●西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。
昨日の理事会で、平成二十五年度労働時間等総合実態調査に係る精査結果についてというものが出てまいりました。一万一千五百七十五事業場のデータから二千四百九十二事業場を除いた九千八十三事業場について再集計を行ったということでございます。
そもそもの問題なんですけれども、二割ものデータが明らかな誤りであるというその調査結果全体に対して、率直に申し上げて、信憑性は完全に失われたというふうに言わなければならないと思っております。ですから、私は、やはりこのデータ、もう一回とり直しをした上で、労政審にかけ直すということが必要であるというふうに考えております。
先ほど長妻委員との質疑の中で、労政審の委員の方には郵便で送ったという話がありましたけれども、果たして、そんなことで労政審の皆さんに対する説明が十分だというふうに大臣はお思いなんでしょうか。
このデータを出発点にして働き方改革の議論が行われるということは、労政審の議論の中でも言われておりますし、これをもとにいろいろなクロス集計も行われている。私たちも、このデータをもとに、これを真実のものだと信じて、いろいろな議論をこれまで行ってきたわけでありますね。
大臣、二千四百九十二事業場については、これは明らかな間違いだった。これはもう誰が見てもわかる間違いです。一日の時間外労働が二十四時間を超える、あるいは一日の時間外労働と法定の時間を足したら二十四時間を超える、そして、一週間と月、一日と月、一日と一週についても逆転が見られる。それから、ほかの数字、月の労働時間がゼロなのに、一日や一週間の記載がちゃんと書いてあるとか、あるいはその逆とか、もう見ればはっきりとわかるような間違いについてが二割あったということなんですけれども、そのほかの九千八十三事業場のデータについて、これは全く誤りがないということを大臣は答弁できますか。
●加藤国務大臣 まず、労政審のメンバー、済みません、郵送と申し上げたのは、ちょっと私はメールと聞いて、それを郵送と申し上げたんですが、メールで送らせていただいたということでございます。それから、分科会長というんですかね、の方には別個説明に行っているということでございます。
その上で、今、この残った事業場についてどうかというお話であります。
ただ、これは一般的な統計調査においても、調査段階で一定数の異常値の混在、これを避けるということで、一定の条件を設定してエラーチェックを行ってデータを活用しているということであります。
今回も、当初の段階においてもエラーチェックを一部行っていたわけでありますけれども、それが十分ではなかったということで、今回改めて、異常値である蓋然性が高いというもの、それについてさまざまな要件を設定し、それを、そうしたデータが一個でもある事業所については全て除外をする、それから、裁量労働制については、裁量労働制を入れている事業所、これは全て除外をするということでつくらせていただいたということでありますので、先ほど申し上げましたけれども、そうしたエラーチェックをしっかりやる、より精度を上げたということによって、従前よりも信頼性の高いものとして提出をさせていただいたということであります。
●西村(智)委員 全然答えていただいておりません。
私、残りの九千八十三事業場のデータについて、誤りがないと言い切れますか、こういうふうに聞いたつもりなんです。大臣、その点についてはどうですか。
●加藤国務大臣 ですから、今回は、一定の異常値の混在があったということで、さまざまな観点からエラーチェックをいたしまして、そうした蓋然性が高いものを除外をして出させていただいたということで、従前に比べて信頼性の高いものになっている、こういうことを申し上げているわけであります。(西村(智)委員「とめてください。これ、典型的な御飯論法じゃないですか」と呼ぶ)
●高鳥委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
●高鳥委員長 速記を起こしてください。
加藤厚生労働大臣。
●加藤国務大臣 ですから、一般的な統計においても、さまざまなデータの混在を避けるということで、エラーチェックはさせていただいているわけでして、その上で出させていただいている。今回は、最初にお出しをさせていただいたときにその辺が十分じゃなかったということを反省をした上で、改めてエラーチェックをきちんと行って出させていただいたということであります。
●西村(智)委員 委員長、ちょっと今のは答えていないので、もう一回答弁させてください。
●高鳥委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
●高鳥委員長 速記を起こしてください。
加藤厚生労働大臣。
●加藤国務大臣 ですから、一般的な統計調査においてもなされているということ、そして、それを、今回更にエラーチェックを入念にやらせていただいて、より信頼性の高いものとして出させていただいた、こういうことであります。
●高鳥委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
●高鳥委員長 速記を起こしてください。
加藤厚生労働大臣。
●加藤国務大臣 先ほどからも申し上げておりますように、こうした統計、もともと、統計調査そのものが、そうしたエラーチェック等をやりながら、できるだけ信頼に足るものにするということでやらせていただき、今回は、最初にお出しをしたデータにおいて異常値である蓋然性が高いものが、いろいろ御指摘をいただきましたので、そこをしっかり踏まえて、改めてエラーチェックをし、統計として御議論いただくにたえ得るものとして提出をさせていただいた、こういうことでございます。
●西村(智)委員 労働基準監督官が、とにかく、監督に入りながら調査をやるというこの仕組み、これについて、問題ではないかということ、やはり新聞報道でも出されておりますし、私たちも実際に監督官の方から聞くと、本当に短時間で、監督しながら調査でチェックをしていくというのは、これはもうやり方として限界なんですよ。私は、この調査の仕方、やり方そのものを見直していかなければいけないというふうに思うんです。正しい情報だというふうに、正しいデータだというふうに信じているというふうな大臣の答弁は、今は今として受けとめますけれども。
それで、先ほど長妻委員が幾つか論点を明らかにされました。私から改めて、委員長に理事会協議事項として申入れをしたいと思います。
まず一つは、大臣、クロス集計をやり直しすべく委託先と相談するというふうに答弁をされました。これについて、いつごろ、どういう形でやるのか、きちんと出していただきたいということが一つ。
それから二つ目。監督官が一社当たり〇・九人日、そのくらいの時間をかけてやっているということなんですけれども、各労働局でどのくらいの数字なのか、それから、各監督署でどのくらいの数字なのか、それぞれ出した上で、実績として積み上げて出していただきたいというのが二つ目。
三つ目は、過去のデータ、要するに精査前のデータをもとに加工して、二次データとしていろんなところに使われていると思います。労政審、それから政党の部会、あるいは国会に提出されているもの、それの一覧を、精査結果を踏まえたものを改めてもう一回出していただきたい。
そして四つ目。相当数のデータが、この精査後の結果としてもまだ九千八十三事業所ですね、残っているから、このデータは、先ほど大臣がおっしゃいました、何か信頼できるものだということのようなんですけれども、撤回しないというふうにおっしゃいました。では、幾つを相当数というふうにみなしているのか、幾つのデータに誤りがあれば、相当数だとみなしてこのデータを撤回しようというふうに考えておられるのか。
この四点について、理事会協議事項としてください。
●高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。
西村君に申し上げます。
申合せの時間が経過しておりますので、御協力願います。
●西村(智)委員 はい。終わります。