■田村憲久委員
震災関係のことをずっとやらせていただいておりましたが、きょうは、このつなぎ法案の議論が本題でございます。大臣、23年度子ども手当法案、これは撤回されるつもりはないんですか。
これは私、不思議で仕方がないんですけれども、これはよくよく考えると、今度民主党さんが出された法案、このつなぎ法というもの、これは半年間の、6カ月間の期限の法律ですね、時限立法。つなぎですから当たり前ですよね。ところが、23年度の子ども手当法案も時限立法なんですよ、一年間の。つまり、一年間の時限立法、これもある意味つなぎなんですよね。これをさらに短い半年でつないでしまうというような、わけのわからない構成になっているんです。しかも、期間が同じなんですよね。この4月1日から10月までは、両方ともが同じ期間、併用しているんです。
ということは、本来ならば、大臣、これは政府・与党一体ですから、まず23年度子ども手当法案を撤回いただくところから始まらないと次の議論ができないと思うんですが、撤回いただけませんか。
■細川律夫厚生労働大臣
この子ども手当法案、私どもといたしましては、この23年度の子ども手当法案、これは最善の法案だと思って提案をしたところでございます。しかし、残念ながら、この年度末までにはとても可決できるようなそんな状況ではありませんので、それで与党の方からいわゆるつなぎ法案が出てきた、こういうことでございます。
私としましては、このつなぎ法案を可決していただいて、そのつなぎ法案が終われば、当然、その先どうするか、こういうことになるわけですから、その点については、これは各党いろいろ御意見もございますから、そこには真摯に耳を傾けて、子ども手当法案、委員の言葉で言わせれば、そういう意味では、あくまでも23年度の子ども手当法案にこだわるということはないということは申し上げたいと思います。
■田村(憲)委員
いや、それなら撤回いただいて、つなぎ法案の後からできる法律というものをもう一回出し直していただければいいので、なぜこれを撤回されないのか、さっぱりわからないんですよ。本会議で撤回を言っていただけばいいわけでしょう。そんな難しい話じゃないと思うのに、これを撤回していただければ、我々も委員会審議にすんなりと、賛成するかどうかは別ですけれども、参加はできたんですよ。委員長が職権できょう採決を決める必要はなかったんです。これは、私は大臣の責任だと思いますよ、撤回していただかないのは。
今度、提案者の方にお聞きしますけれども、これは4月1日からですよね、スタートが。ということは、子ども手当の4月1日からかぶっている部分は否定しているということになるんですが、子ども手当を認めていないということでいいんですか、その期間は。
■渡辺(周)議員
この議論につきましては、我々、とにかく、政治情勢の中で、今回この23年度のそもそもの子ども手当法が通らないという上で、新たな制度をさまざまな党と、これはいろいろ御提案いただいております。恒久的な制度の構築に向けて幅広く意見を真摯に受けとめるという意味で、いいものをつくるということを前提に、我々はこれから皆さんとお話をさせていただきたいと思います。
当面、さまざまな自治体の事務作業等に影響を及ぼさないように、当面の23年度の単純つなぎ法案という形で何とか御理解をいただいて通しながら、その間に新たな制度をつくる。そして閣法の方については、それは合意が、各党各会派とよりよいものをつくるということができるのであれば、政府の方でも適切に判断されるのではないかな、我々はそういうふうに考えております。
■田村(憲)委員
どれだけ聞いても解せないんです。それはなぜかというと、政府が出された法律を、与党、それを支える与党が完全に否定をしちゃっているんですよ。
国税、地方税の方、あれは要するに、政府提出法案を与党がかき消すような法律をつくりづらいだろうからということで、結果的には自民、公明がそのつなぎ法を出しているんです。これは理屈はわかりますよね。政府のもの、これを与党が否定はできないだろうから野党が否定したんだ、それに与党が乗ってきた、これはまだわかりますよ、まだ。
この子ども手当のつなぎ法案は、政府が出したものを、同じ期間がかぶっているんですよ、それを与党が否定して出すなんということが、こんなことは私、日本の議院内閣制の政治の中においてあり得たら、もうこれは成り立たないんじゃないのかなと思うわけでありまして、さっぱり理解ができません。理解ができないからどう思うんだとお聞きしても、多分提案者の皆さんも、我々も理解ができないというふうに思われるんだろうと思います。至極政治的な、政局的な問題なんだろうと思いますから。
いや、もし、きれいに今の私の質問にお答えできる自信があるのなら、挙手をいただいて、お答えいただいても結構でございますけれども、挙がりますか。
■西村智奈美議員
今ほど渡辺提出者がお答えになったこととまた重なるかもしれないんですけれども、政府の法案は政府の法案として、それは政府の立場から最善のものとして出されたものであると思っております。党の中でも、この政府の法案については、それは私たちが考える方向性と一致するというふうに思っておりました。そういう提言を党の側からも政府に対して出しており、そしてそれを踏まえる形で政府の方で立案していただいたものであるということが理由です。
しかし、事この期に及んで、4月1日の施行期日までに法案成立のめどがなかなか立たない。これは各党からいろいろな御意見をいただいておりますし、私たちもそれに真摯に耳を傾けて、今後の子ども手当のあり方については時間をかけて議論してまいりたいというふうに考えております。しかし、さまざま事務作業などのことを考えると、どうしてもこれはつながなければいけないということで提案をさせていただいております。
■高橋千鶴子委員
日本共産党の高橋千鶴子です。
まず、本当に残念に思うのは、今回、このような形で子ども手当つなぎ法案という審議になったことであります。この子ども手当の法案は、今年度も来年度も、単年度限りの法案として提出されていました。今回のように、来年度の子ども手当、どうなるのかわからない、毎回こうでは国民に信頼される制度とは言えません。
我が党は、子育て支援は総合的に進めるべきで、現金給付と現物給付を車の両輪のようにバランスをとりながら拡充すべきだと考えています。その上で、支給額については当面1万3千円を維持しながら、安定的な制度をつくるべきだと考えています。提案者の見解はどうでしょうか。
■城島議員
まさしく我々も、現金給付と現物のサービスというのは車の両輪だというふうに思っております。したがって、バランスをとりつつ総合的に拡充していくべきだと思っております。
23年度の子ども手当につきましては、いわゆる24年度以降の年少扶養控除等の廃止に伴う地方税の増収分、この取り扱いについて、残念ながら、地方と協議を重ねてまいりましたけれども合意に至らなかったというところが単年度になった原因でありますので、ここはしっかりと協議しながら、我々も当然恒久法にしたいというふうに思っておりますので、しっかりとそういう安定的な制度にしていきたいというふうに思っております。
■高橋(千)委員
今お話があった年少扶養控除が廃止されているために、結果として負担増が生まれますよね。そのことについてどう手当てをされていきますか。
■西村智奈美議員
特に3歳未満の手当額は、所得減要因と所得増要因によりまして実質手取り額の逆転現象が起きます。正直に申し上げまして、私たち党の立場からいたしますと、この逆転現象は解消したいというふうに考えておりました。しかし、各党さまざまな御意見があって、短期間では合意を得ることが難しいということから、与党として、国民生活や地方の現場に混乱が生じないように、今回、緊急的につなぎ法案を提出したところでございます。
現物給付と現金給付の車の両輪でやはり子育て支援というのは進めていくべきであろうと考えております。