■江田(康)委員
国内排出量取引制度について御質問をさせていただきます。
政府案において、国内排出量取引制度において温室効果ガス排出量の限度を定める方法について、総量方式を基本としつつ、生産量などの一単位当たりの排出量の限度として定める原単位方式の検討も盛り込んでいるところでございます。このことについてお伺いをしていくことにいたします。
これは外務省にお聞きいたしますが、原単位目標を認めることは、まずは現行の京都議定書目標達成計画では、産業界の自主行動計画において、原単位目標に加えて総量目標を設定するよう働きかけることとしております。また、国内排出量取引制度とは、排出枠の交付総量を設定した上で個々の企業に配分するものであることが明確に定義をされております。そして総理は、この基本法の閣議決定の前に、基本法を骨抜きにさせないということで強く答弁をされました。原単位目標を検討していくというこの表記は、旧政権で閣議決定された内容よりも明らかに後退していると言わざるを得ないんです。
それで、外務省にお聞きいたしますが、原単位目標を認めることは、排出量取引制度の根幹である総量削減の担保を放棄するもので、次期国際枠組みのもとで設定される我が国の国別総量削減目標を達成するための柱となる政策としては不適当であるということを一貫して我々は申し上げてまいりました。これは諸外国に日本の政策の後退を強く印象づけるものになるのではないか、次期枠組み交渉の進展に大きな影響を及ぼすものであると思いますけれども、その見解をお聞きします。
■西村智奈美外務大臣政務官
まず先ほど委員おっしゃった、閣議決定よりも後退しているのではないかという点でございます。私に対する質問ではありませんが、部分含まれていると思いますので申し上げますと、閣議決定を前政権でされた後、前政権では法案立案というところまでは至らなかったわけでございます。今まさにCOP16に向けて議論が始まっている中で、我が国において環境対策基本法案がまさにプロセスにあるということは各国から高く評価をされておりますので、決して後退はしていないということをまず申し上げたいと思います。しかも前進をしているということを申し上げたいと思います。
そこで、お尋ねの件でございますけれども、本法案の立案過程におきましては、閣僚の間で大変真剣な議論が行われました。その結果として、総量方式を基本としつつ原単位方式も検討するとされたところでございます。これは先月、福山副大臣から委員に答弁を申し上げていることの繰り返しになってしまうんですけれども、この法案の規定からも、両方式の重要度の違いはおのずと明らかであろうというふうに考えております。
着実な排出削減が図られる制度となるように、早期に具体的な制度設計を行い導入を図るべきでありまして、外務省としても積極的に議論に関与してまいりたい考えでございます。