●西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。
冒頭、私からも、西日本における水害について、本当に甚大な被害が出ていること、心からのお悔やみと御冥福、またお見舞いと、さまざまな気持ちで今この場に立たせていただいております。
既に午前中、加藤大臣からは、この豪雨水害に対して、厚生労働省としての状況把握の現状と、それから対策本部を広島に置いていただいたというような御答弁もありました。ぜひしっかりと機能を発揮していただきたいというふうに思っておりますし、もう何人もの方が言っておられますけれども、本当に暑くなってきて、しかも、水害で土砂が流れ込んでくると、いろんなことがこれから心配です。
私も、新潟県内で、今から十四、五年前になりますでしょうか、やはり水害で、あのときは十数名の方が亡くなりました。それで、大分大規模な、堤防が決壊したので、浸水があって、泥掘りのボランティアに二日ほど現地に入ったんですけれども、非常に衛生的にも問題があるということで、ぜひ厚労省からはその点の指導や監督もお願いしたいと思っております。
ちょっと通告もいろいろしていたんですけれども、午前中既にありましたので、私の方からは、震災関係で二点だけ伺いたいと思います。
まず一つは、水道の関係です。
先日、水道法の改正案が可決いたしまして、私たちとしては、やはりコンセッション事業、コンセッション方式では、こういった水害のときに対応が本当にとれるのかということが大変懸念をされているということ等もありまして、これには反対をしたんですけれども、そのときに、全日本水道協会が災害のときになると全国的な支援体制を組んでくれるというお話があったかと思います。
例えば、今後、法律案が仮に成立をしたときに、コンセッション事業者、コンセッションで参入してきた事業者は、この全日本水道協会への加入というものは強制的にされるということになるんでしょうか。任意なのかどうか、ちょっとお伺いしたいんです。
●宇都宮政府参考人 お答えいたします。
公益社団法人日本水道協会への水道事業者の入会は、現在任意でございます。
今回、水道法改正法案に、提出させていただいています、その内容としてのコンセッションでございますが、このコンセッション事業者は、日本水道協会の賛助会員として入会することが可能となってございます。この賛助会員というものは、「水道に関連があり、本協会の目的達成に賛同する法人または団体」とされてございまして、浄水場の管理業務などの業務を請け負っている民間事業者が対象となっているところでございます。
●西村(智)委員 つまり、入会しなくてもいいということなんですね。
そうしますと、このような、西日本、本当にあれだけの広い地域が被災して応援体制を組まなければいけないというときに、やはり水道協会を中心にした取組というのは必要不可欠だと思います。そこにコンセッション事業者が入るか入らないかというのは、これは任意であって、入らなくてもいいということになりますと、私、水道法改正案、今回の改正案は、やはりそういう面からいっても大変問題の多いものだというふうに改めて指摘をしたいと思っております。
それからもう一点、今度は、内閣の方から副大臣にお越しいただいておりますのでお伺いしたいんですけれども、あのような状況ですと、しかも、体育館の中で換気も恐らく余りよくないという中だと、福祉避難所などというところになかなか今の時点で手が回らないのかというふうには思うんですけれども、でも、やはり、避難所で生活をしながら、これから水が引いた後には家の片づけに行くとかいうようなことも出てくる。
そうすると、やはり一定期間避難所で生活をしなければいけないということは想像できるわけでして、福祉避難所、これは今までも災害が起きるたびに話題には上るんだけれども、きちんとした形で現場がニーズを把握できて、そして適切な時期に設置されたという例を実は私も余り聞いたことがないんです。
この点について、副大臣、いかがですか。
●あかま副大臣 福祉避難所についてのお尋ねでございますけれども、今般の平成三十年七月豪雨においては、一日も早く被災者の方々の生活環境、これを整えることが重要であり、今お話のございました、特段、女性であるとか子供、さらには高齢者への配慮、また加えて暑さ対策というものも、この時期でございますので大切でございます。被災自治体には十分な配慮というものを促しているところでございます。
今般、被災自治体には、要配慮者のニーズ、この把握、またその必要性、これに応じて、社会福祉施設等、また公的な宿泊施設等の協力も得ながら、福祉避難所として開設することを促しておるところでございます。今般、福祉避難所として開設している施設もあるというふうにも伺っております。ぜひ御理解をいただきたいと思いますが、現在の状況についても……(西村(智)委員「いいです」と呼ぶ)よろしいですか。
●西村(智)委員 それはぜひよろしくお願いいたします。
それで、加藤大臣に一点、要望かたがた質問なんですけれども、先ほどの、午前中の答弁で、被災者生活支援チームでしょうか、そういったものを厚労省の中に設置したというふうに答弁の中であったかと思うんですけれども、ぜひ福祉避難所とつながるような形で連携を図っていただきたい。これは質問です。
それから、これはちょっと私、この場で触れることすらも少しちゅうちょするような内容なんですが、大変残念ですが、今回、西村官房副長官がツイッターで七月の五日の夜に赤坂宿舎で安倍総理を囲んでの懇親会の様子を上げて、非常に和気あいあいで楽しい雰囲気だったというふうに書かれておりました。
その西村官房副長官が別の日にテレビ番組に出演をされて、政府からの情報をきちんと自治体が把握していたのかどうか、要するに、これだけ甚大な被害が生まれる前に自治体がもっと適切な対応をとることができたはずなのに、そういう情報を、政府から発せられていたものを自治体が本当に正しく把握していたのかどうか検証しなければいけないような旨の発言をされてもおられました。
私、これはちょっと、被災地、被災者の感情からするとなかなか受け入れがたいことだと思うんです。
大臣、岡山の選出の議員でもいらっしゃいますし、いかがお考えですか、この点について。大臣の率直なお気持ちをお話しいただきたい。
この二点、質問です。
●加藤国務大臣 まず、厚労省につくった被災者生活の支援専任チームということでございます。これは、幅広く、医薬品、衛生用品の調達、配送等々について対応していくことを考えさせていただいておりますけれども、例えば、避難所における児童の保育に関すること、あるいは避難所の衛生管理等々もございますし、今委員から御指摘のあった福祉避難所、これも当然頭の中に置きながら対応させていただきたい。
大きく、特に水道の問題と、それから、これからはやはり避難所の問題があると思っておりますので、その辺を重点的に対応させていただきたいと思います。
西村副長官の、今引用された発言そのものをちょっと私は承知をしていないのでありますけれども、いずれにしても、特に私の地元、皆さん見ておられる倉敷市の真備地区のように、大変な被害があっていますので、それが知っているかどうかというよりも、とりあえず、まずは救出を始めとした、あるいは避難所の生活等、そういったことをしっかり取り組んでいくことがまず最優先ではないかなというふうに考えております。
●西村(智)委員 結構なニュースになっていたんですね、この発言があったということは。
私は、やはり被災地、それから、今、自治体の皆さん、警察の方も自衛隊の方も含めて、本当に昼夜を問わずの大変なお仕事をされている中ですから、やはり私は、ああいう発言をされたというのは、安倍内閣としての不見識を大変強く疑われるものだというふうに指摘をしなければなりません。
それで、きょうは医療法、医師法の審議です。
ちょっとこれから私も幾つか質問したいと思っているんですけれども、そもそもの前提で、午前中も質問がいろいろあって、それで答弁も聞きながらいろいろ考えていたんですが、馬を水のあるところまで連れていくことはできても馬に水を飲ませることはできない、これは、やはり医師の偏在を解消するという点でもちょっと似ているようなことがあるのかなというふうに思うんですけれども。
やはり先ほども、午前中、自治医科大の卒業生を強制的につけられるようにみたいな質問がありましたけれども、そこまでやると、例えば医師の強制配置ということまでやると、例えば職業選択の自由とかあるいは居住地の自由とか、いろいろなものがありますから、さすがにそこまではというふうには思うんですけれども。
一方で、国民の側から見れば、医師の偏在というのは、すなわち医療の偏在とイコールですから。しかし、国民の方は、強制加入の保険、健康保険に、社会保険にちゃんと入っているわけです。誰もが保険料負担をしているのに受けられる給付について差があるということは、これはやはりあってはいけないことだというふうに思うんですけれども、大臣、いかがお考えですか。
●加藤国務大臣 たしか午前中もお話をしたような気がいたしますけれども、やはり基本は、国民皆保険ということと、それと並立して、必要な医療サービスを必要なときに受けることができる、これはやはり併存をして初めて医療制度というのは成り立っているんだろうというふうに思います。
そういった意味においては、委員も今お話がありましたが、医療機関の適正配置や医師、看護師の養成などを通じて、いつでもどこでも安心して医療を受けられる体制、この確保を図っていくということが必要だというふうに思っておりまして、そういった意味でも、医師の地域偏在や診療科偏在、これは解消は急務だというふうに考えております。
●西村(智)委員 その上で、私は新潟県なんですが、きょう資料でお配りしている一枚紙の紙を見ていただいてもわかるんですが、二次医療圏別の医師の偏在ということの前に、まず都道府県別で医師の偏在というのが結構シビアなんです。
今の国の医療制度と、それから日本全体、経済社会が東京一極集中という構造的な問題があります中で、地域医療の確保のためにこういう地域の医師不足を解消していくというのは本当に急務だというふうに、大臣も同じ認識でいてくださるというふうに思うんですけれども、今回の医療法、医師法の改正で、本当に地方における医師不足、それから医師の偏在、これを抜本的に解決できるというふうに大臣はお考えでしょうか。
●加藤国務大臣 これまでも医学部定員の増員を図ってきた、またさまざまな施策も取り組んできたわけでありますが、残念ながら、医師の地域偏在、診療科偏在解消に至っていない。
そういった中で、昨年、医師需給分科会で第二次中間取りまとめをしていただいて、医師少数区域で勤務した医師を評価する制度の創設などなど、今回の法案に盛り込んだ中身が提言をいただきまして、それを今回の法案に提出をさせていただきました。
この改正事項に当たっては、さまざまな立場の関係者から本当にいろいろな意見をいただきました。そして、一定の合意が得られた範囲で取りまとめたということでありますから、まずはこれをしっかりと、法案を成立させていただいた上で、この中身をしっかりと着実に実施をしていきたいというふうに思っております。
ただ、それをやりながら、常に状況がどうなっているのかということをやはりしっかりと検証していく、そしてその検証結果を踏まえて、またさらなる必要な対策があれば、それをまた検討していく、そういった持続的な取組が必要だろうというふうに思います。
●西村(智)委員 その持続的な取組がいつまでも持続的であり続けてはこれまたならないわけで、私は、やはりこれだけ今回大きな医療法、医師法の改正ですから、これで抜本的な解決になるというものであれば本当によかったというふうに思うんですね。いろいろ御尽力いただいたというのはわかります、わかるんですが、しかし、やはりこれで抜本的な解決に本当につながるのかというと、ちょっとやはり心もとないところがあります。
平成二十六年の四月に臨床研修制度の見直しが施行されました。それで、定数配分を、地方の医師不足の解消につながるように行うこととされたんですけれども、実態はやはりそうは変わってはいないようであります。
都市部への集中傾向は変わっていないということの中で、今回も都道府県ごとの臨床研修定員は国において定めるということにされておりますが、臨床研修医の確保は、医師が不足している都道府県にとって、もう本当に喫緊の課題であるということであります。
ですので、都市部への集中を是正するさらなる対策が必要ではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
●加藤国務大臣 今、臨床医のお話がありました。
都道府県ごとの定員設定に当たって、研修医の地域的な適正配置を誘導するということで、平成二十二年度から都道府県ごとに研修医の募集定員の上限を設け、各研修病院における医師派遣実績を勘案した上で募集定員を設定し、平成二十七年の研修から研修希望者に対する募集定員の割合を当初一・二倍とした上で、平成三十二年度に向けて徐々に一・一倍に縮小していく。こうした結果として、六都県、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡が、平成十五年では五一・三%が平成二十九年度には四一・八%ということでありますから、それなりに地方へ医師、研修医が配分されているということが言えるんだろうと思います。
また、次回の見直しに向けて、平成三十年の三月に医師臨床研修部会の報告書を取りまとめたところでありますけれども、そこでは、研修希望者に対する募集定員の割合を将来的には一・〇五倍となるように更に圧縮をする、都道府県別の募集定員設定に当たり、面積当たりの医師数や高齢化率等の加算の増加など地域医療に配慮する方策が盛り込まれているところであります。
今後も、研修制度については、よりよい制度、まさにそうした地域に対して医師不足の解消につながっていく、こういった観点を持って必要な見直しを行っていきたいと考えています。
●西村(智)委員 ぜひ引き続き加速化させていかないと、こういった取組は。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
またこれは先ほど午前中の質問の中で、地域医療対策協議会、地対協と略されるものですけれども、これが一度も開催されていない県が七つある。これで私の地元が入っていたりしたら本当にお恥ずかしい話なんですが、やはり、地域の医療確保を進めるために、地域の中でうまく連携を図っていってもらわないとならないというふうには思うんですね。
一つの面からの質問をまずさせていただくと、例えば都道府県庁それから医師養成大学、こういったところが緊密に連携して、地域の医療ニーズ、それから専門医の育成、こういったものについて問題意識を共有するというところからまず始めなければなりません。
ところが、先ほど申し上げたように、全く地対協すらも開いていない県が七つもあるということですから、これは甚だしい温度差があるということであります。
地域医療構想の達成に向けて推進力を高めていくためには、例えば定期的な会合を義務化するとかいうこと、こういったことも考えなければいけないのではないか。それから、やはり開催するとなりますと、広い都道府県の中だったりすると移動のための交通費もかかったりするし、そもそも開催のための費用というものも必要になってまいります。そういう費用の助成といったもの、そういったこともやって連携強化を図っていくべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
●加藤国務大臣 委員の御懸念が当たっているところがあるんだろうというふうに思います、まず。
その上でありますけれども、御指摘のように、都道府県における医師確保を初めとする医療提供体制を確保するためには、地域の医療関係者が地域の医師偏在等の状況や課題を共有し、具体的な対策の内容、それぞれ役割分担について協議を行う場が必要でありますので、今回の改正案では、医育大学、医師会、主要医療機関などを構成員とする地域医療対策協議会、これを医師確保計画に定められる医師確保対策の具体的な実施のための協議を行う場として法律上位置づけ、構成員に対しては、都道府県知事の求めに応じ地域医療対策協議会に参加する努力義務を課しているところでございます。
また、地域医療対策協議会における協議に当たっては、地域医療構想と整合的な医師の派遣調整を行うことなどの留意点を国の指針で示すとともに、厚労省においても、この地域医療対策協議会の運営状況をフォローアップをし、定期的に開催され、実効的な医師偏在対策を進めるための場になるよう、我々としても、必要な助言等々、サポートしていきたいと思っております。
そして、地域医療対策協議会の開催費用でありますけれども、これは地域医療介護総合確保基金を活用できることとしているところでございますので、引き続き、都道府県と医育大学等の関係者の連携、これが図られるように取り組ましていただきたいと思います。
●西村(智)委員 基金のお金を使うことができるということですね。更に充実をお願いしたいというふうに思います。また、そういった、使えますよということも、ちゃんとアナウンスをしていただきたいというふうに思います。
それで、地域医療構想の達成のためには、今回、構想区域における新規の開設あるいはベッド数の増の申請に対して都道府県が許可を認めないことができるという改正内容となっております。私、この点については評価をしたいというふうに思っております。
ただ、それが公的な病院だけが対象であっては余り意味がないというふうに思うんですね。公的医療保険として財政を共有しているという視点からは、やはり公立、公的、それから民間病院、こういったところを問わず、一律の対応を可能とすべきだというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
●武田政府参考人 お答えをいたします。
今回の改正法案におきましては、既存病床数が将来の病床数の必要量を超える構想区域におきまして、医療機関の新規開設や増床の許可申請があった場合に、都道府県医療審議会の意見を聞くなどの必要な手続を経た上で、公的医療機関については許可を与えないこと、民間医療機関については申請の中止等の勧告を行うこと、このような整理をさしていただいております。
このようになっておりますのは、民間医療機関につきましては、新規開設、増床の許可を与えないことは、憲法上の営業の自由との関係を慎重に整理する必要があること、地域における救急医療、小児医療、周産期医療等の政策医療を確保する観点からは、公的医療機関を中心とした機能分化、連携を推進していく必要があることから、現行の地域医療構想の達成に向けた都道府県知事の権限との関係性も踏まえ、まずは公的医療機関についてのみ不許可の権限を規定することとしたものでございます。
なお、民間医療機関につきましては、勧告に従わずに医療機関の新規開設や増床を行い、当該病床に係る保険医療機関の指定の申請があった場合につきましては、都道府県知事は保険医療機関の指定を行わないことができるということでございます。
今後とも、今回の法案による対策の政策効果を検証し、地域医療構想の達成の推進に向けて、必要に応じ、さらなる対策を検討してまいりたいと思います。
●西村(智)委員 御答弁いただきましたけれども、私は、勧告、それは今答弁を伺いまして、それなりに意味を持つというふうに期待はしているんですけれども、どうでしょうか、ちょっと懸念するところはまだあります。
それから、今回、都道府県の権限が、法案に基づきますと、都道府県が設定する医師多数区域でありますとか、外来医療の提供体制を見える化した結果も根拠とできるようにというふうに私はすべきだというふうに思っております。
例えば、医師多数区域における新たな開業あるいは保険医、保険医療機関の指定申請に対して都道府県が不許可とするとか、あるいは厚生局が保険指定をしないとかいうことも、これは、実際やるかどうかはともかくとして、そういったことを可能にするということは、やっておくことは意味があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
●武田政府参考人 お答えいたします。
まず、先ほどの答弁、一点訂正をさしていただきたいと思います。
勧告につきましては都道府県知事でございますが、保険医療機関の指定については大臣権限でございますので、厚生労働大臣の、保険指定しないことができるということでございます。
その上で、今、外来について御質問がございました。
医師多数区域、それから地域医療構想の達成に向けた都道府県知事の権限の発動という観点の御指摘でございますが、二〇二五年の地域医療構想の達成に向けましては、地域医療構想調整会議における地域の医療関係者間の協議を踏まえつつ、まずは、各医療機関の自主的な取組により医療機能の分化、連携を進めることとしております。
この取組を進めるに当たりましては、今回の改正法案による医師偏在対策とも整合的に行っていくことが必要であると考えておりまして、改正法案の施行後に地域医療対策協議会において医師派遣の協議を行うに当たりましては、地域医療構想の達成に向けた具体的対応方針との整合性を確保することを国が示す指針等において明確にする予定でございます。
一方、今回の法案におきましては、医師の多寡を全国ベースで客観的に示す医師偏在指標を踏まえまして、都道府県が県内の二次医療圏ごとに医師多数区域と医師少数区域を設定し、医師多数区域から医師少数区域への医師の配置を行っていくことや、外来医療機能の不足、偏在等の解消のために、外来医療機能の提供体制に関する情報を可視化し、この情報をもとに、地域ごとの協議の場で外来医療の提供体制の方針を議論していただくことを盛り込んだところでございます。
御指摘のように、医師多数区域や外来医療機能が集中している地域において医療機関の新規開設、増床等の規制を行うことにつきましては、入院医療における病床規制と医師数の増減や外来医療提供体制の変化との相関関係や憲法上の営業の自由との関係を整理する必要があること、駆け込み開設の懸念が存在することなど、法制的、政策的な課題があることも御指摘をいただいているところでございます。
今後とも、都道府県における地域医療構想の取組状況や今回の法案による対策の政策効果をよく検証し、地域医療構想の達成と医師偏在の解消に向け、必要に応じ、さらなる対策についてはしっかり検討してまいりたいと思います。
●西村(智)委員 時間もないので、最後に一点伺いたいのは、認定医師制度です。
ちょっと見ていて、これは本当に実効が期待できるのかなというふうに心配しております。
認定医師の病院の管理者としての評価ということでは、実際に認定医師が地域医療支援病院の管理者になるまで相当の時間を要すると思います。ですから、即効性があるのかどうか。また、即効性があるように環境整備もあわせて必要だというふうには思っておりまして、例えば労働時間や夜勤、当直などに関する配慮を大学に対して努力義務として明示すべきであるとかいうふうに考えておりますけれども、そもそも医師の少数区域等における勤務経験が病院の管理者としてのマネジメント能力の向上につながるのかどうかということもいろいろ考えるんですけれども、本当にこれは実効性が上がるでしょうか。
●加藤国務大臣 まず、認定医師の関係でありますけれども、認定医師については、広告可能事項とすること、経済的インセンティブの対象とすること、地域医療支援病院等の一定の病院の管理者として評価することを検討させていただいているところでございます。
確かに、病院の管理者ということになると、地域に行って管理者として指定されて、一定のやはり年齢になる人もあるんだろうと思いますから、そういった意味では必ずしも即効性があるとは言いがたいというふうに思いますが、それ以外にも、今、具体的なインセンティブとして、現在これはまだ検討している段階ではありますけれども、認定医師の専門医の取得更新に係る支援、あるいは医師少数区域に医師を派遣する機能を有する医療機関に対する財政支援、こういったことも検討させていただいておりますので。
そうしたことも相伴って、より実効性のある、そしてこれが、地域における医師が希望を持ちながら、したがって、それを解消するためには、さらには子供の問題をどうするかとか、いろんな問題がありますから、そういったことも相まって、地方における医師が勤務がしていただける、こういう環境につなげていきたいと考えております。
●西村(智)委員 さっき私が申し上げた具体的な事例も、即効性のある環境整備の一つとしてぜひ御検討ください。終わります。