■西村(智)委員
民主党の西村智奈美です。おはようございます。
まず大臣、端的にお伺いをしたいと思います。
この通常国会で、GPIFに関するいわゆるガバナンスの法案、提出をされる御予定があるでしょうか。けさの一部報道によりますと、提案は断念をしたとか、あるいは三谷理事長の再任が内々決まったというような報道がありますけれども、いかがですか。
■塩崎国務大臣
ガバナンス法案についてのお尋ねでございました。
ガバナンス体制を強化するということについては、もう先生御案内のとおり、改訂日本再興戦略においても、政府として、法改正の必要性も含めた検討を行うなど必要な施策の取り組みを加速すべく所要の対応を行うこととされておりまして、極めて重要な課題であろうかと思います。
一方で、今国会には、国民健康保険法とか、それから労働者派遣法の改正等、数多くの重要法案が出ておるわけでございまして、また、社会保障審議会の年金部会においても、一方、このガバナンスにつきましては、今後十分な議論を重ねて取りまとめていただかなければいけないということがあるわけでございます。
現在、GPIFは、御案内のように、理事長一人、理事一人で、任意でありまして、そういう体制でありますので、先月提出をいたしました法案、独立行政法人に係る改革を推進するための法案でありますが、これにおいて、GPIFについて、有識者会議の提言とか、あるいは昨年十月の基本ポートフォリオ見直し時の運用委員会からの建議なども踏まえて、年金積立金の管理運用業務の体制強化のために、法律上、必要な理事として、運用担当理事を追加する等の内容が盛り込まれているわけであります。
この独法につきましては、一昨年十二月の独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づいて、新しい中期目標期間の開始とともに、独立行政法人のままでも迅速かつ着実に実施すべき措置を講ずるものであって、これについては早期の御審議、成立をお願いしたいと思っております。
それで、今お話し申し上げたように、今国会には数々の法案の審議をお願いしているわけである一方で、社会保障審議会年金部会の方でさらにこれから十分な議論を重ねて取りまとめをいただくという必要があることを踏まえますと、現時点において、今国会にGPIFのガバナンス体制強化のための新法を提出できるかどうかについては何とも申し上げられないというところでございます。
■西村(智)委員
何をおっしゃっているのか全くわかりません。聞いておられる皆さんも、本当に出すのか出さないのか、今の御答弁を聞いて理解された方は一人もいらっしゃらなかったんじゃないでしょうか。
明確に、もう一度お答えください。
■塩崎国務大臣
出すのか出さないのか、提出できるかどうかについては何とも申し上げられないと申し上げているので、出るのか出ないのかわからないとおっしゃるのはそのとおりでありまして、よく御理解をいただいたと私は思いました。
■西村(智)委員
詭弁を弄するというのはこういう答弁のことかなと思いますね。
私は、端的に答えてくださいというふうに申し上げました。これまでも塩崎大臣の答弁は、いつも質問に付随するものが非常に長くて、質問時間がこれでもう五分ぐらいなくなってしまったわけです。
ぜひ、委員長、そこのところは大臣に、短く端的に、的確に答弁をしてくださるように御指導をお願いしたいと思います。
予算委員会で質問できませんでした労働者派遣法のことについて伺いたいと思っています。
私は、派遣労働というのは一時的で臨時的な働き方であるというふうに思っていますし、日本の労働慣行の中で、言ってみれば労働者派遣法という方法で例外的に認められたものであって、これはやはり限定された働き方だというふうに思っています。
しかし、今回の改正案、これで三度目の提出となっておりますけれども、もう二度廃案となりました。呪われた法案と自民党サイドからも言われているようでありますし、三度目となりますともういわくつきの法案ではないか、そろそろ諦めた方がよろしいのではないかというふうに思いますけれども、提出をされたということでありますし、私も積み残しの質問がありますので、それについて何点かお伺いをいたしたいというふうに思っております。
今回、昨年の臨時国会で廃案となりましたものから多少の修正が加えられて提出をされているようでございます。中身についてはまだ私も詳細にヒアリングはしておりませんけれども、もともと労働者派遣法の前回までの法案といえば、均等待遇の確保がないままに派遣労働者の受け入れ期間の制限を事実上撤廃するというものであって、世界的な比較をしてもこういった例はほかにはございません。日本だけでございます。キャリアアップ措置あるいは雇用安定措置、こういったものも一応は盛り込まれておりますけれども、実効性がほとんどないということは昨年までの質疑で明らかになっているとおりであります。
今回の修正案でありますけれども、これで一体、中身は変わったんでしょうか。派遣労働者の受け入れ期間の制限を事実上撤廃するといった法案の効果そのものが、これで変わったのかどうか。私は、法案の効果に影響を与えない範囲で、昨年までの法案については中身が悪かったから今回は修正して出しましたよと、言ってみれば小手先だけの、アリバイをつくるための修正だったのではないかというふうに思いますが、これによって制限撤廃という効果は変更されるのかされないのか、そこを端的にお願いいたします。
■塩崎国務大臣
修正をしたことについてのお尋ねでございました。
労政審の建議において、派遣労働を臨時的、一時的なものと位置づけることを原則とする考え方が示されておりますけれども、今回、法律に、派遣は臨時的、一時的という文言を規定することによって、その趣旨がより明確になる効果を持っているものと考えておるわけでございます。なお、派遣は臨時的、一時的という文言を法律に明記することについては、さきの国会審議においても野党からも求められていたところでございます。
なお、今回の労働者派遣法の改正法案では、常用代替を防止するため、派遣の受け入れを事業所単位で原則三年とするとともに、派遣労働への固定化を防ぐために、同じ派遣労働者の、課単位ですが同じ職場への派遣について三年を上限とする個人単位の期間制限を新たに課すこととしておりまして、そもそも期間制限を撤廃するものではないということを明確にしておきたいというふうに思っております。(発言する者あり)
■西村(智)委員
変わっていないんですね。
この答弁は昨年までの臨時国会で繰り返されているものと全く変わりありませんし、また、ちょっと今耳に入ったんですけれども、与党席の方からも、変わっていないというつぶやきのようなやじが聞こえました。実際、何も変わっていない。これで本当に非正規の方から正社員へと転換する流れができてくるのかどうか。私は、本当にこれは不透明で、なおかつ、そのようになる可能性は極めて小さいものがあるというふうに思っております。
実際、二〇一四年、昨年一年間で転職をした人の数が二百六十一万人いらっしゃいます。このうち、正規社員だった百一万人の方で、再び正規社員になった方は六十一万人にとどまっております。残りの四十万人は非正規社員として再就職されている。約四割が、正社員であったところから非正規へと転換をされているわけです。
一方、非正規社員であった百六十万人の方、この中で、正規社員になれた方は三十五万人です。残りの百二十五万人、約三倍に上る人数の方が再び非正規社員になっていらっしゃる。つまり、非正規社員だった方で正規社員へと転換できた方は、全体で二割しかいらっしゃらないわけですね。
こういった状況がある中で、しかも、今回労働者派遣法が改正をされると、業務が臨時的、一時的でなくても、恒常的に派遣を利用できることになるということでありますから、派遣が安価に買いたたかれて、正社員を淘汰するんじゃないか、こういうおそれが非常に強い。
一体、どこで歯どめをかけるんでしょうか。法律の条文にどこで書いて、そういった歯どめの内容が盛り込まれているのでしょうか。正社員の労働条件の引き下げにつながらないその歯どめがどこにあるのか、明確にお答えをお願いいたします。
■塩崎国務大臣
一点だけ、先ほど正規、非正規、移動がどうだったかという御指摘がありましたが、これは過去十年間、一年間だけのはちょっと今数字を持っておりませんけれども、少なくとも過去十年間で見ますと、男女ともの六十歳以上の方々が非正規になった割合と、それから女性の、言ってみれば現役の五十九歳までの方々を足し合わせると、ほぼ、ふえた人数の九割がこれで説明ができてしまうということであります。
一方で、この間の、五十四歳から十五歳までの現役の人たちの正規から非正規になった人たちより、非正規から正規になった方が多いということだけは、この二年間で、八四半期連続でそうなっているということだけは申し上げておきたいと思います。
正社員に本当になれるのかという、今、西村先生の御質問でございました。
何度も申し上げますけれども、正社員になりたいと思っていらっしゃって派遣で働いていらっしゃる方と、派遣で働きたいとむしろ積極的に選んでいらっしゃる方がおられるということをまず申し上げたいと思います。
正社員を希望している方々には正社員の道が開かれることは当然重要であって、今回の改正法案では、派遣会社に対しまして、派遣期間が満了した場合の派遣先への直接雇用の依頼を含む雇用安定措置や、正社員化を含むキャリアアップ措置として、計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングの実施を新たに法的に義務づけるなど、派遣就労への固定化を防ぐための措置を強化することとしております。
これらの義務の履行の確保を図る観点からは、労働者派遣事業については、現在四分の三が届け出制となっておりますけれども、今後は全て許可制とするというのが新しい法律での定めでございます。
また、派遣先においても、派遣で働く方への正社員募集に関する情報、今はこれは社員に知らされないことになっておりますけれども、この情報提供を新たに義務づけるとともに、予算措置として、正社員として雇用する場合のキャリアアップ助成金の活用などを進めることとしておりまして、これらの取り組みを通じて、派遣で働く方の正社員化を推進してまいりたいというふうに考えております。
■西村(智)委員
せっかくの大臣所信なので、大臣の率直な考え方を聞きたいと思うんですけれども、今の御答弁は、私が聞いていること以外のことも長々と答弁をされているし、これでもう本当に時間がどんどんどんどん少なくなってしまうわけですよ。
ほかの委員の皆さんに対してもこういうことだったら、もう本当に、厚生労働委員会のあり方として、これは大変大きな問題だと思いますので、委員長、ぜひ、ここのところは大臣に厳しく注意をしてもらいたいと思います。
■渡辺委員長
はい。適切に運営をします。
■西村(智)委員
委員長、大臣に注意をしていただきたいと思います。
このまま行っても何だかずぶずぶと行ってしまうので、ちょっと先に進みたいと思います。
先ほどの大臣の答弁は、結局、どこで歯どめをかけるんですかということについては何にもお答えになっていらっしゃらないわけです。法律の条文をただ読まれただけで、どこで歯どめになるかということについては、その条文を読んでも何も書いてないじゃないですか。
実際のところ、リーマン・ショック、皆さんも御記憶だと思いますけれども、わずか五、六年前のことだったでしょうか、あのときには年越し派遣村というのができて、本当に大量の派遣労働者の方が集結をした。しかし、あそこで、ちょっと私感じたのは、男性の派遣労働者はあそこには来られたけれども、女性の派遣労働者は誰一人来られなかったということなんですね。それはまた別途の問題ではありますけれども。
あのときに、リーマン・ショックのときに、雇いどめとか違法な解雇というのが大量に発生したというのがすごく大きな問題になりましたよね。そのときに、雇用が継続した人はどのくらいいるかというと、わずか一〇・九%なんです。派遣元で無期雇用の労働者でありながらも、その九四%が解雇によって離職している、こういう現実があるわけです。これは労政審に提出されている資料ですので、厚労省もお認めになっていることだと思います。つまり、無期契約派遣という形でも、派遣元の判断で首を切られてきたんです。
そういう実態がある中で、派遣元が解雇したら、これは判例的に言っても、それはもう契約がおしまいだから継続できないということになってしまうこの現実の中で、本当に、そういった派遣労働者が違法な解雇、首切りに遭わないという防止策、これが一体どこでどういうふうに打たれているのか、これについても明確にお答えをお願いします。
■渡辺委員長
塩崎厚生労働大臣、簡潔に答弁をお願いいたします。
■塩崎国務大臣
今回の派遣法で、個人単位の期間制限の上限に達する派遣労働者については、正社員になったり、それから、別の会社で働き続けることができるように雇用安定措置というのを導入するということを申し上げているわけで、この雇用安定措置は今まではなかったわけでありまして、これを新たに派遣会社に義務づけることとしております。これらの措置を通じて、派遣期間の上限に達したことによって雇いどめとなることのないように、派遣労働者の雇用の安定を図るということにしております。
二十四年の法改正、これは民主党時代でありますが、派遣先の都合による労働者派遣契約の中途解除に当たって、新たな就業機会の確保とか休業手当等の費用負担に関する措置など、必要な措置を講ずる派遣先の義務を設けておりまして、派遣契約の中途解除が解雇につながることを防ぐことといたしました。
なお、派遣労働者に限らず、有期雇用、有期労働契約における雇いどめについては、労働者保護の観点から、一定の場合には無効とするルール、つまり雇いどめ法理というのが確立をして、労働契約法の第十九条に法定化をされているところでございます。さらに、解雇についても、客観的な合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は無効とする解雇権の濫用法理が労働契約法の第十六条に法定化されておって、不当な雇いどめや解雇が行われないように、こうしたルールについても周知を図っていかなければならないと思っております。(発言する者あり)
■西村(智)委員
今、山井委員がおっしゃっていますけれども、派遣についてはその法理は通用しないんですね。実際のところ、判例でそのような解釈、判断がされたというケースではなくて、実際は、派遣元と派遣先の間での契約が解除をされるときには、無期契約の人も例外ではなくて、言ってみれば切り捨てられる、それは、裁判所の判断としては違法ではないというふうにされているわけです。
ここのところは、きっちりと今までの前例もよくよく読んで判断をすべきであるというふうに思っておりますし、また、派遣労働者という、より立場の弱い働き方をしているからこそ、より一層の言ってみれば保護が必要になるのではないかというふうに思いますけれども、いかがですか。
■塩崎国務大臣
今、この法理は派遣には適用されないという先生の御指摘でございますけれども、私どもは、これは派遣労働の場合にも適用されるというふうに理解をされているわけでありまして、それをもとに運ばれていかなければならないというふうに考えております。
■西村(智)委員
実際、現実に救われていない方がいらっしゃるわけですね。そこのところはよくよく考えた上で、今回の派遣法は、やはり私はもう一回これは引っ込めていただいて、きちんと出し直すということが必要だと思いますし、もしこれが審議に入るということになれば、私たちは、徹底的に一つ一つの事案について大臣とまた議論をしたいというふうに思っています。
この後、労働基準法の改正についても御質問が我が党の議員からもあることだと思いますけれども、私の方からも一点伺いたいと思います。いわゆる裁量労働制の適用対象者についてです。
厚生労働省の調査では、平成二十五年度の労災認定事案のうち、裁量労働制の適用対象者と考えられる事案が十四件あるということであります。本当にとんでもないことです。
政府は、この裁量労働制の対象業務を拡大するという考え方のようでありますけれども、長時間労働によって病気になったり過労死する人がふえる、こういったことは実際に懸念をされているわけです。
政府が今回、裁量労働制の対象業務に、いろいろ拡大するということなんですけれども、法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析を行い、かつ、これらの成果を活用した商品の販売または役務の提供に係る当該顧客との契約の締結の勧誘または締結を行う業務を追加する、そういうことを検討されているそうなんですけれども、こうしますと、一体どれくらいの人がこの対象業務に当たるのか、本当に懸念されます。
実際、今般のその拡大によって、裁量労働制を適用される人がどの程度ふえるというふうに想定していますか。
■塩崎国務大臣
今お話がありましたように、企画業務型裁量労働制の対象業務として追加をする課題解決型提案営業の業務というのは、法律上の要件として、取り扱う商品やサービスが法人顧客の事業運営に関する事項、つまり事業全体に関する事項などに限られることとか、あるいは企画、立案、調査、分析の業務と一体的に営業を行うものであるということを定めているわけでございまして、また、法に基づく指針というのが後にできますけれども、そこで、店頭販売やルートセールス等、いわゆる単純な営業業務、これである場合などは対象業務とならないことを明示する方針でございます。
それからまた、もう一つの追加項目であります裁量的にPDCAを回す業務は、法律上、企画、立案、調査、分析の業務を行い、かつ、これらの成果を活用する業務という要件を定めるとともに、法律に基づく指針というのが今申し上げたようにまたできますが、この企画、立案、調査、分析の業務と組み合わせる業務が……(発言する者あり)答えていますのでちょっと聞いてください。個別の製造業務や備品等の物品購入業務あるいは庶務経理業務などである場合は対象業務とはなり得ないということを明確にする予定でございます。
こうした法律及び指針による制度の趣旨に即した限定等により、対象となる方々の数は相当程度絞られることになるというふうに考えておりまして、お示しする具体的な数字というのはなかなか難しいわけでありまして、しかし、例えば何百万人とかそういうような単位では決してないという、限定的な今回の拡大の方法でございます。
■西村(智)委員
これも本当に端的に答えていただければ、最後のところだけ答弁していただければよかったので、大臣、その前のところは結構でございますので。
私は、これはやはりどの程度ふえるのかわからないというふうに思います。私は、むしろこれが非常に拡大するという方向でふえるのではないかというふうに本当に懸念をしています。
この前、我が党の部門会議のワーキングチームの中で、裁量労働制の働き方をしていた息子さんが亡くなったという御遺族の方からお話を伺う機会がありました。本当に胸が詰まるようなお話で、いたたまれませんでした。私たちは、やはりそういったことは防止していかなければいけないというふうに思う、それが立法府の責任だと思っております。
彼のケースは、入社二年目で裁量労働制だというふうに言われたということなんです。採用二年目で、あなたは裁量労働制ですよと言われたときに、一体どういうふうにそれを拒否することができるだろうかというふうにその御遺族の方はおっしゃっておられました。つまり、こうした使用者側と労働者側との力関係の中で、あなたは裁量労働制ですよと言われたら、それはやはりなかなか断ることができない。こういう力関係にあることを念頭に置いて、私はやはり、今回の労働基準法の見直しというのは議論していかなければいけないと思う。そうでなければ、過労死なんかゼロにできないじゃないですか。
私たちは、昨年、過労死防止のための議員立法、行われました。そのときの趣旨はそういうことだったはずなんですね。過労死で亡くなる人をなくそうということだったわけですけれども、今回、裁量労働制が拡大されていった先に、また過労死がふえてしまうというようなことがあったら、一体誰が責任をとるのか。法案を提出した大臣及び政務三役の皆さん、また厚生労働省の皆さんにも責任があることだと思っております。ぜひこの点は今後も議論を続けていきたいというふうに思います。
最後に一点、社会保障関係費について伺いたいと思います。
消費税の八%への導入が行われましたけれども、一〇%への引き上げは延期をされました。社会保障の充実策のうち、年金への上乗せ給付と、それから年金受給資格期間の短縮は先送りされた。そして、低所得の高齢者の介護保険料の軽減策は、大幅に縮小をされました。安倍政権は、消費税率の引き上げを延期したのであるから、社会保障の充実を限定することは当然だというふうに言わんばかりの対応だというふうに思います。
しかし、私たちが社会保障と税の一体改革で皆さんにも合意をいただいて決めたときには、少なくとも、消費税の引き上げ分の五%のうちの一%は社会保障の充実のために使いましょうということだったわけですけれども、今回の引き上げ分は一・三五兆円、一%には達していないわけであります。本当にこれは財源を捻出できなかったんですか。安倍政権の社会保障と税の一体改革に関する姿勢が問われています。
■塩崎国務大臣
今先生御指摘の、年金の、一つは低年金者に対する配慮と、それから二十五年を十年にするというものと、それから介護保険料の軽減策でありますけれども、それぞれ、できるところは我々としても、特に介護保険料については、低所得者については二段に分けたうちの一段目はちゃんとやるということでありますし、また、少子化対策としての子ども・子育て支援新制度は、これはもう全部やるというようなことで、優先順位をつけて社会保障についてはやったところでございます。
先生方も、政権を担っておられたときのことを考えてみれば、なかなか、安定財源を確保した上で、この一体改革の中で恒久的な制度として導入しなければいけないものとして今の年金の配慮も、それから介護保険料についての配慮もあったと思うわけでありまして、我々としては、できる限りのことを優先順位をつけてやった結果がこういうことだということで、できる限りの精いっぱいのことはやったというふうに考えております。
■西村(智)委員
民主党政権であったら、私は、社会保障の充実の部分については必ず確保するようにできたというふうに思います。
そのことを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。