委員 いや、第三者性を強調したら、特別監察委員会はもっと独立して、第三者的にやっていてしかるべきだったんですよ。それができなかったということは、大臣の指導力不足ではありませんか。
総理、このように、第三者性と根本大臣が強調したにもかかわらず、役所の方は、その第三者性という言葉を、何か今の大臣の答弁だと、よく理解しなかったということで、非常にその第三者性が低下した。もうこれはひどいものです。あらゆるいろいろな外部有識者会議があるけれども、この特別監察委員会の第三者ランキングは恐らく最下位ぐらいでしょう。
そういった委員会にお任せをしっ放しにしていた根本厚生労働大臣。しかも、先ほど、十二月二十日のレクについても、大西さんにここはよくよく聞いてみないとわからないところではありますけれども、一報を受けても、そのときに、毎月勤労統計の翌日のデータのことについても思いが及ばない、そしてまた、予算の閣議決定を、予算を編成し直さなければならないかもしれないというところに思いが至らない。こういう大臣は、その任にあらずというふうに思いますが、いかがですか。
●安倍内閣総理大臣 まず、毎月勤労統計について不適切な調査が行われ、セーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわびを申し上げます。
高い専門性と信頼性を有すべき統計分野において長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については、重く受けとめております。
その上で、厚生労働省の特別監察委員会において、更に、事務局機能も含め、より独立性を強めた形で厳正に検証作業を進めていただくこととしているところでございまして、そのために、具体的な運営方法についても特別監察委員会においてお決めいただくことが適当と考えております。事実の検証や実態の解明に関する部分については、職員の関与を極力排除した形で行われることが望ましいと考えております。
信頼回復に向けまして徹底した検証を行い、そして同時に、再発防止に万全を期していく、そのことにおいて、根本大臣にはしっかりと職責を果たしていただきたい、このように考えております。
●西村(智)委員 私、そんなこと聞いていないんです。
根本大臣が第三者性を強調したはずの役所の中で全く第三者性が担保されていない委員会が進んできて、そして不十分な調査報告をまとめて、そして、12月22日にレクを受けていたにもかかわらず、その後の対応を全くとっていない。ということは、根本大臣はその任に適しているというふうに大臣は本当にお考えなのか。これは総理の任命責任もありますよ。
総理、もう一回、明確に答えてください。私が今聞いたのは、今総理から答弁してもらったようなことじゃないんです。もう一回、お願いします。
●安倍内閣総理大臣 大臣の任命については、これは私の責任であります。そのことは明確にしておきたい、こう思うところでございますが、この問題につきましては、先ほど説明をさせていただいたように、まさに厚生労働省において特別監察委員会を、その上で、厚生労働省の特別監察委員会において、事務局能力を含め、より独立性を強めた形で厳正に検証作業を進めていただくこととしているところでございます。
そのための具体的な運営方法についても特別監察委員会においてお決めいただくことが適当と考えておりますが、事実の検証や実態の解明に関する部分については、職員の関与を極力排除した形で行われることが望ましいと考えているところでございまして、こうした考え方のもと、しっかりと今後、根本大臣には指導力を発揮してもらいたい、こう考えているところでございます。
●西村(智)委員 さっきと同じ紙ですね、それ、読んだの。
去年は御飯論法という言葉が流行語大賞にもノミネートされていましたけれども、やはりことしも、すりかえ、ごまかし、はぐらかし、この答弁を総理はされるおつもりなんですね。
私、こんなことでは、この問題の解明はできないというふうに思いますよ。まず、総理みずからが、この毎月勤労統計の不正について先頭に立って明らかにする、そういう姿勢を示してもらわなければなりません。厚生労働省に全て丸投げ、そして根本大臣にやってもらえばそれで十分だということで、本当にこの問題を明らかにできると思いますか。こういった姿勢が続いているから、いつまでたっても政府は自分にとって不都合な情報を隠し続ける、そういう体質になっているんじゃありませんか。
私は、次にも質問したいと思っていますけれども、いまだに政府が、この毎月勤労統計で、いわゆる共通事業所の実質賃金の推移について明らかにしないということも、これも隠蔽だというふうに思っています。
アベノミクスは、実質賃金が下がり続けているということが言ってみればネックでした、アキレス腱でした。消費者物価指数は上がっている、名目賃金も上がっている、名目賃金指数も上がっている。しかし、きょう資料でお配りしておりますけれども、安倍政権がスタートした2012年度で指数を100として縛ると、その後、上がり続けているのは消費者物価指数と名目賃金指数のみです。この消費者物価指数の上がり方はすごい。当然、消費税が上がったからそうなんですけれども。
一方で、実質賃金指数、どうなっていますか。安倍政権がスタートしてからの2012、13、14、15、16、17、ずっと一貫して実質賃金指数、下がっていますよね。これを何とかしたいというふうに私は総理官邸が考えても不思議ではなかったというふうに思うんですよ。なぜならば、GDPも数字を上げたい。GDPの計算についてはこれは影響がないというふうに政府は確認したと言っていますけれども、これとてブラックボックスですから、何が何だかわかったものじゃありません。
そして、この実質賃金指数が上がっていない時期であっても、消費税を上げる、この判断を今総理はしようとしています。とんでもないことです。
では、まず伺いたいと思いますけれども、共通事業所の実質賃金、根本大臣、なぜ出せないんですか。なぜ出せないんですか。もう一回聞きます。
●根本国務大臣 統計というのは、我々はやはり、こういう必要性があるから統計をつくる、やはりきちんとした統計の目的、狙い、趣旨、これをクリアにした上で私は出すべきだと思います。
その意味で、本来、毎月勤労統計の本来の本系列、これは月々の賃金水準を見るものですから、これは時系列の比較が可能となるように、過去からの賃金水準の変化を示す名目賃金指数を策定しておって、そして、その指数については消費者物価指数と対比した実質賃金指数もあわせて作成し、公表しています。これは本系列ですからね、これは本系列。だから実質化もしている。もう一方で、共通事業所系列というのはサンプリングを入れかえる方式をとることにしました、より精度を高めるために。
そうすると、もう一方で、参考指標としては去年とことしの共通に報告している共通事業所系列を出して、去年とことしの、要は、これは名目で出していますけれども、やはり実感をそれぞれの企業の中で、あるいは、個々の労働者に対応するものではありませんけれども、一事業所の平均ですから、だから、これはやはり景気の実感を感じるのは名目だろうということで、共通事業所系列という同じもので出す。
ただ、共通事業所系列についてはあくまでも当年と前年の比較を目的としておりますから、賃金水準の比較にはなじまない。そのために、共通事業所を、賃金水準の比較は全体の賃金水準は本系列で出していますから、あとはその中で共通事業所というのを選んで、そこでの数値もあくまでも参考値として出す。これは景気指標として迅速性、そして景気指標としての捉え方という意味では共通事業所系列で見る、そして、実際の賃金水準をあらわすものとしては本系列で見る、これはこういう整理をしております。
その意味で……(発言する者あり)いやいや、同じことを言っています。
●野田委員長 御静粛にお願いします。答弁中なので、静かにしてください。
●根本国務大臣 同じことを申し上げています。きちんと政府として、それはお示しをしております。
その意味で、共通事業所系列というのは、共通事業所というのはサンプルも少ないし、そしてあるいは、全数の五百人以上の事業所を今回当然ですが入れた、そうすると、回答によってまたそこが振れる可能性があるので、さまざまな課題があるので、これを実質値で出すということについては統計の専門家にもいろんな課題や問題点も指摘されておりますので、実質系列ということで統計として出すということについては、これは私は専門家を含めた検討が必要だと思っております。
●西村(智)委員 大変長い答弁いただきましたけれども、結論は、出さないということですか。いつまでも出さないということですか。
これは、厚生労働省のヒアリングの中でも、それは出すべく検討中だと。総理も答えていますよね、本会議の答弁で。出すことを検討中ですというふうに答弁されていますけれども、これはどういう検討を今されているのか、それを伺いたい。
それから、大臣、さっき、実質的な、何というか、生活実感は名目賃金で見るのが正しいんだというふうに答弁されましたけれども、それは本当ですか。ちゃんと答弁してくださいよ。
●茂木国務大臣 名目賃金と実質賃金について説明をさせていただきます。(発言する者あり)
●野田委員長 御静粛に。事実確認です。
●茂木国務大臣 まず、生活実感との関係で説明を……(西村(智)委員「違う、違う、委員長、委員長」と呼ぶ)
●野田委員長 ちょっと今、確認をしていますから。確認をしていますから。茂木大臣から、まず。簡単に。(西村(智)委員「私は根本大臣に聞いています。根本大臣の答弁だから、根本大臣に聞いています。茂木さんは下がってください。茂木さんには聞いていない」と呼ぶ)
指名しましたから。茂木大臣。
●茂木国務大臣 西村さん、御指名いただきましたので、委員長から指名いただきました。(西村(智)委員「茂木さんには聞いていない。根本大臣の答弁だから、根本大臣に聞いています」と呼ぶ)
●野田委員長 いや、名目と実質とお話が。説明をされてから、聞いてみてください。(西村(智)委員「違う、違う。時間がないんです。時間がないから答えてください」と呼ぶ)
では、茂木大臣、一回お引き取りください。
根本厚労大臣。
●根本国務大臣 まず、私が、名目が実感であるとお答えしたのは、共通事業所系列をなぜ参考値として示したかという意味で、私は……(発言する者あり)申し上げました。いや、ちゃんと聞いてください。私は真面目に聞いているんだ。
●野田委員長 ちょっと御静粛にお願いします。ちょっと静かにしてください。
●根本国務大臣 例えば、いいですか。じゃ、私は、客観的な……(発言する者あり)いいですか、共通事業所系列をなぜ名目で参考値として出したか。
経済財政諮問会議の西村統計委員会委員長が発言をしております。統計委員長が発言をしております。景気指標として多数の人が実感するのは、自分の事業所の平均賃金が上がったのか、自分の企業の投資が増加したのかである、つまり、同じ事業所の平均賃金の変化、同じ企業の投資の変化になる、これに対応しているのは、サンプルを継続して調べている継続サンプルによる指標、これが共通事業所の指標ということでありますが、統計として統一的に参考の指標として提示するということをしていきたい、こういうことである。
これは毎勤統計の共通事業所を……(発言する者あり)
●野田委員長 ちょっと御静粛に。聞こえないので、答弁が。
●根本国務大臣 なぜ参考値として設けているかということの答えであります。
●西村(智)委員 だとしたら、やはり共通事業所の実質賃金を出してもらうべきじゃないですか。何で出せないんですか。どこでどういう検討をしているんですか。もう一回、答弁してください。
●根本国務大臣 統計として、今、参考値で共通事業所系列を出しているという理由は申し上げました。
そして、実質化というのは、やはり経年的な推移を見るためにやるのが、例えば実質化の一つの理由ですが、これを参考値として共通事業所系列をつくった。これを実質値として、実質の系列として出すかどうかということについては、私はやはり統計的な、専門的な検証が必要だ。そして、例えば、共通事業所系列については幾つか課題があるんだけれども、新規事業所が反映されずに、また標本数が小さくなるため、本系列より誤差が大きくなる。あるいは、専門家からは、共通事業所系列は作成されてまだ11カ月ですから、観測を開始したばかりで蓄積もない資料であること、あるいは、東京都の500人以上規模を全数調査にした場合、一部の大企業が非回答、つまり賃金が高い企業が例えば回答しないということで変動する可能性がある。
そういう課題がいろいろありますから、実質、我々が勤労統計として実質化系列を作成するということになると、さまざまなこのような課題を専門的に私は検証する必要があると思っております。
それと、統計というのは、統計をつくる側はいろんな統計指標を出すわけですが、もう一つは、ユーザーがそれをどう利用するか。そこは、ユーザーがどういう統計を利用するかというユーザーの視点もありますから、ユーザーがさまざまな利用をされるということは、私は、ユーザーの観点で利用していただいたら結構ですが、我々としては、きちんとした統計として、政府が出す統計として、きちんとやはり検証されたものを出す必要があるので、そこは、それは、実質化系列の方を作成をして我々が出すということについては、専門的な検証が必要だと考えています。
●西村(智)委員 いや、何かこの点に関しては根本大臣はかたくななんですよね。出さないんですよ、絶対に。総理も検討するというふうに言っておられるのに、何か今の根本大臣の答弁はすごくかたくなで。
専門家の検討も必要だからということなので、今、私は、どこで検討しているんですかというふうにも聞いたんですよ。何にも答えてくれない。
統計委員会の委員長、呼びました。来ていただけない。海外出張中だそうです。なので、じゃ、委員長の代理の方をというふうにもお願いしたんですけれども、これも来ていない。統計委員会と少なくともその点はやりとりをしていなければおかしいのに、本当にこれをやっているのかどうか、これも疑わしくなってしまうんですよ。
実質賃金の共通事業所系列の伸び、いいえ、下がり方、出したくないんですか。そんなに出したくないんですか。
さっき、大臣は最後の方で言いました。ユーザーのためにデータは提供するんだというふうに言いました。政府が出してくる統計を使うのは、まさにユーザーなんですよ。国民なんです。国民が、出された統計をもって、あるいはエコノミストの方々もそれを見て、自身で分析をして、それで将来の予測をする。これが、政府からちゃんとした統計が出てこない、数字が出てこないというんだったら、どこが誠実なデータだというんですか。
出してもらわないと困りますよ、大臣。
●根本国務大臣 要は、統計をお示しする側、毎勤統計をつくる側、これは、やはりきちんとした、私は、実質化系列というものを、共通事業所について、今は名目ですけれども、これを実質化系列ということで我々が出すということについては、統計の専門家のきちんとした検証をしなければ。
それと、もう一つは、我々は名目値として共通事業所系列を出していますから、例えば、ユーザーの方がそれを、例えば消費者物価指数で割り戻すということをユーザーの方がやられる、それはユーザー側の方のニーズでやるわけですから、そういうことは我々は……
●野田委員長 大臣、簡潔に答弁してください。
●根本国務大臣 あとはユーザーの方々の判断でやってもらうということだと思います。
●西村(智)委員 それじゃ、根本大臣、野党が試算した共通事業所系列の実質賃金の下落ぶり、これを認めてくださるんですか。
●根本国務大臣 私は、繰り返すようですが、共通事業所系列を実質化系列で出す、それについては専門的な検証が必要だということでお答えをいたしました。
そして、名目の共通事業所系列を例えば機械的に消費者物価で割り戻すということで、そういうことで出されたことについては、その限りにおいては、その前提の限りにおいては、それは今委員がおっしゃられたとおりだと思います。その前提においてはですよ、ユーザー側として。
●西村(智)委員 今、根本大臣は、昨年の2018年の実質賃金の共通事業所系列分が0.5%のマイナスであるということをお認めになりました。これは大変重要な答弁だと思います。
だとすれば、総理、こういった状況で、消費税、本当に上げられますか。私、今回の消費税増税、軽減税率を導入したこと、それから、ポイント還元とかプレミアム商品券とか、本当に国民が混乱するような制度をあわせて導入したこと、これは大変大きな問題だと思っています。こういう状況の中で、本当に総理は、消費税10%増税、やるんですか。
●安倍内閣総理大臣 先ほどの毎勤統計における実質賃金等の議論というのは、これはもう随分、ずっとやっている実は議論なんです。いつも私は……(西村(智)委員「そんなことはわかっているから、いいから答弁してくださいよ」と呼ぶ)
●野田委員長 静粛に。答弁中は静かに。
●安倍内閣総理大臣 いやいや、今、答弁中ですから、質問席からいろいろとやじを飛ばさないでください。
ここで、やはり国民の皆様にわかりやすく説明する必要があるんだろうと思うんですが、これは事業所ごとの集計でありますから、一人の雇用者の賃金をずっと追っているわけではないんです。ということはどういうことかというと、例えばこういうことも起こるんですね。
それは、10人の、例えば事業所であったとします。そこが仕事が忙しくなって、パートの方を2人雇ったとします。しかし、当然、パートの方ですから、賃金は低い。そうなりますと、そこでの人件費を12で割ると、実は、仕事が忙しくなる前の方がよかったということになるわけであります。
言ってみれば、家庭でいえば、Aさん、Bさんがいて、パートナーがいて、一人の人が給料を50万円もらっていた。その後、Bさんも新たに仕事ができたので働くけれども、働き始めてから30万円しかもらえなかった。となると、そうすると総計は80万円になるわけでありますが、平均は40万円になって、では下がったということになるわけであります。
ですから、いつも私たちが言っているのは、家族の稼ぎである、いわばこの80万円の方が経済の実態をあらわしているのではないかということで総雇用者所得ということを申し上げてきたわけでありまして、総雇用者所得におきましては、名目においても実質においてもこれはプラスになっているということはずっと申し上げてきて、こういう議論はずっとしてきたわけでございます。
ですから、我々は、そういう数値をよく見ているということになるわけでございます。
●野田委員長 西村さん、申合せの時間になりました。
●西村(智)委員 もう時間が来ましたので最後にしますが、総理、総雇用者所得というデータは統計法上の統計じゃないんですよ。内閣の経済担当が関係閣僚会議の資料として出してきた文言をそのまま使っているだけです。これは統計法上の統計ではありません。
そして、全体的な数字としていつも総理はおっしゃるんだけれども……
●野田委員長 西村さん、質問時間が終了しております。
●西村(智)委員 個々の人たちの生活を見てください。個々の人たちの生活を切り捨てるような法改正は絶対にしないでください。
終わります。