■西村(智)委員
民主党の西村智奈美です。
社会福祉法等一部改正案、きょうは短い時間ですが、質問させていただきます。
社会福祉法人制度は成立から六十年以上が過ぎているということで、恐らくは創設以来の大改革になってくるのではないかというふうに思います。戦後、本当に、福祉的なニーズが急増する中で、憲法二十五条と八十九条の真ん中で何とか工夫によって生み出された制度でありますけれども、今や社会福祉法人自体が二万に迫る数があり、そこでサービスを受けていらっしゃる方も非常に多いということからいたしますと、やはりこの法案は相当慎重に質疑を行って、当事者を含めていろいろな方から意見を聞く必要があるというふうに思います。
そこで、冒頭、まず伺いたいのは、社会福祉法人の今日的な意義と申しましょうか、そういったことについて、先ほど私は六十年以上前とは少し事情も変わってきているのでというふうなことは申し上げたんですけれども、これについて、まず大臣、率直にどんなふうにお感じになりますか。ちょっと質問時間が短いので、手短にお願いします。
■塩崎国務大臣
今、西村先生からお話ありましたように、これはできてから六十年ということで、いわゆる社会福祉サービスの中身自体も随分変わってきて、ニーズも変わってきている、複雑化もしているということ、そしてまた、多様な事業参加者がおられたりするということが一つ。
それから、社会福祉法人の運営に対するさまざまな指摘があって、同じ公益法人の中でもいろいろな濃淡がある御意見がいろいろなところで聞かれるということもございました。そして、透明性の跛行性というものも公益法人と呼ばれる中でもありましたし、また一方で、公益性のある福祉事業をやっている方の中でいわゆる社会福祉法人ではない営利企業の方もおられる、こういうこともあります。
そして、公益法人改革というのがございました。この公益法人の改革の中でいろいろな改革が行われましたけれども、そもそも、さっき申し上げたように、公益法人と一般的に呼ばれる中にもいろいろな種類がありますけれども、これにも跛行性があって、いろいろな指摘が実は十八年の公益法人制度改革以降、社会福祉法人に関しても言われてきた。
そうなると、恐らくこの委員会のメンバーは皆コンセンサスがあると思いますけれども、社会福祉法人自体は大変大事だというふうに思っていらっしゃると思います。
何が大事かというと、やはりまずは公益性と非営利性というもの。公益法人たる社会福祉法人、つまり税を軽減してもらうという大事な、減免をしている、かからない税すらある、それはほかの事業体とは全く違うわけでありますから、公益性、非営利性をもっと徹底しないといけないのではないかという観点。
あるいは、そうであればあるほど国民に対する説明責任というのを果たさないと、税の使い方としていかがなものかということ。
それから、地域社会への貢献。先ほど地域包括ケアシステムの話がありましたけれども、やはりこの社会福祉法人が、そういった地域包括ケアの中でもそうですが、どういう貢献をこれからの社会福祉法人はすべきなのか。
こんなことをやはり考えていくのが大きな三本柱かなというふうに考えております。
■西村(智)委員
福祉の担い手として、やはり公益性それから非営利性、先ほど大臣おっしゃったように、そこをしっかりと確認しながら六十年以上存在し続けてきて、そして、これだけ多様で、これだけ規模の違いもいろいろあってという中での社会福祉法人ですから、先ほどもどなたかの質疑にもありましたけれども、やはりこれをいい形で発展させていくといいますか残していく、そして引き続き住民へのサービスを提供していっていただく、こういう体制にしていくことが私も必要だというふうに思うんです。
それで、ただ、やはり制度の特殊性から、行政と民間が力を合わせて一つの福祉サービスとしての担い手であったということは確認しておかないといけないというふうに思うので、改めてちょっとここは確認のため伺いたいと思うんです。
今回、退職手当の公費助成が廃止をされるという中身になっております。公的助成が廃止されるということで、社会福祉法人の立ち位置と申しましょうか、行政と力を合わせて福祉の担い手となっていくというその立ち位置に変わりがあるのかないのか、変更が加えられるのか加えられないのか、端的に伺いたいと思います。
■塩崎国務大臣
これは先ほど局長からも答弁申し上げましたけれども、退職手当共済制度につきましては、職員処遇の向上に大変大事なわけであります。したがって、今後とも安定的に運営をするということは変わりません。
一方で、先ほどお話がございましたとおり、平成十八年に、障害福祉サービス分野における前回改正時に、介護関係施設、事業については公費助成を廃止した一方で、障害者の関係のところにつきましては公費助成は維持をした。
これは、一つは、まだ制度が安定化していないといったことがあったりしておりましたが、障害者の関係施設における制度がまだしっかり完了していない、あるいは、介護関係施設、事業と同様に、他の経営主体とのイコールフッティングの観点から、公費助成の見直しがここまで来ると必要ではないのかという観点、そうしたことから、障害者総合支援法に関する施設、事業等については今般公費助成を、これまでに入っている方々に対しては引き続き公的助成を維持しますけれども、今回、イコールフッティングにするということでまいりたいというふうに考えているところでございます。
■西村(智)委員
答えていただいていないんですが、行政と民間が力を合わせてこれからも福祉の担い手であり続けるという社会福祉法の考え方、これについては変更がないということでよろしいですね。
■塩崎国務大臣
公益法人改革の際に、公益とは何か、誰が定義するんだということが最大のテーマだったと思います。明治以来、民法で、公益は所管官庁が公益とするものが公益だという官主導でやってきましたが、ここで公益法人改革をしたということは、やはりこれは必ずしも所管官庁が公益だと認めたものだけが公益ではない、それはまた別の論理で、税の認定などで決まってくるということもあるんだということで、今先生お話しのとおりで、官と民が一体となって公益を実現するということが、今回の社会福祉法人についても同じことが哲学としては流れていくというふうに理解をしております。
■西村(智)委員
何か、コインの表側について質問すると、裏までぐるっと回ってきて、ようやく表に来て答弁をもらえるという、非常に答弁が長いので、大臣、短くお願いいたします。
それで、私は今回の社会福祉法の改正の中でやはりどうしても気になるのが、働く人たちの処遇の問題なんです。先ほど山井委員からも質問がありましたけれども、障害福祉報酬が引き下げられ、介護報酬が引き下げられ、いずれも引き下げられている中で、残念ながら、例えば介護、それからこれは私の関心事からも申し上げますと、例えば保育士の方ですとか、なかなか賃金が上がっていっていません。
この間さまざまな努力を、私たち民主党政権のときにもしてきたにもかかわらず、なかなか上がっていっていない中で、今回、いわゆる内部留保というものを透明にしようということで、いろいろなことが盛り込まれました。
社会福祉充実計画をつくって、そこでいわゆる内部留保を公益事業として回していく、そういったものもつくれと。かなりこれは負担になってくるところもあるとは思うんですけれども、それは今ちょっとおいておくといたしましても、やはり、人件費を抑えて内部留保に回すというようなことが万が一にもあってはいけないと思うんです。
やはり人材確保という点からも、積極的に職員の処遇改善に充てる、そういう運営が求められるわけで、そのときに、例えば社会福祉充実計画の策定のときにそういったものが盛り込めないかということをいろいろ考えてみたり、それから社会福祉充実残額、これは、いわゆる内部留保から差し引くことになります控除対象財産、こういったものを差し引くんだということなんですけれども、控除対象財産というものが一体どういうものなのかということについても、実はこの法案の中にはほとんど書かれていない。ポンチ絵の中で、大体こういったことですよというような、文字としては見えてくるんですけれども、私は、やはりここを一律にやるべきじゃないというふうに思います。
つまり、人材の処遇の改善に充てるということにしっかりと着目した上で計画をつくっていけるようでなければならないし、また、控除対象財産についても、人件費まで根こそぎ取るというような控除の仕方ではいけないというふうに思うんですけれども、この点については、大臣、現時点でどういうふうに考えておられますか。
■塩崎国務大臣
今回、内部留保については、必ずしも厚生労働省の中から出てきた話ではなくて、世の中とか財務省とか、そういうところから出てきたところがございましたけれども、私どもは、社会福祉事業を営むに当たって最も大事なのはやはり人材、何しろ人が相手の大事な福祉事業でございますので、職員の処遇改善とかそういうことについては、経常的な運営の中で取り組まなきゃいけないことだというふうに思っておりますし、再投下可能な財産がある、つまり、俗に言う内部留保があるというところについて、今回の法案においても、社会福祉充実計画において、職員の処遇改善を含む社会福祉事業の充実に優先的に再投下するということを検討することとしておりまして、社会福祉事業の中での人材投資、これが第一優先順位のグループに来るということでございます。
それから、控除対象財産の考え方については、これは後ほど、法律ができてから省令と通知などで具体的にお示しをするということになっていて、三つの大きなジャンルはお示しをして、社会福祉法に基づく事業に活用している不動産、それから再生産に必要な財産、必要な運転資金、そういうものでございますけれども、公益性、非営利性に照らせば、やはり、今の事業を安定的に経営するために必要な財産は間違いなく確保をしていく、その中には当然人材というのもあるということだというふうに思っています。
今回の法案では、いわゆる内部留保から控除するわけでありますけれども、再投下可能な財産を明確化する、これを初めてやって内部留保の定義というものをつくるわけで、社会福祉事業の拡充等に計画的に再投下をするためにこれをアイデンティファイするということだというふうに理解をしております。
現在の事業を継続するために必要な財産については、もう細かくは申し上げませんけれども、今申し上げたような三つの種類を基本として、社会福祉法人の実態を踏まえて、制度の施行までに専門的な見地から検討して、さっき申し上げた省令、通知でお示しをしていくということだと思います。
■西村(智)委員
この法案のもう一つのポイントは、やはり透明性をより高めていこうということだと思います。
ただ、いろいろなデータ等々、また社会福祉法人の当事者等々の方からお話を伺いますと、やはり負担になるということは相当懸念されるわけですし、私もちょっとそこのところは心配です。
以前、厚生労働省は、平成二十六年の五月に通知を改正して、平成二十五年度分の貸借対照表と収支計算書の公表を義務化していますね。このときにどういった配慮を当時とったのか、あわせて、それに引き続く現在の公表状況についてはどういうふうに把握をしているか、この点について伺いたいと思います。
■塩崎国務大臣
財務諸表の公表についてでございますが、通知で義務づけ時の配慮措置ということについて、全ての社会福祉法人に対して、平成二十六年五月に、財務諸表などをインターネットによって公表するということを求めました。
社会福祉法人の事業規模などはさまざまでございますので、財務諸表等の公表については、法人の負担を考慮して一定の配慮を行っておりまして、具体的には、法人自身のホームページにおいて公表するほかに、所轄庁、監督の自治体ですね、これのホームページを利用して公表するということを方法として可能にいたしたところでございます。
それから、どういう法人がどのくらい公表しているんだということでありますけれども、最新のデータであります平成二十四年度の財務諸表の公表状況について、ホームページ、広報誌、いずれかによって公表を行っている法人の割合は五二・四%となっておりまして、そういう状況でお出しをしていただいているということでございます。
■西村(智)委員
五二・四%ということですから、これはやはり相当厚生労働省の方でサポートをしないと一〇〇%には行かないのではないかというふうに思うんですね。
ちょっと話が別の方に行きますけれども、実は民主党政権のときに、公益法人それからNPO法人等々に対する寄附税制を拡充いたしまして、NPO法人だけではなくて、社会福祉法人それから学校法人、公益財団法人もそうですが、そういったものも寄附控除が受けられるという、その対象にしたんです。新しい公共という名のもとでしたけれども、新しい公共というと、とかくNPO法人の方にばかり目が行きがちだったんですが、やはり社会の中で公益的な活動をしているという意味では、これは、さまざまな公益法人、それから学校法人も社福法人もあるということで、対象にしました。
そのとき、「新しい公共」推進会議の中で、情報開示・発信基盤ワーキンググループというのが随分長い時間をかけて、法人の情報を、NPO法人でしたが、どういうふうに提供するかということで、随分検討した結果出た報告書をもとに、内閣府の方で、NPO法人への寄附、これに対する寄附税制の対応として、情報提供はこういうふうに行いましょうというふうにまとまって、今それを実行されていると思うんです。
ちょっと社福法人とも関係しますので、内閣府に参考に伺いたいと思うんですけれども、この点について、情報提供は今どういうふうに行われていますか。
■林崎政府参考人
お答え申し上げます。
今御指摘ありました点ですけれども、特定非営利活動促進法第七十二条におきまして、内閣府及び所轄庁でございます都道府県、政令市、こちらは、NPO法人に対する寄附等を促進するため、NPO法人に関するデータベースの整備を図り、国民にインターネット等を通じて迅速に情報を提供できるよう必要な措置を講ずるものとされているところでございまして、この規定を受けまして、私ども内閣府が運用しております内閣府NPOホームページにおきまして、法人の事業報告の公開あるいは寄附税制に関する情報提供を行っているほか、パンフレット等による情報提供も行っております。
また、所轄庁と私どもとの間でブロック会議を定期的に開催しておりまして、所轄庁とともに、NPO法人や寄附者に対しまして、寄附税制の普及に向けた周知、広報を図ってきているところでございます。
■西村(智)委員
ポータルサイトをつくってもらったんですね。今でも動いていまして、検索すると、どういう活動内容で、例えばどういう自治体でというところまで指定すると、ぱっと一覧表が出て、活動内容とか、たしか貸借対照表なんかもそこで見られるようになっていたというふうに思うんです。
そこで、厚生労働省に伺うんですけれども、大臣に伺いたいと思うんですけれども、社福法人もせっかく寄附税制の対象になりました。どういう情報提供の仕方になっているのか。所轄庁や法人では、さっきホームページ等々の掲載率が五二・四%とおっしゃいましたでしょうか、非常に悲しくなるような状況なんですけれども、せっかく寄附税制ができたんだから、やはりどこかできちんと、こういったものもポータルサイト的に見られるようにするべきではないか。
それは、社福法人に対する寄附を募るということにもなるし、またある意味、透明性を高めるということにもなるし、やはり何かそういう試みをやる必要があって、しかも、もう既に議論に出ていますけれども、本当に赤字の社福法人もある、それから小さいところもある、とはいえ、数百人規模の社福法人もあるという、本当にばらばら、ばらつきのある中で、多少工夫は必要だというふうには思うんですけれども、やはりそういうふうに所轄庁が一括して情報提供する仕組みを厚生労働省がサポートしてつくる必要がある。これは、透明性を高める今回の法案への対応という意味でも必要なんじゃないかと思いますが、いかがですか。
■塩崎国務大臣
先ほど寄附税制の話がございまして、この優遇税制を受けるには、やはり法人の財務諸表などが誰にでも見られる、そういうことが必要だというふうに思います。
現在、通知によって、社会福祉法人のホームページや所轄庁のホームページなどで社会福祉法人の財務諸表の公表をするように求めておりますけれども、法律上の義務がかかっていなかったということでございますので、今回の法案では、平成二十八年度から財務諸表を公表することを義務づけることとしておりまして、財務諸表の公表が適切になされるように厚労省としてもしっかり指導してまいりたいと思っています。
先ほど先生おっしゃったように、社会福祉法人もさまざまで、この間、私は立川の方まで行きましたけれども、千人以上の職員がおられるという大きな法人でしたが、規模はさまざまであります。
今回の法案における情報の開示については、みずからの法人のインターネットによる公表はもちろんやっていただければやっていただきますが、所轄庁等のホームページを利用する公表を活用するというのも可能とすることを検討して、また国において、今回の法案では、社会福祉法人の活動の状況等に関するデータベース、今、民主党政権のときにつくったものがあるというお話がありましたけれども、そういった整備を図ることとしておりまして、国民に社会福祉法人の運営状況を迅速に情報提供できる環境整備を図らなければならないというふうに考えております。
■西村(智)委員
義務を課して指導するという発想ではなくて、私は、やはりそこは、小規模な法人であれ、きちんと情報提供ができるように厚生労働省としてサポートしてくださいと言っているんですよ。上から押しつけるやり方ではなくて、そこはきちんとサポートしてくださいと。
また、所轄庁の方で、例えば、そういった社福法人の一覧を載せていないところも結構あるんですけれども、それもたしか厚生労働省の資料でありましたけれども、やはりシステム構築に時間がかかるとか、システム構築に時間がかかるということは、それだけお金もかかるということだと思うんですが、そういうことも含めて、厚生労働省の方でぜひサポートをしていただきたいということを要望いたします。
それで、ちょっと話題をかえますが、生活困窮者自立支援法がいよいよ今年度から本格施行ということで、私たちが政権時代に特別部会の中でずっと議論して骨組みをつくった法律ですので、ぜひうまいこと滑り出してもらいたいというふうに思うんですけれども、小さい規模あるいは全く畑違いのところの事業をやっているところでは、例えば自立支援法の中の任意事業あるいは中間的就労、こういったことをやっていただくことというのはなかなか難しいと思うんですが、例えば一定規模ある社会福祉協議会とか、こういったところは、任意事業とか、それからやはり中間的就労とか、こういうところはがっつりと入ってやってもらいたいというふうに思うんですよ。
伺いたいのは、昨年度行われておりました生活困窮者自立支援法のモデル事業、これを一体どういうところが行ってきたのか、その主体がどうなっているのか、ちょっと内訳を簡単に伺いたい。
それから、先ほど申し上げましたけれども、例えば低額の宿泊所、無料の宿泊所、こういったところ、住居の提供というのは自立支援の中でも本当に基本中の基本になるところなんですけれども、こういった事業をやっているのはNPOが七割で、社福が一割以下ということなんですね。だから、もうちょっと社協に頑張ってもらいたい、私はそういうふうに思うんですけれども、大臣、この点、いかがでしょうか。
■塩崎国務大臣
生活困窮者自立支援制度は、まさに生活保護にならない前にどれだけサポートができるかということだと思いますけれども、このモデル事業で、例えば自立相談支援事業については、自治体直営というのは二八%で、委託が六四・六%で、自治体みずからじゃなくて、委託をしているというのが多い。委託の中で、さっきお話がちょっとありました社会福祉協議会への委託というのが六割、社会福祉協議会以外の社会福祉法人への委託が九・八%、残りはその他ということだろうと思いますが、そのようになっております。
御指摘のとおり、生活困窮者自立支援制度はこの四月から施行になりましたけれども、社会福祉法人には、これまで培ってきたノウハウを、この分野でもしっかりとやっていただきたいし、任意事業もございますし、それから中間的就労の話がさっき出ましたが、そういうこともあります。
厚労省としては、各事業の運営主体の選択というのは自治体となるわけでありますけれども、自治体がこれを適切に判断できるように、全国の実施状況や法人選択に当たっての留意点をお示ししているわけでありまして、このほか、直ちに一般就労につくことがなかなか難しいという方々に支援つきの就労の場を提供する、先ほど申し上げた中間的就労については、社会福祉法人に実施主体としてかなりの期待がございます。関係団体を通じて、積極的に社会福祉法人に取り組んでいただくように要請もしているところでございます。
■西村(智)委員
時間ですので最後の質問にしますが、指導監督なんです。
所轄庁による指導監督が、これは指導監査要綱というのが平成十三年に制定されているんですけれども、この間、あらぬ疑いをかけられてきたその一つの背景は、この指導監査が、先ほどもどなたか言っておられましたけれども、ローカルルールがあるんじゃないかとかいうこともやはり一つの背景、だから、私は、そこはきちんとそういった疑いを払拭していくような取り組みが必要だし、そういう法改正でなければいけないというふうに思うんですね。
これは、都道府県や市がやることとはいえ、法定受託事務です。国が法定して、それを都道府県や市にかわってやってもらっている仕事なんです。だから、これはやはりある程度標準化したルールがあるべきだというふうに私は思います。それが制度への信頼性を高めることにもなるというふうに思うんですけれども、この点について大臣はどんなふうに考えていますか。
■塩崎国務大臣
今、場所場所で違う指導監督が行われているというようなお話がありましたけれども、社会福祉法人の適正な運営を確保するためには、やはり指導監督の強化というものが当然必要だと思っております。
一方で、所轄庁による指導監督については、地域によって異なる規制とか必要以上に厳しい規制に基づくものがあるとの指摘もございまして、法人の自主性を阻害し、福祉ニーズに柔軟に対応しようとする際の支障に、邪魔になっているというような意見もあることは私もよくわかっていますし、また、ある意味、自治体との関係が少し深過ぎるんじゃないか、そういうことで、いろいろ、本来のあるべき姿と少し違うかなということも言われるときがあったかと思うわけであります。
今回の改革では、所轄庁に、指導監督に当たって公認会計士など財務それから会計に関する専門家の活用を促すなどを指導し、機能強化を図る、それから、指導監督基準の一層の明確化を含む見直しも行って、所轄庁による指導監督を基準に従ったものとするように徹底してまいりたいというふうに思います。
でき得る限り客観的な、自主的な社会福祉法人の運営がみずからのガバナンスによって行われるという改革と両々相まって、恐らく、本来あるべき社会福祉法人の活動というのが行われるということで、ガバナンスや透明性の改革とセットで指導監督もおのずと、所轄庁と社会福祉法人との関係とかも明らかになって、正常化されるんじゃないかというふうに思います。
■西村(智)委員
終わります。ありがとうございました。