■西村(智)委員
民進党・無所属クラブの西村智奈美です。
4月になりまして、ことしも残念ながら大変数多くの待機児童がいるという事態になってしまいました。
政府の方でも、昨年の平成28年には緊急対策、そしてことしの3月31日には、いわゆる統一基準づくりに向けてということで私たちが要請をしてまいりましたところ、待機児童解消に向けて、検討の取りまとめという、その方向性を示していただいたところですけれども、現状、非常に厳しいということで、政府の取り組み姿勢の本気度が問われているというふうに思います。安倍総理がこの間女性活躍と連呼し続けてきたから、なおさらのことなんですね。
4月、新しい年度が始まって、本当に多くのママたちが不安の中であるという中で、きょうは、政府の取り組み姿勢について改めて伺いたいというふうに思います。
昨年度末、平成29年3月31日に、先ほど申しました「保育所等利用待機児童数調査に関する検討のとりまとめ」というものが発出をされました。やはりここはきちっと、これを出していただいたからには、自治体に徹底していただいて、全国統一的な基準での数の把握をしていく必要があるというふうに思っております。まずそこからでないと何も始まっていかない。
私は、本来は全ての子供たちは誰でも安心して居心地のよい居場所にいることができるということを権利として認めるべきだというふうに考えておりますし、そういった意味では、この検討の取りまとめもしっかりと国として自治体に周知していただいて、そして本当の姿、真実の姿が明らかになるようにしていただきたいと思いますけれども、厚生労働省に伺います。
■古屋厚生労働副大臣
待機児童の定義の見直しに当たりましては、先般、3月30日に行われました待機児童数調査検討会におきまして、市区町村ごとの不合理な運用上の取り扱いのばらつきをなくすこと、また、各市町村が、保護者の意向や状況を積極的かつ丁寧に把握して利用可能な保育園等の情報を提供するなど、保護者のニーズに合った丁寧な寄り添う支援を行うことが重要であるといった趣旨の内容を取りまとめていただいたところでございます。
これを踏まえまして、翌日、3月31日に厚生労働省から各自治体に対しまして新たな調査要領を通知いたしまして、育児休業中の者については、保育園等に入園できたときに復職することを入所保留通知書発出後などにおいて継続的に確認して、復職に関する確認ができる場合には待機児童に含める、また、求職活動を休止している方の取り扱いについては、保護者が求職活動を行っておらず、保育の必要性が認められない状況にあることを確認する旨、また、特定の保育園等を希望している方、ここでなければいけないという方の取り扱いについては、利用申込書に記載された希望園等によって一律に判断するのではなく、他に利用可能な保育園等の情報提供を行うとともに保護者の意向を丁寧に確認しながら判断する旨など、保護者の意向や状況を丁寧に確認しながら判断することを明確化し、調査を実施しているところであります。
以上でございます。
■西村(智)委員
丁寧にやっていくということで御答弁いただきましたけれども、残念ながら、私は、この検討の取りまとめの周知徹底を図ってもなお、全国にあまたいる待機児童の全容は明確には、そして正確にはわからないというふうに思います。いろいろなケースがありますから、そしてママたちもいろいろな気持ちで、子育てをしながら仕事にどうやって復帰しようかというふうに考えている中のことでありますから、残念ながら、正確な姿というのはやはりこの検討の取りまとめではわからないというふうに思うんですね。
私たち民進党の中でも待機児童対策プロジェクトチームというのを設置いたしまして、この間、当事者のママさん、パパさんたちからいろいろな形でヒアリングを行っています。
その中で非常に貴重な意見がたくさん出てきたんですけれども、一つ、ぜひ古屋副大臣に検討していただきたいのは、そもそも検討会の中に当事者がいないということだったんです。有識者の方はたくさんいらっしゃる、実務に詳しい方もいらっしゃる、だけれども、本当に生の声を届けてくれる当事者がいないということが指摘をされていました。ぜひ入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
■古屋厚生労働副大臣
現在、厚生労働省におきましては、待機児童対策の緊急会議を大臣のもとで行っておりまして、自治体、当事者、市区町村等から御意見を直接伺うというような場を設けて、そういった御意見を反映させていっているところでございます。
■西村(智)委員
私が当事者と申し上げているのは、わかっておっしゃっていると思うんですけれども、実際の保護者の方々です。ママやパパたち、ぜひそういった方々を検討会に入れて、生の声をそこで皆さんに聞いていただきたい、このことを切にお願いいたします。
今回、新たに緊急対策をとっていただいたということで、この対応状況についても伺っていきたいと思うんですけれども、これによって空き枠と申しましょうか、いろいろな形で出てくると思うんですね。そこを把握してしっかりとマッチングしていくことも、どのくらいの待機児童が実際にいるのかということとあわせて、それと同じぐらい重要なことだと思うんですけれども、これについて伺います。
■古屋厚生労働副大臣
委員おっしゃったように、さまざまな空きが出ているようなところも最大限活用していくということは大変重要だと思っております。保育園に入れない方に対しまして、地域で利用されていない保育サービスがある場合に、これを提供していかなければいけないということは大変重要であります。
各市区町村におきまして、把握している各園の受け入れ可能な枠、また利用可能な保育サービスの情報がサービスを必要とされている方々に対して適切に提供されるよう、利用者支援事業による保育コンシェルジュを配置して、情報の集約や提供、相談支援、連絡調整等を実施しております。
また、厚生労働省としても、平成29年度予算におきまして利用者支援事業の実施箇所数をふやしたところでありまして、引き続き、本事業の活用を図りながら、保護者のニーズに合った丁寧な寄り添う支援を推進してまいりたいと考えております。
■西村(智)委員
それで、「保育所等利用待機児童数調査に関する検討のとりまとめ」が行われました。その結果を受けた対応について伺いたいのと同時に、昨年度発出をされております緊急対策の中に、一時預かりの枠を利用して待機児童の解消につなげる、そういう項目があったかと思います。あいているんだったらいいんじゃないのというふうに思われたのかもしれないですけれども、実際にこれをやりますと、リフレッシュを目的に一時預かりなどを利用していた方々はどうなるのか。それはやはり確保していく必要性があるというふうに私は思います。その点について伺います。
■古屋厚生労働副大臣
昨年3月に発表いたしました緊急対策では、待機児童について、保育園等への入園が決まるまでの間、一時預かり事業を活用して緊急的に預かることを盛り込んでおります。
この緊急対策の通知におきましては、積極的に地域の余裕スペースの活用を検討して、本来の一時預かり事業の利用者のニーズにもしっかり対応できるよう、供給拡大を図るようお願いしております。
各自治体におきまして地域のニーズを踏まえて議員御指摘の育児疲れの軽減を目的とした一時預かり事業を実施するために必要な体制整備ができるよう、国としても引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
■西村(智)委員
ある研究機関の発表によりますと、2050年までは保育ニーズは上向き続けるということであります。少子化ではありつつも、時代も、かぎカッコつきですが、女性活躍ですから、女性の就業率もアップしてくるということで、保育ニーズはこれからもふえ続けるということを見越して、ぜひそこは、私が冒頭申し上げました、必要だから働くお母さんのために保育所をつくる、あるいはそういったサービスを充実させるということではなくて、全ての子供たちにとって安心できる居場所があることが権利であるということを前提に施策を組み立てていっていただきたいというふうに思います。
それで、安倍総理は、平成29年度中に待機児童をゼロにするというふうに約束しました、明言しました。ところが、これが事実上、反故にされている。政府の方は6月に新たな待機児童プランを策定するということであります。
これは一体何をやるんですか。そして、実際に平成29年度中に待機児童をゼロにするという約束は一体どこに行ってしまったんですか。副大臣に伺います。
■古屋厚生労働副大臣
政府といたしましては、待機児童解消加速化プランに基づきまして、平成29年度末までの待機児童解消に向けて、5年間で50万人を超える保育の受け皿拡大を進めております。
一方で、加速化プラン策定前と比較をしまして、委員がおっしゃったように、25歳から44歳の女性の就業率や、一、二歳児の保育利用率、さらには保育の申込者数についても、それぞれプラン策定前の2倍近い極めて高い伸びとなっておりまして、待機児童数は、依然として2万人を超える水準で推移いたしております。
その中でも、総理は待機児童ゼロという目標は決しておろさないと発言されておりまして、このような状況を真摯に受けとめつつ、平成29年度末の待機児童ゼロを目指して取り組んでいくことに変わりはございません。
平成30年度以降も引き続き待機児童ゼロを絶えず実現していくために、本年4月以降の各自治体における今後の改善状況等を見きわめた上で、新たなプランを6月までに決定してまいりたいと思います。
■西村(智)委員
本当に、緊急対策でも何人ぐらいの保育の枠が確保されるのかどうかわからない。実際に緊急対策で確保される枠も非常に、恐らくは地域限定であろうし、また限られた人数だと思います。そうすると、そこにまた待機児童を抱えるママ、パパたちが殺到する、物すごい倍率になる、これは非常に大きなストレスですし、本当に不安の中で過ごしていらっしゃることだと思います。ですので、副大臣、その思いを、ぜひ検討会の中に何とか当事者を入れて、生の声を聞いた上で今後の対応等々をやっていただきたいと思います。
私は、女性活躍と言っているからこそ、なおのことそういうふうに申し上げているんですね。きょうはこんなところで質問を終わりますけれども、今後の取り組みをしっかりと、総理が言っているからには、そこをきちんと果たしてもらわなければなりません。ぜひお願いいたします。
それでは、次の項目に移ります。
先ほど森友学園の問題について、私は、少し角度を変えまして、公文書管理法の問題から伺いたいと思います。
内閣府で公文書管理を担当している大臣は山本幸三大臣と承知しておりますけれども、それで間違いございませんでしょうか。
■山本(幸)国務大臣
そのとおりでございます。
■西村(智)委員
ことしの通常国会の内閣委員会における山本幸三大臣の所信表明の中で、公文書管理について述べているところは全体の約8%、しかもその中身は、新たな国立公文書館の設置に向けて取り組んでまいりますということで、公文書管理そのものを充実させるとか徹底させるというような言い方、文言は一言もありませんでした。
山本大臣はこれまで、公文書管理担当の大臣としてどのようなお仕事をしてこられたのでしょうか。
■山本(幸)国務大臣
公文書管理は、行政の適切かつ効率的な運営を図るとともに、行政が国民に対し説明する責務を果たす上で重要な制度でありまして、私は、担当大臣として、制度の円滑な運用に努めるとともに、行政機関等から移管される歴史公文書等を保存し、利用に供する国立公文書館についても所管しております。
例えば、公文書管理制度については、内閣府に置かれた公文書管理委員会が昨年3月にまとめた公文書管理法施行5年後見直しに関する検討報告書において御指摘いただいたことを具体化すべく検討を進めさせていただいているところであります。
加えて、国立公文書館については、その新たな施設の国会周辺への建設に向けた取り組みを進めているところでありますが、本年4月14日、衆議院議院運営委員会におきまして、内閣府からの新たな施設等に係る報告等も踏まえ、憲政記念館敷地を含む国会前庭を、新たな国立公文書館を憲政記念館との合築として建設する建設地として御決定いただくに至ったところであり、建設に向けた事業を進めていく上で大きな前進であると考えております。
今後とも、担当大臣として、民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源たる公文書の適正な管理の促進等に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
■西村(智)委員
それでは伺いますけれども、この間の政府の行政文書の取り扱いについては、適切な管理運用がなされてきたというふうに思いますか。
■○山本(幸)国務大臣
公文書管理法は、公文書が国民共有の知的資源として主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み、現在と将来の国民への説明責任を全うすること等を目的として、行政文書の適正な管理に関するルール等を定めております。
御指摘の件については、このような法の目的に照らして、行政文書の保存期間及び保存期間が満了した文書の扱いを初めとする公文書管理のあり方について、国会においてさまざまな御議論がなされているものと承知しております。
まず、行政文書の保存期間につきましては、公文書管理法及び同施行令によりまして、例えば法令の制定等、全行政機関で共通した保存期間を適用すべきものについては具体的な定めが置かれ、それ以外のものについては行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じて各行政機関が定めることとされております。
また、保存期間が満了した行政文書につきましては、歴史資料として重要なものについては国立公文書館等に移管し、それ以外のものについては廃棄することとされております。
各行政機関におきましては、先ほど申し上げた法の目的を踏まえつつ、公文書管理法、同施行令及び各行政機関が定める行政文書管理規則に基づき、保存期間の設定等も含め、適切な文書管理を行うことが重要であると考えております。
私としては、さらに各府省における公文書管理の質を高めていくため、不断の取り組みを進めていくことが重要であると考えており、内閣府に置かれた公文書管理委員会からいただいている御指摘を踏まえ、行政文書の管理に関するガイドラインの今年度中の見直しや、各府省の職員の公文書管理に関する意識を高めるための研修の充実等を着実に進めてまいりたいと思います。
御指摘の件につきましては、各行政機関において、公文書管理法、同施行令及び各行政機関が定める行政文書管理規則に基づき適切に対応したものと考えております。
■西村(智)委員
とても長い答弁でしたけれども何も答えていただいていないと思いますし、最後の二行ぐらい答えてもらえれば、それで私はすぐ次の質問に移れたんですね。
適切に運用されているというふうに思っております、公文書管理法とその規則に基づいてということなんですけれども、この間、質問した森友学園の問題についても、世論調査で、まだ国民の8割の方が、説明が尽くされていない、納得をしていないというふうに答えておられます。
公文書管理法のそもそもの立法の趣旨は、後世にきちんと意思決定のプロセスがわかりやすいように残す、そしてその後の民主主義の発展の土台とするということだったはずです。
わからないままうやむやにしているという今の現状が、本当に適切に管理しているというふうに言えるんですか。公文書管理担当大臣として、山本幸三大臣に伺います。
■山本(幸)国務大臣
公文書管理法におきまして、行政文書の保存期間及び保存期間が満了した文書の扱いを初めとする公文書管理のあり方について定めております。
行政文書の保存期間につきましては、先ほどもお話し申し上げましたが、全行政機関で共通した保存期間を適用すべきものについては具体的な定めが置かれますが、それ以外のものについては各行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じて各行政機関が定めることとされており、保存期間が満了した行政文書については、歴史資料として重要なものは国立公文書館等に移管、それ以外のものについては廃棄するということであります。
そういう意味で、各行政機関がその事業の性質、内容等に応じて適切に対応しているものと考えております。
■西村(智)委員
こういった大臣の答弁であれば、私が求めていたものとは全く違いますね。大臣には公文書管理担当大臣としてきちっと矜持を持って答弁をしていただきたい。横串を刺して、省庁にきちんと文書が残るようにということを指導するのが公文書管理担当大臣の役目ではありませんか。
今回の森友学園の問題、それからその前から問題になっております南スーダンの日報の問題、私はこの問題に共通点があるというふうに思います。
大臣、共通点は何だというふうに思いますか。誰が考えても恐らくわかること。大臣、どうですか。
■山本(幸)国務大臣
直ちに、どういうことか、お答えできません。
■西村(智)委員
いやいや、わかるでしょう。
何かというと、今もそうですけれども、森友学園の問題は、交渉の記録は1年未満のものだから廃棄をしましたということなんですよ。南スーダンの日報も、1年未満の保存期間になっているからこれは廃棄しましたということで、結局電子データは残っていましたけれども、結局、両方とも1年未満のものが廃棄をされているということ。それぐらいここの部屋にいる誰が考えてもわかるはずなのに、何で公文書管理担当大臣がそのことをわからないんですか。おかしいじゃないですか。
私は、この二つの問題の本質を言うまでもなく、やはり役所の方は、自分たちに都合の悪い文書はまず残さない、残さないし保存期間を短くする、1年未満のものにする、そして簡単に廃棄をしてしまう。行政文書であれば、廃棄のときには内閣総理大臣の同意が必要になっているんですけれども、1年未満のものはその対象外になっています。そこの抜け穴をついて、言ってみれば、公文書管理法というのを、ルールを悪用して、行政文書がありませんということを盾に、これまで森友隠し、そして南スーダンの日報の問題が浮かび上がってきたんだというふうに思っているんですね。
大臣、1年未満の行政文書が廃棄されていたということについて、大臣も、単純な事実ですけれども、それは認識していたということでよろしいですよね。
■山本(幸)国務大臣
その点は承知しております。
■西村(智)委員
そうしましたら、これほど大きな問題になっている二つの案件だけを見ても、やはりここは法の抜け穴がある。
私、実は、公文書管理法が制定されるときに、修正協議に臨みました、当時、民主党の責任者の一人として。そのときにも随分いろいろな工夫をこの法律の中には盛り込んだつもりだったんですけれども、やはりこうやって運用し始めてみると、このように、実際にいいはずだと思ってつくった法律、情報公開法と公文書管理法ができれば、これが車の両輪になって、民主主義が前に進んでいくために役所は適切に文書を管理してくれるだろうという淡い期待を持ってスタートさせたんですけれども、実際にこれは抜け穴があるということがわかって非常にショックを受けています。
先ほど大臣は、施行5年後の検討見直しの報告書も踏まえてやっていきたいということでしたけれども、これは法改正していかないと、役所の文化をこれ以上野放しにしていてはいけないと思います。1年未満の文書にとにかく何でも押し込む、そして行政文書ファイルも保存期間が一緒のものをまとめるというふうに、多分ここは規則が曲解されていると思います。曲げて理解されていると思います。
だから、本当であれば、プロセスを一から十までたどって意思決定過程をひとつのファイルにまとめていかなければいけないのに、保存期間が同じものに限るということを盾にして、同じ期間のものを同じファイルに集めていく、それで短いものだけどんと捨てる、こういう変なノウハウみたいなものが霞が関の中に今、残念ながらあるというふうに私は思うんですよ。
だから、ここは法改正をきっちりとやって、もうこういった問題は起こさないんだという意思を示す必要があると思いますけれども、大臣、いかがですか。
■山本(幸)国務大臣
御指摘のように、歴史公文書等に当たるかどうかのところの基準が少し曖昧であるということは私どもも認識しております。
その意味で、先ほど申し上げましたガイドラインの見直しを現在やっているところでありまして、この中でそういう点についてぜひ前進させていきたい、そして各省における公文書管理の質の向上を図って、その成果をしっかりと見きわめていきたいと思います。その見きわめをしっかりした上で、さらなる制度の見直しの必要があれば、法改正も含めて検討してまいりたいと思います。
■西村(智)委員
そうこうしているうちに、霞が関からは文書が捨てられていますよ。捨てられているんですよ、今も、この時点も。いいんですか、そんな、公文書管理担当大臣として、見きわめて、その上で判断しますというような。
具体的に、私、こういった検討はいかがでしょうかという、法改正に向けた提案をしたいと思います。例えば、1年未満という保存期間は原則禁止をするということです。
1年未満の保存に何が該当するかというのは、公文書管理法上も、政令上も、ガイドライン上も、規則上も、どこにも書かれておりません。この1年未満保存文書であっても、歴史文書に該当するものは1年以上の保存期間をつけることが政令別表で定められているということだけで、実はどこにも書かれていない。
1年未満の保存文書は、実態が不明、あるかないかも行政次第。なぜかというと、1年未満の行政文書は、行政文書ファイル管理簿への登録はしなくていいんです。登録されると廃棄の記録も残りますけれども、1年未満の行政文書は、その廃棄の記録も残さなくていいということになっています。これは完全にやはり法律の欠陥だというふうに言わなきゃいけない。
なので、ブラックボックス化しているこの1年未満の保存文書を原則なくすべきだというふうに思いますけれども、大臣、これはいかがですか。
■山本(幸)国務大臣
先ほども申し上げましたように、現在、ルールに従ってやっているわけでありまして、ガイドラインの見直しを今やっておりますので、それを見きわめた上で対応してまいりたいと思います。
■西村(智)委員
現在、ルールに乗ってやっておりますというそのルールに抜け穴がありますねと私は申し上げております。
大臣もさっき、1年未満の文書が捨てられていたということは認められました。その行政文書、捨てられた文書の中に森友問題の本当に必要な情報が、答弁をそのまま聞けば、そこに何か重要なものがあったかもしれないんですよ。あったかもしれないものが捨てられていたということは、やはり問題じゃありませんか。国会質疑をこれだけ紛糾させて、そして国民の八割がまだ納得していないということは、やはり政府としてその責任を果たしていない、説明責任を果たしていないということですよ。大臣、全く自覚がないんですね。本当に驚きました。
具体的に、ふたつ目の提案をしたいと思います。行政文書ファイルの作成規定の見直しを私は求めたいと思います。
行政文書ファイルは、相互に密接な関連を有することが行政文書であるということでまとめることになっていますが、保存期間を同じくすることが適当であるものに限るという限定もあります。ですから、保存期間を同じくしなくていいよねというふうに判断すれば、例えば森友学園の問題も、保存期間を分けて別のファイルに保存することができるわけなんです。
行政文書ファイルは、中に含まれる文書の最も長い保存期間に合わせて保存期間が設定されます。短期間保存文書だけ集めると、簡単に廃棄ができます。だから、保存期間を同じくすることが適当であるものに限るという規定は拡大解釈されている、適当にいいように使われているので、意思決定過程の経緯などが後づけされるように構成すべきである、こういうふうに改正しなければいけないと思いますけれども、これについて見解を伺います。
■山本(幸)国務大臣
私どもとしては、ガイドラインの見直しをやってその成果を見きわめたいと思っておりますが、御意見は御意見として賜っておきたいと思います。
■西村(智)委員
ガイドラインの見直しをやるということですが、私は、それまで猶予なく、遅滞なく、大臣としてリーダーシップを示して仕事をしてもらいたいと思います。
別の観点から伺います。
今回、千葉県文書館で公文書が大量に廃棄されていたということが報道されました。私も、これは報道で知りました。千葉県の文書館は非常に建物も立派で、都道府県でもありますし、それなりの文書管理がなされていたのではないかというふうに思いますけれども、大変貴重な戦時中のものですとかが廃棄されていたということで、私もショックを受けております。
この問題について、まず、総務省の受けとめを伺いたいと思います。
■原田総務副大臣
地方公共団体の公文書管理につきましては、地方公共団体の定める公文書管理条例、規則等に基づいて実施されているものでございます。
一方、公文書等の管理に関する法律第34条では、地方公共団体に対して、同法の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう、努力義務を課しております。各地方公共団体においては、法の趣旨にのっとり、公文書の適切な管理に努めていただきたいと思います。
■西村(智)委員
法律の施行5年後見直しの検討会の中でも、地方自治体における文書管理のあり方というのは、実は重要な3項目のうちの一つに含まれております。ですので、今後、さらに専門知識を有する職員をきちんと配置できるようにするですとか、まさに法の趣旨をきちんと理解した上で、捨ててもいいということではないんだ、きちんと管理して保存して、請求があったらきちんと情報公開もするんだ、そういう意識を自治体の方にも徹底していく必要があると私は思います。
山本大臣、自治体の行政文書管理、公文書管理は検討報告書でも指摘をされています。大臣はどういうふうに受けとめていますか。
■山本(幸)国務大臣
地方公共団体の個別事案でありますのでコメントは差し控えたいと思いますが、一般論としては、先ほど総務副大臣が申し上げたとおりであります。
国として、地方公共団体における公文書管理に対して指導を行う等の法的権限を与えられておりません。したがいまして、地方自治の本旨にのっとって、各地方公共団体の判断及び責任において、公文書管理法の趣旨に照らして適切に運用すべきものと考えております。
なお、従来から国立公文書館が地方公共団体の文書主管課や公文書館等の職員を対象とした研修へ講師を派遣するなどしておりまして、今後とも、引き続き、適正な公文書管理がなされるよう支援してまいりたいと思います。
■西村(智)委員
地方自治の本旨というところに逃げられるだろうと思っていましたけれども、やはり想像どおりの答弁でしたが、これは有識者会議の中でも重要な検討課題の三本のうちの一つに入っているんですよ。大臣、そういう逃げの姿勢だけでは、この国から本当に重要な資料が、千葉県の文書館からは戦没者名簿、遺族台帳、こういった貴重な資料が消えているということでありますから、ここは本当に、大臣がどういう仕事をするかによってこの後の我が国の民主主義がどうなっていくか、そのくらいの重要な問題ですので、ぜひしっかりとやってもらわなければ困ります。
それで、山本大臣においては、先般、学芸員について大変失礼な話をされた。特定の病気の患者さんにも非常に無礼な話だったと私は思います。
参議院の内閣委員会でも大臣は、大英博物館のことについて堂々と答弁されているんですね、しかも間違った答弁を。これは撤回をされたんでしょうか。大臣に伺います。
■山本(幸)国務大臣
学芸員についての発言につきましては、先般、撤回し、おわびを申し上げたところであります。
なお、本年3月9日の参議院内閣委員会におけます大英博物館に関する発言については、私の20年来の友人であり、文化財、観光に造詣が深い英国の知人から伺ったことをそのまま申し上げたところでありました。今回改めて同氏に確認いたしましたところ、建物の改装については、時系列的な点で私の記憶違いがあったようであります。
大英博物館では、来館者の快適性を高めるための多言語対応や点字物解説の充実等の改革を進めてまいりましたが、その改革の中で、入館者がテーマごとの展示室の移動をより容易に行うための動線確保や、来館者が快適に過ごすための空間の確保という観点から、建物の改装を2000年に実施し、グレートコートを整備したということでありました。
私はオリンピック後と申し上げたのでありますが、オリンピック後ではなく、オリンピックの前にそういう改装をやったということでありました。
その後も、大英博物館では、多くの若い人に来ていただき、大英博物館に親しんでいただくための進化を続けているとのことでありました。
また、学芸員につきましても今回改めて同氏に確認いたしましたところ、大英博物館では30年ほど前から、来館者の増加のため、学芸員は研究のほか来館者に説明するなど、改革を進めてまいりました。その際、一部の学芸員がその改革の方針に反対していたということであります。しかしながら、自分たちの考えと同館の方針が異なるため、いづらくなり、定年前に退職していったということであります。その結果、オリンピック終了後も含め、同館の方針と異なる考えの学芸員が退職し、全体として同館の方針に従う学芸員に入れかわっていったということであります。
この本年3月9日の参議院内閣委員会における大英博物館に関する私の発言については、このように事実と異なる部分がありまして、この点については訂正し、おわび申し上げたいと思います。
■西村(智)委員
何かぼそぼそと読み上げられたのでよくわからなかったんですけれども、要は、著しい事実との相違があったということですよね。こんなふうに口から出任せを言われると、国内外で大きな問題になりますね。
私は、やはりこれは政権の緩みだというふうに思います。今、自民党内でいろいろな不祥事と申しましょうか、問題なんかも出てきますけれども、私の目から見ますと、小さい悪を切り捨てて大きい悪の方は残している、守っている、どうもそういうふうに見えてならないわけなんですよ。
大臣、これは本当に重い責任問題だというふうに私は思います。これについてはどういうふうに今後対処していかれるんですか。
■山本(幸)国務大臣
学芸員についての発言につきましては、撤回し、陳謝申し上げました。
また、大英博物館の事実に関する部分については、先ほども答弁申し上げましたけれども、訂正させていただき、おわび申し上げたいと思っております。
■西村(智)委員
民進党としては、大臣の資質の問題、また総理の任命責任の問題、こういったことはやはり申し上げざるを得ないというふうに思います。この点についてはいかがでしょうか。大臣自身のお考えを伺います。
■山本(幸)国務大臣
私、反省すべきところは反省して、しっかりと職務をやっていきたいと思っております。
■西村(智)委員
しっかりと職務をやっていきたいということであれば、なおのこと先ほどの公文書の問題をちゃんとやってくださいよ、大臣。
この公文書管理法ができるときに有識者会議を運営していたのは、当時、上川陽子担当大臣でした。大臣は、公文書管理法の有識者検討会の結論が出るまでは霞が関で文書の廃棄をしないでくださいということを閣僚懇談会で全大臣に要請したんです。要請をしつつ、また霞が関を全部回りました。どういう状況であるのか、書庫まで行かれて視察をした。書庫まで大臣が見に来たということは初めてだったそうです。
そのくらいのことをやっていただかないと、今も既に捨てられていますよ、多くの文書が。これはまずいということになって、ああ、公文書管理法をこういうふうにやれば、解釈によってこれは捨てられるというふうになっている。そこのところは、大臣、ちゃんと認識してください。そして、そのくらいの仕事を担当大臣としてしていただきたい、そう思いますけれども、大臣はいかがお考えですか。
■山本(幸)国務大臣
御指摘のようなことがあった当時は公文書管理制度自体が未整備でありまして、その後、平成21年に公文書管理法が制定され、作成から国立公文書館への移管、また廃棄に至るまでの行政文書の管理に関する統一的なルールが整備されたところであります。
このため、まずは、各府省において公文書管理法、同施行令及び各行政機関が定める行政文書管理規則に基づいて適切に文書管理を行うことが重要であり、現時点において、御指摘の法整備が整備される以前と同じような対応をとる必要はないものと考えております。
■西村(智)委員
いや、1年未満の行政文書が合法的に捨てられているという意味においては、公文書管理法ができる前よりも事態は深刻ですよ。そのことを自覚してください。
そのような答弁を続ける大臣には、私は、公文書管理に関する熱意も意欲も何もないというふうに断じざるを得ません。今後も恐らくあらゆる場面で責任について問われることになると思いますけれども、仕事でやるんだ、職務を果たすんだということであれば、せめてそのくらいのことは言ってもらわないと困る、このことを申し上げます。
それでは、総務副大臣と山本大臣への御質問はここで終わりですので、退席していただいて結構でございます。
次に、学習指導要領について伺いたいと思います。
今般、学習指導要領が改訂になって、さまざまな事項が話題になりました。パン屋さんの話とかいろいろありましたけれども、私は、LGBTに関する記載について伺いたいと思っております。
先週末、私の地元の新潟において発行されている新潟日報という新聞で、高校生の投書が載っていました。「窓」という読者投稿の欄に「性的少数者への理解必要」というタイトルで、こういうふうに書かれているんです。
新潟市中央区にお住まいの笹川さんという方、17歳。学校で保健の授業を受けていて、疑問に思ったことがあった、思春期になると、異性への関心が高まると書かれている、私は、こういった教科書の説明は適切ではないのではないかと考える、確かに大多数の人間は思春期を迎えれば異性のことを好きになるだろう、しかし、中にはそうではない人がいることを忘れてはいけないのだ、異性を好きになることが当たり前のように学校で教えれば、性的少数者、LGBTの生徒たちはますます悩み、こういうふうに書かれているわけであります。そして、まず教育課程において、しっかりと少数派の立場に焦点を当て、知識と理解を深めていくべきだと考えている、こういうふうに書かれている。
今回の学習指導要領の改訂に当たっては、パブリックコメントで大変多くの方から、この点について記載してほしいという要望があったというふうに聞いております。そのパブリックコメントは全体のコメント数の中の約12%、非常に多くの数だと思います。しかし、残念ながら、こうした意見は学習指導要領案には反映されませんでした。
他方、文部科学省は、学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査を実施して、平成27年の4月30日に「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を、都道府県教委あるいは学校の事務担当者に通知しております。また、平成28年の4月1日には、教職員向けに「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」という手引、ガイドラインを出しているわけです。
それで、私も、この点については、やはり学校で、いろいろなことを考えますと、きちんとそういうLGBTについての記載があることが望ましいというふうに思います。
そこで、先般、質問主意書を出したんですけれども、それに対する回答はけんもほろろなものでございまして、これについて改めて伺いたいと思います。
回答では、保健体育において、性的マイノリティーについて指導内容として扱うことは、個々の児童生徒の発達の段階に応じた指導、保護者や国民の理解、教員の適切な指導の確保などを考慮すると難しいと考えていますというふうに記されておりました。
私、これを読んで、あれっと思ったところがあったんですね。そのことについて伺います。
まずひとつ目。個々の児童生徒の発達の段階に応じた指導を考慮すると難しいというふうに書かれていますけれども、発達段階に応じた指導を行うのが本来は教員の責務ではないですか。だから、これを指導内容、学習指導要領から除外する理由にはなり得ないというふうに私は思います。なぜこれを理由として挙げているんでしょうか。
■松野文部科学大臣
まず、これはもう大前提でありますけれども、LGBTを初めさまざまな要因において、社会において、特に学校現場においてそのことによって差別をされたり傷つけられたりすることがあってはならない、これは当然のことでありますし、そのことに向けて文部科学省も、またそれぞれの学校現場においても配慮いただいているところであると考えております。
西村先生の方から、個々の発達段階に応じてというのは教師の当然の責務ではないかという御指摘もいただきました。
指導方法に関して、学習指導要領というのは、全ての生徒児童に対して教えていただくことを大綱的に網羅している、大綱的につくっているものでございます。その事柄において、全ての児童生徒に授業の形式をもって教える、指導するということが現状において適切であるかどうか、また、その内容、性質において、個別の生徒から、保護者からの相談に対応して進めることが適切なものがあるかどうか、そういった判断の中において、西村先生からお話があったLGBTの問題は、まず、LGBTに対する科学的な知見が確立をしていないということがございます。科学的な知見が確立をしていないということは、先生方が授業においてなかなかそれを合理的な説明のもとに進められないという問題があるかと思います。
そして、パブリックコメントについても言及をいただきましたけれども、パブリックコメントの中においても、このLGBTを積極的に学校現場、授業の中において教えるべきだという御意見と、これは個々の生徒児童の発達段階によるものであるから、学校現場においてこのLGBTの問題を授業として取り上げるのはいかがなものか、そういったそれぞれのお立場の意見がございました。
そういった中において、今回、学習指導要領の中においてこのLGBTの指導について取り上げなかったということでございます。
■西村(智)委員
いやあ、ちょっと驚きました。
全ての児童生徒に教えることは、私は適切だと思います。それから、科学的知見が確立していないからというのが理由であるとすれば、今、実際にそれを理由としていじめを受けている子供たち、それからこの性的指向、性自認に係る悩みを持っている子供たちは、そうではない子供と比べると自殺念慮が6倍高いという調査もあります。それに対して、本当に、科学的な知見が確立していないということが学校でこのことに言及しない理由になり得るのかどうか。私は、なり得ないというふうに思いますね。
思春期が来たら異性に対する関心が芽生える、そうじゃない人もいる、そのくらいのことではないかというふうに思うんですよ。そのくらいのことをなぜ入れられないのか、私はやはり疑問に思いますね。
ですから、重ねて申しますけれども、指導内容から排除する理由にはなっていないというふうに思います。ぜひ、今現在そういうことで悩んでいる子供たちを救ってください。
実際に、体育の授業を受けると、自分が世界の中で本当に一人なんじゃないか、こんなことを思っている私は、僕はおかしいんじゃないかということで、それだけで悩みがまた深くなってしまうおそれが非常に強いです。そういった状況をぜひ改善していただきたい。
二番目の質問ですけれども、やはりこれは答弁書の中にありました、保護者や国民の理解を考慮すると難しいと考えていますということであります。
私は、先ほどの大臣のお言葉から、パブコメもいろいろな意見があったんだなということはわかりましたけれども、だけれども、そういった理解がもう少し足りないから指導が必要だということは当然あるんだというふうに思うんですね。理解が足りないから指導できないということでもないでしょうし、理解が足りないからこそ指導する必要があるんだろうというふうに思っております。
そして、もうひとつお伺いをしたいのは、教員の適切な指導の確保を考慮すると難しい、このことについて指導するのはというふうに書かれているんですけれども、これは何をか言わんやという感じに私は受けとめました。教員が適切に指導できないことを文科省自体が認めているということではないでしょうか。
だとすれば、文科省がこれまでさまざまなパンフレット、ガイドライン、指導に向けての手引、こういったものを作成して、お金も多分相当かかったと思います。検討会をやるところから、ガイドラインをつくって、全国の都道府県や自治体の学校の事務担当者に配付することも含めてお金もかかっているはずなんだけれども、それが生かされていないことをみずから言っていることにほかならないのではないかというふうに思います。
このパンフレットを本当に生かされているんでしょうか、大臣。
■松野国務大臣
繰り返しになりますが、それぞれの生徒児童の個性によって差別をされたり傷つけられたりするようなことがあってはならない、このことは西村先生と私も共有する思いであろうかというふうに思います。
パンフレット等を出しているにもかかわらず適切な指導ができないとはどういうことかというお尋ねでございますが、文部科学省において、性同一障害の問題でありますとか性的マイノリティーの問題に関して、現場において十分な配慮をする旨の通知を発出しております。
その通知を受けて学校現場の方から、具体的に子供たちや保護者の方から相談があった場合はどのように対応すればいいんだろうかという相談が文科省の方に寄せられました。
その相談を受けて、パンフレット、個別対応に対してどういった適切な指導がとり得るか、例えばサポートチームの結成の問題でありますとか、また髪型や服装等々も含めた指導の問題でありますとか、そういったことについて書いてあるものでございます。これは、それぞれの学校現場で先生方が個別に対応するに当たって参考としていただきたい資料として出しております。
そのことと、学習指導要領において全員に対して指導していくことは事柄が違うという理解をしております。
■西村(智)委員
いいえ、私は違わないと思います。
学校で実際に起きていることは、子供同士のいじめだけではありません。この点については、学校の先生によるいわゆる二次被害も発生しています。私も実際にそのことを、ケースとして幾つか当事者から聞いております。ですので、全ての生徒に教えていく、指導していく必要がある、その前にはやはり教員の指導も適切にやっていかなければいけないと思います。
福祉避難所について、済みません、松本大臣と古屋副大臣から、いていただいたのに、一点だけ伺いたいと思います。
今回、熊本地震の検証チームの中で、福祉避難所はバツがついているんですね。要するに機能しなかった、うまくいかなかったという報告書が出されております。
いろいろなデータ等を見ましても、災害対策基本法で実際に福祉避難所の設置が市町村に対して義務づけられているにもかかわらず、やはり自治体の方は、たくさん人が来たらどうしようとか、あるいは実際に協定は結んでいるけれども指定していませんとかいうので、非常に取り組みがおくれています。
何とかこれを改善するために、例えば開設予定の施設や場所を周知している自治体の割合、それから利用協定を結んで指定している自治体の割合、利用対象者の数を把握している自治体の割合、福祉の担当者が福祉避難所の指定が義務づけられていることを知っている自治体の割合、これを調査していただきたいと思います。調査するところからでないと物事は始まっていかないと思いますが、それについて松本大臣から一点伺って、終わります。
■松本防災担当大臣
福祉避難所の利用対象者数につきましては、市町村におきまして適切と考えられる方法や基準で把握すべきものでありまして、市町村による把握の制度も異なることから、全国一律の考え方による調査で把握することはなじまないと考えているところでございます。
そのため、内閣府といたしましては、当面は把握することまでは考えておりませんが、各市町村において管内の対象者の状況の把握に努めるよう促してまいりたいと思います。
■西村(智)委員
法律で義務づけられておりますので、そこはきちんと調査してください。
終わります。